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全国保険医団体連合会は、2023年10月1日以降に起きた「マイナ保険証」のトラブルを調査。この調査には8672医療機関が参加し、そのうちの半数以上である、59.8%の医療機関にて「マイナ保険証またはオンライン資格確認に関するトラブルがあった」と回答したことがわかりました。 ▼マイナンバーカードと健康保険証の一体化についての記事はこちら。 まだまだ続くマイナ保険証のトラブル 全国保険医団体連合会がおこなった今回の調査では、医科診療所、歯科診療所、病院など全部で8672医療機関が参加。「2023年10月1日以降にマイナ保険証またはオンライン資格確認に関するトラブルが起きたか」の質問には半数以上の59.8%の医療機関が「トラブルがあった」と回答しました。 マイナ保険証またはオンライン資格確認に関するトラブルの内容は以下です。 名前や住所で●が表記される(67%) 資格情報の無効がある(49%) カードリーダーでエラーが出る(40%) 該当の被保険者番号がない(25%) 名前や住所の間違い(21%) 主に、オンラインで保険の資格が確認できない、名前・住所が違うなどのトラブルが多く発生しています。マイナ保険証またはオンライン資格確認に関するトラブルの発生割合は、2023年6月におこなった調査の結果とほとんど変わらず、トラブルの解消は見られませんでした。 2024年秋の健康保険証廃止に反対派が多数 健康保険証は2024年秋に廃止が予定されており、廃止後はマイナ保健証に統一する予定だと発表されています。 今回の調査で「2024年秋に実施される健康保険証の廃止について」の質問では、「保険証は残すべき」と回答した医療機関は79.4%もあることが判明。マイナ保険証またはオンライン資格確認に関するトラブルが発生した際に、その日に持ち合わせていた健康保険証で資格を確認し対応する場合が多いため、健康保険証がないことに不安を感じる医療機関が多いのだと考えられます。 課題が山積みになっているマイナ保険証。まずはスムーズに問題がなく使えるようになる体制を整えていってほしいですね。
2024/02/27
予防医学や健康づくりなどをテーマにした書籍を販売しているメディカル・ケア・サービス株式会社は2023年12月21日、『かかりつけ薬剤師と進める50歳からの上手な薬の終(しま)い方』という本を発売しました。 著者は臨床薬理学者の中原保裕(なかはら・やすひろ)氏。中原氏は著書の中で「薬そのものに病気を治す力はない」と繰り返し訴え、薬の正しい選び方と使い方、止め方について専門的な知見をもとに解説しています。 薬の2大原則を知って正しい理解を 高齢になるにつれて高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。診察に行く度に薬の数が増えている人も少なくないでしょう。中には「一生薬に頼っていかないといけないの?」「また薬が増えたらどうしよう」と悩んでいる人もいるかもしれません。 本書では、こうした薬にまつわる悩みを持っている人に対し、臨床薬理学者の中原氏が薬の正しい選び方と使い方、止め方などを詳しく解説しています。 中原氏は著書の中で、「薬の2大原則」を提示。その内容は以下のとおりです。 原則1:薬には病気そのものを直接治す力はない 原則2:薬は安全だから使うのではなく、必要だから使う 生活習慣病などで処方される薬のほとんどは病気を直接治すものではなく、あくまでも症状を改善するものです。 その代表例として本書で紹介されているのは高血圧の薬。高血圧の薬は血管を広げたり血管を流れやすくしたりして、一時的に血圧を下げているのだと言います。つまり、高血圧の根本的な原因である生活習慣を改善せずに薬を止めれば、また血圧は上がってしまうのです。 もうひとつ本書で紹介された薬の原則が「薬は安全だから使うのではなく、必要だから使う」というもの。薬には程度の大小こそあれ、必ず副作用が存在します。その副作用よりも服用した方がメリットが大きいと判断されたから、処方されているのです。 したがって、薬の副作用をむやみやたらに恐れ、自己判断だけで薬を中断するのは、病気を治しにくくしてしまう行為だと言えるでしょう。 情報を精査し、病気の自己管理を 現在、必要以上の薬が処方される「多剤服用」が問題となっています。自己判断だけで薬を中断するのは危険ですが、一方で処方せんにまったく疑問を抱かず惰性で薬を飲み続けるのも良くありません。 中原氏は、「薬の処方に疑問を持ったら、まずは『薬の2大原則』に照らし合わせて考えてほしい。この原則を知っていれば、自分の飲んでいる薬が本当に必要なものか考えられるようになる」と話しています。 また、最近では医師や薬剤師にチャットで病気や薬の相談ができるウェブサービスも開発されています。服用している薬に疑問点があれば、こういったサービスを利用してみるのも良いかもしれませんね。
2023/12/22
以前の記事で、認知症に効く薬「レカネマブ」について紹介しました。今回はその続報です。 製薬大手のエーザイ株式会社とバイオジェン・インクが開発した認知症治療薬「レカネマブ」が、保険適用の対象となることが正式に決まりました。 保険適用が開始されるのは2023年12月20日からとのこと。また、レカネマブの価格は患者1人当たり年間およそ298万円になるとみられています。 レカネマブの概要と注意点 今回、保険適用となった「レカネマブ」とはどのような薬なのでしょうか? レカネマブは患者に点滴することで、アルツハイマー病の原因物質とみられる異常なたんぱく質「アミロイドベータ」に直接働きかけ、取り除く効果が期待される初めての薬です。 認知症の進行を遅らせる効果がある一方、投与する際に留意しなければならない注意点もあります。具体的には以下の3つです。 投与できるのは軽度のアルツハイマー病がある患者のみ 10人に1人の割合で脳出血などの副作用 対応できる医療機関は限定的 レカネマブを投与できるのは、「軽度のアルツハイマー病」を患っている患者のみ。中程度以上のアルツハイマー病がある人や、レビー小体型認知症などアルツハイマー病以外が原因の認知症には適用できないといいます。 また、研究機関等で実施された治験では、およそ10人に1人の割合で脳出血などの副作用が報告されています。 さらに、副作用が起こっているかどうかを確認する必要があるため、レカネマブを使った治療は脳内の画像診断などの検査ができる医療機関でおこなわれます。画像診断ができる装置は小さなクリニックにはないことも多く、対応可能な医療機関が限られることも懸念点のひとつです。 レカネマブの保険適用が正式に決定 複数回にわたる会合の結果、レカネマブは今年の12月20日から保険適用の対象となることが正式に決まりました。 このことを受けて、エーザイは12月13日、文京区にある本社で会見を開きました。会見の中で、CEOの内藤晴夫氏は「改めて責任の重さを痛感している。認知症当事者に薬が届けられるよう全力を尽くしていく」と話しています。 保険適用となったことで、認知症治療の選択肢が今後さらに増えていきそうです。現在、認知症の家族がいる人は、主治医と相談して最適な治療法を選んでいきたいですね。
2023/12/15
医療者向けのAI機器の開発などを手がけている株式会社Meduranceは、今回新たな医療音声認識AIツール「RABBIT」をリリースしたことを明らかにしました。 看護師の業務の中でも特に業務量の多い看護実施記録(看護師がおこなったケアの過程を記録すること)の負担を減らし、業務改善につなげるねらいがあるといいます。 看護業務の実態を調査 東京医療保健大学は、看護業務の実態を探るため、全国の47ヵ所の病院に勤める955人の看護師を対象に、タブレットを用いて業務時間を測定するタイムスタディ調査をおこないました。 その結果、1日24時間の看護業務の中で「日々の看護実施記録」を占める時間が最も多く、その行為時間は合計で173分に上ったことが判明。それから、多い順に「排泄介助や片付けなどの患者ケア」「血圧や体温などのバイタルサインの測定」「患者からの情報収集」「看護師間の申し送り(情報共有)」といった回答が続きました。 また、残業としておこなわれた看護業務についても調査。そこでも最も時間が長かったのは「日々の看護実施記録」であることが明らかになりました。以上の調査結果から、多くの看護師は看護実施記録の作成に多大な時間と労力を費やしていることがわかります。 医療音声認識AIツール「RABBIT」をリリース 今回、株式会社Meduranceは新たな医療音声認識AIツール「RABBIT」をリリース。大規模な医療用語の音声データを学習させた最新のAIを搭載しているため、専門的な医療用語の音声もスムーズに認識できるようになったといいます。 担当者は、「RABBIT」を看護現場で使うことで記録時間を短縮できるほか、短時間で記録を終えられるため、記録忘れの防止にもつなげられるとしています。 看護師や介護士の中には、タイピングが苦手で速く文字を打てないという人も少なくありません。今回紹介した「RABBIT」がさまざまな施設で普及していけば、よりスムーズに記録ができるようになりそうですね。 参考:「効率的な看護業務の推進に向けた実態調査研究」(東京医療保健大学)
2023/10/06
2024年度に東京科学大学として統合される予定の東京工業大学と東京医科歯科大学が、認知症やがんなどに有効な新薬の開発を目指す、共同研究組織を設立することを明かしました。 共同研究組織の名称は「中分子創薬コンソーシアム」。既存の薬では治療が困難な病気にも優れた効果を発揮する次世代の医薬品「中分子薬」の開発をしていくといいます。 中分子薬について ところで「中分子薬」とは、どのような医薬品なのでしょうか? そもそも、医薬品は病気に有効な物質の大きさで分類され、小さなものから「低分子薬」「中分子薬」「高分子薬」と呼ばれています。その中で、低分子薬は製造コストが低く、従来の飲み薬のほとんどを占めています。 一方、遺伝子組み換え技術などで製造される高分子薬は、がんなどの疾病に高い効果が期待できるものの製造コストが極めて高く、投与手段も注射や点滴に限定され、使いにくいという難点があります。 そこで、現在世界中から注目を集めているのが、今回取り上げる中分子薬です。中分子薬は化学合成による大量生産が可能なため、製造コストも抑えられ、一部は低分子薬のように経口摂取も可能。なおかつ、低分子薬以上に高い効果が期待できるといいます。 「中分子創薬コンソーシアム」の創設が決定 今回「中分子創薬コンソーシアム」を創設し、薬の共同開発を目指すのは、東京工業大学と東京医科歯科大学。薬の合成で高い技術を持つ東京工業大学と数々の医学研究をおこなっている東京医科歯科大学、さらに複数の製薬企業が連携して、効果を最大化していくといいます。 今後、両大学の研究者100人ほどの参加を目指し、中分子薬の研究組織としては国内最大規模になる見込みだそうです。 東京医科歯科大学の副学長は「異分野の研究者が日常的に議論することで、技術革新につなげていきたい」と話しています。 医療が発達すれば、それだけ高齢者が長く健やかに生きられる社会の実現に近づきます。今後の動向に注目していきたいですね。
2023/08/31
2023年8月23日、厚生労働省は氏名などの情報が記載されたカードや文書を配布することを明らかにしました。 健康保険証が廃止される来年秋以降も、一部の医療機関ではシステムの未整備などでマイナ保険証が利用できない状態が続くとされており、必要な情報を記載したカードを作ることで保険診療を受けられるようにするねらいです。 資格情報を示すカードを配布 厚生労働省が新たに配布するカードや文書は「資格情報のお知らせ」と命名される予定で、保険診療を受けるのに欠かせない被保険者番号や窓口での自己負担割合などを記載するといいます。 一応、全国の保険医療機関や薬局は今年の4月からマイナ保険証を読み取る資格確認システムの導入が義務付けられているものの、医療機関の代表者が高齢だったり廃業を予定していたりする場合はシステムの導入が免除されます。 そのため、一部の医療機関では従来の保険証が廃止されてからも、システムでの資格確認が不可欠となるマイナ保険証を利用できない可能性があり、今回のカードや文書の配布をおこなうことになったのです。 配布されるカードや文書だけでは保険診療ができない? 注意が必要なのは、個人の情報を確認するために配布されるカードや文書だけでは、医療機関で保険診療を受けられないということ。保険診療を受けるためには、マイナ保険証と一緒に提示する必要があるため、医療機関を受診する際は常にマイナ保険証を携帯しておきたいですね。 保険診療を受けるのに必要な情報を記したカードや文書は来年秋以降、新たに健康保険証を取得する人に配布する予定。その他の人の取得方法などについては今後議論を進めていく方針です。 健康保険証の代わりとなる資格確認書やマイナ保険証とは異なる新たな対応策が示されたことで、医療機関の窓口で混乱が生じるおそれが懸念されています。なるべくスムーズに対応できるように、政府には周知を徹底してもらいたいですね。
2023/08/29
来年の秋ごろに現行の健康保険証を廃止し、健康保険証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ保険証」に統一する予定だとしていますが、全国でマイナ保険証をめぐるトラブルが相次いでいます。 ▼マイナンバーカードと健康保険証の一体化についての記事はこちら。 これを受けて、山口県保険医協会は高齢者施設を対象に健康保険証とマイナンバーカードに関する調査を実施。その結果、健康保険証の廃止に賛成を示した高齢者施設はわずか3%程度であることが明らかになったのです。 健康保険証の廃止に「賛成」はわずか3% 山口県保険医協会はマイナ保険証に関する現場の声を探るべく、2023年5月末~6月中旬にかけてアンケート調査を実施。対象となったのは、特別養護老人ホームや老人保健施設など全国454の施設で、そのうち187施設から回答があったそうです。 アンケートではまず、政府が来秋実施する予定である健康保険証の廃止に関して尋ねたところ、保険証の廃止に賛成の意を示した高齢者施設はわずか3.2%にとどまり、過半数の66.3%の施設が「廃止に反対」と回答したことがわかりました。 次に、「利用者の健康保険証を施設で管理しているか」と尋ねると、89.3%とほとんどの施設が「施設で管理している」と回答。一方、マイナンバーカードの管理についても尋ねたところ、今度は90.9%の施設が「施設では管理できない」と回答したことが明らかになったのです。 その理由を複数回答で尋ねると、85.9%の施設が「マイナンバーカードや暗証番号を紛失したときの責任が重い」と回答していたことが判明。また、「不正利用や情報漏洩(ろうえい)の懸念がある」という回答も67.1%に上りました。 マイナカードの申請に対応できない施設が90% また、高齢者施設の利用者には自分でマイナンバーカードを申請するのが困難な人が多いため、国は施設に対して自身でマイナンバーカードの申請が難しい人の支援を要請していますが、今回のアンケートでは90.9%の施設が「対応できない」と回答したことが判明したのです。 理由を複数回答で尋ねたところ、「本人の意思確認ができない」「手間や労力がかかって対応できない」という声が多く挙がりました。 2023年6月28日におこなわれた会見で、山口県保険医協会の会長は「急ぐ必要はない。健康保険証は従来通り残すべきだ」と訴えました。 課題が山積みになっているマイナンバーカード。使う人がうまく対応できるように議論を深めていってほしいですね。
2023/07/04
2023年5月16日、厚生労働省は新型コロナの今後の対応に関する事務連絡を改正。医療提供体制を見直し、より多くの医療機関で診察を受けられる体制を整えていくねらいです。 幅広い医療機関で受診可能な医療体制に向けて 2023年5月8日、新型コロナの感染法上の位置づけが2類からインフルエンザと同等の5類に変更されました。 これを受けて厚生労働省は、5月16日に新型コロナの今後の対応に関する事務連絡を改正。幅広い医療機関で新型コロナの患者が受診できる医療体制に向けて、段階的な移行を目指すことにしました。 発布した事務連絡では、今後は以下のように医療提供体制が変わるとしています。 新型コロナに感染したことを理由にした受診拒否は違反となる 新型コロナ未対応の病院には、まず「自分の病院の患者で新型コロナに罹患した人は、引き続き自分の病院で治療をおこなう」ことから始めてもらう 高齢者施設での感染拡大を防ぐために、医療機関と介護施設の間でオンライン診療などを活用する もし、自分の病院で新型コロナ患者を診察するのが難しい場合には、対応可能な医療機関に対応を依頼したり、患者に対して受診可能な医療機関を伝えたりなどの対応が必要になるとしています。 医療費も原則自己負担に 新型コロナが5類に変更となったことで、これまで公費で支払っていた医療費も原則自己負担となります。 ただ、新型コロナの治療薬は、同じく5類感染症であるインフルエンザの治療薬と比べて高額になりがちです。そこで政府は、2023年9月までは治療薬を公費負担とするという緩和措置を設け、国民の急激な負担増加を和らげました。 9月以降については、「インフルエンザなどのほかの疾患との公平性や、薬の在庫状況などをもとに判断する」としています。 高齢者の中には生活が苦しい人も少なくありません。生活が困窮しているため治療が受けられないという人を出さないために、適切な支援策を講じてほしいですね。 参考:「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」(厚生労働省)
2023/05/22
2023年4月10日、日立製作所と阪急阪神ホールディングスは新たなヘルスケアサービスの実装に向けた検証をおこなうことを発表しました。 地域包括支援サービス「阪急阪神みなとわ」に、医療データを記録するアプリを連携させることで、医療・介護現場の業務改善や疾患の再発防止を図るとしています。 「阪急阪神みなとわ」とは そもそも、「阪急阪神みなとわ」とは何でしょうか? 「阪急阪神みなとわ」とは、2019年に立ち上げられた高齢者の医療や介護に必要な情報を共有可能なクラウドサービスのこと。具体的には以下のようなことができるとしています。 介護保険資格情報や既往歴、緊急連絡先などの本人データの登録と参照 日頃の様子や気になる点など、高齢者のケアに必要な生活情報の共有 書類の関係者間での共有 体温や血圧などのバイタルサインの共有 生活情報の共有は、写真や動画でもおこなえるとのこと。また、バイタルサインはグラフでデータ化されるそうです。 健康データをより詳細に記録可能に 4月10日におこなわれた発表によると、「阪急阪神みなとわ」に、健康診断の結果や服薬の履歴など医療や介護に関する情報を収集可能な「PHRアプリ(電子生涯健康手帳)」や治療経過を共有する「地域連携手帳」を紐づけ。現場の負担が軽減されるかや疾患の重症化と再発防止につながるかどうかを検証するそうです。 具体的には、高齢者のバイタルサインや問診結果をPHRアプリや地域連携手帳に入力することで、そのデータを「阪急阪神みなとわ」を通じて医療機関や介護事業所と共有できるようになるとのこと。これにより、医療・介護従事者や家族が高齢者の健康状態をタイムリーに把握し、より適切かつ円滑に治療やケアをおこなえるようになるとしています。 介護現場で業務をスムーズに実行可能にするためには、業務のデジタル化が不可欠です。このようなサービスが他の地域でも普及していけば、介護・医療従事者が働きやすくなるかもしれませんね。 参考:(阪急阪神みなとわ公式HP)
2023/04/18
以前お伝えした記事で、政府は2024年の秋までに今までの健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる案(以下、健康保険証廃止法案)を推し進めていることについて書きました。今回の記事は、それに対する高齢者施設の反応についてです。 ▼マイナンバーカードと健康保険証の一体化についての記事はこちら。 全国保険医団体連合会は政府が進めている健康保険証廃止法案について、全国の高齢者施設を対象に調査を実施。その結果、過半数以上の施設がこの法案に反対していることが明らかになったのです。 全国の高齢者施設を対象に調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれました。 調査期間:2023年3月24月~2023年4月10日 対象:日本全国の高齢者施設8980施設 回答数:1219 調査手法:アンケート 回答方法:グーグルフォームもしくはFAX 約6割の施設が健康保険証廃止法案について反対 アンケートで、まず健康保険証廃止法案についてどう思うか尋ねたところ、「反対」と回答した施設が59.2%と過半数を占めていたことが明らかになりました。また、「どちらでもない」と回答した施設が33%で、「賛成」と回答した施設はわずか7.8%でした。 次に、「利用者のマイナンバーカードの代理申請に対応できるか」と尋ねると、「対応できる」と回答した施設はわずか6.5%で、90%以上の施設が「代理申請に対応できない」と回答したことが判明。対応できない理由も複数回答で尋ねたところ、「本人の意思確認ができない」という回答が83%、「手間や労力がかかって対応できない」という回答が79%に上ることが明らかになったのです。 続いて、「利用者のマイナンバーカードを管理できるか」と尋ねました。すると、94%の施設が「対応できない」と回答したことが判明。その理由も複数回答で尋ねると、「カードや暗証番号の紛失時の責任が重い」と回答した施設が91.1%に上りました。それから、「カードや暗証番号の管理が困難」「不正利用や情報漏洩の懸念がある」などの回答が続きました。 マイナンバーカードと保険証が一体化すると、患者の医療データや薬の使用歴の照会が簡単になるなどのメリットもありますが、高齢者施設側はそれを享受できるだけの体制が整っていないのが実情。政府には、高齢者施設の実情を踏まえながら議論を深めていってほしいですね。
2023/04/17
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。