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認知症の効果的な治療法はまだ開発されておらず、予防することが重要とされています。 最新の研究では、糖尿病の人は健康な人と比べて認知症のリスクが大きく上昇することがわかっています。 今回は、研究の一部と、糖尿病の人が認知症を予防するために大切なことを紹介します。 健康的な生活スタイルで認知症リスクが低下 研究グループは、研究開始時に認知症を発症していなかった、60歳以上の16万7946人を対象に調査を実施しました。 研究では、参加者に対し7つの生活スタイルについてアンケート調査をおこない、0~7点のスコアを計算しています。 その結果、同じ糖尿病の人でも、健康的な生活スタイルのうち全てを実行していたスコアが7点の人は、0~2点のあまり実行していない人に比べて認知症リスクが54%低かったことが判明しました。 7つの健康的な生活スタイル 7つの生活スタイルは以下の通りです。 タバコを吸わない タバコは動脈硬化やがんなど、さまざまな病気のリスクを高めます。もちろん糖尿病にも良くありません。 健康的な食事 動物性脂肪の多い加工肉や赤身肉は食べ過ぎない。朝食を毎日食べ、高カロリーの間食はしないなどして、適正な体重を維持しましょう。 運動を習慣としておこなう 運動には「血糖値が下がる」「血圧を下げる」などさまざまな効果があります。ウォーキングなどの運動を毎日おこなうことを目標にしましょう。 座ったまま過ごす時間を減らす 運動以外にも、仕事や家事などでなるべく体を動かすようにしましょう。 適度なアルコール摂取 アルコールの適量には個人差があるので、どの程度の量で自分がどんな状態になるか知っておくことも大切です。 睡眠をしっかりとる 不眠・睡眠不足が続くと日中の活動に支障をきたすだけでなく、うつ病や糖尿病などのリスクも高まります。 社会的交流を活発にする 社会活動への参加は、認知機能とメンタルヘルスの改善に関係があります。 7つの生活スタイルを2つ以下しか実行していない糖尿病患者は0.69%が認知症を発症しましたが、全て実行している糖尿病患者の認知症の発症は0.28%に抑えられていたそうです。 健康に不安がある人こそ、健康的な生活スタイルを心がける必要があることが分かります。まずは自分の健康から見直して、家族の健康にも気を配れるようになると良いですね。
2022/10/06
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが低下したり、尿の中にタンパクが漏れている状態(タンパク尿)の総称です。 病気の発見が遅れ末期腎不全にいたると、腎臓の機能を代替する治療である「透析療法」が必要になります。そうならないためにも、腎臓病を早期に発見し適切な治療をおこなうことが大切とされています。 しかし女性は男性に比べ、慢性腎臓疾患の疑いがある場合でも適切な検査を受けられておらず、発見が遅れることが多いという調査結果がスウェーデンで発表されました。 慢性腎臓病の検査や治療に男女差が スウェーデンのカロリンスカ研究所によると、女性は腎機能の低下が疑われる場合でも推奨される検査や治療を受ける可能性が男性よりも低いとのことです。 糖尿病や高血圧などがありリスクの高い女性であっても、男性に比べて十分な検査と治療がおこなわれていない傾向があることがわかっています。 女性は男性に比べて精査の割合が低く管理も不十分 研究グループは、男性と女性の日常的なケアの違いを調査するため、2009~2017年に慢性腎臓病の治療の向上を目指しておこなわれたプロジェクトのデータを解析しました。 プロジェクトに参加したなかで慢性腎臓病の疑いがあり、精査するべきと判断された18歳以上の成人22万7847人のうち、女性は55%にあたる12万6289人でした。 尿や血液の検査で慢性腎臓病の疑いがあると判定されてから、18ヵ月以内に受診をした女性の割合は、男性の0.48倍と2分の1にも満たなかったそうです。 この結果から、女性は男性に比べて精査がおこなわれた割合が低く、慢性腎臓病の管理も不十分である可能性が判明しました。 とくに糖尿病や高血圧、心血管疾患のある人は腎機能の保護や、心血管疾患のリスクを減らすためにより積極的な治療が必要になります。しかしこういった持病のある人でも、女性は男性に比べ腎臓病の管理が十分におこなわれていない傾向がみられたとのことです。 「自分は大丈夫」「まだ若いから」その油断が慢性腎臓病の発見を遅らせてしまいます。老若男女問わず、会社の健康診断や特定健診などで異常がみつかったら早急に検査を受けることが大切なのかもしれませんね。
2022/09/29
糖尿病の治療を続けて血糖値を適切に管理していれば、健康な人と変わらない生活をおくれ、寿命も平均で4年から最大10年近く延びるという研究が発表されました。 糖尿病患者の現状 糖尿病の人は「心臓病や、脳梗塞リスクが2~4倍高い」、「血糖値を適切に管理していないと、さまざまな合併症を引き起こす」と言われています。 特に2型糖尿病の管理に苦労している人は、このようなネガティブな情報を聞いて悲観的になっているかもしれません。 421人の患者の研究結果 米フロリダ大学・テューレン大学・インペリアルカレッジロンドン・ピッツバーグ大学・米国疫病予防管理センターの共同研究グループが糖尿病の治療に関する研究結果を発表しました。 研究グループは、5つの指標に焦点をあてて調査をおこないました。それは過去1~2ヵ月の血糖値を反映するHbA1c、血糖値、体格指数(BMI)、血圧値、悪玉のLDLコレステロールといった糖尿病の人の健康観察に使われる情報です。 調査の結果、治療により余命を最大で10年以上延ばせる可能性があることが判明。さらに糖尿病の治療は進歩しており、2型糖尿病の人の寿命は延びて管理体制も改善されている傾向があることも示されました。 今回の結果から、研究グループは「糖尿病のある人は、適切に治療を受け検査値を少しでも改善することが大切」と述べています。 後悔のない糖尿病管理を 糖尿病管理を理想的に進めるには、患者さんに分かりやすく説明し、それぞれの患者さんに合わせた治療をすることが望まれます。 「あのときにちゃんと治療しておけばよかった!」と後悔することがないように、治療にしても生活改善にしても、自分ができることを精一杯頑張ってみませんか?
2022/09/28
糖尿病治療のひとつとして広くおこなわれているのがインスリン注射です。 効果が認められている一方で、インスリン注射は定期的に続けなくてはならないのが難点。体力・気力が低下しやすい高齢者や認知症患者が自力での注射が困難になったり、介護者の負担が増えたりといったケースも多いのではないでしょうか。 今回は、そうした糖尿病治療の難点が「劇的に変わるかもしれない」と注目されている研究をご紹介します。 インスリン注射に代わる錠剤を研究中 カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究グループは、注射の代わりに“錠剤”として利用できるインスリン製剤を開発中です。 研究グループはラットを使った実験をおこない、インスリンの錠剤を注射と同じように体内に吸収させることに成功したと発表。今回試された方法は、インスリン製剤を錠剤にし、ラットの頬の内側や唇の裏側にある粘膜で溶かすというものでした。 実験の結果、これまでの研究では胃に蓄積されることがほとんどだったインスリンが、投与後30分でほぼ100%肝臓に取り込まれました。吸収されたインスリンの効果は2~4時間持続するので、注射と同じように利用できる可能性があります。 今後の目標はヒトを対象とした臨床試験の実施 ただし、この研究にはまだ課題点も。開発中のインスリン錠剤は、注射製剤と比べて数倍の量が必要になる可能性があり、より効率良く体に吸収される製剤を開発する必要があります。 さらに、研究段階としてはヒトを対象とした臨床試験を始めるまでには至っておらず、開発を進めるためには、より多くの時間・資金と協力者が必要になります。 糖尿病患者の負担を減らす研究として期待 インスリン錠剤の研究は、糖尿病の新しい治療法につながると期待されています。 気温によって保管が難しい、大量の廃棄物が出るなど従来のインスリン製剤の問題点も、錠剤になれば解決されます。 また、インスリンをより安価に使えるようになれば医療費が減り、患者の生活の質を向上させることもできるのではないでしょうか。糖尿病を患っている高齢者や家族の負担軽減にもつながるかもしれませんね。
2022/09/26
今回は、新型コロナウイルスと糖尿病治療の関係を調査した研究についてお伝えします。 糖尿病は、放置するとがんや認知症といった合併症を引き起こす可能性もある怖い病気です。高齢者に多い病気で、日本では高齢者のおおむね5人に1人が糖尿病ではないかと疑われている現状があるので、関心のある方も多いのではないでしょうか。 この糖尿病治療のためには早期の発見や、定期的な受診が重要とされています。 しかし、福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室の前田俊樹氏らの研究から、新型コロナウイルスの流行によって、糖尿病の定期的な受診が困難であったり、敬遠されたりしている可能性があることがわかりました。 特に女性患者に、より大きな影響があったことが注目されています。 新型コロナ流行中に糖尿病患者の受診頻度が減少 前田氏らは都内の運輸業関連健康保険組合の2017年10月〜2020年9月の医療費請求情報を分析。2017年度中に血糖値を下げる薬が処方された1118人を研究対象としました。 そして受診・処方の間隔が3ヵ月以上空いた場合を「受診・処方の遅延」と定義して、その発生状況を調査。その結果、「受診・処方の遅延」発生率は緊急事態発令前が5.6%、緊急事態発令中は11.2%と明らかな差が見られました。 年齢、性別、被保険者/被扶養者、月収などの条件を調整した後でも、緊急事態発令中の期間は受診・処方の遅延が約3.7倍多く発生していたことが判明しています。 受診・処方の遅延は女性患者でより多く発生 次に、年齢、性別などでグループ分けして解析を実施を施行。その結果、女性患者で受診・処方の遅延がより多く発生していたことがわかりました。 その理由については、女性は被扶養者であることが多いため、産業医からの受診継続の働きかけが届きにくいことなどが考えられています。 重症化や合併症のリスクを減らすために定期的な治療を 今回の研究で、定期的に受診を継続していた糖尿病患者に、新型コロナの流行が受診・処方の遅れといった悪影響を及ぼしたこと事、そして女性患者でより大きな影響があった事がわかりました。 糖尿病患者の受診中断は、病状の悪化や合併症の発症につながります。継続的・定期的な治療が大切という点は忘れずにいたいですね。特に女性はそうした意識を強く持つことが必要ではないでしょうか。
2022/09/16
糖尿病は国が定める重要疾患のひとつで、国内の患者数は予備群を合わせ約2000万人と言われています。 糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病など、いくつかの種類に分類されますが、なかでも最も患者が多い「2型糖尿病」は、遺伝のほかに食べ過ぎ、運動不足、肥満といった環境的な要因で発症します。 2型糖尿病って? 2型糖尿病は体質(遺伝)や高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因と考えられ、その結果、インスリン分泌の量やインスリンの効き具合が低下し、インスリンの作用不足が起こります。 血糖値が高くなると、血糖値を一定に保つ働きを持つインスリンの効きが悪くなり、インスリン注射等による治療の効果が薄れてしまいます。 2型糖尿病患者は、高い血糖値のまま生活を続けてしまうと、網膜症、腎症、神経障害の三大合併症や、動脈硬化進行による心臓病、脳卒中のリスクが高まるため、血糖コントロールをしてインスリンの作用不足を改善することが非常に重要です。 しかし、実際はその血糖コントロールが不十分であるケースが多いとも言われています。 血糖コントロールに重要なことは? 糖尿病内科医が血糖コントロールに重要と考えることは何でしょうか? 医療分野の市場調査をおこなっているマクロミルケアネットが、「2型糖尿病の血糖コントロールに関する調査」を実施し、結果を公開しました。 それによると、内科医が患者に必要だと思うことは「食事・運動療法」や「知識・理解」などの基本的なものに加え、「やる気」という結果になりました。 一方、糖尿病内科医に必要だと思うことは、「患者背景の把握」や「適切な治療」「治療の説明」、「治療目標の細かな確認」などが挙げられました。 特に、目標を設定してから、その後の状況から適宜目標の再設定を行っていくこと、その再設定とその後の治療方針の説明をすることが重要です。 糖尿病内科医は個々の患者の状態を把握しながら、目に見える目標や治療方針を立てていくことが必要であると考えられています。 「患者参加型医療」とは? 患者自身が医療行為に対して積極的に参加する「患者参加型医療」というものに注目が集まっています。 患者参加型医療とは、治療は医者に全部任せるのではなく、患者自身やその家族も協力することを示しています。 患者参加型医療の利点としては、患者が主体的に自らの治療に参加することで不要な入院や救急外来の受診が減少することです。また、入院期間も短縮され、結果的には医療費の削減にもつながるので、医療政策上も重要な課題ととらえられています。 患者参加型医療の有用性について、2型糖尿病患者に尋ねると、有用だと思う人は合計75%にのぼり、有益であると考えている方は多くいるようです。 まとめ 糖尿病は自分自身で体調管理をしっかりすることが大切であることがわかりましたね。健康に気をつか遣い、生活の中に少しずつ運動を取り入れていってみてはいかがでしょうか?
2022/09/16
血糖値が高めと診断された「糖尿病予備群」の人を含めると、糖尿病の人は全国に2000万人もいるとされています。 しかし近年では「糖質制限」「糖質オフ」という言葉をよく耳にするようになり、糖尿病でなくても血糖値を気にする人は増えているのではないでしょうか。しかし、いざ本格的に糖尿病の予防や重症化を防ぐためにはどうしたら良いかわからない人もいるでしょう。 そこで、リンクアンドコミュニケーション社はAI健康アプリ「カロママ プラス」を提供。東京海上日動火災保険の「糖尿病治療支援保険」に加入している人を対象に、サービスを開始することを明らかにしました。 このアプリでは、自分の健康状態を入力することで一人ひとりに合わせた健康アドバイスをもらえ、糖尿病の重症化を予防するそうです。 AIコーチがいつでもアドバイス リンクアンドコミュニケーション社が提供するアプリ「カロママ プラス」が、東京海上日動火災保険の「糖尿病治療支援保険」の加入者に提供されることが明らかになりました。 このアプリは、毎日の運動や食事、睡眠などを記録することで、AIコーチの「カロママ」がリアルタイムに健康のアドバイスをしてくれるものです。 例えば、食事の内容を入力すると、食事内容を評価されて次の食事の提案もしてくれるそう。おすすめの食材やレシピも提案されるので、「次の食事で取り入れてみよう」と行動を変化させやすいのが特徴です。 また、「健康コラム」も定期的に送られるので、自然と健康に関する知識も身につけられます。 糖尿病の人を支える保険 「カロママ プラス」が提供される東京海上日動火災保険の「糖尿病治療支援保険」は、糖尿病の人向けの保険。従来の医療保険ではすでに糖尿病の治療をしていると、加入できない場合がありました。しかし、糖尿病は合併症のリスクも高く、患者の経済的負担が大きい病気です。 そこで、同社では糖尿病の重症化を予防し、万が一、合併症が発生したときには一時金が支払われる保険を開発。その予防の取り組みの一環として「カロママ プラス」が提供されるそうです。 「糖尿病の予防」といっても、どんなことをしたら良いのかわからないもの。そこで、このアプリのように細かくアドバイスしてもらえると、次にやることもわかりやすいですしやる気も続きそうですよね。
2022/08/19
糖尿病や肥満症の治療法のひとつである食事療法。毎日の食事の栄養バランスと摂取エネルギーを計算し、体調管理をしていく治療法です。 しかし、頑張り過ぎるとストレスを感じたり、食べたい欲に負けてしまいそうになることも事実です。 そんな食事療法について、アメリカのイリノイ大学などが開発した食事プログラムが、体重管理を成功させることに有効であることが明らかになりました。 この食事プログラムに参加した半数の人が体重を5%以上減らし、その後の体重維持にも成功したそうです。 個人の食事の好みに合った個別的なプログラム イリノイ大学などが開発した「個別化食事改善プログラム(iDip)」が、体重管理を成功させることに有効であることが明らかになりました。 このプログラムは、1日に摂取するカロリーを適正に制限しながらタンパク質や食物繊維など、必要な栄養素を十分に摂れるようにすることを目標に開発。プログラムに参加した1人ひとりの食事の好みにもとづき、個別化された方法によって無理なく効果的な食事プランを作れることが特徴です。個人の食事の好みに合った個別的なプログラムのため、食事療法が長続きしやすくなっているそうです。 その結果、これまでプログラムに参加した体格指数(BMI)が27以上の肥満の人が、平均して6ヵ月で6.1kg、12ヵ月で4.8kg、それぞれ体重減少を達成するなどの成果を出しています。 同大学栄養学部のミンディ リー氏は「厳格な食事計画やレシピを押しつけることはありません。目標としているのは、利用者の食事の好みを尊重しながら、持続可能な体重管理プログラムを作成できるようにすることです」と述べています。 研究室のスタッフから個別にアドバイスをもらえる さらに、今回の食事プログラムの参加者は、毎日の食事記録をもとに研究室のスタッフから個別にアドバイスがもらえるそうです。このこともまた、食事療法が長続きする要因となっています。 個人の食事の好みに合わせた食事プログラムであるうえに、専門家にアドバイスまでもらえる食事療法であれば、無理なく長く続けていけそうですね。
2022/08/05
8月になった途端、気温が急に上がった日本列島。最高気温が35度を超える猛暑日になった地域も多くあります。 そこで心配になることといえば熱中症ですが、実はそれだけではなく糖尿病の人は糖尿病の症状悪化にも注意が必要であることがわかりました。 これは、東京医科歯科大学が明らかにしたもの。それによると気温が30度の場合、糖尿病の症状悪化による入院のリスクが約1.6倍になるそうです。 気温が血糖値にも影響する!? 東京医科歯科大学は、気温と糖尿病の合併症による入院リスクの関係を調査しました。 これまでの研究で、糖尿病の人が高い気温にさらされることで死亡や入院のリスクが上昇することはわかっていました。しかし、具体的な症状の発症のリスクについては明らかになっていませんでした。 そこで今回の研究では、糖尿病の急性合併症である「高血糖緊急症」や、「低血糖」の症状に注目して調査をおこなったそうです。 その結果、全国の平均気温22.6度のときと比較して、気温が26.7度の場合は高血糖緊急症による入院リスクは1.27倍に上昇、低血糖では1.33倍に増加したそう。さらに、29.9度では高血糖緊急症の入院リスクは1.64倍、低血糖では1.65倍にまで増えたことがわかりました。 この結果を受けて研究チームは、気温に注意して高血糖や低血糖の予防をおこなうことを提案。特に、血糖値のコントロールが上手くいっていない糖尿病患者や、インスリンを使用している人の場合、薬を調整するなどの治療を積極的におこなうことで、入院を予防する可能性がある、と述べています。 熱中症と血糖値に要注意 気温が高くなると「熱中症に気をつけなきゃ」と考えることは多いですが、血糖値にも気温が影響するなんて驚き。糖尿病の人は、夏場は血糖値のコントロールにもさらに注意する必要がありそうです。 特に、高齢者は加齢から温度の変化に鈍感になる傾向があります。そのため、「暑くない」と思っていても、天気予報で気温が高くなることがわかったら冷房を利用するなどの対策をするのが良いのかもしれませんね。
2022/08/02
全国に1000万人もいるとされている糖尿病患者。生活習慣の変化による肥満の増加や高齢化などの影響で、患者数は年々増加しています。 そのため、各地で糖尿病の治療法についての研究が進められています。その1つに、はくばく社の大麦に関する実験があります。 それによると、食事療法をしていたり治療薬を利用している糖尿病患者が大麦を食べることで食後の血糖値の上昇が抑えられたそうです。 糖尿病の人も大麦で血糖値抑制 穀物の加工や販売をしているはくばく社が、茨城県の那珂記念クリニックと山梨大学と協力して大麦の血糖値抑制効果についての研究をおこないました。 この研究の対象となったのは、食事・運動療法をしていたり、それに加えて「メトホルミン」「アカルボース」という糖尿病治療薬を摂取している人、それぞれ10人、合わせて30人です。 食事・運動療法をしている人に加えて特定の治療薬を利用している患者も研究対象としたのは、これまでの研究の多くが健康な人を対象としたものだったからだそう。大麦の食後高血糖を抑える効果を調べた研究はこれまであったものの、特定の薬を摂取している糖尿病患者を対象とした研究はありませんでした。 そこで今回、メトホルミンとアカルボースという2種類に注目し、これらの治療薬を摂取している人への大麦の効果を調査しました。 今回の研究では、メトホルミン、アカルボースを摂取している人、食事・運動療法のみをおこなっている人の3グループに分けて実施。白米ごはんを食べる日と麦ごはんを食べる日のそれぞれの血糖値を測定して比較しました。 その結果、麦ごはんを食べたときには白米ごはんを食べたときよりも血糖値の変動の平均値が低下。特にメトホルミンを摂取している人の低下傾向が顕著だったそうです。 さらに、すべての対象者において、麦ごはんを食べた日は血糖値が平常値内に収まる時間が長くなったこともわかりました。 食事療法の幅が広がる? 大麦は食物繊維が豊富なため健康的なイメージはこれまでもありましたが、糖尿病の治療をしている人にも有効なのは驚きです。 もし大麦を食べることで血糖値の上昇が抑えられるのであれば、治療薬を減らしながらも食事療法で効果的に血糖値のコントロールができるようになるかもしれません。薬が減れば体への負担が減りますし、薬代の削減にもなるのでとても助かりますね。
2022/07/28
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。