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#介護職員

#人材不足 #介護職員

介護職で年収800万円!?「トップ・オブ・ザ・介護福祉士」の育成を

2022年10月17日、厚生労働省が社会保障審議会・介護保険部会で、次の介護保険制度改正に向けての介護人材確保や現場の生産性向上の推進をテーマに議論をしました。 会議では、人材確保策の一環として介護福祉士を介護職のグループリーダーとして育成する案に複数の委員が賛同。高い能力を持った介護福祉士の給与を引き上げる仕組みづくりを提案する委員もおり、介護保険部会では年末に取りまとめをおこなう予定です。 介護の現場は深刻な人手不足 介護の現場の人手不足は深刻です。人材を確保するに当たって今後は人を育てるための支援や離職防止のための職場環境改善に努め、一方で外国からの人材確保するため、総合的に環境整備を実施する必要があります。 特に、多様な人材の参入に対しての介護ニーズを合わせるため、介護福祉士をグループリーダーとして育てていくことが求められています。厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会は、介護福祉士をグループリーダーとして育てるための方策などを論点に挙げました。 全国老人保健施設協会の東憲太郎委員も賛同しましたが、現行の認定介護福祉士や介護プロフェッショナルキャリア段位制度では給与面での対応がなされていないため、結果として実効性が伴っていないことを指摘しました。 優秀な人材を確保するためには 会議では、スキルが高く能力を備えた介護福祉士の評価し給与を上げる仕組みの導入を要望されました。その評価指標によると、介護士としての高い能力、指導力や業務マネジメント能力などのスキルを高い水準で満たした介護福祉士の賃金をアップさせる内容となりました。そのための処遇改善加算の新設も合わせて提案されています。 提案した東委員は、「年収700万-800万円の『トップ・オブ・ザ・介護福祉士』が生まれるかもしれないし、介護福祉士の社会的地位の向上にもつながる」とこの案の意義を述べています。 さらに、介護事業所などでのいわゆる「介護助手」の確保や、介護助手に役割を果たしてもらうための方策も論点となりました。 介護人材確保のために現場、労働環境、待遇改善など政府はどう動くのか、今後の政府の動きに注目していきたいですね。

2022/10/28

#介護職員 #社会問題

今月から介護現場の「ベースアップ支援加算」開始!安定して3%賃上げに

人生100年時代、日本は高齢化社会が進み、介護職員の需要が高まっています。 そこで国は、介護職員の人員確保や定着を図るため「介護職員の給料を上げるための政策」をおこないました。それが「介護職員等ベースアップ等支援加算」です。 ただ、中には「介護職員の給料って上がるの?」と疑問に思う人も多いのではないのでしょうか。今回は、「介護職員等ベースアップ等支援加算」について紹介します。 介護職員等ベースアップ等支援加算とは? 介護職員等ベースアップ等支援加算とは、2022年10月の介護報酬改定を経て創設された新たな加算です。これは2022年2月に新設された「処遇改善支援補助金」の考え方をベースにしています。 処遇改善支援補助金は、介護職員に対して収入の3%程度(月額9000円相当)の賃上げをするというものです。「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」として、期間限定で2022年2〜9月まで国の交付金として支給されました。 この金額が10月からは介護報酬に組み込まれ、毎月支給されます。 算定要件は何か変わるの? 算定要件は、これまでの「処遇改善支援補助金」と大きく変わることはありません。 これまでの処遇改善加算を取得している事業者が対象で、加算額の3分の2以上を基本給または毎月決まって支払う手当などの引き上げに充てることが求められます。 「ベースアップ等支援加算」を取得するには、従来通り「処遇改善計画書」や「実績報告書」の提出が欠かせません。この書類の様式は、厚生労働省が公式サイトにて公表しています。 さらなる処遇改善が求められる介護業界 介護職の問題は、賃金の問題だけではありません。 慢性的な人手不足、職場内の人間関係で悩んで辞めてしまう離職問題、身体介助で腰などを痛めてしまう安全衛生の課題などがあります。 つまり、介護業界の働き方改革や業務改善の取組みが必要となっているのです。 近年、業務改善を進める事業所も増えており、「この事業所で働き続けたい」と思わせるための定着支援が重要になっています。 さらなる介護業界の業務改善が進み、ひとつでも多くの問題が改善され、ひとりでも多くの人が介護職につきたいと思えるような働きやすい環境が広まっていくと良いですね。

2022/10/24

#介護職員 #社会問題 #調査結果

介護事業者の倒産が9月までに100件に。コロナ禍で過去最多ペースか

介護事業者の経営が悪化したことで、倒産した事業者件数が9月までに100件になったことが調査で明らかになりました。 前年のこの時期では51件で、これと比較しても約2倍の数字。この時期に100件にも上ることは初めてのことで、過去最多の倒産件数を更新する見込みが非常に高くなっています。 人手不足、コスト増とコロナ禍 深刻な人手不足と激化する競争という問題は以前からあり、経営難に陥っている事業者は多かったのですが、そこに新型コロナウイルスがさらなる打撃を与えました。 昨年までは公的な支援策が頼りになりましたが、その効果もどんどん薄れてきてしまっています。現在は、新型コロナを恐れたサービスの利用控えは以前より減りましたが、その影響は未だ深く爪痕を残しています。 また、今年に入り急速な円安などの情勢変化による光熱費や燃料費、食材費などのコストが高騰したことも加わり、これらの要素が経営を圧迫している複合的なものといえます。 介護はその事業の性格上、価格の値上げが難しく、厳しい経営に改善の兆しが見えてないと専門家に指摘されており、物価高を背景にコスト削減へ向けた支援が急務とされています。 どのような事業所が倒産しているか 今年、倒産した事業者の8割弱は従業員が10人未満と小規模なところが多く、デイサービスを中心とする通所・短期入所が最多となりました。 原因は売上不振が6割越えで圧倒的という結果に。企業である以上利益を出せなければ倒産してしまうのは必然といえます。 利用する介護施設の閉鎖は利用する本人も家族にとっても深刻な問題です。現状での公的支援がうまくいっておらず、多くの倒産する事業者を出している以上、新たな方向からの支援が期待されます。

2022/10/21

#コロナ対策 #介護職員 #調査結果

物価高の影響を受けた介護施設は9割!?感染症対策でもコスト増

長引く物価高の影響で、さまざまな業種が影響を受けているニュースを耳にするようになりました。介護の現場も例外ではないことが分かる調査結果が発表されました。 社会福祉法人の経営動向調査が公表される 福祉事業所の支援や指導等をおこなっている福祉医療機構が、社会福祉法人の経営動向を探る調査結果を公表し、昨今の物価高騰による影響を多くの施設が受けている実態が報告されました。 この調査は、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人を対象に今年9月におこなわれたもので、420法人から回答を得ました。物価高騰の影響を受けたと答えたのは、全体の90%にあたる378法人であることがわかりました。 ガス・電気代などの増加が顕著 調査の中で特に増えた経費として多かったのが水道・光熱費。その割合は91.3%と、ほとんどの法人で共通しています。前年度と比較して10%以上の増加幅だった施設は72.8%、20%以上は42.6%、30%以上という法人は21%もあるという驚きの結果となりました。 中でもガス代と電気代の増加が多い傾向が見られ、ガソリン代などの車輌費に関しては、79.9%の法人が増えたと回答し、増加幅が最大で30%以上に増えた法人もありました。 コロナ渦での感染予防対策にも影響 消毒やマスク・ゴミ処理などの用途で使われる保険衛生費や、給食費が増えたとする法人も多く、上半期のサービス活動収益は、29.3%の法人が減収見込み、横ばいが61.9%、増収見込みが7.9%との調査結果となりました。 今後に期待 物価高騰の影響が特別養護老人ホームの運営を圧迫しているということが分かるニュースでしたね。 しかし、収益が横ばいの法人が半分以上という数字には、各施設の工夫や努力が感じられます。見通しがはっきりしない状況ではありますが、必要のある所に適切な支援がされるなど、今後に期待を持ちながら乗り切っていきたいですね。

2022/10/20

#フレイル予防 #介護職員 #調査結果

中高年の約2人に1人が運動不足を実感。行楽の「骨折」に注意!

長引くコロナ禍で、運動不足を感じている人は少なくないですよね。 しかし、運動不足による体重増加や生活習慣病には気を使っていても、骨の健康にまで気を配っている人は少ないのではないでしょうか? 実は、運動不足の状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出しやすくなり骨が弱くなってしまうのです。 今回は、運動と骨の健康に関するアンケート結果と、骨の健康状態の把握に役立つキャンペーンの紹介をします。 骨の弱まりを感じている中高年は20%以下 雪印メグミルクは10月7日、「中高年に対する外出・骨の健康に関する調査」の結果を発表しました。この調査は、全国の40~79歳の男女計500人を対象にWEBでおこなわれたものです。 コロナ禍で「運動量が減った」と回答した人は44.2%。約2人に1人が運動不足を感じていました。 一方で「骨の弱まりを感じる」と答えた人は20%以下と低い水準に留まり、骨に関する意識が低いことが明らかになりました。 また、自分の介護についてどう考えているのかも聴取した結果、約7割が「自分が要介護となることを不安に感じている」、9割が「介護で迷惑をかけたくない」と考えていることがわかりました。 人に迷惑をかけることや子供への負担を不安に感じている人もいましたが、「自分の健康状態を子供に伝えている」と答えた人は約半数、家族間で「骨が健康かどうか」を確認し合うコミュニケーションをとれている人は3割以下にとどまっている結果となりました。 骨の健康チェッカーを公開 今回の調査の結果を受けて、雪印メグミルクは骨の健康に目を向け、理解を深めてもらうことを目的に「骨の健康チェッカー」を公開し、「骨の健康を知ろう!キャンペーン」を実施しています。 雪印メグミルクのサイトの「骨ちょっといい話」内に「YES」「NO」の2択に答えると骨の健康状態を簡単に把握できるというものです。 アンケートでは、今年の秋こそアクティブに過ごしたいと答えた人も多かったとのことですが、出かけた先で骨折などの怪我にみまわれては元も子もありませんよね。 10月は「骨と関節の月間」でもあります。行楽シーズンを楽しむ前に、今の自分の「骨の健康状態」を知っておくのがいいのかもしれません。

2022/10/17

#介護職員 #社会保障 #社会問題

要介護1・2は”総合事業”に。要介護者をボランティア任せにする行政

財務省が推進する要介護1、要介護2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を市町村の総合事業にする案ついて、行政と実務を預かる介護現場の間で議論が白熱しています。 介護費の現状を協議 今回の審議会は、「膨らみ続けている介護費を支えるための負担のあり方」を議題として取り上げたものとして注目が集まっています。厚生労働省は、2024年度の制度改正に向けた議論を進めていて、財務省がこの案の実現を後押ししています。 会議では保険料を負担する現役世代や企業などの立場を代表する委員も加わり、活発な議論を展開。介護費の増加を抑制するために、重度者の支援するための給付を手厚くし、軽度者サービスをより効率的にするべきとの声があがりました。 議論は概ね、これまでの財務省の主張が肯定された形となっています。 厚労省が目指す総合事業とは 今回の厚労省案の根幹を担うのは、総合事業の自由度の高さです。 総合事業は全国の画一的ルールによる介護給付と違って、運営する市町村が地域の実情に応じてサービスの運営基準や報酬などを独自に決められるものです。 例えば、地域住民やボランティアを事業の担い手にして人員配置を減らすなど、実情に合わせた低めの報酬を設定することも可能。こうした総合事業の対象として、要介護者の訪問介護、通所介護などが挙げられています。 しかしながらこれらの事業は労働の対価として見返りが少なく、地域ボランティアを活用するサービスは十分に普及しているとは言い難い状況です。 介護現場は猛反発 要介護1、要介護2の訪問介護と通所介護も含める案に対して、当日の会合では介護現場の強い反発が出るなど、現場の現状が改めて浮き彫りになりました。 高齢者を介護している現場と介護の実情を情報としてだけ捉えて判断する行政。今回の議論をぜひ前向きに、現場と行政の両者が納得できる結論を見出して欲しいですね。

2022/10/04

#介護職員

日本の介護は外国人からはどう見える?アンバサダーが魅力を発信

Japan Care Worker Guide運営事務局が、9月20日に日本在住の外国人の目線で介護職の魅力を発信する「Japan Care Worker Guide アンバサダー(日本介護福祉士ガイドの大使)」を決定しました。 このアンバサダーは、遠い日本で介護職を選んで働く外国人の目から見た暮らしや介護職に魅力をより多くの人たちに知ってもらいたい、そんな介護職への理解や地域の活性化につなげる役目を担う存在です。 アンバサダー制度とは? アンバサダー制度は厚生労働省の補助事業として発足し、今年で3度目です。 令和4年度外国人介護人材受入促進事業の一環として、日本の介護をPRし、「特定技能制度」の在留資格を取得して、日本の介護現場で働きたいと希望する人材を確保することを目的としています。 グローバルな情報を発信する「Japan Care Worker Guide」運営事務局では、日本で働きたい外国人労働者に向けて介護の仕事や特定技能制度を紹介する多言語メディアの運営や、アジア各国と日本各地の介護施設をつないだオンラインセミナーを開催。活動の内容は公式SNSやホームページで公開されています。 アンバサダーに期待される未来 世界各国の外国人の目から見た日本での暮らしや、介護職の魅力をより多くの人に発信をする「Japan Care Worker Guide アンバサダー」。今年度は、ベトナム・フィリピン・インドネシア・カンボジア・タイ・スリランカ・ミャンマーのアジア7ヵ国出身19名の外国人介護職員が任命されました。 介護職の魅力を向上させるには? 2021年11月19日には、日本政府もようやく重い腰を上げ、介護現場での職員処遇改善に乗り出しました。 岸田政権は閣議決定において「介護職員処遇改善臨時特例交付金」を新設、2022年4月から福祉・介護職員を対象とした収入を3%程度(月額9000円)引き上げるための処置を実施。対象期間は、2022年2月から9月までとのことですが、10月以降も継続して賃金の改善がおこなわれる予定です。 職員として介護現場に携わることに国籍は関係ありません。人種を超えて過酷な現場に身を投じてくれる外国人職員に適切な処遇改善は急務と言えます。人材不足が恒常化する介護の現場と、外国人材の受け入れについて、私たちも真剣に考えるタイミングなのかもしれません。

2022/09/30

#介護職員 #社会問題

介護の小規模事業所の離職率は約5割!?事業規模による二極化が顕著に

今年の厚生労働白が16日に発表されました。今回は白書の中で示された介護職員の離職率について紹介します。 白書とは 各省庁が担当する行政の現状や解決すべき課題や、目標などをまとめて発表するもので、通常毎年発表されます。国の考え方が反映されているので、今後の政策の方向性を読み取れます。厚生労働白書は厚生労働省から発行されている白書ということです。 介護職員の離職率の全体の数字は良くなっている? 白書によると、介護職員の離職率は低下傾向にあります。 2020年度は14.9%で前年度より0.5ポイント、10年前から比べると2.9ポイント低下。他の職業の離職率は全体で14.2%のため、大きな差はありませんでした。 事業所ごとで違う二極化 一方で、事業所ごとに見た離職率にはばらつきがあるとしています。 同じ2020年度の統計を事業所別に見ると離職率が10%未満が46.6%ですが、30%以上の事業所も18.2%もあることがわかりました。 白書によると、こうした二極化の動きは小規模の事業所で顕著だそう。職員が9人以下の事業所の例では、離職率が10%未満の事業所が49.7%と高い水準ですが、離職率30%以上の事業所も28.9%と、一定数存在している状況です。 離職理由で多いのは 介護職員が離職を検討する理由としては、「職場の人間関係」「事業所の理念・運営のあり方」「結婚・出産」「収入が少ない」といったことがあり、仕事を選んだ理由と実際の仕事との間にギャップがあると、離職につながる可能性がある、と指摘されています。 今後の改善に期待 介護人材の人手不足は以前から言われていた課題ですが、人が増えれば良いという事ではないようです。職員の定着率を上げるには、さまざまな対応が必要になることが分かりました。 簡単な事ではないかもしれませんが、こうした問題が改善されれば介護の質が上がり利用者のメリットにもつながります。今回の白書がより良い改善のきっかけになることが期待されます。

2022/09/27

#人材不足 #介護職員

介護業界の”あるある”の腰痛問題にメス!厚労省が現場の意識改革を求める

介護職員の悩みのひとつが、つらい腰痛ではないでしょうか?高い離職率が続く介護業界で、腰痛は離職の一因にもなり得る問題。そんな介護現場にとって大きな問題と言える腰痛問題にメスが入ろうとしています。 厚生労働省が介護現場の意識を問題に 厚生労働省は8月30日に有識者会議を開き、介護業界などで増加している職員の腰痛・転倒について話し合いをおこないました。 有識者会議では今後の対策強化に向けた報告書案が提示され、介護業界の意識改革を求める内容や具体的な方策にもふれています。 報告書案では次の2点が問題点とされました。 介護業界は人手不足により業務過多が当たり前になっている顧客や利用者への対応が最優先とされ、労働者への安全衛生教育が適切におこなわれていない そして、腰痛や転倒は重い災害ではないという誤った思い込みから、介護事業者や介護職員が職場の問題として考える意識が低いとの認識も示しました。 意識改革のために問題の「見える化」を提案 上記のような問題に対する対策として、有識者会議では短時間の動画やアプリなどを活かした安全衛生教育をおこなうことが提案されました。 さらに問題の「見える化」を求めています。つまり、転倒や腰痛による災害が経済的な損失であることを常に見えるようにすることで、問題が発生してもすぐに解決できる環境を整え、問題が発生しにくい環境を作ることが大切だとしました。 その上で、腰痛や転倒が業界や企業にとって対処しなければならない重要な課題だと分かるようにすることも必要だとしています。 こうした考え方は、来年度から始まる「第14次労災防止計画」に盛り込まれる予定です。 「ノーリフトケア」などの新技術も普及を求める 報告書では、「ノーリフトケア」(人力のみの移乗を禁止し、適切な福祉用具を使用するケアメソッド)についても言及されました。介護職員の身体的な負担軽減につながる技術や新しい介護機器の導入などは、積極的に普及を図るべきとしています。 深刻な人手不足の打開へつながるか 介護業界は深刻な人手不足が続いています。今回の厚生労働省の指摘によって、介護業界の抱える腰痛などの問題点が改めて注目されるでしょう。 業界内外の認識が変われば、介護現場の環境改善や離職率の低下につながる可能性も考えられます。 今回の有識者会議が、業界の転換点になることが期待されます。

2022/09/09

#介護職員 #社会問題

「コスト増分を価格に転嫁できない」光熱費・食料費増へ追加支援を

自民党の麻生太郎副総裁が会長を担う「地域包括ケアシステム・介護推進議員連盟」は26日、加藤勝信厚生労働相に要望書を提出しました。 この要望書は、昨今の光熱費、食料費などの高騰を踏まえ、介護事業所に対する支援策を行き届かせるよう既存の臨時交付金の積み増し・追加交付を求めるものです。 そもそも、なぜ光熱費、食料費が高騰しているのでしょうか? 光熱費高騰と食料費高騰の理由 東京電力EPや関西電力など各社の電気料金が値上がりしつづけている主な原因は、石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰の影響で、燃料費が値上げされているためです。 日本の電気事業者が発電している電気の多くは、石炭や液化天然ガス(LNG)などを燃料とした火力発電です。全体の発電電力量に対して、石炭は29.7%、液化天然ガスは37.6%を占めているうえに、ほとんどの燃料を海外からの輸入に頼っています。そのため、石炭や液化天然ガスが高騰すると、電気料金も比例して値上がりしてしまいます。 また、食料費が値上がりをしている理由として、二酸化炭素の排出量を抑える為に、トウモロコシや大豆を原料とした「バイオ燃料」が重宝されたため、原油価格の高騰により運搬価格が上昇したこと、といった理由が考えられています。 このような理由で、光熱費や食糧費が高騰しています。しかし、介護施設ではこの増加した支出分を利用者またはその親族からまかなうことができず、経営努力では対応が困難。非常に逼迫した状態となっています。 要望書に対する対応とは? 要望書では、この臨時交付金の積み増し・追加交付を財源とする支援策の実施を、国が自治体に強く促していくよう主張。あわせて、「必要に応じて更に追加的な支援も検討すること」と求めました。 今回の要望書の提出は、16の介護関係団体の働きかけもあって実現したもの。全国老人保健施設連盟の福嶋啓祐委員長は「コスト増分を価格に転嫁できない我々は非常に苦しい状況に追い込まれてしまう。一生懸命に地域を守っている介護従事者を守る責任が我々にはある」と話しました。 まとめ 光熱費や食糧費の高騰は全ての人に影響があり、それは介護職の人たちの運営にも関わる問題にもなっているようです。石炭や液化天然ガスの価格が落ち着き、光熱費や食糧費以前の価格にまで低下することが望まれます。

2022/09/06

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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