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世界中に約5億3700万人もいると言われる糖尿病患者。その数は年々増加しており、有効な対策をしないと2045年には7億8300万人まで増加するという推定も発表されています。 そのように糖尿病対策が急務ななか、イギリスのニューカッスル大学が食前に「ホエイプロテイン」を摂ることで、食後の血糖値が上がりにくくなるという研究結果を発表しました。 それによると、食前にホエイプロテインを飲んだ人は、そうでない人よりも血糖値が正常値に収まっている時間が増え、24時間の血糖値の平均値も下がったそうです。 ホエイプロテインが血糖値を抑える? イギリスのニューカッスル大学は、血糖値を抑えるために食事の前に「ホエイプロテイン」を飲むことが効果があることを発表しました。 ホエイプロテインとは、牛乳由来のタンパク質のこと。また、ホエイ(乳清)とはチーズを作るときの副産物で、ヨーグルトの上澄みの液体でもあります。 今回の実験は、平均年齢50歳の糖尿病患者18人を対象に実施。朝食・昼食・夕食の10分前に、タンパク質15gが含まれるホエイプロテインを1週間にわたって摂取しました。 その結果、食事の前にホエイプロテインを摂取した人は、血糖値が正常の範囲内に収まった時間が1日2時間増えたそう。さらに24時間の血糖値の平均も、ホエイプロテインを飲んだ人はそうでない人よりも低かったそうです。 こうした結果について研究グループは、ホエイプロテインが食事が消化や吸収されるスピードを遅くしたことで食後の血糖値の上昇を抑えた、としています。 さらに、血糖値の上昇を抑えるホルモン「インクレチン」の分泌を抑える効果がある可能性も指摘。食前にタンパク質を摂ることで、インスリンの分泌を促進したと考えられるそうです。 今後は、ホエイプロテインの効果を確かめるために、大規模な実験を計画しているそう。合わせて、大豆やエンドウ豆などの植物性タンパク質などの効果についても研究する予定とのことです。 身近なもので血糖コントロール 今回の実験がおこなわれたイギリスだけでなく、日本でもフィットネスブームによってプロテインがとても手に入りやすくなりました。 特にホエイプロテインは、コンビニやスーパーでも簡単に買えるプロテイン。手軽に手に入るものなので、今後は運動をする人だけでなく血糖値のコントロールに気を使う人にとっても注目されるサプリメントになるかもしれないですね。
2022/07/27
全国に糖尿病の患者は1000万人いるとされています。なかでも高齢者が糖尿病になると、若い世代よりも自覚症状が出にくく、気がつかないうちに悪化しているケースもあります。 そのうえ、高齢になると血糖値を下げる薬の効果が強く出やすいため、重度の低血糖症を引き起こすことも。低血糖になると認知機能に障害が出る可能性があるので大変危険です。 そのため、日々の生活習慣の改善によって糖尿病の重症化を予防することが大切です。 そこで、リンクアンドコミュニケーションは大阪府阪南市でAI健康アプリ「カロママ プラス」を使った実証実験を実施。AI(人工知能)による生活習慣のアドバイスや、管理栄養士とのオンライン相談などを通して血糖値が改善し、生活習慣の改善もされていたそうです。 アプリとリアルのサポートで血糖値改善 企業や自治体など向けに健康管理サービスを提供しているリンクアンドコミュニケーション社が、大阪府阪南市で糖尿病の患者向けのサポートプログラムの実証実験をおこないました。 この実証実験は、2021年10月から3ヵ月にわたっておこなわれたものです。 プログラムでは、同社のAI健康アプリ「カロママ プラス」を利用。アプリに食事、睡眠、運動といった健康情報を登録してAIコーチの「カロママ」による生活習慣のアドバイスや、管理栄養士とのオンライン面談・チャット相談も実施しました。 加えて、1日1食(28食分)の冷凍ヘルシー弁当を提供。アプリによるオンラインサポートと、管理栄養士への相談や宅配弁当によるリアルな支援を組み合わせて生活習慣の改善に取り組みました。 この実証実験の結果、プログラム前後に血液の採取ができた6人のうち4人が「HbA1c」の値が改善。「HbA1c」は直近1~2ヵ月の血糖値を反映するため、長期的な血糖値の改善に取り組むときの指標になるものです。 加えて、プログラム前後に数字が回収できた8人のうち、6人が減量に成功。平均で2.2キログラム体重が減り、肥満の度合いを示すBMIの平均値は24.9から24.2に減少しました。 取り組みを継続するために 糖尿病の治療をする際にまず大切なのは、生活習慣の改善。ですが、これまでの習慣を変えるのはなかなか大変ですよね。 そこで、アプリなどで毎日の食事を管理できると手軽にできそうですし、頻繁にアドバイスをもらえるので「何を食べたら良いの?」という疑問も解消できそうです。 糖尿病の治療は、継続することが重要。こういった健康アプリを活用して少しずつでも生活習慣を改善していきたいですね。
2022/06/28
「野菜は健康に良い」と思いつつも、なかなか意識しないとたくさん食べるのは難しいですよね。 ちなみに、厚生労働省は野菜を1日350グラム摂取することを推奨。しかし、2018年の調査では野菜の平均摂取量は成人男性で約290グラム、女性で約270グラムと推奨量を満たしていないのが実情です。 ただ、今回、オーストラリアの大学が野菜を多く食べている人はストレスが低いという研究結果を発表し、改めて野菜の健康効果が明らかになりました。 その研究によると、野菜を多く食べている人は少ない人に比べてストレスが10%低いことがわかったそうです。 野菜はストレス低下にも効果的 オーストラリアのエディスコーワン大学が、25~91歳のオーストラリア人8600人を対象に野菜や果物の摂取量とストレスの関係について調査しました。 その結果、野菜や果物の摂取量が1日470グラム以上の人は、230グラム以下の人よりもストレスが10%低いことがわかりました。 ただ、野菜や果物を多く食べることでストレスが低下するメカニズムははっきりと解明されていないそう。研究グループによると、野菜や果物にはビタミン、ミネラル、フラボノイド、カロテノイドといった栄養素が含まれており、それが身体の炎症や酸化を軽減している可能性があるとのことです。 さらに、体内の炎症や酸化によるストレスは、精神的なストレスの増加や不安などにつながることがわかっています。そのため、野菜や果物を多く食べることで、ストレスが少なくなったと考えられるそうです。 ストレスから生活習慣病に… ストレスが多い状態が長引くとうつ病などを発症することがありますが、ストレスが影響するのは心の健康だけではなく、身体の健康とも関わりがあります。 なぜなら、ストレスがたまると「食事が乱れる」「飲酒量が増える」「喫煙量が増える」などの生活習慣に悪い影響が出ることがあるため。乱れた生活習慣が続くことで、高血圧や糖尿病などを引き起こしてしまうのです。 また、野菜にはストレスを低下させるだけではなく、生活習慣病を直接的に予防する効果もあります。 例えば、野菜に含まれるビタミンやミネラル、ポリフェノールは、血圧を下げたり発がん物質の発生を防ぐ効果があることがわかっています。 そのため、厚生省が推奨している1日350グラムの摂取を目指して、積極的に野菜を食べていきたいですね。
2022/06/09
糖尿病は進行すると神経障害や腎臓病、失明、脳梗塞などさまざまな病気を引き起こす怖い病気。糖尿病自体は命に関わる病気ではないものの、合併症によって最悪の場合は死に至ることもあります。 そして、今回、そうした合併症に加えて、糖尿病は脳の老化を早めることがアメリカの研究で明らかになりました。 その研究によると、糖尿病の人はそうでない人に比べて脳の老化が26%も加速するそうです。 脳の老化を糖尿病が早める!? アメリカのニューヨーク州立大学が、典型的な脳の老化と糖尿病患者の老化の比較を実施しました。 この研究は、50~80歳の約2万人の健康データを解析したもの。これまでも、糖尿病が認知機能の低下を引き起こす研究はあったものの、糖尿病による認知機能低下と通常のものを区別するのが難しかったため、今回は糖尿病患者に特有な認知機能の変化を特定することを目的としたそうです。 研究の結果、糖尿病のない同年代の人と比べて糖尿病の人は、認知能力が低いことが明らかになりました。 さらに、脳の神経の減少が健康の人よりも早い可能性もあるそう。そして、こうした影響は糖尿病の期間が長いほど深刻であり、糖尿病が脳の老化を26%加速させていることもわかりました。 また、研究チームは「糖尿病と診断されたときには、すでに脳に大きな損傷を負っている場合がある」と早い時期から脳への影響がある可能性に触れています。 ”予備軍”でも要注意! 以前から、糖尿病が認知症のリスクを高めることは知られていましたが、それが糖尿病と診断される前から脳に影響があるとは驚きですね。 今回の研究から、脳の健康を守るためにも普段から血糖値のコントロールが大切ということがわかります。 特に、「糖尿病予備群」と呼ばれる血糖値が高めな人は注意する必要がありそう。糖質や脂質の多すぎる食品を避けて健康的な食品を選んだり、ウォーキングなどの運動を生活に取り入れるなど普段の生活から脳を守る習慣を身に付けたいですね。
2022/06/08
全国に患者が1000万人いるとされている糖尿病。そのなかの約25%は、治療のために受診をしていないという推計結果も出ています。 治療を受けない人が多い理由のひとつに、糖尿病の治療をするには、薬での治療の他に食事療法や運動療法など生活習慣を変える必要があることが挙げられます。 しかし、これらの治療を組み合わせることで血糖値の改善に大きな効果があることがアメリカの研究でわかりました。 その研究によると、血糖値を下げる薬と運動療法を組み合わせることで血糖値のコントロールが改善。さらに、高血糖によって低下した運動能力が回復するそうです。 運動能力の低下を防ぐ! アメリカのジョスリン糖尿病センターが、血糖値を下げる薬と運動療法を組み合わせることによる血糖値改善効果についての研究結果を発表しました。 この研究は、糖尿病のマウスに血糖値を下げる薬(SGLT2阻害薬)を投与する薬物療法と運動用ホイールを走らせる運動療法を並行しておこなったものです。 その結果、マウスの糖尿病は大幅に改善。さらに、マウスの筋肉を調べたところ、高血糖の状態が続くことで筋肉の反応が低下する原因の分子を筋肉内で見つけました。 つまり、長期間にわたって高血糖が続くと、筋肉の運動に対する反応が分子レベルで悪くなるということ。薬物療法と運動療法を組み合わせることで、運動能力の低下を防げるそうです。 今後、研究グループはどのように薬物療法・運動療法・食事療法を組み合わせると運動能力を改善するのに最も効果が高いかをみつける研究を予定しています。 薬+運動で効果がアップ 血糖値の改善のために、運動が効果的なのは多くの人が知っていることでしょう。特に糖尿病の診断を受けている人や”糖尿病予備群”である血糖値が高めの人は「わかっているけど続かない」と感じているかもしれません。 ただ、今回の研究結果はこうした人に朗報ではないでしょうか。血糖値を下げる薬と運動を組み合わせることで血糖値の改善効果が大きくなり、より効果的な治療をおこなうことができるためです。 ちなみに、厚生労働省によると糖尿病の人に推奨される運動は、少なくとも週に3~5回のややきついくらいの中程度の有酸素運動。1回に20~60分間おこない、合わせて150分以上が目安だそうです。 この運動はウォーキングなどでも良いそうで、血中の糖の代謝を改善するためにできれば毎日おこなうと効果的。出かけるときに車や電車ではなく歩いて移動してみたり、負担の少ない形で続けていきたいですね。
2022/06/07
食べ過ぎは、肥満や糖尿病、心臓病などの原因になりかねない生活習慣であることはよく知られていることですが、だからといってなかなか改善できないもの。さらに、コロナ禍での運動不足も合わさって、健康状態や体重が気になるようになった人もいるのではないでしょうか。 そうした状態から健康を取り戻すためには、まずは「普段、どれだけのカロリーを摂取しているのか」を把握することから始めると良いのかもしれません。 というのも、イギリスでおこなわれた研究で「多くの人が摂取カロリーを800キロカロリーも過小評価してしまう傾向がある」という結果が報告されているため。摂取したカロリーを正しく把握することが食生活を見直すきっかけになるかもしれません。 800キロカロリーも少なく見積もっている? イギリスのエセックス大学が、摂取カロリーの自己評価と実際の数値の違いについての研究結果を発表しました。 この研究は、さまざまな体型の成人221人を対象におこなわれたもの。対象者に食事日記をつけることで毎日の食事内容を自己申告させ、対象者の尿を検査することでそれぞれの消費カロリーをチェックしました。 その結果、肥満の人は平均1200キロカロリー、痩せている人は平均800キロカロリーも摂取カロリーを少なく申告していることがわかりました。 これは、肥満の人の方が摂取カロリーを少なく申告しているというわけではなく、体格が大きくなるほど必要なカロリーが増えてその分だけ多く食べているため、報告した摂取カロリーと実際の摂取カロリーの差が大きくなったということだそうです。 つまり、体格に関わらずほとんどの人が自分の摂取カロリーを少なく見積もっており、実際にはそれよりもかなり多くのカロリーを摂取していることがわかりました。 この結果を受けて研究グループは、「糖尿病や肥満の人の食事療法は、自己申告の摂取カロリーによって目標を設定するが、摂取カロリー量の認識が正しくないこと知ることでもっと現実的な目標を設定できるようになるかもしれない」としています。 まずは今の食べているものを把握 健康のために野菜を多く食べるなど、食事に気を使っている人も多いのではないでしょうか。しかし、「1日にどれだけのカロリーを摂取しているのか」まで把握している人は少ないかもしれません。 今回の結果を知ると「もしかしたら、自分も食べすぎているかも」と気になるところですよね。 そこで、最近ではスマホアプリで食べたものを簡単に記録できるものが登場しているので、まずは今の摂取カロリーを記録してみると良いかもしれません。記録してみると、意識せずに食べているお菓子があったりするので、それをきっかけに食生活の見直しをしてみてはどうでしょうか。
2022/06/06
日本の糖尿病患者は2000万人以上とされており、そのなかの10~20万人の重症の糖尿病患者は、一生涯インスリン注射を打つ必要があります。 そこで、福岡大学はインスリンを作る「膵島細胞」を患者に移植することで、糖尿病を完治させる方法を研究してきました。 これまで、細胞を移植された患者は免疫抑制剤を飲み続ける必要がありましたが、今回、福岡大学が免疫抑制剤を服用しなくても良い移植方法を発見。免疫抑制剤の使えない患者にも利用できる方法のため、より広い患者の糖尿病完治に期待ができるそうです。 リスクの少ない治療法 福岡大学は、免疫抑制剤の不要な膵島細胞の移植方法を発見したことを公表しました。 膵島細胞とは、血糖値を下げる働きのあるインスリンを作る膵臓の細胞のこと。糖尿病はインスリンを十分な量を作成できなくなることで高血糖になってしまう病気のため、膵臓細胞の働きが正常に戻ることが糖尿病の完治につながります。 これまでの膵島細胞の移植は、患者の肝臓に細胞を移植していましたが、移植された細胞を身体が拒絶してしまうため、免疫抑制剤を一生服用する必要がありました。 しかし、免疫抑制剤によって免疫が低下することで感染症などのリスクが増加。そこで、免疫抑制剤が不要な移植方法が求められていたのです。 そこで今回、福岡大学が発見したのは皮下脂肪に移植する方法。細胞を移植する前に褥そうの治療薬を投与しておくことで、拒絶反応が抑えられることがわかったそうです。 糖尿病が完治する病気になる? 今回の発見によって、糖尿病治療が大きく変わるかもしれません。 これまでも、膵島細胞の移植による治療はおこなわれていましたが、ドナーが少なかったり免疫抑制剤が利用できない患者には治療できないため、治療例があまりありませんでした。 そのため、今回の方法が確立されれば、より多くの糖尿病患者がインスリン注射から解放されるかもしれません。 ただ、まだマウス実験の段階のため、人体でも上手くいく方法かどうかはわかっていません。加えて、治療ができるようになるまではまだまだ時間がかかることでしょう。
2022/05/30
糖尿病や精神病の治療、ストーマ(人工肛門)の使用など、長期的な療養やケアを必要とする人がいます。 そうした長期療養患者に対しての社会的な偏見について、Convatec社が調査。その結果、長期療養患者は社会的な偏見にさらされており、それに対する医療従事者のサポートが不足していることがわかりました。 さらに、看護師の多くが「時間や人員不足から十分なサポートができていない」と感じていることもわかりました。 偏見とも戦っている 傷や皮膚、ストーマのケアなどをおこなっているConvatec社がアメリカの長期療養をしている患者やその介護者、看護師を対象に調査を実施しました。 この調査は、長期療養患者への偏見の実情やそれによる治療への影響、医療従事者によるケアの状況を把握するためにおこなわれたものです。 その結果、長期療養患者や介護者の87%が偏見を受けたことがあることが判明。44%の人が自分の健康状態について話すことにとまどいを感じていました。 さらに、患者や介護者の「99%が偏見が治療に悪影響を与えたり治癒を遅らせることがある」と回答しています。 また、患者や介護者の56%が医療チームとの時間を増やして、サポートを手厚くしてほしいと感じていることもわかりました。 加えて、看護師の68%も「患者へのサポートが十分でない」と感じているそう。そのなかの96%の人は、十分なケアをするためにはもっと時間や人員、看護師への教育が必要と考えていたそうです。 就職、結婚にまで影響? 長期療養が必要な病気などに対して周囲の理解不足や誤った知識が広まることで、患者の治療の妨げや生活に悪影響になることがあります。 例えば、糖尿病の場合「生活習慣が乱れている人」「だらしない人」といった誤解を受けることがあります。しかし、糖尿病の発症には遺伝的な要因など複数の要因が関係するので生活習慣の乱れだけが原因ではありません。 それにも関わらず、間違った認識によってその人の性格までもが誤解されて精神的な苦痛を受けたり、ときには結婚や就職などに影響が出ることもあります。 そのため、糖尿病と診断されると仕事や結婚、人間関係に影響が出るために「病院に行かない」「治療を受けない」と考えてしまう人もいるそうです。 それを避けるためには、周囲の理解が大切。多様性が重視されている今、正しく理解して長期療養を必要とする人たちが周囲の目を気にせずに生活できるような社会への変化が求められているのかもしれません。
2022/05/24
高血圧、がん、糖尿病などの生活習慣病の発症率は、高齢化に合わせて増加傾向にあります。さらに、中年の段階でこれらの病気を複数発症している「多重合併症患者」という考え方も生まれており、生活習慣病への対策が注目されています。 そこで、大阪大学は生活習慣を改善することによる寿命の変化を調査。その結果、80歳以降でも生活習慣を改善することで寿命が延びることがわかり、併発している生活習慣病が多い人ほどその効果が高いことがわかりました。 80歳からでも寿命が延びる⁉ 大阪大学は、生活習慣病を改善することでどのくらい寿命が延びるか、その生活習慣を維持した際の平均余命などを分析しました。 この調査は、全国の40~79歳の約4万6000人のデータを解析したもの。約20年にもわたる大規模な追跡研究を最新の技術によって分析しています。 その結果、生活習慣を改善することで寿命が延びることがわかりました。 特に複数の生活習慣病を併発している「多重合併症患者」ほど、寿命の延伸効果が高いそう。例えば、3つ以上の生活習慣病がある場合、50歳から生活習慣を改善したら8.7年、65歳で7.2年、80歳で3.8年も寿命を延ばせることがわかっています。 また、今回の研究では、「果物を週7日以上食べる」「睡眠を5.5~7.4時間とる」「タバコを吸わない」など健康的な生活習慣を8つの項目にしぼり、それを実行している数と寿命の関係も分析しました。 その結果、実行している項目の数が多いほど寿命が延びていると同時に、80歳でも6項目以上の生活習慣を実行していると寿命が延びることが判明。つまり、高齢になってから生活習慣を改善しても、寿命を延ばせるということです。 複数の生活習慣病で寿命が短く 併発している生活習慣病が多い人ほど、平均余命が短くなることもわかっています。 今回の研究によると、合併症が3つ以上ある人は合併症のない人と比べて15歳も平均寿命が短くなるそう。それだけに、生活習慣病を複数持っている人は、生活習慣を改善することが重要です。 また、80歳から生活習慣を改善した場合でも寿命が延びることもわかりました。高齢になってから生活習慣の改善に取り組んでも遅くはないということですね。 一度にいろんな習慣を変えるのは難しいので、食事を見直したり睡眠時間を確保したり自分が手をつけやすいことから実現していきましょう。
2022/05/19
糖尿病と歯周病には、深い関連があることがわかっています。 歯周病が進行している場合、口腔内の炎症によってインスリンの効きめが悪くなり、糖尿病によって歯周病が悪化しやすい状況になっているのです。 そこで、新橋歯科医科診療所は糖尿病外来を開始。歯科と糖尿病外来が連携することで、糖尿病と歯周病を並行してスムーズに治療できるそうです。 歯科医院に糖尿病外来ができたワケ 東京都港区にある新橋歯科医科診療所が、院内に糖尿病外来を開設したことを明らかにしました。 歯科医院の中に糖尿病外来を開設したのは、歯周病と糖尿病に大きな関連があるため。歯周病は糖尿病の合併症のひとつとされており、歯周病が糖尿病を悪化させ、糖尿病が歯周病を悪化させることもあるそうです。 なぜ、歯周病が糖尿病を悪化させるかというと、歯周病による炎症物質が体内に入ることでインスリンの効きめが悪くなるから。そのため、糖尿病治療をしているのにも関わらず、血糖値をコントロールしにくい体質になっているのです。 また、糖尿病が歯周病を悪化させる理由は、糖尿病になると細菌への抵抗力や身体の組織の回復力が低下するため。糖尿病になると歯周病に2倍かかりやすいという研究結果もあります。 そこで、新橋歯科医科診療所は糖尿病と歯周病を同時に治療しやすくするために、院内に糖尿病外来を開設したそう。歯科と糖尿病外来が患者の情報をすぐに共有し、スムーズな治療を実現するとのことです。 糖尿病と歯周病は最悪の組み合わせ 歯周病は糖尿病の合併症のひとつ。他にも、糖尿病や歯周病はさまざまな生活習慣病を併発しやすいことがわかっています。 例えば、歯周病と糖尿病に共通する合併症に、脂質異常症と動脈硬化があります。 脂質異常症とは、血液中の脂質の量が増えている状態。血糖値が高いと、身体の中で余った糖分を使って肝臓が中性脂肪を作り出し、さらに血中の脂質の量が増えてしまうのです。 その結果、血中の脂質と糖分が増えたことで血液がドロドロになり、血管の壁に塊ができることで動脈硬化を引き起こします。 さらに、歯周病を併発していると、歯周病菌が脂質異常症と動脈硬化の進行を早めてしまうことがわかっています。 そのため、糖尿病と歯周病の組み合わせは深刻。特に動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる病気なので、早めに治療しておくことが大切です。
2022/05/18
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。