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#最新研究 #高血圧

高血圧リスクに口腔細菌が関係⁉リスクに影響する15種の細菌を特定

高血圧に関して、塩分や運動不足などのさまざまな原因が判明しています。そのため、塩分を抑えた食事に変えたり運動量を増やしたり、生活習慣の改善に取り組んでいる人もいるでしょう。 今回、これらの取り組みに加えて「口腔ケア」も高血圧予防となる可能性があるという研究結果が発表されました。 この研究で、口腔内にある細菌のうち15種類が高血圧リスクに関係していることがわかったそうです。 高血圧リスクに関係する口腔細菌がある? アメリカの研究グループが、「高血圧リスクに関係する口腔細菌を特定した」と発表しました。 この研究は、閉経後の女性(平均63歳)約1200人を対象におこなわれ、平均10年の追跡調査が実施されました。 この対象者の歯垢を採取してそのなかの細菌の割合を調べることで、高血圧リスクと口腔細菌の関係を調査しました。 この研究の結果、採取された歯垢のなかに245種類の細菌を発見。そのうち47種類の細菌が、研究開始時の血圧の高さによって存在する割合に違いがありました。 そして、そのなかでも15種類が高血圧の新規発症に関連していることが判明。この口腔細菌のうち10種類が高血圧リスクの上昇に関係し、5種類が低下に関係していたそうです。 この研究の結果を受けて、「口腔内の特定の細菌の割合が、高血圧発症リスクに関係していると考えられる」と研究グループは結論づけています。 食事・運動・口腔ケアが予防法に? 口腔内の細菌が高血圧リスクに関係しているのは驚きですが、発症リスクを下げる細菌があることも意外ですよね。 もしかしたら、今後は高血圧リスクを下げる口腔細菌に働きかける高血圧予防薬が開発される可能性もありそうです。 これからの高血圧予防は、食事管理や運動習慣だけでなく口腔ケアも重視されるようになるかもしれませんね。

2022/03/23

#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

「介護予防薬」の誕生⁉運動しないと筋肉が減少するメカニズムが判明

筋肉が減少すると、身体機能が落ちるなどさまざま問題が起こります。特に高齢者は、身体機能の低下によってフレイルや要介護状態になりやすいので、筋肉の減少が健康や生活に大きく影響します。  しかし、「運動しないと筋肉が減る」ことはわかっていましたが、詳細なメカニズムはわかっていませんでした。 そこで、神戸大学の研究グループが、筋肉内のカルシウム濃度が低くなることで筋肉の減少を引き起こすことを発見。今月16日に公表しました。 「筋肉減少」のメカニズムが判明! 神戸大学の研究グループが発見したのは「筋肉の減少のメカニズム」です。 これまで、スポーツやトレーニングによって筋肉量が増えることはわかっていました。そのため、「運動しないと筋肉が減るのは、運動による刺激が筋肉に入らなくなるから」という仮説が提唱されていました。 対して今回の研究では、「筋肉を動かさないと細胞内のカルシウムの濃度が低下しそれが筋肉を減らす引き金となる」ことを発見しました。 加えて、そのときに重要な働きをする3つのタンパク質も判明。それは「Piezo1」「KLF15」「IL-6」というタンパク質です。 まず研究グループは、マウスの足が動かないようにギプスで固定。その後、筋肉量が減少し KLF15が増えることを発見しました。そのうえ、KLF15が増えることでIL-6という別のタンパク質が増えて、筋肉量を減らしていることがわかりました。 そして、KLF15を増やす原因がカルシウム濃度の低下と判明。加えてカルシウム濃度の低下の原因は、筋肉が動かないことでPiezo1が減り、カルシウムを体内に取り込めなくなることと突き止めました。 つまり、「運動をしない→Piezo1の減少→カルシウム濃度の低下→KLF15の増加→IL-6の増加→筋肉量減少」という流れがあるそうです。 この結果から「『動かないこと』自体によって積極的に筋肉を減らすスイッチが入る」ことがわかったと研究グループは述べています。 「介護予防薬」ができるかも? 今回の研究を応用して、フレイルや要介護状態になるのを防ぐ治療薬が開発されるかもしれませんね。 そうすれば、入院中に身体を動かさなかったことで身体機能が落ちるといった問題を防げるようになる可能性もあります。 そんな薬が開発されれば、介護を必要とする人が少なくなることもあり得るのではないでしょうか。

2022/03/18

#最新研究 #糖尿病予防 #認知症対策

認知症予防には「日本食+コーヒー」⁉脳と腸内細菌と日本食の関係

近年、認知症と腸内細菌についての研究が注目されています。 そのなかに、国立長寿医療研究センターがおこなった「日本食」「腸内細菌」「認知症」の関連を調べた研究があります。 その結果、認知症でない人は日本食を食べている割合が高く、身体に悪影響のある代謝産物が少ないことがわかりました。 認知症・腸内細菌・日本食の関係とは? 国立長寿医療研究センターが日本食と認知症、腸内細菌の関係についての研究結果を発表しました。 これは、同センターに通院している認知症の人を対象に、認知症検査や食事アンケート、検便などを実施して調査されたものです。 同センターは、以前の研究で認知症と腸内細菌の関係を発見。認知症の発症に腸内細菌が発生させた物質(代謝産物)が影響していることがわかっています。 また、認知症でない人の腸内には「バクテロイデス」という種類の細菌が多く存在しているのに対して、認知症の人は種類のわからないその他の腸内細菌が多いことがわかりました。 それらの結果を受けて、今回は認知症と腸内細菌と日本食の関連を調査。その結果、認知症でない人は日本食やコーヒーを多く摂取していたそうです。 ここで言う日本食とは、米、みそ、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、漬物、緑茶、大豆、キノコ類などのこと。認知症でない人は、これらの食材に加えてコーヒーの摂取量が多かったそうです。 さらに、日本食を多く摂取している人は、腸内細菌の代謝産物の濃度が低い傾向がありました。 これらのことから、国立長寿医療研究センターは「日本食を多く摂ることが腸内細菌に良い作用を与え、認知症を防ぐ可能性がある」と示唆しています。 やっぱり日本食が良い? 研究技術の発達によって腸内細菌の研究が進んでいるようですが、まだまだわからないことが多い分野です。 そのため、認知症と腸内細菌が関係していることは明らかになっていますが、そのメカニズムは明確にはなっていないそうです。 ただ、認知症に食事が影響することはわかっており、魚介類や豆類、野菜、オリーブオイルなどを含む「地中海食」が認知症予防に効果があるという研究結果も出ています。 しかし、「地中海食」というと日本人にとってはなじみが薄いので、日本食に食生活を改めてみる方が手軽なのではないでしょうか。 普段の日本食にコーヒーをプラスすると、脳にも腸にも良い食事に改善できそうですね。

2022/03/17

#フレイル予防 #介護予防 #新しい介護の形 #最新研究

デイサービスでeスポーツ⁉eスポーツが高齢者を孤独から救う

介護業界でも「eスポーツ」が注目され始めています。 eスポーツとは、競技性のあるゲームのスコアやクリアタイムをスポーツのように競い合うもの。スポーツゲームだけではなく、パズルゲームやシューティングゲームなどジャンルはさまざまです。 最近はその健康効果が着目され始め、それを証明する実験も開始。そのひとつが筑波大学による「eスポーツで引き出すWell-beingに関する研究」です。 デイサービスの高齢者が半年にわたってeスポーツをすることで、どんな効果があるのかを検証するそうです。 eスポーツが孤独の解消につながる⁉ 筑波大学とデイサービスなどを運営する関彰商事が、共同で「eスポーツで引き出すWell-beingに関する研究」を開始しました。 これは、関彰商事の運営するデイサービスの利用者を対象として、運動とeスポーツの組み合わせが高齢者のウェルビーイングの向上につながるかを検証するものです。 ウェルビーイングとは、「肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」のこと。心身の健康だけではなく、社会的なつながりを持って生活しているかも関わってきます。 対して、近年高齢者の「社会的な孤立」が問題に。独居や夫婦のみの高齢者世帯が増加し、さらにコロナ禍で人との交流も減っているため、高齢者の社会的孤立が顕著になっているのです。 なぜ社会的孤独が問題となるかというと、高齢者が社会から隔絶されることで健康に悪影響があるため。孤独から無気力になって活動量が減り、身体機能が低下して要介護状態へ…という悪い流れができてしまうのです。 それを解決するのがスポーツだそう。スポーツには、社会的つながりをつくるホルモン「オキシトシン」や運動機能や認知機能、自信を高めるホルモン「テストステロン」の分泌を高める効果があります。 しかし、実際のスポーツは高齢者には体力的に難しいため、代わりに注目されたのがeスポーツだったのです。 eスポーツも実際のスポーツと同じように「オキシトシン」「テストステロン」の分泌を高めることがわかっているそう。そのため、身体機能維持のための運動と、孤独を解消するためのeスポーツを組み合わせた方法で、高齢者のウェルビーイングを向上させるとのことです。 実はeスポーツの先駆け世代? 「高齢者」と「eスポーツ」は意外な組み合わせに思えますが、1978年に発売した「インベーダーゲーム」に熱狂していた人たちが65歳以上になっていることを考えると、不思議ではないのかもしれませんね。 またeスポーツは社会的孤独の解消だけではなく、脳を活性化させるという実験もあるので、認知症の予防ができる可能性もあります。 もしかしたら、eスポーツこそ高齢者に向いているスポーツなのかもしれませんね。

2022/03/16

#最新研究 #糖尿病予防

認知症リスクに内臓脂肪が関係⁉生活習慣病だけじゃない内臓脂肪の怖さ

65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%(2020年)とされており、その数は600万人を超えています。2050年には800万人近くが認知症を発症すると言われているため、多くの研究機関で発症原因や予防法の調査がおこなわれています。 そんななか、花王が弘前大学と協力して内臓脂肪と認知症の発症リスクの関係についての研究を発表。その結果、内臓脂肪が多い人は認知症の発症リスクが高いことがわかりました。 内臓脂肪が高いと脳に異常が⁉ シャンプーや洗剤などの日用品メーカーの花王が、弘前大学と協力して認知症の発症リスクに関する研究を実施しました。 この調査は、2016~2017年に実施された「弘前市いきいき健診」に参加した60~80歳の人を対象としました。 そのうち、認知症を診断された人を除く約2400人を花王独自の内臓脂肪計で測定して、内臓脂肪が多いグループと少ないグループに区別。認知機能については、認知機能テストとMRIで脳の状況を検査することで、内臓脂肪と認知機能の関係性を調査しました。 その結果、内臓脂肪が多いグループは、少ないグループと比べて認知機能テストのスコアが低く、認知機能が低下していました。 加えて、内臓脂肪が多いグループは、白質病変などの脳の異常が発生していることもわかりました。 白質病変とは、脳の神経繊維がある大脳白質の血の巡りが悪くなっている状態のこと。進行すると認知症に加えて脳卒中のリスクも高くなるとされています。 これらの結果から、研究グループは「内臓脂肪が多い人は、認知機能が低下しており、脳の構造異常も発生している」としています。 生活習慣が認知症リスクに関係する? 内臓脂肪が多くなると、高血圧や心筋梗塞などの循環器の病気になりやすくなるイメージがありますよね。 しかし、それだけではなく認知症のリスクまで上がるなんて、内臓脂肪は「万病のもと」と言ってもいいのかもしれませんね。 内臓脂肪が増える原因のひとつは、運動不足や食べすぎなどの生活習慣の乱れ。生活習慣が乱れると糖尿病などのリスクも上がるため、やはり生活習慣を改善することがさまざまな病気の予防をする一番の方法なのではないでしょうか。 さらに、「運動習慣がある人は認知症リスクが低い」「血糖値が高いと認知症リスクが上がる」という研究結果もあります。健康的な生活にすることで、内臓脂肪を減らすのと同時に生活習慣病の予防に取り組むとさらに認知症リスクが下がるかもしれませんね。 ▼運動習慣と認知症リスクの関係については、こちらの記事で詳しく記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3630/ ▼血糖値と認知症リスクの関係については、こちらの記事で詳しく記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3106/

2022/03/14

#地域の取り組み #最新研究 #糖尿病予防

血糖値の抑制、肥満予防…香川発のカロリーほぼゼロの甘味料とは?

糖尿病や糖尿病予備軍の人、さらにはダイエット中の人にとって夢のようなものが香川県に存在します。 それは「希少糖」です。 希少糖は1gあたりのカロリーがほぼゼロ。さらに血糖値の上昇抑制効果があるため、血糖値のコントロールをしている方や、やせたくて甘いものを我慢している人にはたまらない甘味料と言えます。 カロリーほぼゼロの甘味料 香川大学は、以前から研究が進められている「希少糖」について、今後は食品だけでなく医薬品の開発を進めていくことを会見で発表しました。 希少糖とは、自然界ではほんのわずかしか存在しない糖類の総称。ガムに使われて有名な「キシリトール」も希少糖のひとつです。 この希少糖は自然界に存在する量が少ないために研究が難しく、あまり進められていませんでした。しかし、香川大学は一般的に手に入る糖類である「果糖」から「D-プシコース(アルロース)」を作り出すことに成功。その性質や効果の研究が進められていきました。 このアルロースのカロリーは、ほぼゼロ(1グラムあたり0.2キロカロリー)。食べても消化されず排泄されるため、甘みを感じるのにカロリーがほとんどないそうです。 さらに、血糖値の上昇抑制や肥満を予防する効果があることもわかっています。 こうした特徴を生かすために、アルロースを使った糖尿病食やスティックシュガー、粉末清涼飲料なども開発。糖尿病やその予備軍とされる人が使いやすいように、アルロース100%の粉末も販売しています。 また香川県としても、アルロースを使った商品の開発を支援しているそう。希少糖を県の特産として盛り上げることで、産業の発達を進める取り組みをおこなっています。 甘いものを我慢せずに食事管理? 血糖値のコントロールをしなければならない人やダイエットをしている多くの人にとって、甘いものが食べられないのはとても苦しいことでしょう。 そこで今回の希少糖を活用すれば、血糖値やカロリーを抑えつつ甘いものが食べられるかもしれません。 もちろん、医師の指導を受けている場合に勝手な判断はできませんし、ほぼゼロカロリーだからといって他のものを食べ過ぎたら意味がありませんが…。 それでもテクノロジーの力を使って、少しでも食事管理が楽になる方法を見つけていきたいですよね。

2022/03/11

#最新研究 #糖尿病治療

糖尿病を完治する薬⁉インスリンを分泌する細胞を増殖させて機能回復

糖尿病の患者は、いわゆる”予備軍”の人も含めると全国で1000万人いると言われています。高齢化に伴ってこの数は増加していくと考えられています。 しかし、糖尿病はいまだに根本的な治療方法が確立していない病気でもあります。運動や食事によって、血糖値を正常値でコントロールできるようになることはありますが、完治とまではいかないようです。 そういった状況のなかで、アメリカの大学が糖尿病の根本治療につながる可能性のある治療法を開発。インスリンを分泌する細胞を増殖させる治療法だそうです。 既存薬と新薬の組み合わせで治療 アメリカのマウントサイナイ医科大学の研究グループが発表したのは、2種類の医薬品を組み合わせることで、インスリンを分泌するβ細胞を増殖させる方法です。 インスリンとは膵臓内のβ細胞から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。糖尿病は、このインスリンの分泌量が少なくなったり働きが悪くなることで、慢性的に血糖値が高い状態になる病気です。 ちなみに高血糖の状態が続くと、血流が悪くなり視力障害や腎臓病、神経障害などが起こりやすくなります。 今回、研究グループが開発したのは、β細胞を増殖させる新しいアプローチの治療法。β細胞を1日5~6%の割合で増やせるそうです。 その治療法とは、開発中の「ハルミン」という薬と、糖尿病の治療に使われている「GLP-1受容体作動薬」という治療薬を組み合わせるというものです。 研究グループは、このハルミンがβ細胞の増殖を促す効果があることを実験で突き止めていました。そこで、血糖値を下げる働きのあるGLP-1受容体作動薬と併用することで、β細胞の増殖に成功したそうです。 今後の課題としては、「治療薬をβ細胞に確実に送ることで、他の細胞や臓器に作用して副作用が起こるのを防ぐこと」とのことです。 糖尿病が完治する病気に? 近年の糖尿病治療の研究は、血糖値を一時的にコントロールする方法から完治を目指す方向に変化しているようです。 ちなみに国内でも、低下した膵臓の機能を回復する研究が東大でおこなわれています。 東大の研究については、こちらの記事で紹介しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-5990/ これまで「治らない病気」とされてきた糖尿病も、これからは治る病気のひとつになるのかもしれませんね。

2022/03/09

#心疾患 #最新研究

階段をよく使う人は不整脈リスクが3割も低かった!運動と心房細動の関係

「心房細動」という言葉を知っていますか? これは、不整脈の一種で心臓内にある「心房」が痙攣のように震えてうまく血液を送れなくなる状態のこと。動機や息切れを起こしたり、血栓ができることで脳梗塞や心筋梗塞になりかねない状態です。 この心房細動になるリスクを「階段を利用する頻度」で簡易的に判断しようという試みが、国立循環器病研究センターでおこなわれました。 その結果、建物の3階まで昇るときに階段を利用する頻度が「6割以上」と答えた人の心房細動リスクは、「2割以下」と答えた人の約7割にとどまることがわかりました。 階段の使用頻度が不整脈に関係する? 国立循環器病研究センターが、階段を利用する頻度と心房細動リスクの関係についての調査結果を発表しました。 これまでも同センターは、運動量と心房細動リスクの関係性について研究をおこなっていました。 しかし、運動習慣がある人のリスクが低くなることはわかっていたものの、一定の運動量を超えるとむしろ健康を害することがあり、”ちょうど良い”運動を調べる必要があったそうです。 そこで、「健康を害さない程度の運動」かつ「日常的におこなう運動」として「階段の利用」を運動量の指標に設定したそうです。 今回の調査では、以前からおこなわれている大阪府吹田市民を対象にした調査データを活用し、階段の利用頻度と心房細動リスクを分析しました。 その結果、「3階まで昇るときに階段をどのくらいの割合で利用しますか」という質問に、「2割未満」と答えた人に比べて「6割以上」と答えた人の心房細動リスクは約7割に低下することがわかりました。 運動を意識的に生活に取り入れる 今回の調査結果に対して研究グループは、階段の利用頻度が高い人は「階段以外のところでも体を動かそうとしている可能性が高い」と考察しています。 確かに、意識的に階段を使うようにしている人は、普段から運動する習慣がある人なのかもしれませんね。 この研究は「階段の利用頻度」だけに注目しているので今回の結果だけがすべてとは言えませんが、ひとつの参考にはなるのではないでしょうか。 例えば、階段を使う頻度を上げてみたり生活に軽い運動を取り入れてみたりなど、ちょっとした工夫で心房細動のリスクを下げられるかもしれません。 膝に負担をかけるのが心配な人は、身体の負担にならない程度の運動に取り組んでみてはどうでしょうか。

2022/03/09

#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

フレイルの予防薬が誕生?筋肉量の減少のカギは毛細血管だった!

年齢を重ねるごとに、筋力を維持することの難易度が上がっていきます。例えば、高齢になってから入院して数週間歩かなくなると、それまで普通に歩いていた人も歩けなくなることがあります。 そうした筋肉の減少を防ぐために、熊本大学では筋委縮(筋肉量の減少)のメカニズムを研究。筋萎縮に関連する体内の物質の発見に成功しました。 筋肉量の減少のメカニズムを発見 熊本大学などの共同研究グループが、筋萎縮のメカニズムを発見したことを発表しました。 この研究で、研究グループが注目したのは血管。筋肉を構成する筋繊維の間には、毛細血管が張り巡らされており、酸素や栄養を供給しています。 しかしそれだけではなく、毛細血管から分泌された特殊なタンパク質が筋繊維にある受容体(外から受けた刺激を細胞内に伝える器官)を活性化することで、筋萎縮が進行することが今回の研究でわかりました。 そのため、反対にこのタンパク質と受容体の反応を弱めると、筋萎縮を抑制できるそう。そのうえ、トレーニングなどの刺激を筋肉に与えることによる筋肉量の増加を促進できることがわかりました。 運動ができなくても筋肉量を維持できるように? 高齢になると筋肉量は低下しやすくなり、回復するのは難しいと言われています。そのため、筋萎縮の予防は高齢者にとって大きな問題です。 また、筋萎縮が進行すると「サルコペニア」「フレイル」といった”要介護の前段階”と呼ばれる状態にもなりやすくなります。 サルコペニアとは、加齢によって筋肉量が減り身体機能が低下した状態のこと。フレイルとは心身の状態が悪くなったり認知機能が低下している状態のことを表します。どちらも進行すると要介護状態となってしまうため、予防が肝心です。 そこで、今回の研究結果がサルコペニアやフレイルの予防に役立つそう。これまでこれらの予防には、運動療法や食事療法などがメインで行われてきましたが、今回の研究結果によって、薬などの別の方向からのアプローチ方法が確立するかもしれません。 そうなると、入院中で身体が動かせないときでも筋萎縮を抑制できるようになるので、治療後のリハビリ期間が短縮する可能性もあります。 新たな予防法が確立したら、「入院したら歩けなくなった」という人が減るかもしれませんね。

2022/03/07

#コロナ対策 #最新研究 #糖尿病予防 #糖尿病治療

コロナに感染して糖尿病に⁉放置してきた「予備軍」の人は気を付けて

アメリカのマサチューセッツ総合病院が先月に発表した研究によると、新型コロナウイルスに感染して入院した患者で、新たに糖尿病と診断される人が多いそうです。 そうした患者は、新型コロナに感染したストレスのために一時的に高血糖になっている可能性があるとのこと。そのため、「新型コロナが治って退院したあとは正常な血糖値に戻る可能性が高い」と発表しました。 新型コロナ感染で糖尿病に? 先月、マサチューセッツ総合病院が「新型コロナに感染後、新たに糖尿病と診断された患者は一時的な高血糖になっている可能性がある」と発表しました。 ちなみに糖尿病は、新型コロナが重症化するリスクを上げる要因のひとつとされています。糖尿病で血糖値のコントロールが上手くいっていない人は、重症化率や死亡率が高いそうです。 また、新型コロナに感染して入院した際に糖尿病と診断されるケースが多く、そうした場合も新型コロナの重症化リスクが上がることが報告されています。 しかし、新型コロナに感染したから糖尿病になったのか、それ以前から糖尿病だったのかはよくわかっていなかったそうです。 そこで同病院では、既存の糖尿病患者と新たに糖尿病と診断された患者の血糖値や新型コロナの重症化率を調査しました。 その結果、新たに糖尿病になった人は、既存の糖尿病患者と比べて血糖値がそれほど高いわけではないのにも関わらず、新型コロナの重症化率が高かったそうです。 また、新たな糖尿病患者の約40%は、新型コロナが治った後は正常な血糖値になるか、糖尿病予備軍程度の数値まで下がったとのこと。感染1年後にインスリン治療を必要としていた人は8%だけでした。 そのため「新型コロナのウイルス感染による急性ストレスによるもの」という可能性を同病院は示しています。 糖尿病予備軍の人は要注意 もしかしたら、糖尿病と診断されて以前から治療をしている人より、糖尿病予備軍で何も対策をしてこなかった人の方が新型コロナの重症化リスクが高くなるかもしれません。 というのも、「普段から血糖値を良好にコントロールしている人は、さほど重症化リスクが高くない」という研究結果があるためです。 そのため、糖尿病予備軍でこれまで対策をせずに放置してきた人は要注意です。 まだまだ新型コロナが収束する見込みがない以上、重症化しないために病院で糖尿病の詳細な検査を受けたり、生活習慣の見直しをした方が良いかもしれません。

2022/03/04

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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