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新たな研究で、新型コロナに感染したことがある人はそうでない人に比べて、糖尿病の発症リスクが上昇する可能性が示されました。 この研究は、カナダのブリティッシュコロンビア大学とブリティッシュコロンビア州疾病対策センターによっておこなわれ、その研究結果は「JAMA Network Open」と呼ばれるオンラインの学術誌に掲載されています。 60万人以上の医療データを解析 今回、研究グループはカナダのブリティッシュコロンビア州で実施された、大規模研究の参加者を対象に調査を実施。対象者の概要は以下のとおりです。 対象者:2020年1月1日~2021年12月31日の期間にPCR検査を受けた男女 サンプル数:62万9935人 対象者の年齢:25~42歳 また、研究グループは新型コロナに罹患した人の中で、糖尿病を新たに発症した人がどれくらいいるのかを確かめるために、約半年~1年の追跡調査をおこないました。 新型コロナで糖尿病リスクが上昇 研究グループが対象者の医療データを解析した結果、新型コロナに感染したことがある人は感染したことがない人に比べて、糖尿病の発症リスクが17%上昇したことが判明。また、新型コロナに感染したことがある男性は女性よりも糖尿病の発症リスクが22%高いこともわかりました。 さらに、新型コロナが重症化し、入院や集中治療室の使用にまで至った人は、そうでない人よりも糖尿病の発症リスクが大きく上昇したことも明らかになりました。 以上の結果について、研究グループは「新型コロナ感染症を経験した男性が、女性よりも糖尿病の発症リスクが高いことがわかった。男性は女性よりも長期にわたって体を防御する抗体の血中濃度が低いなど、性別によって異なる免疫システムが影響している可能性がある」と指摘しました。 もちろん、新型コロナを経験したからと言って必ずしも糖尿病になるわけではありません。糖尿病は生活習慣の改善によって十分予防できる疾患です。健康で長く生きていくためにも、一度、運動習慣や食事の内容などを見直してみると良いかもしれませんね。
2023/05/08
新たな研究で、菓子パンやポテトチップス、ジュースなどの糖質の多い食品を日常的に摂取していると、脳が学習して甘いものを食べるのをやめられなくなることが示されました。 この研究は、ドイツのマックス・プランク代謝研究所とイェール大学が共同で実施したものです。 対象者の脳の変化を分析 研究グループは、50人の研究参加者を対象に、比較試験を実施。まず、参加者を2つのグループに分類しました。 1つのグループには通常の食事に加えて、糖質や脂肪を多く含むプリンを食べてもらいました。また、もう一方のグループには、糖質や脂肪の少ないプリンを食べてもらって、8週間後にそれぞれの対象者の脳にどのような変化が起きているかを分析しました。 甘い食品を食べ過ぎると脳内でドーパミンが増加 調査の結果、糖質や脂肪を多く含むプリンを食べてもらったグループでは、脳内のドーパミンの働きが活性化していたことが明らかになったのです。 ドーパミンとは、「快楽物質」とも呼ばれている神経伝達物質のこと。ドーパミンが分泌されると、多幸感や快楽を感じると言われています。糖質を多く含む食品を食べたときに脳内でこのドーパミンが分泌されることにより、脳は「糖質を多く含む食品を摂取すると幸福感を感じる」と学習し、甘いものを食べたり飲んだりするのをやめられなくなるのです。 今回の研究をリードしたマーク・ティットゲマイヤー氏は「糖質を多く含む食品を取り過ぎると、脳はそうした食品を食べると幸福感を感じることを学ぶ。そのため、過剰に糖質を多く含んだ食品を摂取していると、無意識のうちに高カロリーの食品を欲しがるようになる」と説明しました。 糖質の取り過ぎは体に良くないとはわかってはいるものの、どうしても甘いものを食べたいときもありますよね。最近では、糖類やカロリーを抑えた甘味料を使った食品や飲料もあるため、甘いものを食べたくなったら、甘味料を使った低カロリー食品を手に取ってみても良いかもしれませんね。 参考:「Sweets change our brain」
2023/05/02
新たな研究で、減量後に体重が戻るリバウンドを経験しても、その過程で得られた健康効果は数年間持続することが明らかになりました。 この研究は、米国心臓学会が発表したものです。 集中的な減量プログラムの効果を測定 研究グループは、集中的におこなう減量プログラムの効果を測定するために、124件の国際的な研究を評価。集中的な減量プログラムに参加した人と参加しなかった人との、心血管疾患と糖尿病の危険因子を比較しました。 対象となった参加者の情報は以下のとおりです。 対象者数:5万人以上 平均年齢:51歳 肥満かどうかを測る体格指数(BMI)の平均33(肥満) また、対象者が取り組んだ活動は食事療法や運動療法で、その方法は対面による個別・グループ指導をはじめ、スマートフォンのアプリや電話によるオンライン指導、金銭的な動機付けを設定したものなどさまざまだったそうです。 プログラム終了後も健康効果が持続 研究グループが対象者のデータを解析した結果、減量プログラムに参加した人は参加しなかった人に比べてより減量し、心筋梗塞などの心血管疾患や糖尿病の発症リスクも減少したことが判明。また、プログラム終了後も、健康効果は数年にわたって続くことが明らかになりました。 具体的には、減量プログラムに参加した人は以下のような効果を得られることが示されたのです。 最高血圧の数値が、減量プログラムに参加してから1年後に平均して1.5mmHg低下。5年後にも平均0.4mmHg低下 1~2ヵ月の血糖値の平均が反映されるHbA1cは平均0.26%低下。1年後と5年後を比較してもその効果は変わらず 善玉コレステロールと総コレステロールの比率も1.5ポイント低下。1年後と5年後で効果は変わらず さらに研究グループが調査したところ、いくつかの先行研究では、減量プログラムに参加後に体重がリバウンドしてしまった人でも、心血管疾患や糖尿病の発症リスクは依然として低下したままであることがわかりました。 オックスフォード大学プライマリケア健康科学科に所属するスーザン・ジェブ氏は「減量プログラムに参加して体重を減らし人は、リバウンドをしたとしても数年にわたって心血管疾患のリスクを減らせることが明らかになった。減量に取り組んだことは無駄にならない」と述べています。 減量にはランニングや水泳などの有酸素運動が効果的だと言われています。長く健康に過ごすためにも、日々の生活に運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
2023/05/01
新たな研究で、コーヒーを1日に1杯多く飲むだけで、糖尿病の発症リスクが4~6%低下する可能性が示されました。 この研究はオランダのエラスムス・ロッテルダム大学医療センターなどの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Clinical Nutrition」という学術誌に掲載されています。 コーヒーで糖尿病の発症リスクが低下 研究グループは、40~69歳の中高年を対象にしたイギリスの大規模研究「英国バイオバンク」に参加した14万5368人と、オランダで1990年代に始められた「ロッテルダム研究」に参加した7111人の医療データをそれぞれ解析しました。 その結果、コーヒーを飲む量を1日1杯増やすと、糖尿病の発症リスクが4~6%低下する可能性が示されたのです。 また、コーヒーをよく飲んでいる人には、以下のような反応が見られることも明らかになりました。 糖の代謝を促すホルモンであるインスリンの働きが活発になる 体の炎症度合いを示すCRPが低下する 食欲をコントロールするホルモンで、脂肪が増えるに従い放出量も増えるレプチンの値が減少する 抗炎症作用やインスリンの働きを高める作用があるアディポネクチンの値が上昇する 特に、コーヒー豆を挽いて入れるドリップコーヒーやエスプレッソには、強い抗炎症作用があることが示されました。 カフェインの過剰摂取に要注意 コーヒーにはさまざまな効能があると言われています。しかし、コーヒーにはカフェインが含まれていることを忘れてはなりません。 農林水産省によると、カフェインを摂りすぎると、興奮、不安、不眠、めまい、下痢、吐き気などの症状が引き起こされることがあるそうです。そのため、特にカフェインに弱い体質の人や妊婦の人などは、カフェインの摂取量に注意する必要があります。 農林水産省はカフェインの過剰摂取を防ぐために、カフェインの含有量を確認してカフェインが含まれる飲料を飲みすぎないようにしてほしいと注意を呼びかけています。 最近では、カフェインがほとんど入っていないカフェインレスコーヒーなども販売されています。カフェインが弱い人などはこういった商品を手に取ってみても良いかもしれませんね。 参考:「カフェインの過剰摂取について」(農林水産省)
2023/04/20
ノボ・ノルディスク・ファーマ株式会社と公益社団法人日本糖尿病協会は、2023年4月から、糖尿病啓発を目的とした「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」を開催することを明らかにしました。 対面での開催は4年ぶり。1年間に40地域以上で開催する予定としています。 「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」とは そもそも「糖尿病ウォークラリー」とはどのようなものなのでしょうか? 「糖尿病ウォークラリー」とは、糖尿病とともに健康的に暮らすことの重要性を広めるために、ノボ・ノルディスク・ファーマと日本糖尿病学会が1992年から共同で開催しているイベントのこと。このイベントに参加すると、糖尿病に関する講演やゲームなどを通じて、血糖値をうまくコントロールする方法や効果的な運動療法などを学べるのだそうです。 また、今回のイベントでは、糖尿病を患っている人向けのウォーキングアプリ「外に出ることから始めよう(通称:そとでる)」を活用した「日本一周1万2000kmチャレンジ」という新しい試みもおこなう予定。4~11月にかけて、「そとでる」を使って歩いた人の合計距離で、日本一周分となる1万2000kmを目指すとしています。 「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」の開催概要 今回の「糖尿病ウォークラリー」の概要は以下のとおりです。 開催時期:2023年4月~2023年11月 場所:全国40ヵ所以上の地域 内容:糖尿病に関するクイズ、糖尿病専門医による勉強会など ウォーキングは血糖値を良好に保つのに効果的であることはわかっていても、一人だとなかなか続かないという人も少なくありません。しかし、このイベントに参加すれば多くの仲間とともに楽しみながらウォーキングを継続できる可能性があります。 気になった人は参加してみてはいかがですか。
2023/03/30
新たな研究で、30分座るごとに5分ほどの短時間の運動をおこなうと、健康増進につながることが示されました。 この研究は、アメリカのコロンビア大学医療センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Medicine & Science in Sports & Exercise」という学術誌に掲載されています。 座る時間が長いと健康リスクが上昇 デスクワークやテレビ鑑賞など、現代生活では座っている時間が以前の生活様式に比べ長くなっています。しかし、長時間座ったまま過ごすようなライフスタイルを続けていると、運動を毎日おこなっていたとしても健康に悪影響を及ぼすことがさまざまな研究で明らかになっています。 そこで有効だとされているのが、座ったままの時間を減らして身体をより多く動かすこと。しかし、どのくらいの頻度で立ち上がり、どの程度運動をすれば良いのでしょうか?その具体的な数値は明らかになっていませんでした。 そこで研究グループは、その具体的な数値を探るために今回の実験をおこなうことにしたのです。 短時間の「スナック運動」で健康増進 今回の研究は、40~60代の11人の男女を対象に実施されました。対象者は、研究の前後に血圧値や血糖値を測定し、研究中は椅子に8時間着席。ウォーキングやトイレ休憩以外での立ち上がりは制限されました。 研究の結果、30分ごとに立ち上がり、5分間のウォーキングをおこなうと血糖値と血圧値の両方が大幅に低下したことが明らかになったのです。また、立ち上がって運動することで、食後の血糖値の急上昇が58%抑えられたこともわかりました。 一方、30分ごとの1分間のウォーキングや60分ごとのウォーキングではほとんど効果は見られないことも判明しました。 研究グループは、座ったままの時間を中断しておこなう、簡単なウォーキングや体操などのことを「スナック運動」と呼んでいます。 短時間でおこなう「スナック運動」は誰もが手軽にできるもの。毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
2023/03/28
アメリカでおこなわれた大規模研究で、ジュースやエナジードリンク、加糖コーヒーなど、高カロリーの清涼飲料を飲みすぎると、糖尿病や肥満のリスクが高まることが示されました。 この研究は、アメリカのトロント大学とハーバード大学の研究グループによって実施され、その研究結果は「American Journal of Clinical Nutrition」という学術誌に掲載されています。 高カロリー飲料が体重増加を引き起こす 研究グループは、高カロリー飲料と体重増加の関連などを調べた85件の先行研究を分析。対象者は50万人以上に上りました。 先行研究を分析した結果、ジュースやエナジードリンクなどの高カロリー飲料を1日1回340g飲むだけで、体重が1年間で平均して0.83kg増加することが明らかになったのです。また、10年以上飲み続けると、体重は2.3kgほど増加することもわかりました。 一方、高カロリー飲料を飲まないようにすると、体重が年間0.49kg減少することも示されました。 以上の結果を受けて、トロント大学栄養学科に所属するヴァサンティ・マリク氏は「高カロリー飲料を飲むのをやめれば、加齢にともなう体重増加を防げる可能性がある。もちろん、大人だけでなく子どもにも高カロリー飲料を飲むことを制限すれば、より健康的な生活スタイルを実現できるだろう」と述べました。 運動不足が重なるとインスリンの働きも低下 アメリカのミズーリ大学がおこなった別の研究では、糖質の取りすぎに加え、運動不足が重なると糖の代謝を促すインスリンの働きも低下することが示されました。 研究グループは、36人の健康な男女を対象に10日にわたり調査を実施。1日の歩数を1万歩から5000歩に減らし、 糖質が多く含まれる高カロリー飲料を1日6缶飲む生活をしてもらいました。 その結果、特に男性で糖の代謝を促すインスリンの働きが悪くなり、糖尿病のリスクが高まる可能性が示されたのです。さらに、脚の血流量や心血管疾患の重要な指標である「アドロピン」と呼ばれるタンパク質の値も低下したことがわかりました。 高齢者は水分補給のために、スポーツ飲料を飲むことが少なくありません。しかし、スポーツ飲料も多くの糖質が含まれているため、飲みすぎると身体に悪影響を及ぼす可能性があります。 スポーツ飲料を飲む場合は、水で少し薄めてから飲むと良いかもしれませんね。
2023/03/27
新たな研究で、「遊離糖」を摂りすぎると心臓病や脳卒中の発症リスクが高まることが明らかになりました。遊離糖は糖の一種で、果汁やハチミツ、砂糖、シロップなどに含まれています。 この研究結果は「BMC Medicine」というオンライン医学誌に掲載されました。 遊離糖を摂取すると心臓病や脳卒中のリスクが高まる 研究グループは、イギリスに住む37~73歳までの11万人以上の男女を対象に、約9年間にわたる食事のデータを分析しました。 その結果、遊離糖からの総摂取カロリーが5%増加するごとに心臓病の発症リスクが6%、脳卒中の発症リスクが10%それぞれ上昇したことが明らかになったのです。 一方、食物繊維を多く摂取すると、心臓病の発症リスクが減少することもわかりました。 なぜ砂糖は体に悪いのか なぜ糖分を摂りすぎると、心臓病や脳卒中のリスクが高まるのでしょうか? オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターに所属するジム・リウ氏は、次のような見解を述べています。「糖分を摂りすぎると、心臓病や脳卒中の原因となる肥満や糖尿病、脂質異常症になりやすくなる。結果として、心臓病や脳卒中のリスクも上昇してしまう」。 では、健康的に生きるためにはどういった食生活をすれば良いのでしょうか? ラトガース大学臨床・予防栄養科学学部に所属するデボラ・コーエン氏によると、糖分の摂取量を抑えるだけでは健康的な食生活には不十分だと言います。「単に摂取する砂糖の量を減らせば健康的な食生活になるわけではない。食物繊維や(ポリフェノールなどの)抗酸化物質などを豊富に含んだ、バランスの取れた食生活をすることが心血管疾患を予防するために大切だ」。 甘いお菓子やジュースはおいしいので、つい手が伸びてしまいますよね。ただ、健康のことを考えると摂りすぎは良くありません。おやつの時間には、甘いお菓子ではなくさつまいもやバナナなど食物繊維を豊富に含んだものを代わりに食べるなど、日々の食生活を工夫してみると良いかもしれませんね。
2023/03/06
新たな研究で、ビタミンDを積極的に摂取すると糖尿病のリスクが減少する可能性が示されました。 この研究はアメリカのタフツ医療センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Annals of Internal Medicine」という医学誌に掲載されています。 糖尿病予備軍の人を研究対象に 研究グループは、2022年12月9日までに実施されている、糖尿病の前段階にある人を対象にビタミンDを投与した3件の研究報告を抽出。それらの研究データをもとに統計学的な解析をおこない、ビタミンDの効果を検証しました。 ビタミンDを摂取すると糖尿病のリスクが減少 解析の結果、ビタミンDを投与されたグループは投与されていないグループに比べて、糖尿病の発症リスクが15%低下したことが明らかになったのです。 また、血中のビタミンDの濃度をより高く保っていたグループでは糖尿病の発症率が76%減少。大幅にリスクが抑制されたことが判明しました。 さらに、ビタミンDを摂取したグループは摂取していないグループに比べて、糖尿病の前段階の状態から正常な状態に改善した人の割合が30%多いこともわかりました。 以上の結果を受けて、今回の研究をリードしたタフツ医療センターのアナスタシオス・ピタス氏は「糖尿病の発症リスクが高い人がビタミンDを摂取すると、発症を抑制できる可能性が示された。しかし、ビタミンDを摂取すること以上に大切なのは、バランスの良い食生活や定期的な運動を心がけることだ。食生活や運動習慣は、サプリメントでは代替できない」と指摘しました。 ビタミンDは、サンマやサケなどの魚介類やシイタケなどのキノコ類に豊富に含まれていると言われています。バランスの良い食事を心がけて、健康的な毎日を過ごしましょう。
2023/03/03
新たな研究で、ステビアなどの甘味料に使われている「エリスリトール」という成分を摂りすぎると、血栓症や脳卒中、心筋梗塞などのリスクが高まる可能性が示されました。 この研究は、アメリカのクリーブランドクリニック・ラーナー調査研究所の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Nature Medicine」という学術誌に掲載されています。 3グループの血液サンプルを研究に使用 研究グループは調査結果の裏付けを取るために、3グループの血液サンプルを研究に使用しました。それぞれの血液サンプルの詳細は以下のとおりです。 2004~2011年の間に採取された1157人の血液サンプル アメリカで採取された約2100人の血液サンプル ヨーロッパで採取された833人の血液サンプル 研究対象者は、3グループとも共通した特徴があります。その特徴は以下のとおりです。 対象者のうち、約4分の3は心血管疾患や高血圧の症状がある 対象者のうち、約5分の1は糖尿病を患っている 対象者の年齢は60~70代 エリスリトールを摂取すると血栓ができるリスクが高まる 研究の結果、3グループすべてで高血圧などの基礎疾患があり血中のエリスリトール濃度も高い人は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる可能性が示されました。 また、この研究をリードしたスタンリー・ヘイゼン氏は「エリスリトールの血中濃度が上位25%に入る人は、下位25%に比べて心筋梗塞や脳卒中のリスクが2倍になる」と解説しました。 なぜエリスリトールの血中濃度が高い人は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇するのでしょうか? 研究チームがおこなった動物を使った実験によると、エリスリトールには血液を固める役割を持つ、血小板の働きを過剰に促進させる作用がある可能性が示されました。 つまり、エリスリトールの働きによって血が固まって血栓ができ、それが血流に乗って脳や心臓に移動することで脳卒中や心筋梗塞などのリスクにつながることがわかったのです。 もちろん、この研究だけで「二度とステビアが入った食べ物は食べない」などと過剰に反応する必要はありません。ただ、ステビアなどの食品添加物が持つリスクを踏まえた上で、毎日食べるものを選んでいきたいですね。
2023/03/02
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。