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デンタルサポート株式会社は、超音波(エコー)を使用した摂食嚥下のリスクを判定するプログラムおよび嚥下評価システムの特許を取得。より便利で安全に嚥下評価プログラム・嚥下評価システムの利用を実施するため、早稲田大学と共同で検査デバイスの開発を進め、実用に向けた事業展開をしていると発表しました。 嚥下評価プログラム・嚥下評価システムとは デンタルサポート株式会社が発表した「嚥下評価プログラム・嚥下評価システム」とは、超音波(エコー)を使用し、食べ物を飲み込む時の咽頭部周辺の筋肉の動きを数値化して評価するシステムです。 今回開発した嚥下評価システムでは、検査時の身体の負担が少なく、誰でも簡単に、かつ明確な摂食嚥下の状態を判断できます。また、嚥下評価システムの結果をもとに、その人に合った「摂食嚥下機能改善プログラム」を作成することも可能です。 デンタルサポート株式会社は「最後まで自分の口から食べられる社会」を目標にかかげ事業展開をしているそうです。 そもそも摂食嚥下とは そもそも摂食嚥下とは、食べ物を食べる時の動作のこと。人は口に物を入れると、食べ物が認知され、口腔、咽頭、食道を通り、食べ物が胃に届きます。食べ物や飲み物が胃に届くまでの間に、何かしらの障害が起こる人は摂食嚥下障害と判断されます。 食べ物や飲み物が胃に届くまでの間に起こる障害とは、例えば以下です。 歯を失っており、食べ物が噛めない 舌の動きが鈍い 唾液の分泌が少ない 飲み込む力が弱い 高齢になると、歯が悪くなったり、物を飲み込む力が弱くなるなど、さまざまな機能低下が起こるでしょう。高齢者の中には薬を飲んでいる方も多いので注意が必要です。 口の機能が低下すると食事を楽しめません。口の体操や唾液腺のマッサージで改善できることもあるので、日頃から意識して口腔機能を維持しましょう。
2024/02/14
新たな研究で、一人暮らしでペットを飼っている人はそうでない人に比べて、認知機能の低下を抑えられる可能性が高いことがわかりました。 この研究は50歳以上の7945人を対象におこなわれ、結果は米国医師会雑誌にて掲載されています。 ペットを飼っていると認知機能の低下が穏やか 今回の研究では、50歳以上のシニア世代7945人を対象に「一人暮らしでペットを飼っている人」「一人暮らしの人」「同居人がいる人」に分け、言語認知機能、言語記憶、言語流暢性などの認知機能の状態を比較しました。 研究結果では、一人暮らしでペットを飼っているグループは、ほかのグループと比べて認知機能の低下が一番緩やかであることがわかりました。また、ほかのグループと比べて認知機能の低下が早かったのは一人暮らしのグループでした。 この研究をおこなった中国の中山大学の李氏は「犬や猫などを飼うことは孤独感の軽減と関連する。孤独感は認知症や認知機能低下の重要なリスク因子だ」と分析しています。 ペットを飼うのが難しい高齢者もいる 動物と触れ合うと、ストレスの緩和、精神的な落ち着きなどの癒しの効果や活動性の向上を促すと言われています。しかし、もともとペットを飼っていない人が高齢になってからペットを飼い始めるのは、毎日のお世話やしつけ、寿命などが気になり、難しく感じる人もいるでしょう。 高齢者がペットを飼えるように支援する団体もありますが、ペットを飼う以外にも動物と触れ合う方法があります。 ペットと触れ合える機会は、例えば以下です。 犬のお散歩ボランティア 馴化ボランティア ミルクボランティア 譲渡会 ペットに関するボランティアは、お散歩など時間が短いものから、人に馴れさせるための馴化ボランティア、親のいない犬や猫などの赤ちゃんを育てるミルクボランティアなど一時的に家に迎えて預かるものもあります。 昨今では「ペットがほしいけど最後まで飼えるか不安」というシニア層に、保護されている犬や猫などの「受け皿」になってもらおうという動きが広がっているのです。 高齢の一人暮らしになると周囲との交流が減ってしまいがち。ペットとの交流やボランティアに参加することで生きがいが見つかるのは良いですね。 参考:「共に生きる 高齢ペットとシルバー世代」(環境省)
2024/02/09
新たな研究で、糖尿病の人はそうでない人に比べて、腰痛を引き起こす可能性が高いことがわかりました。 この研究はイランのタブリーズ医科大学によっておこなわれ、研究結果はアメリカの科学雑誌に掲載されています。 糖尿病の人は腰痛など筋骨格系の痛みが現れる場合が多い 今回の研究では、317人の糖尿病患者を対象に腰痛の頻度を3ヵ月間隔で調査。すると、半数以上の63%の人が腰痛を経験していることがわかりました。 また、オーストラリアのシドニー大学の研究でも、糖尿病の症状がある人はそうでない人に比べて腰痛のリスクが35%高く、首の痛みのリスクは24%高いことが明らかになっています。 シドニー大学骨関節研究所のマヌエラ フェレイラ氏は「腰痛や、首や背中の痛みなどに悩まされている糖尿病の人は多いことが示されています」と指摘しました。また、「糖尿病を治療することで、腰痛の発生を減らすことができたり、その逆に腰痛を防ぐことで、糖尿病の治療も改善することが期待されます」としています。 糖尿病の人が腰痛になる理由 糖尿病の人が発症する腰痛は、主に以下があります。 糖尿病性神経障害(神経障害性疼痛) 感染症脊椎炎 肥満による腰への負担 そもそも糖尿病の原因は、体質などの遺伝的な要因と、運動不足や肥満などの生活習慣が組み合わさることです。 糖尿病の原因のひとつである肥満は、上半身が重くなり、腰に負担がかかります。また、糖尿病によって血流が悪くなることも腰痛の原因と考えられます。 糖尿病の人が発症する糖尿病性神経障害の主な症状は手足のしびれや痛みですが、糖尿病性神経障害が原因で腰痛を引き起こすこともあります。糖尿病性神経障害は、糖尿病と診断されてから10年ほど経過した糖尿病患者の約半数の人に症状が出るといわれています。 別の研究では、体重を減らすことで糖尿病を改善できるという結果も。普段のエレベーターの使用を階段にしたり、ウォーキングをしたりなど、普段の生活の中でできることから運動する習慣をつけるのが良いかもしれませんね。
2024/02/01
新たな研究で、歩行速度が速い人はそうでない人に比べて糖尿病リスクが低くなる可能性が示されました。 この研究はイランのセムナン医科大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「British Journal of Sports Medicine」という医学誌に掲載されています。 50万人以上のデータを統計的に解析 研究グループは、2023年5月までに発表された論文から、成人の歩行速度と糖尿病の関連性を調べた研究をリサーチ。すると、アメリカ、イギリス、日本でおこなわれた合計10件の研究が見つかったといいます。 それらの研究参加者をすべて合わせると、50万8,121人にも上るそうです。今回、研究グループは論文が示したデータを統計的に解析し、歩行速度と糖尿病の関連性を明らかにしていきました。 糖尿病リスクを減らせる歩行速度は時速4km以上 研究グループが論文のデータを解析した結果、歩行速度が時速3.2km未満の人と比べ、時速時速3.2~4.8kmで歩く人は糖尿病を発症するリスクが15%低くなることが判明。また、時速4.8~6.4kmで歩く人は糖尿病リスクが24%減少し、時速6.4km以上で歩く人は糖尿病リスクが39%も減少することが明らかになったと言います。 さらに、研究グループが以上のデータから糖尿病患者数への影響を推算したところ、時速3.2~4.8kmの歩行速度では100人当たり0.86人、時速4.8~6.4kmだと1.38人、時速6.4km以上では2.24人相当の糖尿病患者が減るだろうという結論に至ったそうです。 別の角度から解析をおこなった場合でも、時速4km以上の速さで歩けば糖尿病の発症リスクを抑えられる可能性が示されたと言います。時速4kmを具体化すると、男性では1分当たり約87歩、女性では約100歩に相当します。 以上の結果を踏まえ、研究グループは「健康のためにウォーキングの時間を増やす戦略は有効だ。それに加え、ウォーキングのメリットをさらに活かすためには、より速い速度で歩くと良いのではないか」と指摘しました。 早歩きには、糖尿病の防止以外にも認知機能の維持や高血圧の防止などさまざまな効果があることが多数の研究から示されています。特に運動する時間を取るのが難しい人は、意識的に早歩きをしてみると良さそうですね。
2024/01/11
新たな研究で、ミツバチが作り出す成分のひとつである「プロポリス」を摂取すると、認知機能の低下が抑えられる可能性が示されました。 この研究は山田養蜂場健康科学研究所の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は『BMC Complementary Medicine and Therapies』という科学誌に掲載されています。 今回の研究に至った背景 そもそも「プロポリス」とはどのような成分なのでしょうか? プロポリスとはミツバチが植物の新芽や樹脂から作り出す成分で、高い抗酸化作用があると言われています。また、これまでの研究で、プロポリスには脳の神経細胞を保護したり脳の炎症を抑制したりといった効果があることも明らかになっています。 さらに、健康な高齢者の認知機能を維持する効果も指摘されています。 一方で、ブラジル産グリーンプロポリスのアルツハイマー病に対する働きやメカニズムはあまり解明されていませんでした。 そこで今回、研究グループはブラジル産グリーンプロポリスがアルツハイマー病の予防にどのような効果があるかを調べることにしました。 プロポリスが認知機能の低下を防ぐ アルツハイマー病は「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なたんぱく質が脳に蓄積し、神経細胞が侵されることで発症すると言われています。 アルツハイマー病とプロポリスの関係を調べたい研究グループは、脳にアミロイドベータを注入したマウスと注入していないマウスを用意。さらに、アミロイドベータを注入したマウスは、以下のようにプロポリスの投与量に応じてそれぞれ分類し、15日間にわたって観察がおこなわれました。 プロポリスを投与しなかったマウス プロポリスを毎日100mg/kg投与したマウス プロポリスを毎日300mg/kg投与したマウス プロポリスを毎日900mg/kg投与したマウス 16日目にマウスの脳内を調べた結果、プロポリスを毎日900mg/kg投与したマウスは、ほかのアミロイドベータを注入したマウスに比べて学習したり記憶したりといった認知機能を大きく維持できていたことが判明しました。 また、血液の成分を分析すると、プロポリスを毎日900mg/kg投与したマウスは全身の炎症反応も抑えられていたことが明らかになりました。 プロポリスはハチミツから摂取できるほか、最近ではプロポリスを高濃度に凝縮したサプリも販売されています。気になった人は試してみても良いかもしれませんね。
2023/12/26
新たな研究で、ココアを飲むことで認知機能の低下を予防できる可能性が示されました。 この研究はアメリカのマサチューセッツ総合病院と、ハーバード大学に所属するブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究グループによっておこなわれたものです。 ココア成分が認知機能低下を予防する!? 今回、研究グループは65歳以上の高齢者573人を対象に調査を実施。対象者を2グループに分け、片方にはココアから抽出した「フラバノール」と呼ばれる一種のポリフェノールを500㎎含むサプリを毎日摂取してもらい、もう片方のグループには偽のサプリを毎日服用してもらいました。 研究期間の最後に認知能力のテストをそれぞれ実施してその研究を分析したところ、習慣的に質の低い食事をしていて、フラバノールを含むサプリを毎日摂取した人は、サプリの効果を得られなかった人に比べて認知テストの結果が良かったことが明らかになりました。 チョコレートにも高い健康効果 フラバノールはカカオに豊富に含まれていて、心筋梗塞などの心血管疾患の予防にも効果的だとされています。先述したココアはもちろん、チョコレートもカカオを原料としているため、大きな健康効果が期待できることがこれまでの研究から分かっています。 中国の重慶医科大学の研究グループはチョコレートの健康効果を調べるため、55~74歳までのアメリカ人 9万1891人を対象に調査を実施。対象者の医療データを解析した結果、チョコレートを摂取している人ほど心血管疾患を発症するリスクとアルツハイマー病で死亡するリスクがともに減少したことが明らかになりました。 研究グループは「今回の研究はチョコレートの消費量が比較的多いアメリカでおこなったものであるため、チョコレートの消費量がより少ないほかの国では同様の結果が得られない可能性もある」としています。 チョコレートやココアはおいしくて高い健康効果を有していますが、糖分も多いため食べ過ぎは禁物。適度な量を食べるようにしていきたいですね。 参考:「Chocolate and Cocoa-Derived Biomolecules for Brain Cognition during Ageing」
2023/12/20
新たな研究で、生活を楽しんでいる意識が高い人は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが低い可能性が示されました。 この研究は、順天堂大学大学院の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「The journals of gerontology」という学術誌に掲載されています。 今回の研究に至った背景 近年、人生の目的など人生全般におけるポジティブな心理的機能を指す「心理的ウェルビーイング」という概念が注目されています。 これまで、心理的ウェルビーイングとさまざまな慢性疾患との関連性を報告した研究はされてきましたが、認知症との関連性はまだほとんど検討されていない状況でした。 そこで今回、研究グループは中年期の男女を対象にした調査データをもとに、「生活を楽しんでいる意識」と認知症との関連性を調べることにしたのです。 生活を楽しんでいる人の方が認知症のリスクが下がる 研究グループは、1990年時点で秋田県横手、長野県佐久、茨城県水戸、高知県中央東、沖縄県中部の5保健所(呼称2019年現在)管内に住んでいた約3万9000人を対象におこなわれた調査データをもとに、「生活を楽しんでいる意識」と認知症との関連性を調べました。 研究グループが調査データを解析したところ、生活を楽しんでいる意識が高い人は、生活を楽しんでいる意識が低い人よりも、認知症の発症リスクが32%低いことが判明。また、生活を楽しんでいる意識が中程度の人も、意識が低い人より25%認知症リスクが低いことが明らかになりました。 さらに、自覚的ストレスが与える影響についても調べるため、対象者を「自覚的ストレスが少ない、もしくはふつう」と回答したグループと「自覚的ストレスが多い」と回答したグループにわけて分析。その結果、「自覚的ストレスが少ない、もしくはふつう」と回答したグループでは、生活を楽しんでいる意識がある人ほど認知症リスクが低いことがわかりました。 以上の研究結果を踏まえ、研究グループは「本成果は、ストレスをうまくコントロールしながら生活を楽しんでいる意識を持つことが、認知症の発症予防に重要だということを強調するものだ。ただし、認知症を予防するための具体的な行動を特定するためには、さらなる研究が必要だ」と述べています。 「今の生活に楽しみがない」という要介護認定を受けている高齢者には、レクリエーションがよくおこなわれているデイサービスを利用するというのもひとつの選択肢。ケアマネジャーに相談してみても良いかもしれませんね。
2023/11/24
新たな研究で、南アジア人は白人や黒人に比べて認知症の発症リスクが高い可能性が示されました。この研究はカレッジ・ロンドン大学によっておこなわれ、その研究結果はPLos Oneという科学誌に掲載されています。 80万人以上の高齢者を対象に調査を実施 今回、研究グループはイギリスの大規模医療データに登録された人のうち、86万5674人の65歳以上の高齢者を対象に調査をおこないました。 具体的には、高血圧や肥満、糖尿病、睡眠障害、血中濃度が低い方が認知症のリスクが高まるとされるHLDコレステロールの値といった、危険因子が認知症の発症リスクがどの程度影響を及ぼすのかについて、白人・黒人・南アジア人と人種ごとに調査を実施したといいます。 また追跡期間中に、対象者のうち14万9228人が認知症を発症したことが明らかになりました。 南アジア人はほかの人種よりも認知症リスクが高い 研究グループが白人・黒人・南アジア人と各人種ごとに認知症の発症リスクを統計的に解析した結果、南アジア人はほかの人種よりも高血圧や肥満、HLD低値、睡眠障害が白人よりも大きな認知症の発症リスクにつながる可能性が示されました。 また、黒人は高血圧が白人よりも認知症の発症リスクにつながることがわかりました。 以上の結果を受けて、今回の研究をリードしたカレッジ・ロンドン大学のナーヒード・ムカダム氏は「大規模サンプルを用いて、危険因子が認知症の発症に及ぼす影響を人種ごとに比較検証した研究は今回が初めてだ。今後は南アジア人や黒人などの民族マイノリティーにターゲットを絞った認知症予防の取り組みが必要になるだろう」と指摘しています。 今回の研究はイギリス国内の状況を調べたものであるため、日本人にも同じ仮説が当てはまるかはわかりません。 しかし、高血圧や肥満、睡眠障害などの生活習慣病が認知症につながることは多くの研究で明らかになっているのは事実。日々を健康に過ごすためにも、毎日の生活習慣を見直していきたいですね。 参考:「南アジア人、黒人と白人の民族性と認知症に対する潜在的に修正可能な危険因子の影響:英国の電子医療記録に関する研究」
2023/11/14
新たな研究で、犬を飼育している人は飼育していない人に比べて、認知症の発症リスクが下がる可能性が示されました。 この研究は、高齢者の健康増進を目指す独立行政法人東京都健康長寿医療センターによっておこなわれ、その研究結果は「Preventive Medicine Reports」という科学誌に掲載されています。 1万人以上の医療データを解析 東京都健康長寿医療センターの研究グループはこれまで、犬を飼育している高齢者では、心身機能が大きく衰えてしまう「フレイル」の発生リスクが大幅に下がることや、犬を飼育している高齢者のうち運動習慣がある人は、より健康的に生きられることを報告してきました。 そこで今回は、フレイルや運動習慣と強い関連性がある認知症に着目。ペットの飼育が認知症の発症率にどう影響があるのかについて調べました。 今回、研究グループは、2016年におこなわれた調査に回答した1万1194人(平均年齢74歳)のデータを使用しました。対象者の犬の飼育率は8.6%、猫の飼育率は6.3%で、2020年までの介護保険情報を調べたところ、要介護状態に移行した認知症の新規発症率は5%でした。 犬を飼育している高齢者は認知症リスクが下がる傾向に 研究グループが入手したデータをもとに統計的な解析をおこなった結果、犬を飼っている高齢者はそうでない人に比べて、認知症を発症するリスクが40%低いことが明らかになりました。 また、犬を飼育している高齢者のうち、運動を習慣的におこなっている人や社会的な孤立状態にない人では、より認知症の発症リスクが低下することが判明。一方、猫を飼っている人と飼っていない人の間では、特に認知症リスクに差はみられませんでした。 研究グループは、「日常的に犬を世話することによる飼育者の身体活動や社会参加の維持が、飼育者自身の認知症の発症リスクを低下させているのではないか」と分析しています。 ペットによる健康効果は多くの研究から明らかになってきていて、動物によるセラピーを実践している高齢者施設も増えてきています。余裕がある方は、ペットとともに健やかな毎日を過ごす選択をしても良いかもしれませんね。
2023/10/31
新たな研究で、人体の関節軟骨の成分である「グルコサミン」を習慣的に摂取すると、脳梗塞などが原因で発症する血管性認知症の発症リスクが低下する可能性が示されました。 この研究は中国の南方医科大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Alzheimer's Research & Therapy」という学術誌に掲載されています。 20万人以上を対象に調査を実施 研究グループは今回、イギリスの大規模データベースである「英国バイオバンク」に登録されている、60歳以上の高齢者21万4945人を対象に調査をおこないました。事前調査によると、このうち5万2893人が習慣的にグルコサミンのサプリメントを摂取していることがわかりました。 その後、研究グループは平均して12年にわたって追跡調査を実施。この期間中に認知症になった人は、グルコサミンを日常的に摂取しなかったグループで2935人、日常的に摂取していたグループで842人いました。 グルコサミンの摂取が血管性認知症の予防に 研究グループが調査データを統計的に解析した結果、グルコサミンを習慣的に摂取していた人はそうでない人に比べて、脳梗塞などが原因で発症する「血管性認知症」の発症リスクを抑えられる可能性が示されました。また、カルシウムの補給を平行しておこなっていた人では、その傾向がより顕著にみられることもわかりました。 一方、前頭側頭型認知症や認知症患者の半分以上を占めるアルツハイマー型認知症とグルコサミンの摂取との間には相関性がみられなかったことも判明しました。 以上の結果を踏まえ、研究グループは「高齢者の習慣的なグルコサミン摂取は血管性認知症のリスクを下げる可能性が明らかになった。今後、ほかの研究でも同様の結果が示されれば、高齢者に対して継続的にグルコサミンを投与することで血管性認知症の発症を予防できるようになるかもしれない」と述べています。 グルコサミンは食品で摂取しにくい成分のひとつ。関節の摩耗を抑える効果も期待できるため、気になる方はサプリメントを試してみても良いかもしれませんね。 参考:「高齢者集団におけるグルコサミンの習慣的使用、APOE遺伝子型、原因特異的認知症の発症リスク」
2023/10/25
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。