特集
『太鼓の達人』や『ダンスダンスレボリューション』といった単語に聞き覚えはありませんか?これらは有名なリズムゲームです。 リズムゲーム(音楽ゲーム)とは、音楽のリズムに合わせて擬似的に楽器を演奏したり、ボタンを押したりして楽しむゲームのこと。楽曲のリズムに合わせて指定された操作を正しくおこなうほど、高得点が得られます。 そして、今年10月にカリフォルニア大学の研究チームは、「リズムゲームで遊ぶと高齢者の短期記憶力が向上する」という驚きの論文を発表しました。 カリフォルニア大学の研究チームが新たなリズムゲームを開発 カリフォルニア大学のアダム・ガザレイ教授は、ゲームが脳にどのような影響を与えるか、10年前から研究をおこなってきました。 今回、ガザレイ教授をはじめとする研究チームは、ドラム奏者のミッキー・ハート氏と共に「Rhythmicity(リズミスィティ)」というリズムゲームを開発しました。 Rhythmicityは、BGMに合わせて画面上に表示される手がかりをタッチするというゲームで、プレイを進めるにつれて、プレイヤーは演奏パターンを憶えなくてはいけない点が特徴です。 ゲームを用いた実験で被験者の短期記憶が向上 今回、このゲームを用いて興味深い実験がおこなわれました。 その内容は、60~74歳の高齢者47人を「Rhythmicityをプレイするグループ」と「通常の単語検索ゲームをプレイするグループ」に振り分け、1日20分、合計8週間プレイしてもらうというものです。 その後、被験者の脳波を測定しながら、被験者が初めて見る人物の顔を識別させてみました。 分析の結果、Rhythmicityをプレイした被験者は短期記憶の向上が見られ、短期視覚記憶に関連する脳部位の活動も増加していることが判明したとのことです。 研究チームは、「リズムゲームをプレイしたグループは短期記憶の改善がみられ、リズムトレーニングが脳の機能を向上させるという重要な証拠となった」としています。 ゲームが高齢者の心身を健康にする可能性がある ガザレイ氏らの研究チームは、他にもさまざまなゲームを用いて、ゲームが高齢者の心身に良い影響を与えることができるという研究を発表しています。そして、ゲームが高齢者の認知能力も向上させられることを明らかにしてきました。 これまでゲームは、どちらかというと「悪者扱い」されてきました。しかし、これからは高齢者の認知症予防などのためにゲームを活用する時代が来るのかもしれませんね。
2022/10/19
フレイルとは、英語で「虚弱」を意味する言葉で、加齢に伴い身体の機能が低下し、それにより健康障害が起きやすくなった状態です。健康な人と介護が必要な人との間くらいの状態です。 この状態になることはあまり好ましいとは言えません。健康寿命を延ばすためにはフレイルを予防することが重要です。そのため、2020年4月から75歳以上の後期高齢者を対象に、特定健康診査の標準的な質問票の代わりにフレイルなど高齢者の特性をふまえた健康状態を把握するための健診(フレイル健診)が開始されました。 認知の進まないフレイル健診 ただ、このフレイル健診の認知はあまり進んでいません。75歳以上の方にフレイル健診を受診したかどうかを質問したところ、「受診した」は23.1%、「受診してない」は66.8%となりました。 しかし、フレイルになることが心配かどうかを質問したところ、「心配である」と答えた人は75歳以上のどの世代も過半数を超える形となり、フレイルへの心配に対して対策が進んでいないことがわかります。 さらに、親のフレイルに対するアンケートでは、親が要介護状態でない人に、フレイル予防・改善として「現在サポートしていること」を質問したところ、コミュニケーションが41.4%で最も高く、「共食」が18.3%で「栄養管理」が10.7%でした。 さらに、「とくにない」は43.1%にもなり、高い数字となりました。また、「親がフレイルになることが心配」と答えた人の32.7%は、現在サポートしていることは「とくにない」と回答していて、3人に1人は対策していないようです。 京都市のフレイル対策モデル 京都市では、保健師や管理栄養士などの専門職の連携による支援や、体力測定によるデータを活用した仕組みづくりに取り組んでいます。 2018年度から積極的な取り組みをしており、2019年度には大手企業のNECと連携して、データの面からフレイル対策を進め、2022年度からは新たなステージでの取り組みを目指しています。 その結果、高齢者の「通いの場」で専門職による支援やデータ活用を進めることで、取組前後と比べ体力の維持・向上がなされてることが確認され、実用性のある対策が進んできているようです。 現在あまり進んでいるとは言えないフレイル対策ですが、京都市のように全国でもうまく対策が進んでいくことが期待されますね。
2022/10/18
現在、医療・福祉の現場の人手不足はもはや慢性的で深刻な問題となっています。 そこで、絵を描くロボットを利用して、今抱えている業界の問題を解決する計画が進められています。 お絵描きロボット ドクトルクインシー 海外で話題の次世代製品を輸入販売するEVEBOT JAPAN株式会社(代表:土屋貴嗣、名古屋市中村区)は、海外で話題となった、お絵描きロボット「Dr.Quincy(ドクトルクインシー)」の国内販売権を獲得し12月より一般販売を開始します。価格は、税込み3万5000円です。 ドクトルクインシーはインプットされた150種類ものイラストカードを、QRコードで読み込ませて、認識した絵を描けます。さらに、その絵に関する豆知識も音声で教えてくれるのです。 また、このロボットは10cm程度の手のひらサイズで、両腕のみが駆動するシンプルな構造。そのため、A4サイズ程度の小さなテーブルでも絵を描くことが可能です。フル充電で4時間も駆動できるので「お絵かきを通して子どもや高齢者の面倒も見られる」というのが最大の特徴です。 認知症予防に効果があるお絵描き 絵を描くことと塗り絵をすることは、特に高齢者においては認知症予防に効果的。ロボットの絵を模写したりその絵に色を塗るなどの行動が脳トレーニングにつながると医学で認められています。 またお絵かき・塗り絵もよる脳トレーニングは、高齢者に限らず子どもにも効果があるとされており、ドクトルクインシーを知育玩具としても浸透させたい考えです。 2019年のデータによりますと、65歳以上のシニアが28.4%と3割を超えるのも時間の問題で、出生率も1割を切るなどの日本の少子高齢化が止まりません。共働きで子どもを朝から晩まで預ける親が増えるうえに、高齢化が進むにつれて老人ホーム(老人介護施設)に入所するシニアが増えることが予測されます。 介護業界の人材不足を補える期待の新人、このお絵描きロボットが、これから医療や福祉の現場で活躍する場面が増えそうです。
2022/10/18
糖尿病などの生活習慣病には運動が良いと言われています。運動をするとどのくらい効果があるのか、米国の研究結果から見てみましょう。 研究結果から分かる減量の有効性 糖尿病には1型と2型の2種類があり、多くが2型糖尿病だと言われています。原因は運動不足や食べ過ぎといった、生活習慣が大きく影響しています。 ハーバード公衆衛生大学院による、24~78歳までの男女20万人を対象にした調査を解析した2型糖尿病についての研究では、計画的に体重を減らすことは、方法に関係なく肥満の人にとって良い影響がある可能性があることが明らかになりました。 特に、肥満があり4.5㎏以上の減量に成功した人は、体重を減らさなかった人と比べてその後の体重増加や糖尿病のリスクが少なかったそうです。 減量に一番効果があったのは運動! 研究グループは減量に成功した方法を分類して調べたところ、長期的な体重管理には運動の習慣化が効果的だという結果に。運動に取り組んだ肥満の人は4年間で体重が平均4.2%減り、24年先の糖尿病リスクが21%減少しました。過体重の人や痩せている人も減量の効果が見られました。 一方で、食事制限や健康食品の利用などの減量法では、 運動ほど大きな効果が得られなかったそうです。 痩せている人の過剰な運動は逆効果になることも… 逆に痩せている人が運動により体重を減らすと糖尿病のリスクが9%上昇するといった研究結果も出ています。 これについてハーバード公衆衛生大学院で栄養疫学を研究するチーソン氏は、「減量は、過体重や肥満の人には有益であると考えられますが痩せている人では同じような利益が得られない可能性があります。痩せている人が減量をするとかえって体重増加や糖尿病のリスクを高めてしまう可能性があります」と話しました。 自分の現状に合わせた取り組みが必要ということですね。 改めて運動を意識してみよう 今回の研究結果からソン氏は「体重の長期的な変化と2型糖尿病の発生リスクは十分に解明できていません。しかし肥満がある人が運動などによって体重管理をすることで肥満や肥満に関連する疾患を予防したり、改善する効果的な戦略になるでしょう」と運動の効果を評価しています。 普段運動に時間が割けない人も、秋が深まった今の時期に軽い運動から始めてみてはいかがでしょうか?
2022/10/18
長引くコロナ禍で、運動不足を感じている人は少なくないですよね。 しかし、運動不足による体重増加や生活習慣病には気を使っていても、骨の健康にまで気を配っている人は少ないのではないでしょうか? 実は、運動不足の状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出しやすくなり骨が弱くなってしまうのです。 今回は、運動と骨の健康に関するアンケート結果と、骨の健康状態の把握に役立つキャンペーンの紹介をします。 骨の弱まりを感じている中高年は20%以下 雪印メグミルクは10月7日、「中高年に対する外出・骨の健康に関する調査」の結果を発表しました。この調査は、全国の40~79歳の男女計500人を対象にWEBでおこなわれたものです。 コロナ禍で「運動量が減った」と回答した人は44.2%。約2人に1人が運動不足を感じていました。 一方で「骨の弱まりを感じる」と答えた人は20%以下と低い水準に留まり、骨に関する意識が低いことが明らかになりました。 また、自分の介護についてどう考えているのかも聴取した結果、約7割が「自分が要介護となることを不安に感じている」、9割が「介護で迷惑をかけたくない」と考えていることがわかりました。 人に迷惑をかけることや子供への負担を不安に感じている人もいましたが、「自分の健康状態を子供に伝えている」と答えた人は約半数、家族間で「骨が健康かどうか」を確認し合うコミュニケーションをとれている人は3割以下にとどまっている結果となりました。 骨の健康チェッカーを公開 今回の調査の結果を受けて、雪印メグミルクは骨の健康に目を向け、理解を深めてもらうことを目的に「骨の健康チェッカー」を公開し、「骨の健康を知ろう!キャンペーン」を実施しています。 雪印メグミルクのサイトの「骨ちょっといい話」内に「YES」「NO」の2択に答えると骨の健康状態を簡単に把握できるというものです。 アンケートでは、今年の秋こそアクティブに過ごしたいと答えた人も多かったとのことですが、出かけた先で骨折などの怪我にみまわれては元も子もありませんよね。 10月は「骨と関節の月間」でもあります。行楽シーズンを楽しむ前に、今の自分の「骨の健康状態」を知っておくのがいいのかもしれません。
2022/10/17
厚生労働省の研究調査によると、2025年には高齢者の約700万人が認知症になると推計されています。そのため、認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人を温かい目で見守ることができる地域づくりが必要とされています。 そこで広島県竹原市では、認知症の人を地域で支えようと、小学4年生の児童と地域住民が参加し「認知症の人への適切な声のかけ方を学ぶ講座」が開かれました。 徘徊する認知症の人を見つけたら どのように声をかけたら良いの? 認知症の人の徘徊の特徴は、季節にあわない服装をしていたり、スリッパや裸足で歩いていたりすることです。 ではこのような人を見つけたら、どのように声をかけたら良いのでしょうか。竹原市社会福祉協議会によると「目線を合わせて笑顔でゆっくり話しかける」のが認知症の人を見つけたときの正しい声のかけ方だそうです。 竹原市で開かれた講座では、「小学校周辺で徘徊をしている認知症の人に声をかける」という想定で練習がおこなわれました。 この講座に参加した男子児童は「認知症の人を不安にさせないよう、否定したりせずやさしく話しかけました」と話しています。このような知識を身につけることは、認知症の人を地域で支援するうえでとても大切なのではないのでしょうか。 認知症になっても安心して一人歩きを楽しめる街づくり 外出先で戸惑ったり、迷って家に戻れなくなったりと行方不明になってしまう認知症の人が年々増えています。「いつものあの場所に行きたいな」「あの人に会いたいな」など外に出かけたいと思う気持ちはいくつになっても、認知症になっても変わりません。地域に出るということは生活の大事な一部であり、行方不明はまだまだ歩けて元気な人だから起きていることなのです。 現在、地域で認知症の人が行方不明になった時に早期に対応できる仕組みとして、認知症の人を地域の皆で「探す」「声をかける」など自然と認知症の人を見守れるような仕組みが必要とされています。 そのため、地域の人が見守ることで「認知症になっても安心して一人歩きを楽しめる街」になるのではないのでしょうか。
2022/10/17
少し昔のことですが、「脳トレ」がブームになったことを憶えていますか?これは、人間誰しもが「元気な脳と共に長生きしたい」と思っていることの表れではないでしょうか。 しかし、一般的に高齢になればなるほど脳の機能は衰え、認知症になって介護が必要になる可能性は高くなってしまいますよね。 そこで、多くの研究機関でそうしたリスクを減らすことはできないか、研究が続けられています。 今回はそのうちのひとつ、「Century Brain Project」というプロジェクトと、それに対して運転免許更新の際の認知機能テストを作成している会社が協力する取り組みを紹介します。 100歳を超えても健康な脳を目指す「Century Brain Project」 「Century Brain Project」は、一般社団法人ブレインインパクトが推進しているプロジェクトです。 このプロジェクトでは、脳の画像データを解析して脳の健康状態を見える化した「BHQ」(Brain Healthcare Quotient)という指標を用いて、脳も心も元気な高齢者にその秘けつを教えてもらうことを目標にしています。 具体的には80歳以上の元気な高齢者に協力してもらい、脳の構造や機能をMRIで計測する他、アンケートなどで心理状態や生活習慣を調べ、それらの関係性を調査していきます。 特に重点的に研究するのは以下の3点です。 元気な高齢者はBHQが高いのか?BHQが高い高齢者は、幸福で肉体的、精神的、社会的に満たされていると感じる「Well-being」も高いのか?なぜ年齢を重ねても脳の健康度を高く保てるのか? このような疑問を明らかにすることで、誰もが健康な脳で100歳を迎えるために研究を続けるとしています。 プロジェクトに運転免許の認知機能テストを提供 このプロジェクトに対し、株式会社ベスプラは、研究へ参加する候補者の判定に使用する認知機能テストとして「運転免許の認知機能テスト」を提供すると発表しました。 このテストは、75歳以上の高齢者が運転免許の更新時、高齢者講習の際に受ける認知機能検査への対策として作成されているものです。 研究への参加候補者は、このテストを受けることによって認知機能の状態を知ることができます。プロジェクトの被験者にふさわしいかどうかわかるのですね。 運転免許の認知機能テストが提供されれば、よりスムーズに研究が進むことが期待されます。高齢になっても健康な脳と共に幸福な毎日を過ごせるようになると良いですね。
2022/10/17
サルコペニア肥満、という言葉を聞いたことがありますか? 隠れ肥満とも呼ばれるこの言葉は、筋肉(サルコ)が減少(ぺニア)して体の脂肪の割合が増えている肥満という意味です。特に、年齢を重ねていくと筋肉量や筋力が低下しやすく、サルコペニア肥満になりやすいとされています。 サルコペニア肥満は糖尿病などの代謝性疾患の原因として注目されています。個人的に注意することはもちろん大切ですが、高齢になってくると思うように体を動かせないのも事実...。予防法や対策があるのなら、知っておきたいところですよね。 今回は、サルコペニア肥満の予防について、興味深い研究を紹介します。 プロポリスが腸内の炎症を改善させる 京都府立医科大学などは、「プロポリス」が腸内環境を改善し、過食と不活動により引き起こされるサルコペニア肥満を予防することを明らかにしたと発表しました。 悪玉菌が増加したサルコペニア肥満のモデルマウスにプロポリスを投与すると、短鎖脂肪酸を産生する細菌が増加し、腸内の炎症を改善したという結果が出ました。 腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸は、腸内で悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える作用があると考えられています。 耐糖能障害を改善、骨格筋量の増加も 研究グループはまず、過食と不活動によりサルコペニア肥満をきたしたマウスにプロポリスを投与し、種々の代謝障害の項目を評価しました。 その結果、プロポリスを投与したマウスでは、投与していないマウスと比べて耐糖能(糖質を代謝する能力)障害の改善と、握力および骨格筋量の増加が認められたほか、内臓脂肪量も減少しました。 また、プロポリスを投与することで脂肪肝も改善されました。 今回の研究結果から、プロポリスはサルコペニア肥満のモデルマウスのサルコペニアと肥満を改善することが示唆されました。 今後は、ヒトを対象とした研究で、有効性と安全性を確認していく考えだといいます。 サルコペニア肥満は、見た目だけでは分かりにくいこともしばしばあります。生活習慣病につながる前に、会社の健康診断や特定健診をしっかりと受け、気になる場合は専門家の指示を仰いでみることが大切なのかもしれません。
2022/10/14
嗅覚測定を受けたことのある人はいるでしょうか? 匂いの検査はとても重要で、嗅覚の異常で認知症などさまざまな病気の兆候が分かると言われています。しかし現在、嗅覚の検査はあまり身近なものではありませんよね。今日は、将来的に嗅覚の検査を簡単におこなえるようになるかもしれない、そんな話題をお伝えします。 簡単に匂いを測定できる装置 ソニーは今月5日、人間の嗅覚を簡単に測定できる「におい掲示装置」を開発したと発表。来年の春から企業や研究者向けに売り出します。開発目的としては、手軽な嗅覚測定から認知症などにつながる兆候も早期に察知できる装置にすることを目指すとしています。 装置の仕組み 使い方は、装置にある穴に鼻を近づけて使用します。匂いのもととなる臭素(しゅうそ)を手軽に制御できる仕組みを搭載し、40種類の匂いを出すことができるそうです。 さらに装置の中は密閉されているので、強い匂いであっても外に漏らさず封じ込めます。香りの強さも調節でき、使った後は中の残った匂いをすぐ除去することが可能です。 ソニーによると、認知症やパーキンソン病の場合、発症する前から嗅覚の機能が低下する傾向があり、嗅覚を正しく測定できれば、脳の知能低下が早く発見できる可能性があるとのことです。 従来の検査の状況 嗅覚の検査は現在もおこなわれていますが、複数の臭素を準備をするのに手間がかかる、匂い漏れを防ぐために、別のスペースや装置が必要といった理由で視力検査等に比べると 一般的ではないのが現状です。 現状と今後について 当面は医療機器ではなく、研究用途として売り出される予定で推定価格は230万円前後です。今後、5分から10分で8段階ほどで測定できるようにする方針で、視力や聴力などと同様に健康診断などで一般的に取り入れられるようにしたいとしています。 色々なところで使えるようになるかも? 嗅覚異常が認知症のサインだということは、あまり知られていませんが、これからひとつの常識になるかもしれないですね。 また、今回の「におい提示装置」についてソニーの新規ビジネス・技術開発本部の櫨本修副本部長は、「将来はエンタメ領域での新体験創出も目指したい」と話しているので、検査以外の展開にも期待したいと思います。
2022/10/14
倉敷中央病院は、NECソリューションイノベータと2018年からAIを活用した予防医療の共創活動を開始していましたが、このたび生活習慣病の発症リスクを予測するAIを開発することになりました。 受診者一人ひとりの発症リスクに応じた検査をおこない、改善策を提案するオーダーメイド型医療を目指します。 ビックデータを活用 研究チームは、倉敷中央病院の約45万人分のカルテと、倉敷中央病院付属予防医療プラザの過去10年分の健康診断情報を、個人を特定できないよう匿名処理をしたうえでAIに学習させ、現在の検診結果から未来の生活習慣病の発症リスクを予測するAIを開発しました。 まずは、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病を対象とし、今後、腎臓・肝臓の疾患への拡大を検討する予定です。 医療現場でAIが活躍する未来 倉敷中央病院は、今回開発するAIを「地域医療エコシステム」※に活用したい考えです。 具体的には、AIで予測した発症リスクに応じて人間ドッグやオプション検査など個人に合った検査を推奨するとともに、治療方法や生活習慣の改善などの予防プランを立案する予定です。 また、NECソリューションイノベータは、少量の血液から発症リスクを予測するサービスや、過去2年分の健康診断結果から将来の健康診断の検査値を予測するサービス「NEC 健診結果予測シミュレーション」などを提供しています。こちらも将来的にAIの導入を目指しています。 さまざまな分野にAIが導入されており、誰でもなる可能性があるので生活習慣病の分野ではその活躍が注目されています。AIで未来の生活習慣病の発症リスクを知ることで、今からできる予防をして健康で長生きしたいですね。 ※地域医療エコシステム 地域のそれぞれの医療機関が得意な領域を有効に生かし、地域全体で患者さんを診ることができる仕組み。現在の医療は入院中心のシステムですが、今後さらに人口減少、高齢化が進めば、おそらく在宅を中心とした医療にシフトしていくと予測されています。
2022/10/14
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。