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新たな研究で、新型コロナに感染したことがある人は、感染後に糖尿病を発症するリスクが上昇する可能性が示されました。 この研究は、アメリカのペンシルバニア州立大学によっておこなわれ、研究結果は「Scientific Reports」という学術誌に掲載されています。 新型コロナ経験者は糖尿病リスクが上昇 研究グループは、今回の研究にあたって、2019年12月~2022年10月中旬に公開された約850件の研究から8件の研究を選択。新型コロナに感染した約427万人と新型コロナに感染していない約4320万人の医療データを、先行研究と照らし合わせながら分析しました。 その結果、新型コロナに感染したことがある人は、新型コロナに感染したことがない人に比べて、糖尿病の発症リスクが1.66倍上昇することが明らかになったのです。 この結果を受けて、ペンシルバニア州立大学のジブリル・バ氏は「現在までに、世界の6億6000万人以上が新型コロナの感染を経験している。新型コロナに感染したことがある人や医療従事者は、糖尿病に対して特に注意を払ってほしい」と述べました。 研究グループは「今後、糖尿病のリスクが上昇した生物学的要因についても研究を深め、糖尿病発症リスクが最も高い、新型コロナ感染の経験者を早期に特定できる状態を目指していきたい」としています。 新型コロナを予防するために 新型コロナの経験者が、どんな病気のリスクを背負っているかはまだまだ解明されていない部分も数多くあります。 そのため、まだ新型コロナに感染したことがない人は、引き続き感染対策を徹底することが重要です。 そこで、新型コロナの感染対策について、改めて確認しておきましょう。政府によると、以下のような感染対策が有効だとしています。 人と人との距離を十分に保つ おしゃべりする時間はできる限り短くして、大声を避ける 部屋の換気を徹底する マスク着用については、2023年3月13日から個人の判断に委ねられます。しかし、医療機関に受診に行くときや混雑した交通機関を利用するとき、介護施設を訪問するときは引き続きマスクを着用してほしいとしています。 新型コロナが流行してから月日が経ち、行動制限の緩和も進んできています。ただ、重症化リスクや後遺症リスクがあることは変わらないため、引き続き感染対策をするようにしましょう。 出典:「感染拡大防止に向けた取組」(内閣官房)
2023/02/27
新たな研究で、アーモンドをよく食べる人はそうでない人に比べて血糖値や体重などが改善され、糖尿病のリスクが下がる可能性が示されました。 この研究は、インドのマドラス糖尿病研究財団やアメリカのパデュー大学などの研究グループによっておこなわれました。 肥満のアジア系インド人を対象に調査を実施 今回の研究では、肥満傾向にある25~65歳のアジア系インド人352人が対象。また、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの家族歴があり、午前中に定期的にスナック菓子を食べている人が対象に選ばれました。 対象者は、12週間毎日アーモンドを摂取するグループと摂取しないグループに分類。それから、体重、血圧、コレステロール、インスリンなどの糖尿病の発症因子になる要素を測定し、評価をおこないました。 アーモンドを毎日食べた人は糖尿病の危険因子が改善 研究の結果、アーモンドを12週間毎日食べた人は、糖の代謝を促すインスリンの値やそれを生成する膵臓の状態が改善されたことが判明。また、体重、血糖値、総コレステロール値も改善傾向にあることが明らかになりました。 この結果を受けて、マドラス糖尿病研究財団の糖尿病研究主任であるヴィスワナータン・モハン博士は「アーモンドを摂取したグループでは、体重と血糖値の両方に改善が見られた。このことから、ほかのスナックの替わりにアーモンドを食べるようにすれば、肥満や糖尿病のリスクを抑えられる可能性がある」と分析しました。 このように、さまざまな健康効果が確認されているアーモンド。ただ、食べ過ぎると油分を摂りすぎて肌荒れの原因になることもあります。ほどほどの量をお菓子の代わりに食べると良さそうですね。
2023/02/27
新たな研究で、肥満度が上昇すると糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクも上昇することが判明。また、男性と女性でリスクの上昇の仕方が異なることも明らかになりました。 この研究は、神戸大学大学院によっておこなわれ、その研究結果は「Scientific Reports」という学術誌に掲載されています。 肥満度とともに糖尿病の有病率が上昇 研究グループは、65歳の神戸市民約1万1000人を対象に調査を実施。対象者は肥満度が低い方から、低体重、普通、肥満度1、肥満度2、肥満度3と5つに分類。それから、糖尿病、高血圧、脂質異常症という肥満に起因する代表的な3つの疾患の有病率を、対象者の肥満度別に分析しました。 まず、糖尿病の有病率を調査。すると、普通体重の人の有病率は7.3%でしたが、体重が増えるに従って有病率が19.3%、29.9%、52.5%と大きく上昇したことがわかったのです。 脂質異常症の肥満度ごとの有病率は緩やかに上昇 高血圧と脂質異常症における有病率の調査でも、同様の傾向にあることが判明。ただ、脂質異常症の肥満度ごとの有病率は、普通体重の人が62.8%、肥満度1の人が75.6%、肥満度2の人が78.5%、肥満度3の人が80.0%と、肥満度ごとの有病率の上昇幅が小さいことが明らかになりました。特に女性で、この傾向が顕著だったとしています。 このことから、肥満に起因する生活習慣病を予防するには減量が必要なものの、特に女性が脂質異常症を予防するには減量だけでは不十分で、睡眠や運動など全体的な生活習慣の改善が必要なことが明らかになったのです。 以上の結果を受けて、今回の研究をリードしてきた田守義和特命教授は「日本人を含む東アジア人は内臓脂肪が溜まりやすいため、軽度の肥満であっても糖尿病や高血圧、脂質異常症のリスクが高まることがわかっている。これから健康寿命をさらに伸ばしていくためには、日本人独自のデータを集めていくことが重要だ」と指摘しました。 糖尿病や高血圧といった病気は、特に高齢者に多い病気です。これらの病気を防ぐには、やはり食事や運動、睡眠などの生活習慣全般の改善が必要であることが、今回の研究で改めてわかりますね。
2023/02/20
新たな研究で、食事中に飲酒する人は、食事以外のタイミングで飲酒する人に比べて糖尿病の発症リスクが下がったことが明らかになりました。 この研究はアメリカのテュレーン大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「American Journal of Clinical Nutrition」という医学誌に掲載されています。 糖尿病を発症していない人を対象に調査 今回の研究は、さまざまな環境が疾患に与える影響を調査するイギリスのデータベース「UK Biobank」に登録された、調査の初めの段階で糖尿病を罹患していない飲酒者約31万人の医学データを解析しました。 飲酒タイミングの内訳は、「食事中に飲酒」が43.9%、「食事以外のタイミングで飲酒」が20.2%、「飲酒のタイミングが不定」が35.9%でした。 平均して約10年にわたって対象者を追跡調査したところ、8598人が糖尿病をのちに発症したことがわかりました。 ワインを飲むと糖尿病の発症リスクが下がる 医学データを解析した結果、食事中に飲酒をする人と飲酒のタイミングが決まっていない人は、食事以外のタイミングで飲酒する人に比べて、糖尿病の発症リスクが低いことが明らかになりました。 また、食事中に飲酒する人は、飲酒量と糖尿病の発症リスクがU字型の相関関係にあることが判明。食事中にわずかしか飲酒しない人(毎週50g未満)に比べて、中等量飲酒する人(毎週100~200g)の方がより糖尿病の発症リスクが低くなったのです。 さらに研究グループは、どの種類のお酒を飲むと糖尿病の発症リスクが低くなるかについても分析。その結果、ワインを食事中に飲む人はリスクが低くなる傾向にあることがわかりました。 一方、ビールや蒸留酒と糖尿病の発症リスクの関連は認められませんでした。 この結果を受けて、研究グループは「飲酒量と糖尿病の発症リスクの関連を研究するときに、飲酒のタイミングも考慮しておくことの重要性が示された」としています。 今回の研究では、なぜ食事中にワインを飲むと、糖尿病の発症リスクを減らせるのかは言及されませんでした。今後、より研究が進んでいけば、ワインの効果もさらに明らかになっていきそうですね。
2023/02/08
新たな研究で、質の良い睡眠が十分取れていない人は質の良い睡眠ができている人に比べて、糖尿病を発症するリスクが高くなる可能性が示されました。 この研究は南オーストラリア大学によっておこなわれたものです。 睡眠の質が悪い人は糖尿病のリスクが増加 南オーストラリア大学の研究グループは、オーストラリアに住んでいる約1000人を対象に調査を実施。睡眠障がいがあるかどうか、何時から何時の間に眠るのか、毎日何時間くらい睡眠時間を確保しているのかなどを調べました。 その結果、質の良い睡眠が取れていない人は質の良い睡眠ができている人よりも、糖尿病を発症するリスクが高いことが判明したのです。 南オーストラリア大学の看護学部に所属するリサ・マトリチアーニ氏は「睡眠は時間の長さだけでなく質も大切だ。どれだけ熟睡できているか、毎日規則正しい時間に寝られているかにも気を配ることの重要性が、今回の研究でわかった」と述べています。 睡眠の質を改善するために では、どのように生活すれば睡眠の質を改善できるのでしょうか? 北陸先端科学技術大学院大学などで構成されたグループは、この疑問に答えるためにある研究をおこないました。 研究グループは、東京都江東区と愛媛県松山市にそれぞれ住んでいる40~64歳の成人683人を対象に調査を実施。対象者の睡眠の質をアンケートで調べたほか、日々の身体活動も7日間にわたって測定しました。 その結果、座ったり寝たりする時間を1時間減らして、その代わりに中強度から高強度の運動をする時間を60分増やすと、睡眠の質を改善できることがわかりました。特に中年女性で大きな効果が得られたとしています。 研究グループは「睡眠障がいを予防するためには、活動的な生活スタイルを構築していくことが必要だ」と述べています。 中強度から高強度の運動といっても、ジムなどに通う必要はありません。意識的に早歩きするだけでもその効果が得られると考えられています。日々のちょっとした時間に取り組んでみると良いかもしれませんね。
2023/02/03
新たな研究で、糖尿病を患っている人はそうでない人に比べて、血管内に血の塊ができる血栓症の発症リスクが上昇することがわかりました。 この研究はオーストリアのウィーン医科大学によっておこなわれたものです。 血栓症とは 今回の研究で言及されている「血栓症」とは、端的に言うと血管内に「血栓」と呼ばれる血の塊ができて、それが血管を詰まらせてしまう病気です。 血栓は主にふくらはぎや太ももの血管でできることが多く、それが血流に乗って肺などに運ばれることでさまざまな症状が出現。足から心臓へと血液を戻す深い部分の静脈に血栓ができた場合は、足に痛みが出たり、足が赤黒く腫れたりもします。 また、足の血管にできた血栓が肺まで運ばれると、胸の痛みや動悸などの症状が出るほか、場合によっては呼吸困難で命に危険が及ぶこともあります。 一方、血栓ができただけでは症状が出ない場合も。ただ、その血栓が肺まで運ばれると重症化する危険があるため、それまでに処置する必要があります。 調査の概要 今回の研究では、オーストリアで保管された2003~2014年にわたる約4500万件の医療データを活用しました。 研究の対象者は、糖尿病と診断された男女約18万人。構成は、男性が10万9295人、女性が7万739人です。 調査の詳細 研究グループは、対象者の医療データを分析。その結果、糖尿病を患っている人はそうでない人に比べて、血栓症を発症するリスクが男性で1.3倍、女性で1.52倍上昇したことが明らかになったのです。 糖尿病を患っている中年女性は特に血栓症になりやすく、50代女性は1.65倍まで血栓症のリスクが引き上がることも判明。この理由について、ウィーン医科大学のカロラ・ダイシンガー氏は「50代は更年期の影響を受けやすいことも、リスクが上昇した一因なのではないか」と分析しています。 では、血栓症はどうすれば予防できるのでしょうか? イギリスのブリストル大学に所属するセトール・クヌーソル氏は「パソコンの前で何時間もデスクワークをするなど、座ったままの時間が長くなる場合は、30分ごとに立ち上がってストレッチをしたり軽く周りを散歩したりすると良いでしょう」と、小まめに身体を動かす機会をつくるように勧めています。
2023/01/16
新たな研究で、のりに含まれる成分「イソフロリドシド」の仕組みが解明されました。 この研究を進めている佐賀大学は、イソフロリドシドが天然の甘味料として活用できる可能性があるとしています。 のりに含まれる「イソフロリドシド」とは のりには「イソフロリドシド」と呼ばれる成分があります。 佐賀大学がこのイソフロリドシドを分析した結果、砂糖や人工甘味料などと同じように、舌など甘味を感じる部分に働きかける物質であることが確認されました。 さらに研究を進めると、イソフロリドシドは砂糖と以下の点で異なっていることも明らかになったのです。 食べても身体に消化吸収されない 食欲を減らす 糖の代謝を促すインスリンの濃度を増やすホルモンが分泌されやすくなる この結果を受けて、佐賀大学はイソフロリドシドの研究をさらに進め、摂取しても血糖値が上がりにくい、天然由来の甘味料の実用化を目指したい、としています。 血糖値の急上昇を防ぐ食べ方 白米や麺類、または砂糖をふんだんに使ったスイーツなどを食べると、血糖値の急上昇を引き起こします。血糖値が上昇した状態が続くと糖の代謝を促すインスリンの働きが鈍くなり、糖尿病のリスクが高まることも知られています。 そのため、糖尿病を予防するには血糖値の急上昇を防ぐことが大切です。 では、どのようにすれば血糖値の急上昇を防ぐことができるのでしょうか? 十和田市中央病院の糖尿病ケアチームによると、以下のような対策が有効だそうです。 1日3食食べる 血糖値が上がりにくい食品を選択する 食物繊維の多い食べ物から食べる 3食の中で食事を抜いてしまうと、その次の食事後の血糖値が急上昇するそうです。 また、血糖値が上がりにくい食品を選ぶことも重要です。一般的には、「白い穀物」より「茶色い穀物」のほうが血糖値が上がりにくいとされています。例えば、白米より玄米、食パンよりライ麦パンのほうが血糖値が上がりにくいと言われています。 さらに、野菜やキノコ類など食物繊維の多い食べ物から食べることで血糖値の上昇を抑えられることも、過去の研究から明らかになっています。 今回のイソフロリドシドが実用化されれば、血糖値の上がりにくい甘味料として新たな選択肢となるかもしれません。今後、イソフロリドシドからできた天然由来の甘味料ができれば、より健康に適した甘いものを食べられるようになりそうですね。
2023/01/12
新たな研究で、「コプロコッカス属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きやすい傾向にあることが明らかになりました。 この研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによって実施されたものです。 腸内フローラとは 腸内フローラとは腸内に生息する細菌の環境のことを言います。 人の腸内には、500~1000種類の腸内細菌が生息していると言われています。そんな多種多様な細菌が、腸内に一面に広がると花畑に見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになったそうです。 腸内フローラを構成する細菌には、有害な物質をつくる悪玉菌、悪玉菌の侵入を防いだりお腹の調子を整えたりする善玉菌、悪玉菌と善玉菌の様子を探って優勢なほうにつく日和見菌があります。 腸内細菌のうち、悪玉菌が1割、善玉菌が2割、日和見菌が7割を占めています。これらのバランスが乱れると下痢や便秘だけでなく、免疫力低下やうつ病などさまざまな疾患を引き起こすと考えられています。 研究の概要 今回の研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによっておこなわれました。 研究グループは、40~80歳で、今まで糖尿病と診断されていないアメリカ人352人を2018年から追跡調査。調査期間中に、28人が糖尿病と診断され、135人が糖尿病予備軍の判定を受けました。 研究の詳細 研究対象者のデータを分析した結果、食べ物の消化吸収を促す善玉菌の一種である「コプロコッカス属」の細菌が多い人は、糖の代謝を促すインスリンが効きやすい傾向にあることが判明したのです。 逆に「フラボニフラクター属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、インスリンが効きにくい傾向にあることも明らかになりました。 シダーズ・サイナイ医療センターの内分泌遺伝学研究室の所長であるマーク・グダルジ氏は「どの腸内細菌が糖尿病を予防したり治療したりするのに有用であるか調べるためには、さらに詳細な研究が必要だ」と述べました。
2023/01/12
新たな研究で、十分な水分補給をすると、心不全や糖尿病など慢性疾患の発症を抑えられる可能性が示されました。 この研究はアメリカ国立衛生研究所によっておこなわれたものです。 水分摂取が慢性疾患のリスクを軽減 研究は1万1000人以上の成人を対象に実施されました。 研究グループは、水分摂取量が減ると血液中のナトリウム濃度が上昇することに着目。対象者のナトリウム濃度を調査しました。 その結果、血中のナトリウム濃度が高い人はそうでない人に比べて、糖尿病や心不全などの慢性疾患を発症するリスクが64%増加することが判明したのです。 この研究をリードしたナタリア・ドミトリエヴァ氏は「十分な水分補給をすると、健康寿命が伸びることが示された」と話しています。 高齢者が水分補給しやすくなる工夫 高齢者の多くはのどの渇きを自覚しにくい傾向にあります。また、トイレ介助が必要な高齢者の中には、「介助してもらうのが悪いから」とトイレに行く回数を減らすために、水分補給をあまりしない人もいます。 しかし、高齢者は体内に水分を蓄える機能が低下していて、脱水症状が一般成人よりも起こりやすいため、余計に水分補給が必要なのです。 では、どうすれば高齢者が進んで水分補給をするのでしょうか? 例えば、饅頭のような水分がほしくなるようなおやつと一緒にお茶を出すという方法や、食事には味噌汁などの汁物を必ずつけるなどの方法があります。このように、食事やおやつと同じタイミングで、少しでも多く水分を摂ってもらうように工夫すると良いかもしれません。 水分を飲み込む機能が低下している高齢者には、水の代わりにゼリーを食べてもらうのも良いでしょう。ゼリーはほとんど水分でできているため、食べることが水分補給にもなるのです。 冬でも知らず知らずのうちに体内の水分は失われています。脱水にならず、長く健康に過ごすためにも、水分を多めに取るように心がけることが大切ですね。
2023/01/11
新たな研究で、メカブを先に食べると食後の血糖値の上昇が抑えられる可能性が示されました。 この研究は、和洋女子大学家政学部と、海藻類の加工品を販売しているトリトンフーヅが共同でおこなったものです。 海藻の効能 海藻には豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は腸などの消化管が糖を吸収するのを穏やかにし、食後の血糖値が上昇するのを抑える働きがあることで知られています。 また、近年の研究では、白米や麺類など炭水化物が多い主食を食べる前に、海藻や野菜など食物繊維が豊富な食べ物を先に食べることで、インスリンの分泌を促す「GLP-1」と呼ばれるホルモンが分泌され、糖の吸収が穏やかになることが指摘されています。 研究の内容 今回の研究では、まず成人女性7人を以下の3つのグループに分けました。 白米200gのみを食べたグループ メカブ40gを食べたあとに白米を食べたグループ キャベツ40gを食べたあとに白米を食べたグループ それから、食前と食後30分おきに、インスリンの分泌を促すGLP-1の血中濃度を検査。その結果、メカブを40g食べたグループでは、食後の約2時間にわたってGLP-1の濃度が高いことが判明しました。 一方、キャベツを先に食べたグループでは、30分後はGLP-1が豊富に分泌されていましたが、60分後になると血中のGLP-1の濃度が白米のみを食べたグループと同程度まで落ちていたことが明らかになりました。 インスリンの分泌を促すホルモンであるGLP-1の濃度が高いということは、それだけ糖の代謝も活発になり、その結果、血糖値の上昇も抑えられると考えられるでしょう。 和洋女子大学家政学部健康栄養学科の多賀昌樹准教授は、「メカブを摂取することが、消化管のホルモンにどう作用するのかについては、まだ解明されていないことも多い。今後も海藻を食べることでもたらされる、生活習慣病の予防効果について調べていきたい」としています。
2022/12/21
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。