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糖尿病治療

お役立ち情報 糖尿病治療

糖尿病患者の「希望のバッグ」とは?インスリン治療に役立つ情報を

予備軍の人を含めると、2000万人もいるとされている糖尿病患者。その治療法には食事療法や運動療法など生活習慣を改善するものもありますが、よく知られているのはインスリン注射によるものではないでしょうか。 しかし、実際にインスリン注射での治療が始まるとなると不安になるもの。「自分で正しく注射できるのか」「今まで通りの生活ができるのか」など、さまざまな心配事が出てくることでしょう。 そうした糖尿病患者をサポートするために日本IDDMネットワークは、「希望のバッグ」を無料で配布。インスリン治療が始まる患者に療養に役立つツールを1つのリュックにまとめています。 病気を正しく理解するために 認定NPO法人日本IDDMネットワークは、インスリン治療に関する冊子や治療に役立つ道具などをまとめた「希望のバッグ」の配布をおこなっています。 日本IDDMネットワークは、阪神・淡路大震災がきっかけとなって発足した団体。被災地の糖尿病患者がインスリンの入手が困難だったことを受けて、緊急時の対応を含めた患者・家族の会の全国的な連携をおこなうために前身の「全国IDDM連絡協議会」が立ち上がりました。 このバッグは、インスリン治療が必要と言われた糖尿病患者やその家族、インスリン治療についての情報が欲しい人向けに作られたもの。送料を負担するだけで糖尿病治療に関する正しい知識を手に入れられます。 バッグの中身は、専門家による解説や患者の体験談、糖尿病でも加入できる保険一覧などがまとめられた冊子、インスリン治療に関する薬、医療機器の一覧、注射器や血糖測定器が入るポーチなど。リュックタイプなので、非常時の持ち出し袋としても活用できます。 この他にも、患者の家族に向けたパンフレットなども入っているので、患者本人だけでなく家族にも役に立つ情報が手に入ります。 インスリン治療の”希望”に もし、糖尿病と診断されたら、さまざまな不安を感じることでしょう。 そこで、日本IDDMネットワークは糖尿病治療を始める患者が治療に関する疑問を解決して不安を解消できるように、この「希望のバッグ」プロジェクトを開始したそうです。 また、同じく糖尿病と戦う人の体験談を冊子に載せることで、「病気で苦しんでいるのは自分だけではない」と勇気づけたいという思いも込められています。 自分や身近な人が糖尿病と診断されて不安に感じていたら、こうした道具を活用してみるのも良いかもしれませんね。

2022/05/17

最新テクノロジー 糖尿病治療

糖尿病治療もデジタル化?血糖値・血中アルコール濃度・乳酸値を同時に測定

糖尿病の治療に欠かせない血糖コントロール。しかし、血糖値を測るために針で傷をつけて採血をするのは痛みがありますし、その後の針の処理の手間もあります。 そこで、最近では採血が必要のない血糖値測定器が登場しています。 そのなかでも、アメリカのカリフォルニア大学が開発中の測定器は、センサーを腕に貼り付けておくだけで血糖値の測定が完了。さらに血糖値だけでなく、血糖値に関連の深い血中アルコール濃度や乳酸値も測定が可能だそうです。 センサーを貼り付けておくだけ アメリカのカリフォルニア大学が開発中の血糖値測定器は、これまでのものと少し異なる特徴を持っています。  この測定器では、採血する必要のない血糖値の測定を実現。これまで一般的だった血糖値測定器は、針を指先に刺して採血をする必要がありましたが、今回の測定器ではその必要がないため、測定のために痛みを感じることはありません。 この測定器では、厚みのあるコインのような形のセンサーを腕に貼り付けておくことで、測定の準備は完了。センサーは24時間ずっと装着しておくものなので、測定の度に針や測定器を取り出すこともないのです。 さらに、このセンサーの針の太さは髪の毛の5分の1ほど。人が痛みを感じないほど小さな針で皮膚のすぐ下を流れる体液を測定します。 また、測定した情報はスマホアプリに送信され、自分のスマホで過去の情報と合わせて確認可能。血糖値とあわせて血中アルコール濃度や乳酸値の測定もおこない、アプリに記録されます。 今後は、センサーの針の交換にどれくらいの期間が必要かなどの検証をおこなっていく予定だそうです。 糖尿病治療がデジタル化で便利に 今回の測定器以外にも、痛みのない血糖値測定器はいくつか登場しています。しかし、その多くが血糖値だけの測定。今回のように、血糖値に関係する数値も同時に測定できる機器はほとんどありません。 ただ、そういった測定器の多くが測定結果をアプリに転送したり、数値の変化をわかりやすいグラフで表示する機能がありますので、従来の測定器よりも便利になるのは間違いないでしょう。 これからは、糖尿病の治療もデジタル化でどんどん便利になっていきそうですね。

2022/05/12

糖尿病治療 肥満 高血圧

お酢を取り入れた人の64%の体重が減った⁉1日15mlの健康習慣

高血圧や糖尿病、肥満など健康の悩みを抱えつつも「どうしたら良いかわからない」と思っている方もいるのではないでしょうか。 そこで、大手お酢メーカーのミツカンがお酢の健康効果を確かめる「お酢15mL体験プログラム」を愛知県半田市と共同で実施。その結果、参加者の血糖値・血圧の抑制、体重減少の効果があったそうです。 体重減少、血圧・血糖値の低下効果も? ミツカンが「お酢15mL体験プログラム」を実施。1日15ミリリットルのお酢を食事に取り入れると、どのような健康効果があるのかを確かめました。 このプログラムに賛同した愛知県半田市は、同社の創業の地。半田市は県内でもメタボリックシンドロームの該当者率が高く、市民の健康状態の改善を図るために今回のプログラムに協力することになったそうです。 このプログラムでは、「体重・血圧を測定するグループ」と血糖値が高めな「食後血糖値を測定するグループ」に分けて実施されました。 体重・血圧を測定するグループは、1日15ミリリットルのお酢の摂取と運動。運動については、スマートバンドを使って活動量を確認しながら、1日120キロカロリーの消費を目指してウォーキングや体操などをおこないました。 食後血糖値を測定するグループは、「うどん1玉を食べる」「うどん+お酢」「うどん+お酢+運動」という3パターンの日に分けることで、それぞれの場合での食後血糖値を比較しました。 その結果、体重・血圧を測定するグループの参加者の約64%の体重が減少。さらにBMI(体格指数)25以上の肥満気味の参加者の平均体重が1.8キログラム減少しました。加えて、最高血圧と最低血圧の両方の数値が低下したこともわかったそうです。 また、食後血糖値を測定するグループはお酢を摂取しなかった日と比べて、お酢を摂取した日の食後血糖値の上昇が抑制。お酢が血糖値のコントロールに効果があることがわかりました。 続けられるお酢メニューを お酢が健康に良いことはよく知られていますが、あの独特の酸味で食事に取り入れにくいと感じることもあるのではないでしょうか。 今回のプログラムの参加者は、サラダのドレッシングとしてリンゴ酢とオリーブオイルを合わせたり、お酢とはちみつのソーダ割りや牛乳割りをしてメニューに取り入れていたそう。いろんなお酢の使い方を見つけて、楽しんで参加していたことがわかりますね。 健康状態を改善するには、継続が大事。自分のお気に入りのお酢メニューを探してみると、長く続けられるのではないでしょうか。

2022/05/11

医療現場の改革 最新研究 糖尿病治療

糖尿病で受診するのは3割だけ⁉受診”しない”人の予測モデルを開発

”予備軍”も含めると、国内に約2000万人もの患者がいるとされている糖尿病。国民病とも言える病気ですが、糖尿病と診断されても受診をせずに治療しない人が多いことが課題とされています。 というのも、糖尿病の治療は食事や運動などの生活習慣を見直す必要があり、長期にわたることが多いから。これまでの生活習慣を変えることを面倒に感じて受診できないケースもあるそうです。 そこで、受診しない人の受診を促すために、東京大学が受診しない糖尿病患者の予測システムを開発。糖尿病患者のデータを大量に機械に学習させることで、予測が可能になったそうです。 受診しない人の傾向とは 東京大学は、糖尿病と診断されても半年以内に受診しないケースの傾向を割り出し、受診しない人を予測するシステムを開発しました。 このシステムは、約1万人分の医療データを機械に学習させることで実現。それにより、糖尿病と診断を受けて半年以内に受診をしない人には、以下のような傾向があることがわかりました。 過去12ヵ月間、受診をしていない 「HbA1c」の値が低い 脂質異常症薬を処方されていない 降圧剤を処方されていない HbA1cとは、過去1~2ヵ月間の血糖値に関連する数値。血糖値はその日の食事や運動などの影響を受けて常に変動していますが、HbA1cは過去1~2ヵ月間の平均血糖値に影響されるので長期的な血糖値のコントロールの指標に使われています。 これまでにも、年齢や性別、飲酒頻度といった13項目をもとに、受診するかどうかを予測する方法もありました。しかし、それよりも今回の4項目を用いる方法の方が正確に予測できることがわかったそうです。 つまり、今回の方法の方が必要な情報が少なくなるため効率的に予測ができるうえに、正確性も上がるということです。 将来的には、「受診をしない人への働きかけなどにこの予測を活用し、受診率を上げていくことに期待できる」と研究グループはしています。 初期段階から受診することが大切 今回の研究グループによると、血糖値が高いために受診を勧められた人のうち、35%しか受診をしていなかったとのこと。糖尿病は初期段階では自覚症状が出ないことが多く、日常生活に支障がないので、受診しない人が多いそうです。 しかし、糖尿病は進行すると重大な合併症を引き起こすことも。例えば、失明や慢性的な腎臓障害に加えて、心筋梗塞などの命に関わる病気の原因になりかねません。 そのため、「血糖値が高め」と診断されたらまずは受診。治療薬を使わなくても血糖値が改善できることもあり、長い目で治療していく姿勢が大切です。

2022/05/10

最新テクノロジー 糖尿病予防 糖尿病治療

糖尿病の食事をAIが提案!献立・栄養管理アプリ「おいしい健康」

厚生労働省の調査によると、日本の糖尿病を強く疑われる人は約1000万人。インスリンなどの治療薬はあるものの、糖尿病の治療や血糖値のコントロールをする際には、やはり栄養の管理が大切とされています。 しかし、食事の改善をしたいと思っていても、具体的には何を食べたら良いかわからない人も多いのではないでしょうか。 そこで、おいしい健康社は献立・栄養管理AIアプリ「おいしい健康」を開発。今回、筑波大学と共同で、糖尿病患者を対象としたアプリによる食事療法について研究を始めることを明らかにしました。 管理栄養士のレシピをAIが提案 献立・栄養管理AIアプリ「おいしい健康」が、筑波大学と共同で糖尿病患者を対象とした研究をおこなうことを発表しました。 このアプリは、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症といった生活習慣病に合わせた食事をAIが提案するもの。栄養管理が必要な人の「今日、何を食べたら良いの?」という悩みを解決することを目指しているそうです。 アプリから提案されるレシピは、約1万種類にのぼる管理栄養士が考案したものや健康の悩みを抱えるユーザーが実体験をもとに編み出した約20万件など。多様なレシピからその日の食事を選べます。 また、今回の研究はアプリで献立情報の提供を受けることで利用者の食事の変化があるのか、血糖値の上昇抑制効果があるのかなどの調査を目的としています。 参加者は、3ヵ月間にわたってこのアプリに提案された食事をとります。すべての食事を指示通りのものにする必要はなく、夕食を週1~3回の頻度でアプリの献立に変えるだけで良いそうです。 「何を食べよう?」がなくなるアプリ おいしい健康社によると、管理栄養士が不在な一般診療所は全体の約9割。多くの糖尿病患者が十分な食事療法を受けられない状態だそうです。 そのため、具体的にどんな献立にしたらいいかわからないので、食事療法の重要性をわかってはいても自分ではできないのが現状。そういったときにこのアプリを活用できれば、毎日の食事に迷うこともなくなりそうです。 はじめのうちは提案された通りの食事を食べて栄養の知識を身につけ、栄養管理に慣れてきたら自分ひとりでもできるようになるかもしれませんね。

2022/05/09

糖尿病予防 糖尿病治療 高血圧

高血圧、糖尿病…チームを組んで生活習慣を改善するアプリ「みんチャレ」

「血糖値が高めだから、食事に気を付けたい」「医者から運動をするように言われている」など、生活習慣病を改善するために健康的な習慣に変えようと思っている人もいるかもしれません。 しかし、1人で取り組むと継続が難しいのが本音ですよね。 そこで、習慣化アプリ「みんチャレ」が「健康のお悩み別チーム」機能を追加。高血圧や肥満など共通の悩みを持つ人とチームを組んで励まし合うことで、生活習慣の改善がしやすくなるそうです。 生活習慣の改善は仲間と一緒に 習慣化アプリ「みんチャレ」が「健康のお悩み別チーム」機能を開始したことを明らかにしました。 このアプリは、同じ目標を持つ人が5人1組のチームを組んでチャットで自分の活動を報告し合うことで、新しい習慣を身につけることを目的としています。 これまでの機能では、身につけたい習慣ごとにチームを作っていましたが、それでは「チームメンバーが同じ健康の悩みを持っている人なのかがわからず、悩みを相談するのを迷う」という利用者の声があったそうです。 そこで今回、「健康のお悩み」をアプリに記録することで、共通の悩みを持つ人だけが集まるチームを作成可能に。同じ悩みを持つ人同士がチームを組むことで、生活習慣改善に取り組みやすくなるそうです。 三日坊主から抜け出すきっかけに 生活習慣病はその名の通り、生活習慣が原因となって起こる病気。そのため、病状の改善には今の生活習慣を健康的なものに変えて、それを継続していく必要があります。 それをわかっているものの、1人ではなかなか続けられなくて結局「三日坊主」になってしまう人もいるのではないでしょうか。 そうしたときに、同じ目標や悩みを持つ人と励まし合えるとやる気が維持できて、健康的な習慣を続けられるのでしょう。 もし「どうにも1人じゃ続かない」と悩んでいたら、試しにアプリを使ってみるのも良いのかもしれません。

2022/04/25

糖尿病治療 調査結果

約2割が過剰な糖尿病治療を受けている⁉高齢者は低血糖にも注意

糖尿病治療は、高い血糖値を下げれば良いというものではなく、血糖値の下げ過ぎにも注意が必要であることを知っていますか。 以前までは多少の低血糖は気にせず、インスリン注射などで血糖値を下げることが糖尿病患者の体調の改善にもつながると考えられていました。 しかし、特に高齢者は低血糖が認知機能や命の危険にも関わることが近年わかりました。 そこで、このような新しい治療の考え方が介護施設でどのくらい浸透しているのかの調査がアメリカでおこなわれました。 過剰な糖尿病治療がおこなわれている? アメリカのサンフランシスコ退役軍人医療センターは、介護施設での糖尿病治療の実態を調査しました。 この調査の対象となったのは、アメリカの退役軍人省が運営している介護施設の入居者で糖尿病の治療を受けている約7400人です。 この結果、17%が過剰な治療がおこなわれていることがわかり、そのうち約70%は2週間以上も処方が変更されていない状態。つまり、過剰な治療が継続的におこなわれている実態がありました。 加えて、過剰な治療を受けていた人は身体に重度な機能障害があり、日常的な動作をすることが難しい状況でした。 これらのことから、介護施設の糖尿病治療は入居者ごとに個別化がされておらず、過剰な治療になっているケースが多いことがわかりました。 高齢者は特に低血糖に注意! 糖尿病を薬で治療していると、食事の量が少なかったり運動量が多いなどの理由で低血糖を引き起こすことがあります。 低血糖になると、ふるえやめまい、疲労感、程度が重い場合は昏睡状態になることも。特に高齢者は、無自覚なまま低血糖が進行し突然昏睡してしまうケースもあります。 加えて高齢者は、身体機能が落ちたり認知機能の低下も心配。治療と元気な生活を両立するために、高血糖はもちろんのこと低血糖の調整が必要と言えそうですね。

2022/04/11

最新テクノロジー 糖尿病治療

糖尿病の投薬データをスマホで共有?患者と医師どちらの負担も軽減

高齢化に伴って高齢の糖尿病患者が増加。全国の糖尿病患者は1000万人以上おり、そのなかの60歳以上の人は3分の2、70歳以上は半数以上であると言われています。 糖尿病患者が増加しているのは世界的にも問題であり、世界の成人の10人に1人は糖尿病という推計も出ているほどです。 そうした状況を受けて、テルモはアメリカのGlookoと協力してパッチ式インスリンポンプのデータを医療従事者に遠隔で送信できるシステムを開発しています。 これによって、簡単かつタイムリーに糖尿病患者の情報を共有できるようになるとのことです。 投薬データをスマホで共有 医療機器メーカーのテルモが、糖尿病管理ソフトなどを開発しているアメリカのGlookoと提携してパッチ式インスリンポンプの投薬データなどを簡単に共有するシステムを開発することを発表しました。 パッチ式インスリンポンプとは、インスリンを入れたポンプをお腹に貼り付けてインスリンを注入する医療機器。注射針の管理が必要なく、インスリンの投与量も細かく調節できるのが特徴です。 今回の提携では、Glookoの糖尿病管理アプリとテルモのインスリンポンプ「メディセーフウィズ」のデータの連携ができるようなシステムを開発します。 具体的には、インスリンポンプのリモコンをICリーダーやGlookoのアプリをダウンロードしたスマホにかざすことで、即時に医師などに共有できるようになるそうです。 これによって、これまで医師とインスリンポンプのデータを共有するために通院する必要があったものが、遠隔でスムーズに情報を送信可能になります。 ただ、日本での展開は現時点では予定していないそうです。 患者・医師の双方の負担減少 今回のようなシステムができることで、糖尿病の治療がしやすくなるかもしれないですね。 特にインスリン治療をしている人は、血糖値や投薬履歴などさまざまなデータを医師と共有する必要があります。 それは患者側の手間が大きくなるのはもちろん、多くのデータを管理する医師の負担も大きいもの。このシステムが導入されれば、常に最新のデータが手に入るので業務負担も軽減されるでしょう。 ただ、このシステムは日本では利用できないとのこと。日本でも投薬履歴や血糖値などの身体状況のデータが簡単に共有できるシステムが開発されると治療がしやすくなりそうですね。

2022/04/04

最新研究 糖尿病治療

糖尿病治療には個別化した食事内容が有効!体重、中性脂肪の減少も

糖尿病の治療をしている人の多くは、1日に摂取するエネルギー量を抑えるなどの食事療法によって血糖値のコントロールをしています。 しかし、それまでの自由なものから食事ががらっと変わるので食事療法が上手くいかないこともあり、栄養士による食事指導が重要です。 そこで、東京大学などの研究チームが個別化した食事指導についての調査を実施。その結果、これまで現場でおこなわれている食事指導に比べて個別化した食事指導の方が血糖値の改善効果があることがわかりました。 「従来型」VS「個別化」 東京大学などの研究チームは、「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を使った個別の食事指導は従来の方法よりも血糖値が改善されることを明らかにしました。 この「簡易型自記式食事歴法質問票」とは、食品に関する約80問に答えることでその人の食習慣やどんなものを多く食べているのかなどを調査するもの。肉や野菜、お菓子などさまざまな食品を「1週間のうちに何度食べたか」を回答して栄養士が現在の食生活を把握します。 対して従来型の食事指導とは、あらかじめ設定された目標エネルギー摂取量や献立例をもとに患者に指導をおこなうもの。食生活の詳しい調査はおこなわず、当日の会話で得られた情報のみで栄養士が各自で判断して指導していました。 こうした2つの食事指導法を比較したのが今回の研究です。 個別化した食事指導のグループは、BDHQの結果をもとにした評価シートを使った指導を実施。従来型の食事指導グループは、1日に1600キロカロリー・1840キロカロリー・2000キロカロリーのうち1つの目標エネルギー摂取量を設定し、それに合わせた食事内容を指導しました。 その結果、個別化した食事指導グループの方が血糖値が低下。加えて、体重・中性脂肪・悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加する傾向があったそうです。 個別の食事指導は難しい? 今回の研究のように、糖尿病の患者一人ひとりにあわせた食事指導をすることが理想ですが、実際の現場では業務量やシステムの都合上、難しい可能性があります。 現場でも一人ひとりにあわせた指導が望ましいことがわかっていながらも、それが実現できない実情もあるのでしょう。 ただ、もし個別化した食事指導をすることが当たり前になれば、それに合わせて環境が変わる可能性はあります。 今回の研究で、この食事指導法が糖尿病治療に効果的であることがわかったので、個別化した食事指導が標準になる取り組みが進むかもしれませんね。

2022/04/01

最新研究 糖尿病予防 糖尿病治療

”食事とワイン”で糖尿病リスクが14%低下⁉飲酒のタイミングが重要

糖尿病や「血糖値が高め」と診断されているため、食事の管理を厳しくしている人もいることでしょう。もしかしたら、「アルコールは一切飲めない」と思っている人もいるかもしれません。 そうした人にうれしい研究結果が発表されました。 それは、「食事と一緒にワインを飲むと糖尿病リスクが下がる可能性がある」というもの。少量のワインであれば健康に良い効果があるそうです。 ”食事と一緒にワイン”が糖尿病リスクを下げる⁉ アメリカのチューレーン大学の研究グループが「食事と一緒にワインを飲むことが糖尿病リスクを低下させる可能性がある」という研究結果を発表しました。 この研究は、がんや糖尿病、心疾患などを発症していないイギリス人約31万人の健康データを分析したもの。10年前後の追跡期間のなかで約8500人が糖尿病を発症したそうです。 今回、研究グループが注目したのは「アルコールの種類」と「アルコールを摂取するタイミング」。これまで飲酒量と糖尿病リスクの関係を調査したものはありましたが、飲酒のタイミングに着目したものはなかったそうです。 そこで、今回は飲酒習慣のある人を「食事と一緒に飲む」「食事時には飲まない」「決まっていない」の3グループに分けて分析しました。 その結果、食事と一緒に飲酒するグループは、他のグループに比べて糖尿病リスクが14%減少。なかでもワインを飲む人だけが糖尿病リスクが低く、ビールなどの他のアルコール飲料ではリスク低下との関係がなかったそうです。 また飲酒量については、女性はワイン1日1杯まで、男性は最大2杯までが目安。節度を持って飲むことが大切としています。 やっぱり適量が大切 お酒が好きな人にとっては、完全に断酒しなければいけないわけではないのはうれしいですよね。 しかし、やはり量は少なめに抑える必要がありそう。「お酒は一切飲めない」と無理に我慢するのではなく、適量に留めることが大切ということですね。 もちろん、だからといって勝手な判断で飲酒するのはNG。医師の指導のもとで、無理なく自分に合った量でお酒を楽しむのが良さそうです。

2022/03/30

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

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