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特集

Q&A

老人ホームに入居する、なんていう経験は人生でもそうあるものではありません。当然、わからないこと、不安なこと、疑問などなど、頭の中が「?」マークでいっぱいになっていることでしょう。そんなアナタに、自称“日本一、老人ホームの入居相談を受けてきた男”こと「いい介護」入居相談室の室長・北野が、みなさんの疑問・質問にお答えします!
施設入居 食事 医療体制

老人ホームではミキサー食に対応できますか?母の嚥下状態が悪くなって通常の食事が食べられません。

母が入院中に嚥下状態が悪くなり、ミキサー食でないと食べられなくなってしまいました。退院後に入居する施設を探しているのですが、老人ホームでもミキサー食で対応してもらえるのでしょうか? (大橋さん・自営業・67歳) 多くの介護施設でミキサー食の対応ができますが、中には対応できない施設もあるので事前の確認が必要です。また、糖尿病や高血圧などの持病の影響で食事制限がある場合も、施設側が対応できることがあります。どの程度、対応できるのかは施設によって異なるので、これもよく確認しておく必要があります。 老人ホームではミキサー食に対応できる? 先日、母が自宅で転倒してしまい、今は入院しています。入院中に飲み込む力が落ちてしまったとのことで、食事がミキサー食になってしまいました。自宅ではミキサー食を用意するのも難しいですし、車いすが必要になったので介護施設に入れたいと考えています。でも、老人ホームでは、食事をミキサー食にするのは可能なんでしょうか?母だけ特別にミキサー食にしてもらう、なんてことは難しいですよね? いえいえ、多くの老人ホームではご入居者お一人おひとりの状態に合わせた食事を提供していますよ。なので、ミキサー食も対応できる施設は多いんです。 そうなんですね、よかった! 年齢を重ねると噛む能力(咀嚼機能)や飲み込む能力(嚥下機能)が衰えていくものです。そのため「食材のやわらかさや大きさなどを配慮してほしい」というご要望は多く、お一人おひとりに合わせて食事形態を変更可能にしているんです。特に、以下の施設の中でも介護が必要な人向けのところでは、食事のやわらかさや形態を変更できることがほとんどですよ。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム いろんな施設で食事の形態を変更してくれるんですね! そうなんです。ただ、追加料金がかかる場合もありますから、そのあたりも事前に施設に確認してくださいね。 老人ホームで対応できる食事の形態は? 介護施設で対応している食事の形態にはさまざまなパターンがあります。大橋さんのお母様も、今はミキサー食でも今後の嚥下状態によっては別の食事形態に変更になる場合もありますので、念のため頭に入れておいてください。例を挙げると、介護施設で提供している食事には主に以下のような形態があります。 常食 軟飯・軟菜 きざみ食 ソフト食 ミキサー食(ペースト食) ミキサー食以外の食事形態は、どれも聞いたことがありませんね…。 はじめの「常食」というのは、一般的な食事形態のことです。咀嚼力や嚥下力に問題がない人が食べている形のものですね。その常食をよく煮込んだり、ごぼうなどの繊維質で食べにくい食材を除いて作ったのが「軟飯」「軟菜」。やわらかく炊いたご飯が軟飯、やわらかく調理したおかずが軟菜です。健康な人よりも少し咀嚼機能や嚥下機能が低下した人向けの食事なんですね。 名前の通り、やわらかくて食べやすくなっている食事、というわけですね。 その次の「きざみ食」は、食材を約5mm~1cmにきざんだ食事形態です。主に歯で噛む力が弱くなった人向けの食事ですが、食材が細かいためにむせこみやすかったり誤嚥につながる可能性はあります。なので、誤嚥を避けるために、咀嚼能力が低下した人には「ソフト食」が提供されることもあります。これは、ペースト状にした食材をとろみ剤などでやわらかく固めたもの。一度ペーストにしているので、軟飯・軟菜よりもやわらかく、舌で押しつぶせるほどです。 へー、ミキサー食でなくてもそんなにやわらかい食事があるんですね。 そうなんです。それに、ミキサー食だとどの料理もミキサーでスープ状にしてしまうので同じような見た目になってしまいがちですが、ソフト食は食材の形をした型に入れて固めるので、見た目で食事を楽しめるんです。とはいえ、「歯がない」「口が空きにくい」「咀嚼ができない」といった人にはミキサー食の方が向いているでしょう。 食べる人の状態によって食事形態を変えるから、「どの食事形態が良い」ということはないんですね。 おっしゃる通りです。それに、同じ人でも訓練で機能が回復したり、体調不良で機能が一時的に低下するなど、嚥下機能・咀嚼機能が変わることはよくあります。そのため、そのときのご入居者の状態によって、それぞれの食事形態を使い分けているんです。 食事制限がある人のために制限食にも対応 ちなみに、老人ホームには高血圧や糖尿病の影響で食事の制限がある人のための食事にも対応しているところもあります。 食事の制限ですか? はい。例えば、塩分制限や糖質制限などですね。他にも病気によってはさまざまな栄養の摂取量を制限しないといけないこともあります。以下は、老人ホームで対応している主な制限食です。もしお母様が食事制限が必要な場合は、入居する施設で対応できるかどうか確認してくださいね。 塩分制限食 糖質制限食 カロリー制限食 脂質制限食 カリウム制限食 タンパク質制限食 ご高齢になると、食事のやわらかさや栄養に配慮が必要になることが多いです。そのため、ほとんどの施設でご入居者それぞれの状態に合わせた食事を提供しているので、遠慮せずに施設側に相談しましょう! 多くの老人ホームでミキサー食に対応可能! きざみ食やミキサー食など、嚥下状態によって多様な食事形態がある 塩分制限食、カリウム制限食などの制限食にも対応できることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2022/12/13

施設入居 医療体制 ALS

筋萎縮性側索硬化症(ALS)でも入れる老人ホームはありますか?在宅介護を続けるのに限界を感じています。

ALSの父親を自宅で介護していますが、症状が進行していてそろそろ限界を感じています。 最近、以前よりも歩けなくなってきて自宅で何度も転倒しているので目が離せず、ほとんど私がつきっきりでないといけないような状況です。 ALSでも入居できる介護施設はありますか? (松岡さん・パート・57歳) はい、ALSの人を受け入れている老人ホームはあります!ALSの場合、今後、症状が進行することを考えて医療体制が充実している施設が良いでしょう。具体的には、たん吸引、胃ろう、気管切開などに対応できる施設が理想です。特に、症状が進行すると昼夜問わずたん吸引が必要になることもありますから、看護師24時間常駐の施設を選ぶと安心して長く生活できますよ。 ALSで入れる老人ホームはある? ALSの父親の症状が進行して、在宅介護に限界を感じています。1年ほど前にALSの診断を受けたときよりも状態が悪化していて、手すりがないと歩行できないですし、何度も自宅の中で転倒しています。トイレや入浴にも介助が必要なので、介護サービスを利用しながらとはいえ、自宅での介護はかなり厳しなっていて…。でも、ALSって難病ですし、受け入れてくれる介護施設なんてないですよね? いえいえ、ALSでも受け入れ可能な介護施設はありますよ!症状が進行するといろんな医療処置が必要になりますから、医療体制が整っている施設を探す必要はありますが…。 そうなんですね!どんな施設であれば、ALSでも受け入れてもらえるんでしょうか? 例えば、以下のような種別の施設であれば、ALSの人を受け入れていることがあります。 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 介護老人保健施設や介護医療院は、公的な介護施設です。どちらも医師や看護師が常駐しているので医療ケアが手厚くできます。また、民間の施設よりも費用が抑えられるのも特徴です。ただ、老健はリハビリをして自宅復帰するのが前提の施設なので、入居期間が3~6ヵ月と短くて長期入居はできないことがほとんどなんです。公的な施設を選ぶ場合は、施設数が少ないですが長期入居ができる介護医療院が良いかもしれません。 公的な施設だったら、介護医療院ですね。ドクターや看護師さんがいるのは心強いです。 民間施設であれば、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅がALSの人を受け入れていることがあります。ただ、民間施設は施設ごとに人員や医療体制が大きく異なります。なので、施設種別で選ぶのではなく、実際の医療体制に注目して施設探しをしましょう。特にALSの対応については、「看護師が24時間常駐しているかどうか」が大きく影響します。ホームページなどで「看護師24時間常駐」という記載のある介護施設を選んでくださいね。 ALSで入れる老人ホームの条件は? 先ほどもお伝えしたように、ALSの受け入れには「看護師が24時間常駐しているかどうか」が大きなカギとなります。というのも、ALSの症状が進行していくと、昼夜問わず何度もたん吸引が必要になることがあります。そのため、たん吸引をする看護師さんが常に勤務している施設でないと対応できないんですね。 そうか…。これから症状が進行していくことも考えて施設探しをしないといけないんですね。 おっしゃる通りです。そのため、今後のお父様の状態の変化を考えて、以下の医療行為に対応できる施設を探しましょう。 たん吸引 胃ろう 人工呼吸器 気管切開 先ほどもお話ししましたが、ALSが進行するとたん吸引が頻繁に必要になります。というのも、喉の筋肉がこわばって唾液を上手く飲み込めなくなって誤嚥性肺炎の危険があるからです。誤嚥性肺炎は、毎年、死因の上位に入る病気。特に免疫力の低いご高齢者は注意が必要なので、1日に何度もたん吸引をして誤嚥を起こさないようにする必要があります。 父は今でも食事をするとむせていますから、上手く飲み込めなくなってきているんだと思います。ゆくゆくはたん吸引が必要になるんでしょうね…。…その次の「胃ろう」とは何ですか? 胃ろうとは、手術でお腹に穴を開けてそこからチューブで胃に栄養を流し込む医療措置のことです。ALSは喉の筋肉が弱まって食べものを飲み込めず、口から食べられなくなることがあるんです。手術で胃ろうを造設して、口から食べる代わりに液体状の栄養剤で栄養摂取をするというわけですね。 父は食事が唯一の楽しみなのに、それもできなくなっちゃうんですね…。 ALSは手足の筋肉だけでなくて、喉の筋肉も動かしにくくなります。栄養が摂れなくなると一気に身体の状態が悪くなるので、確実に栄養を摂れるように胃ろうの造設手術を選ぶケースはありますね。そのうえ、ALSは呼吸するときに必要な筋肉も徐々に弱まっていきます。そのため、マスクタイプの人工呼吸器が必要になったり、喉を切開して気管に人工呼吸器を装着することもあります。 呼吸をするときの筋肉まで弱まるんですね!知らなかった…。 そうなんです。ALSは症状が進行すると、さまざまな医療ケアが常に必要になりますから看護師さんが24時間サポートしてくれる施設を選ぶのが大切ですね。また、理学療法士などのリハビリの専門家が常駐していると定期的にリハビリをしてもらえるので良いかもしれませんね。リハビリで身体を動かすことで筋力の低下を防止して、症状の進行を抑えられますから。 なるほど。ALSの父が入居できる老人ホームは、いろんなケアが充実しているところでないといけないんですね…。上手く見つかるのかな…。 施設探しをしていてお困りのことがあったら、「いい介護 入居相談室」にぜひご連絡ください。各施設の医療体制やサービス内容を熟知した入居相談員が、お父様にピッタリの施設をお探ししますよ。1人で施設探しをするのは大変ですから、お気軽にご相談ください。「いい介護」のポータルサイトでもALSに対応できる施設を検索できるので、参考にしてみてくださいね。 ALSでも入居可能な介護施設には、介護医療院や有料老人ホームなどがある 24時間看護師常駐、リハビリスタッフ常駐の施設がおすすめ 症状の進行に備えて、たん吸引、胃ろう、人工呼吸器などに対応できる施設を pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2022/12/12

施設入居

老人ホームではお酒は飲めますか?介護施設に入居してからも父に晩酌をさせてあげたいと考えています。

母が亡くなって一人暮らしになってしまった父の施設探しをしています。父は趣味がほとんどなく、唯一の趣味と言えるのが晩酌です。なので、老人ホームに入ってからも晩酌を続けさせてあげたいと考えています。 お酒が飲める老人ホームはあるのでしょうか? (石原さん・会社員・64歳) はい。数は限られてしまいますが、お酒が飲める老人ホームはありますよ。ただ、各施設で飲酒のルールが設けられていることが多いので、その決まりを守って飲酒してもらうことになります。お父様の健康を守り、他のご入居者とのトラブルを避けるためですので、ルールを守って飲酒してくださいね。 お酒が飲める老人ホームはある? 先日、母が亡くなって父が1人になってしまったので、父が入る老人ホームを探しています。ただ、父はお酒が好きで毎日の晩酌は欠かせません。趣味と言えるようなものもない人ですから、晩酌は続けさせてあげたいのですが、老人ホームではお酒を飲んでも良いのでしょうか? 飲酒を許可しているかどうかは、老人ホームによって異なります。中でも介護が必要な人向けの介護施設の場合、お酒自体が禁止だったり、飲酒ルールが厳しい傾向にありますね。一方で介護が必要のない自立の人向けの施設では、ルールが少ないことが多いです。お酒に関する制限が一切ないこともありますし、共有部にバーカウンターを用意している施設もあるくらいです。 へー!介護施設にバーカウンターですか!…あ、でも父は、要介護1で身支度や入浴のときにちょっとした介護や声掛けが必要です。となると、自立の人向けの施設に入るのは難しいですよね…。 そうですね…。となると、自立者向け施設は厳しいでしょう。介護体制がある施設をおすすめします。要介護者向けの施設でも、ルールを守りながらであれば飲酒ができるところはあります。これまでと同じようにはお酒が飲めなくなるかもしれませんが、お父様の楽しみをあきらめなくて済むような施設を探しましょう! 老人ホームでの飲酒ルールは? 介護が必要な人向けの施設を探すとして、そういう施設では飲酒ルールが厳しいんですよね?老人ホームでは、どんな飲酒ルールがあるんでしょうか? 飲酒のルールについても施設によって大きく異なります。といっても、いくつかパターンがあるので、以下にまとめてみました。 居室内だけ飲酒OK 共有部でだけ飲酒OK イベントのときだけ飲酒OK お酒は施設で管理 飲酒量の制限 「居室内だけ飲酒OK」と「共有部でだけ飲酒OK」って正反対のルールですよね?どういうことですか? 「居室内だけ飲酒OK」というのは、他のご入居者に迷惑にならないようにとの配慮です。他のご入居者には、健康上の問題からお酒を飲みたくても飲めない人がいる場合もありますから。居室内だけ飲酒OKにしているのは、自立者向け施設に多いですね。一方で、「共有部でだけ飲酒OK」というのは、ご本人の健康のことを考えての対応です。例えば、自室で飲んでいると飲み過ぎてしまったり、飲酒によって体調不良になっても職員さんは気が付けないですよね。なので、職員さんの目の届く共有部でのみ飲酒をOKとしている施設もあるんです。 なるほど…。まったく逆のルールですけど、それぞれ理由があるんですね。 あとは、イベントのときだけ飲酒をOKとしている施設もあります。例えば、夏祭りやクリスマス会や外食ドライブなどといったイベントを老人ホームでおこなうことがありますから、そのイベント中はお酒をOKとしているんです。また、お酒を飲める日をイベント化している施設も。定期的に飲酒できるイベントがあれば、お酒好きなご入居者の楽しみにもなりますし、たくさん飲むわけではありませんから健康の心配も少なくなりますよね。 お酒を飲めるイベントは良いですね!父はもともとは誰かと一緒に飲むのが好きな人なので、イベントがあると喜ぶと思います。 また、飲み過ぎを防止するためにお酒を施設側が管理しているケースが多いですね。合わせて、「1日ビール○本まで」と量を制限していることもあります。こうした飲酒ルールは施設ごとに異なるので、事前に確認しておいてくださいね。 老人ホームで飲酒するときの注意点 お父様には、老人ホームに入居してからも晩酌を楽しんでいただきたいのですが、飲酒するうえでいくつか注意点があります。それを頭に入れてお酒を楽しんでくださいね。 その注意点とは何でしょうか? まずはお父様自身の健康についてです。普段からお酒をたしなんでいらっしゃるということなので、健康上は飲酒をしても問題ないとは思いますが、ご高齢者は若い世代よりもアルコールの影響を受けやすいことに注意してください。例えば、お酒の影響でふらついて転倒するリスクが若い世代よりも高いこと。ご高齢者は、歩行状態が不安定なことも少なくありませんから、特に注意してくださいね。 本当にそうですね…。父は普段から杖を使っていますから、お酒を飲んだ後は気をつけるようによく言っています。 また、お酒は認知症のリスクを高めることがわかっています。飲酒量を決めたうえで”ほどほど”のお酒を楽しんでくださいね。 認知症ではないと思いますが、最近物忘れが増えてきているので量は制限させます。 それと、飲酒が原因で他のご入居者とのトラブルになることもあります。アルコールが入ると気が大きくなって他のご入居者と口論になったり、大声を出して騒音トラブルになるケースもあるんです。 あぁ、そういうこともありえますよね…。老人ホームの暮らしは共同生活だからこその注意点ですね。 飲酒をOKとしている施設はそれなりにありますが、すべての老人ホームで飲酒OKとは限らないのが実情です。そのため、もし施設探しをする中で「飲酒OKの施設が見つからない」とお困りになったときは、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご連絡ください。老人ホームを熟知した入居相談員がお父様にあった施設をご案内しますよ。 健康に問題がなければ、飲酒できる老人ホームは意外とある! 居室内だけ、職員の目が届く場所だけ、1日○本だけ、などルールが決められている 歩行状態が不安定になって転倒のリスク、認知症リスクが高くなることに要注意 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/12/09

施設入居 医療体制

老人ホームではたん吸引が必要な人を受け入れてもらえますか?夜間もたん吸引が必要です。

誤嚥性肺炎で入院している母が、嚥下機能が低下して口から食事ができなくなりました。そのため、胃ろうを造設したのですが、1日に何度もたん吸引が必要な状態になってしまいました。 在宅介護は難しい状態になってしまったので老人ホームに入居させようと思い、自宅近くの老人ホームに問い合わせたら「たん吸引が必要な人は受け入れできない」と断られてしまいました。たん吸引が必要だと、老人ホームには入居できないのでしょうか? (樋口さん・パート・65歳) たん吸引が必要な人を受け入れている老人ホームはたくさんありますよ!ただ、たん吸引のタイミングによっては、看護師が24時間常駐している施設でないと対応できないこともあります。また、お母様の場合、胃ろうの医療ケアが日常的に必要なので、医療体制が充実している介護施設を選ぶと安心して生活できますよ。 老人ホームではたん吸引は可能?施設の条件は 母が誤嚥性肺炎で入院しているのですが、口から食事ができなくなったので胃ろうを造設しました。入院して歩けなくなってしまったこともあり、在宅介護は難しい状態です。なので、介護施設に入ってもらおうと自宅の近くの施設に問い合わせたところ、「たん吸引が必要な人は受け入れできません」と断られてしまいました。母は1日に何度かたん吸引が必要な状態です。そうなると、老人ホームでは受け入れてくれませんか? いえ、たん吸引が必要な人を受け入れている老人ホームはたくさんありますよ!ちなみに、お母様は1日に何回のたん吸引が必要ですか? えーと、病院ではたん吸引を5回していると聞いています。 なるほど。夜もたん吸引が必要ですか? はい。夜もたんが絡むことがあるみたいで…。 となると、看護師が24時間常駐している介護施設が理想です。たん吸引は医療行為なので、基本的には看護師や医師などでないとおこなえませんから。 あれ?介護施設って看護師さんが常にいるのが普通ではないんですか? それがそうでもないんです。日中だけ看護師がいる施設もありますし、そもそも看護師が勤務していない施設もあります。もしくは、老人ホーム自体には看護師を常駐させずに併設の訪問看護ステーションの看護師がケアにあたるケースもあるんです。 へー、いろんな形があるんですね。となると、母の場合はどんな施設であれば入居できるんでしょうか? お母様のように、昼夜問わず1日に何度もたん吸引が必要な人の場合、以下のような施設であれば受け入れができるでしょう。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 介護付き有料老人ホームは、看護師の常駐が義務付けられています。その中でも看護師が24時間常駐している施設であれば、夜間のたん吸引にも対応できます。ただ、看護師が24時間常駐している施設は少ないうえに、医療体制が充実しているため料金が高めに設定されているのがネックです。 料金が高いんだ…。あまりお金がかかるのはちょっと…。 そこで、もうひとつの選択肢となるのが住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅です。この2種類の介護施設は、別途、介護サービスの契約が必要です。契約の手間はありますが、オーダーメイドでサービスを組み合わせられるのが魅力なんです。中には、訪問看護ステーションを併設して医療ケアに力を入れている施設もあります。夜間に訪問看護を利用できる施設であれば、夜のたん吸引にも対応しているでしょう。 うーん、いろんな形があってややこしいですね…。 そうなんですよね…。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の場合、看護師の常駐義務がないので、医療体制のばらつきが大きいです。医療行為の対応をほとんどしていない施設もあれば、胃ろうやたん吸引はもちろん、末期がんなどの医療依存度の高い人の受け入れもできる施設もあります。つまり、施設によって医療体制が大きく異なるので、施設ごとに確認する必要があるんです。 では、結局、どんな施設を選べば良いんでしょう? 頻繁にたん吸引が必要な人の場合、たん吸引に対応しているだけでなく医療体制が全般的に充実している施設を選ぶのがベターです。特に、たん吸引が必要だと胃ろうなどの医療ケアが必要なことが多いんです。そのため、たん吸引以外にも配慮することがあるので、医療が充実している介護施設を選ぶと安心して生活できますよ。胃ろうを対応している施設については、以前のご相談でもお答えしています。参考にしてみてくださいね。 たん吸引は介護職員でも対応できる? さっき、「たん吸引は看護師や医師などでないとおこなえない」と北野室長は言っていましたが、介護職員さんはたん吸引ができないんですか? 原則として、介護職員はたん吸引はできません。ただ、一部の特別な研修を修了した介護職員であれば、たん吸引ができます。 そうなんですね! その研修というのが「喀痰吸引等研修」。講義と実地研修を受けてたん吸引をおこなうためのスキルを学んでいるので、介護職員でも安心して任せられるんです。そのため、夜間帯に看護師が常駐していない施設でも、喀痰吸引等研修を修了している介護職員が常駐している施設であれば、夜間にたん吸引が必要な人の受け入れている場合があります。たん吸引が必要な人の施設探しをする場合、たん吸引の回数とタイミングで必要な医療体制が異なるため、ややこしいところがあります。なので、施設選びに迷ったときは「いい介護 入居相談室」にお気軽にご相談くださいね。 老人ホームでもたん吸引が必要な人の受け入れはできる 受け入れ可能なのは看護師が常駐しているか訪問看護で対応できる施設 「喀痰吸引等研修」を修了している介護職員がいれば、受け入れできることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/12/08

施設入居

老人ホームに持ち込み禁止のものはありますか?仏壇を持っていきたいと言っているのですが…

もうすぐ母が老人ホームに入居するので、荷造りをしています。老人ホームには持ち込み禁止のものはありますか? また、母が仏壇を持っていきたいと言っているのですが、部屋に持ち込んで良いものでしょうか? (中西さん・63歳・会社員) はい。ほとんどの介護施設で火器類と刃物類の持ち込みが禁止されています。例えば、ライターやろうそく、ハサミや縫い針などの持ち込みができません。仏壇については、施設ごとで対応が大きく異なります。そもそも仏壇の持ち込みがNGの施設もあれば、居室に入るサイズであれば持ち込み可としている施設もあります。事前に施設に確認してみてくださいね。 老人ホームに持ち込み禁止のものはある? 来週、母が老人ホームに入居します。なので、引っ越しの荷造りをしているところですが、老人ホームには持ち込み禁止のものってありますか? 火器類と刃物類は持ち込み禁止の施設がほとんどですね。火器類というのはろうそくやライターなど。刃物類はハサミや縫い針などです。火器類は火事の原因になりかねませんし、刃物類は怪我の原因になりますから。 そうなんだ。母は手芸が趣味なので折り紙を切って飾りを作ったり、縫い物をするのが好きなのですが…。それができなくなってしまうんですね。 うーん、施設によっては「施設職員の目が届くところのみで使用する」などの制限をかけたうえで火器類や刃物類の使用を許可していることもあります。お母様が入居する施設ではどんな扱いになっているのか、事前に確認してみてください。 施設によって対応が違うんですね…。その他には持ち込みNGなものはありますか? あとは、車や自転車でしょうか。自立の人だと、老人ホームに入居した後も外出するために持ち込みを希望することがあります。しかし、ご入居者用の駐車場がないなどの理由で持ち込みができないことが多いです。ただ、介護の必要としない自立の人向けの介護施設の場合、ご入居者用の駐車場や駐輪場を用意していることがあります。その場合は、駐車場・駐輪場に空きがあれば持ち込みができますよ。 これは持ち込みOK? 母が「仏壇を持ち込みたい」と言っているのですが、自分の居室に仏壇は持ち込めるのでしょうか? これも、施設によって対応が分かれるところです。そもそも仏壇の持ち込みを禁止している施設もあれば、居室に入るサイズであればOKとしていることもあります。一概には言えないので、施設に確認してみてください。 そうなんですか…。じゃあ、タンスはどうですか?施設に見学に行ったときに、備え付けのタンスが小さくて。自宅で使っているものを持ち込みたいのですが…。 タンスなどの収納家具については、大きさによりますね。部屋の出入り口から運び込めるサイズということに加えて、老人ホームの場合は居室での移動に邪魔にならないかも重要なポイントです。自分で歩けるときは通路が狭くても大きな問題にはなりませんが、車いすを使うようになると方向転換をするために広くスペースを確保しないといけません。なので、あまりに大きい家具だと車いすが通るスペースがなくなってしまうので、持ち込みができないことがありますね。 老人ホームに入居するときに必要なものは? 来週、お母様が老人ホームに入居されるとのことですが、荷造りはだいぶ進みましたか? いえ…まだ必要なものも揃っていなくて。いろいろと持っていくものがあって、意外と大変ですね。 必要なものを揃えるだけでも大変ですよね。…では、念のために老人ホームに入居するときに最低限必要なものを確認しておきましょうか。以下に、入居時に必要なものをリストアップしてみました。 衣類・下着 内履き・外履き タオル類(フェイスタオル・バスタオル・ハンドタオル) 衛生用品(石鹸・歯ブラシ・爪切りなど) 保険証等(介護保険証・障害者手帳など) 薬・お薬手帳 病院の診察券 あ、そうだ。このリストを見て思い出したんですが、衣類ってどれくらい持っていけば良いんですかね?施設の収納が少なそうで、あまり持ち込めなさそうなんですが…。 まずは、今の季節の服を1週間分くらい用意しておくと良いでしょう。服が足りなかったら入居してから少しずつ服を増やしていっても良いですし、衣替えのタイミングでご家族が新しい服と入れ替えることもできますから。 それもそうですね。母の老人ホームは自宅の近くですから、足りない物があればすぐに持って行けますし。 ただ、普段飲んでいる薬があれば、多めに持っていくことをおすすめします。というのも、施設に入居した後はバタバタして受診ができないこともありますから。かかりつけ医に事情を伝えて、多めにもらえるか相談してみてください。 これは持ち込みが必要? シーツなどの寝具って持っていく必要がありますか?荷造りをしていて気になったもので…。 寝具を持ち込むかどうかは、施設ごとに対応が異なります。布団はレンタル可能でもシーツは持ち込み、という施設もありますし、寝具一式をレンタルできる施設もあります。ただ、介護ベッドに関しては多くの施設でレンタルができますよ。 じゃあ、テレビは備え付けですか?母はテレビが大好きなので、部屋にはテレビがないと…。 すいません、それも施設ごとに異なるんです。はじめから備え付け家具のひとつとして用意している施設もあれば、持ち込みが必要な場合もあります。これも施設に確認してみてください。 老人ホームに持ち込むと便利なものは? 最低限、持っていくものはなんとか揃いました。ただ、お父さんが老人ホームに入っている友人が「冬は加湿器があると良い」と言っていたのですが、持っていった方が良いでしょうか? 加湿器はあれば快適に過ごせるようになるとは思います。が、持ち込まないといけないものではありませんよ。加湿器のように、”持っていくと便利なもの”や”暮らしが豊かになるもの”もいくつかあるので、リストアップしておきますね。 趣味の道具 老眼鏡 化粧品 電気ケトル 加湿器 その他にも、ご自宅でお母様がよく使っていた雑貨類などを持ち込むのも良いかもしれません。老人ホームは暮らしの最低限のものしか用意してありませんから、どうしても居室が殺風景になってしまいがちなんです。そうなると、お母様が長い老人ホームでの暮らしが楽しめなくなってしまうかもしれませんから、飾りなどを持ち込んでお母様らしいお部屋作りをしてみるのはどうでしょうか? そうか…これからしばらく生活する場所になるんですもんね。あまりに殺風景な部屋だとかわいそうかも。 もちろん、あまりに物が多すぎると入退去のときの負担が大きくなってしまいます。負担にならない程度に物を持ち込んで、暮らしやすいお部屋を作ってくださいね。 衣類や洗面用具、薬などは入居時に必ず持っていくこと! 仏壇のろうそくなどの火器類や、ハサミや縫い針などの刃物類は持ち込みができない 老眼鏡、趣味の道具、電気ケトルなどは持ち込むと便利 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: ...

2022/12/07

施設入居 医療体制 介護の基礎知識

老人ホームには尿バルーンを利用していても入居できますか?施設の探し方も教えてください。

前立腺肥大症のために父が尿バルーンを使用することとなりましたが、自宅では介護ができないので施設探しをしています。 尿バルーンを利用していても老人ホームには入居できるのでしょうか? (田口さん・パート・66歳) はい。尿バルーンを利用している人を受け入れている介護施設はたくさんありますよ。カテーテルが抜けてしまったときの対応は看護師や医師でないとできないので、看護師が常駐している施設を選びましょう。また、尿バルーンをしていると感染症や皮膚トラブルなどを起こしやすくなります。それらのトラブルにスムーズに対応できることも考えると、看護師が常駐している老人ホームに入居するのがおすすめです。 尿バルーンで老人ホームに入れる?入居の条件は 父が前立腺肥大症の影響で排尿ができなくなり、尿バルーンを使うことになりました。現在は入院中なのですが、体調が落ち着いたら退院できると言われています。でも、私も仕事をしていますし、尿バルーンの管理をしながら父の介護をするのは難しいので、介護施設に入居させたいと思っているんですが…。尿バルーンを使っていても入れる介護施設ってあるんでしょうか? はい、たくさんありますよ!尿バルーンは医療行為のひとつですが、その中でも比較的受け入れしやすいものなんです。 そうなんですね!よかった…。どんな施設であれば、尿バルーンでも受け入れてくれるんですか? できれば看護師が常駐している施設が良いですね。尿道に挿入しているカテーテルが万が一抜けてしまったりしたときに、看護師が常駐していればすぐに対応できますから。そういったカテーテルのトラブルはいつ起こるかわからないので、24時間看護師が常駐している施設が理想です。ただ、24時間看護師が常駐している施設は少ないですから、訪問看護サービスですぐに対応できる体制が整っている施設であれば、尿バルーンの人でも受け入れてくれると思いますよ。 なるほど。尿バルーンを取り扱うのは看護師さんしかできないというわけですね。 基本的にはそうです。ただ、尿バックに溜まった尿を捨てるのは介護職員でもできます。カテーテルの日常的な管理やトラブルは看護師、定期的な尿の破棄は介護職員がおこなう、というわけですね。 尿バルーンの注意点は? 念のため、尿バルーンを利用するときの注意点についてもお伝えしておきますね。 注意点ですか? はい。介護施設であれば、介護職員や看護師が注意しているので心配はいらないと思いますが、頭に入れておいてください。尿バルーンの主な注意点は、以下の通りです。 感染症 皮膚トラブル 膀胱結石 チューブの詰まり 自己抜去 尿バルーンの場合、カテーテルを入れている部分から細菌が膀胱に侵入しやすく、感染症のリスクが高くなります。他にもカテーテルの接続部や尿バッグの排液口からも感染しやすいんです。そのため、挿入部やカテーテルなどを常に清潔に保っておく必要があります。 感染症か…。怖いですね。 また、カテーテルを入れっぱなしにしているので、皮膚トラブルも起こりやすいんです。例えば、カテーテルを挿入している尿道が切れてしまったり、かぶれてしまうこともあります。さらに、長期間にわたって尿バルーンを使用していると、カテーテルの周りに結石ができてしまうこともあるんです。それに、カテーテルと尿バッグをつなぐチューブの扱いにも注意が必要です。チューブが折れ曲がると、尿がバッグに流れていきませんから常にチューブがねじれていないかを確認しないといけないんですね。 カテーテルもチューブにも注意が必要なんですね。 そうなんです。ねじれたり折れ曲がっていないかにも注意しないといけないんですが、中にはカテーテルを自分で抜いてしまう人もいるんですね。 えっ!カテーテルを抜いちゃうんですか!? 認知症の人の中にはカテーテルが入っていることを理解できず、抜いてしまうケースもあるんです。よくわからない異物が挿入されていて違和感を覚えて抜いてしまうんですね。 うーん、こんなにもたくさんの注意点があるんですね。こんなに大変なら、やっぱり在宅介護は難しいな…。 尿バルーンを使いながらご自宅で暮らしている人もたくさんいますが、やはり看護師が常に管理してくれる環境の方が安心ですよね。もし、施設探しで悩むことがあったら「いい介護 入居相談室」にぜひご相談ください。全国の介護施設の特徴や強みを理解した入居相談員が、お父様に合う施設をご案内しますよ。 尿バルーンでも入れる老人ホームはたくさんある 看護師常駐、もしくは訪問看護を利用できる施設を探そう 尿バルーンは感染症や皮膚トラブルのリスクが高い pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2022/12/07

施設入居 受け入れ体制

介護施設ではタバコを吸えるのでしょうか?ヘビースモーカーの父の施設探しをしています。

ヘビースモーカーの父が入る介護施設を探しています。先日、タバコの火の不始末でボヤ騒ぎになり、父の一人暮らしに限界を感じています。 しかし父は「タバコが吸えないなら老人ホームには入らない」と言っているのですが、施設で喫煙はできるのでしょうか? (辻さん・会社員・63歳) 喫煙できる介護施設はあります。ただ、かなり少ないのが実情です。というのも、タバコの煙が漏れて他のご入居者などの健康への影響が出たり、火事の危険性があるためです。また、喫煙ができる施設でも喫煙スペースだけに限定していたり、ライター・タバコを施設側で管理したりと、自由にタバコを吸うのは難しいでしょう。 介護施設ではタバコを吸える? 父の介護施設を探しています。身の回りのことが自分でできなくなったり、タバコの火の不始末があったりと、父が一人暮らしを続けるのは限界だと感じました。ただ、父はヘビースモーカーで「タバコが吸えないなら老人ホームには入らない」と言い張るほどなんです。でも、介護施設ではタバコは吸えないですよね? いえ、老人ホームの中でも喫煙ができる施設はありますよ!ただ、その数はかなり限られますが…。 やっぱり、タバコが吸える施設って少ないんですね…。 そうなんです。少し古いデータですが、このグラフは日本禁煙学会の調査をまとめたものです。これによると、86%もの施設が禁煙を実施しているそうです。つまり、喫煙可能な施設は2割程度なんですね。 2割だけ!?それだけしかないんですね。でも、なんでそんなに多くの施設がタバコを禁止しているんでしょうか?健康のことを考えてですか? それも理由のひとつですね。ご存知の通り、タバコは吸っている本人だけではなく周囲の人の健康にも悪影響を与える可能性があります。なので、居室で吸っているタバコの煙が漏れて他のご入居者や介護職員さんに影響が出ることを避けるために、喫煙不可にしている施設は多いですね。さらに、居室内でタバコを吸った場合、壁紙が汚れてしまうこともあるでしょう。居室が通常以上に汚れる行為はNGにされています。 確かに、室内でタバコを吸うと壁紙が汚れるんですよね。 それに、居室で喫煙するのは火事の危険性も高くなります。特に、シーツなどの寝具類にタバコの火が移ってしまったことが原因で、大火事になる可能性も考えられます。多くのご高齢者が生活している場なので、火事のリスクはできるだけ避けるのはしょうがないことですよね。 父も布団のうえでタバコを吸って、何度かボヤ騒ぎになったことがあります。一人暮らしでも火事が起きたら大変なのに、大勢が暮らしている老人ホームだったらなおさらですよね…。 介護施設で喫煙するときの注意点は タバコNGの介護施設が多い理由をお伝えしましたが、はじめにお話ししたとおり、数は少ないものの喫煙可能の施設はあります。お父様の健康のことを考えると、これを機に禁煙していただくのが良いと思いますが、どうしても禁煙できないときはタバコを吸える老人ホームを探すのが良いでしょう。 何度も禁煙するようには言っているんですが、どうにも耳を貸さなくて…。どうやったら喫煙OKな介護施設を見つけられるんでしょうか? 効率的に探すのであれば、まずはネットで情報収集するのがおすすめです。例えば、老人ホームの検索サイト「いい介護」では、「喫煙場所あり」と条件を設定すると、全国の喫煙ができる老人ホームを探せますよ。こちらから全国の喫煙ができる老人ホームを探せるので、参考にしてみてください。 条件を設定すると、喫煙ができる施設を一覧で見れるなんて便利ですね! さらに、老人ホーム紹介センターに相談するのも、効率的に施設探しができます。「いい介護 入居相談室」の入居相談員であれば施設に関して豊富な知識を持っているので、喫煙ができる施設もすぐにご案内できますよ。 なるほど。ネットで探したり紹介センターに相談すれば、効率的に施設探しができるんですね。 ただ、ご入居者の安全のために喫煙に関するさまざまなルールを設定している施設がほとんどです。例えば、タバコを吸えるのは喫煙スペースだけに限定している施設が多いです。屋外に喫煙スペースを設けたり屋内に喫煙ルームを作って、その場所だけでタバコをOKにしているんですね。 そうですよね。自分の部屋ではタバコを吸えないですよね…。 おっしゃる通りです。先ほどもお話しした通り、自分の居室内だと火事のリスクが高くなってしまうので…。また、喫煙スペースは屋外にあることもあります。移動に車いすが必要だったりすると、喫煙スペースに行くために職員さんに介助をお願いしないといけないでしょう。そのため、人員の関係で移動介助ができず、好きなタイミングでタバコを吸えない可能性もあります。 父はまだ自分の足で歩けているので、付き添いはいらないと思いますが…。でも、今後、歩けなくなる可能性もなくはないので、自由にタバコを吸えないのはストレスに感じるかも。 それに、ライターやタバコは施設側で管理していることが多いです。火事の危険性があるので、タバコを吸うときだけご本人にお返しするんですね。あと、当然ですが、健康状態的にタバコが吸える場合でないと喫煙はできません。入居する前に医師の確認をしておいてくださいね。 うーん、喫煙するにはいろいろとルールがあるんですね。老人ホームではタバコは吸えないと思っていたので、吸えるだけありがたいですが…。 そうなんです。喫煙ができる施設でも自由にタバコを吸えるわけではありません。タバコは他のご入居者や施設側とトラブルになりかねないことなので、ルールを守って喫煙してくださいね。 タバコOKの介護施設はかなり少ない 他の入居者などの健康への影響や、火事の危険性から喫煙を禁止している 喫煙スペースなど、一部の場所のみで喫煙可にしている施設が多い pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/12/06

認知症対策 在宅介護 認知症介護

「知らない人がいる」と言う認知症の父親。どう対応したら良いかわかりません。

このところ、認知症の父親が「庭に知らない人が立っている」「亡くなった弟が遊びに来る」などと言うようになり困っています。父が指差すところを見ても誰もいないですし…。 これも認知症の影響ですか?どのように対応したら良いのかわからず、父がおかしな発言をしたときはとまどってしまいます。 (永井さん・主婦・67歳) おそらく認知症の影響だと考えられます。特に認知症の中でも「レビー小体型認知症」の場合、幻視や幻聴といった症状が出ることが多いんです。お父様が幻覚を訴えたらそれを否定するのではなく、話をしっかり聞いてみましょう。話を聞くことでお父様の不安感が和らぎ、幻覚を見る頻度も減っていくと思いますよ。 認知症によって幻覚が見える? 認知症の父が、最近になって「庭に知らない人が立っている」「亡くなった弟が遊びに来る」などとおかしなことを言うようになってしまいました。もちろん、父が指すところを見ても誰もいません。つい1ヵ月前まではこんなことはなかったのに…。これも認知症の影響なんでしょうか? うーん。その可能性は高いですね…。ちなみに、認知症にはいくつかタイプがありますが、お父様はどのタイプの認知症でしょうか? えーっと、レビー小体型認知症と診断されました。 やはり…。おそらく、お父様はレビー小体型認知症による幻覚を見ていらっしゃると考えられます。 えっ、やっぱりそうなんですか! レビー小体型認知症は、脳内の「レビー小体」という物質が神経細胞にたまることで発症します。この物質がたまることで脳の情報を処理する機能が低下し、幻覚が発生するとされているんです。幻覚はレビー小体型認知症の典型的な症状のひとつなんですよ。 認知症による幻覚の症状は? 父のおかしな発言が認知症の症状だというのはよくわかりました。でも、どう対応すれば良いのかはわかりません…。 そうですよね。では、対策を考える前に、レビー小体型認知症による幻覚にはどんな症状があるのかを把握しましょう。具体的な症状を知っておくことで、対策をとりやすくなりますから。 そうですね…。どんな症状があるんでしょうか? レビー小体型認知症による幻覚には、以下のような症状があります。 幻視 幻聴 錯視 妄想 まずはじめに、「幻覚」とはその実体がないのにも関わらずはっきりと感覚が存在することの総称です。なので、視覚以外の聴覚や触覚などで実体のない感覚があることも幻覚と言うんです。その中でもレビー小体型認知症の症状としてよく報告されているものが幻視です。実際にはそこにない物があるように感じたり、人がいるように見えるのが特徴です。 父の「庭に知らない人が立っている」「亡くなった弟が遊びに来る」というのも、幻視なんですね。 おっしゃる通りです。他にも「子どもがたくさん立っている」のような、複数のものを幻視で見ることもあります。次の「幻聴」は、実際にはないはずの音や声が聞こえることです。「誰かが自分の悪口を言っている」というケースが多いですね。 父は幻聴はないのかな。「自分の悪口を言っている」なんてことは聞いたことがないので…。 また、幻視に似た症状に「錯視」があります。錯視は現実に存在するものが別のものに見えること。壁紙の柄が虫に見えたり、洗濯物が人に見えたりするんです。 あ!この間、父が「壁に虫がたくさんいる」と言っていたんですが、それは錯視だったのかもしれないです。最後の「妄想」は幻覚ではないような気がするんですが…。どういうことですか? はい。厳密には幻覚とは異なりますが、幻覚が原因で妄想が起こることがあります。例えば、「知らない人が庭に立っている」という幻視が、「泥棒が家に入ってきた」という妄想に発展することもあります。さらに、認知症になると自分で物をしまった場所を忘れてしまうことが増えますから、物がなくなったことが「泥棒に盗まれた」と思い込んでしまうんですね。幻覚がそういった被害妄想や物取られ妄想につながることがあるんです。 認知症による幻覚への対応はどうする? 認知症が原因の幻覚っていろんなケースがあるんですね…。それじゃあ、具体的に私はどう対応したら良いんでしょうか?顔をあわせる度に「庭に知らない人が立っている」と父に言われてうんざりしているんです。何度も「誰もいないよ」と言っても信じないし…。 あぁ…。実は、幻覚を否定するのはNG対応なんです。 えっ!?そうなんですか?だって、実際は誰もいないんですよ? それでも、お父様にとっては現実なんです。なので、お父様の言葉を否定し続けると「わかってくれない」というストレスから、不安感が強くなって症状が進行してしまうかもしれません。 そんな…。では、どうしたら良いんでしょう? お父様が安心するような声掛けをしてください。例えば、「知らない人が立っている」と言うときには、「どんな人がいるの?」と聞いてみたり、「泥棒に盗まれる」と怖がっている様子だったら「泥棒は追い返しておいたよ」と声をかけるんです。はじめのうちはそれでも幻覚を訴えるかもしれませんが、続けていくうちに症状が落ち着いて来ると思いますよ。 そう返せばよかったんですね!それくらいならできそうです。 認知症の人は、不安感から幻覚を見るようになると言われています。なので、お父様の言葉に耳を傾けてみると「自分のことをわかってくれる」と安心し、永井さんとの信頼関係もさらに強くなって症状が減ってくるでしょう。 「知らない人がいる」などの発言は認知症の症状の可能性あり! 幻覚が原因になって、被害妄想・物取られ妄想に発展することも 幻覚の否定はNG!話をよく聞いて、安心できる声掛けを心がけて pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before ...

2022/12/02

施設入居 老後の備え 介護の基礎知識

身寄りがなく、一人暮らしを続けるのが不安なので、老人ホームを検討しています。入れる施設はありますか?

最近、年を取って体力的に家事をするのが大変になったり物忘れが増えたので、老人ホームに入居しようかと思っています。そのため、近所の老人ホームに問い合わせたら「身元保証人がいないと入居できない」と言われてしまいました。 親戚付き合いもないので、身元保証人を頼める人もいません。身元保証人がいないと介護施設には入居できないのでしょうか? (山中さん・83歳) 残念ながら、ほとんどの介護施設では身元保証人が必要です。というのも、万が一があったときの緊急連絡先や費用の支払いが滞ったときの支払い義務を負う人が必要だからです。ただ、数は少ないですが中には保証人が必要でない老人ホームもあります。また、身元保証人や身元引受人を代行するサービスを提供する保証会社もあるので、そちらを検討してみるのはどうでしょうか? 老人ホームに入るのに身元保証人が必要? 年を取って一人暮らしに不安を感じるようになって、介護施設に入ろうかと考えています。特に毎日の家事は体力的にしんどいですし、物忘れも多くなってきて…。ただ、この間、近所の老人ホームに問い合わせたら「身元保証人がいないと入居できない」と言われてしまって。私は身寄りがないですし、身元保証人を頼めるような友人もいません。老人ホームって身元保証人がいないと入居できないものなんですか? そうなんです。入居の際に身元保証人を必要としている施設が大半なのが実情なんです…。古いデータになってしまいますが、成年後見制度を広めるための活動をしている「成年後見センター・リーガルサポート」によると、以下のような調査結果が出ています。 えっ!?9割以上の施設で身元保証人が必要なんですね!どうして身元保証人を立てる必要があるんですか? ”万が一”のときのことを考えて、入居時に身元保証人が必要なんです。例えば、身元保証人には以下のような役割があります。 緊急連絡先 身柄の引き取り 本人に代わる意思決定 生活上の手続き 金銭の連帯保証 ご高齢者の場合、体調が急変することが大いに考えられます。そのため、怪我や体調不良などで救急搬送されたときに身元保証人に連絡をします。また、これは言いにくいことなんですが、老人ホームで亡くなったときの身柄の引き取りも身元保証人がおこないます。あわせて、退去手続きや居室の私物の引き取りなども身元保証人の役割です。 そうか…。この年齢になると、いつ何があるかわからないからなぁ。 また、老人ホームに入居する人の中には認知症などで判断力が低下している人が多くいます。そのため、病院で治療を受けたときの治療方針やケアプランの決定といった重要な意思決定を代わりに身元保証人はおこないます。それに、入退院の手続き、行政手続きといった生活をするうえで必要な手続きも身元保証人の役割です。 うーん。このところ物忘れがひどくなっているから、判断や手続きを誰かにお願いするのはそう遠い話でもないのかもしれないな…。 さらに、万が一、老人ホームの利用料などの支払いが滞ったときは身元保証人が債務を負います。このように、万が一のときや毎日の生活の重要な手続きを代行する役割があるので、施設としても身元保証人を立てておいてほしいんです。 身元保証人とは?身元引受人との違いは そういえば、身元保証人に似た名前のものに「身元保証人」っていうのがありますよね?何が違うんですか? 身元保証人は先ほどお話ししたように、万が一のときの連絡先やさまざまな手続きを代行するのが主な役割です。一方の身元引受人は、主に亡くなったときの手続きや身柄の引き取りをおこないます。とはいえ、身元保証人と身元引受人をはっきりと区別していない施設が実は多いので、この2つの違いはそんなに気にしなくても問題ないでしょう。 そうなんですね!身元保証人と身元引受人の両方を立てる必要があるのかと思いました。 中には身元保証人と身元引受人を1人ずつ立てる必要がある施設もあります。そこは施設ごとにルールが異なるので、施設に問い合わせる必要がありますね。 身元保証人がいないときはどうする? 老人ホームに入居するときに身元保証人が必要なのはよく理解しました。ということは、身寄りがなくて身元保証人を頼める人がいない私は、老人ホームには入居できないんでしょうか? いえ、あきらめるのはまだ早いです!身元保証人がいなくても、なんとか老人ホームに入居するための方法はいくつかありますよ! 本当ですか!どんな方法ですか? 身元保証人がいなくても老人ホームに入居するには、以下のようなものがあります。 身元保証人サービスを利用する 身元保証人が不要の老人ホームを選ぶ 成年後見制度を利用できる老人ホームを選ぶ それぞれについて、詳しくお話ししていきますね。 身元保証人サービスを利用する 一番はじめの「身元保証人サービスを利用する」という方法は、最も確実な方法と言えます。というのも、身元保証人サービスはサービスを提供する保証会社にお金を支払うことで身元保証人の役割を代わりに確実におこなってくれるからです。 お金がかかるんですね…。そこまでゆとりがあるわけではないから、考えものだな…。 はい…。しかも、保証会社によってサービス内容や費用が異なります。中には亡くなった後の手続きも代行するサービスを提供していることも。依頼したいことを細かく決められるのは良いですが、利用する場合はしっかり内容を確認したうえで契約をしてくださいね。 身元保証人が不要の老人ホームを選ぶ あれ、老人ホームに入るには、身元保証人が必要なんじゃなかったでしたっけ?リストに「身元保証人が不要の老人ホームを選ぶ」とありますが。 はい、ほとんどの施設では身元保証人が必要です。が、中には身元保証人を必要としない施設もあります。先ほどのグラフにもあった通り、たった1割だけと本当に数が少ないですが…。身元保証人が不要の施設を探すのと同時に、「身元保証人相談可」としている施設も探してみましょう。「身元保証人相談可」の施設では、施設側が保証会社の紹介などのサポートをおこなっていることがありますから、自分で探すよりもスムーズに身元保証人サービスを利用できると思いますよ。 成年後見制度を利用できる老人ホームを選ぶ 介護施設の中には、身元保証人ではなくて成年後見人でも可としている施設もありますから、そういう施設を探すのもアリかもしれません。 成年後見人って、何でしたっけ? 成年後見人とは認知症や障がいによって判断能力が低下した人に代わって、財産管理や生活にまつわる手続きなどをおこなう人のことです。身元保証人の相談ができるか、成年後見人でも良いのかは完全に施設側が判断すること。なので、施設ごとに確認する必要があるんです。介護施設の一つひとつに確認するのが大変なときは「いい介護 入居相談室」にご連絡ください。身元保証人が不要な施設をご紹介することも可能ですよ。 ほとんどの介護施設で身元保証人がいないと入居できない 身元保証人は、緊急連絡先や費用の支払いなどの役割を担う 老人ホームに入居するには、身元保証人不要の施設を選んだり保証会社を利用する必要がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2022/12/01

施設探し 施設入居 介護の基礎知識

父親の退院まで数日しかない!すぐに入れる老人ホームはありますか?

父が自宅で転倒して入院していますが、治療が終わったとのことで急に3日後に退院しないといけなくなりました。 在宅介護はできない状況なので、老人ホームに入居させたいです。今すぐにでも入居できる施設はありますか? (秋山さん・パート・63歳) 一般的に老人ホームに入居するには1ヵ月程度かかります。中には1週間程度で入れることもありますが、かなり珍しいケースです。そのため、まずは入院期間の延長ができないか、病院のソーシャルワーカーさんに相談してみることをおすすめします。老人ホームの中でも早く入居しやすいのは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設。特別養護老人ホームなどの公的な施設だと入居待ちが発生していることが多いので、民間施設を中心に施設探しをしてみてください。 老人ホームにすぐに入居できる? 父が3日後に退院することになりました。でも、骨折したことがきっかけで車いすが必要になったので、自宅では介護できません!すぐにでも入居できる老人ホームはないでしょうか? うーん、残念ですが、3日で入居できる老人ホームはほとんどありません。必要書類をそろえたり施設との面談などがあるので、一般的には1ヵ月ほどかかります。施設側が迅速に対応してくれたとしても、1週間はかかってしまいますね…。 そんな!私は仕事もあるし、家では車いすを使えないし、父を連れ帰っても介護はできないんです。どうにかなりませんか? 秋山さん、落ち着いてください。まずは、病院のソーシャルワーカーさんに相談してみましょう。病院も帰る場所が決まっていない患者さんを放り出すようなことはしませんから、自宅では介護できないことや施設探しに時間がかかることなどを伝えて、入院期間を延ばしてもらうように相談してください。そうして、病院との相談と並行して、お父様が入居できる施設を探していきましょう。 退院日の延長なんてできるんですね!ソーシャルワーカーさんにお願いしてみます。 すぐに入居できる介護施設とは 退院までに少しは余裕ができそうなので、安心しました。…でも、介護施設ってたくさんあってよくわからないんですよね。何が違うんでしょうか? 介護施設ってたくさんの種類があるので、ややこしいですよね。まずは、おおまかに介護施設について把握しておくと、施設選びの迷いが少なくなりますよ。介護施設で主なものには、以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 他にも介護施設はありますが、入居の条件が厳しいものもあるので比較的入居しやすい施設をリストアップしました。介護施設について、詳しく知りたい場合は以下の記事で解説されていますので参考にしてみてください。 なるべく早く入居したいので、入りやすい施設が良いです。 この5種類の施設の中でも、民間施設が比較的に入居しやすいです。具体的には有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅ですね。特養や老健などの公的施設は、費用が安いため大変人気があって入居の順番待ちをしないといけません。ほとんどの施設ですぐに入居はできないと考えた方が良いでしょう。対して、民間施設は空室があることが多いですし、希望の施設が満室でも系列の別の施設に入居できることがあります。なので、急ぎの施設入居の場合は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった民間の施設を中心に探すのがおすすめです やっぱり、民間施設は公的施設よりも費用が高くなるんでしょうか?たくさんお金を出せるわけでもないので…。 そうですね。民間施設の方が料金が高い傾向があります。もし費用がかさむのを避けたければ、特養に入居待ちの申し込みをしておいて民間施設に入って順番を待つのもひとつの手。特養の順番待ちの間だけ入居することは珍しくなく、民間施設も慣れているので大丈夫ですよ。 施設探しの流れは? とにかく父がすぐに入れる施設を見つけないといけないので、民間施設を中心に探してみます。…でも、何から始めたら良いんでしょうか? では、はじめに施設探しの流れを確認してみましょうか。施設探しは以下のような流れで進めていきます。 介護施設の情報を集める 資料を取り寄せる 見学に行く 面談をする 体験入居をする 契約をする 入居をする ただ、今回はとても急ぎで入居する施設を決めなければいけません。なので、ネットなどで施設をいくつか絞り込んだら、施設に直接問い合わせて見学する方がスピーディーに決まるでしょう。 資料を取り寄せなくても良いんですか? はい。見学に行く方がたくさん情報が手に入りますから。入居まで時間がある場合は、資料を見比べながらじっくり検討できますが、今回はすぐにでも見学の予約を取ってください。それと、急いでいると言っても、1ヵ所だけではなくて2~3ヵ所は施設の見学をしてくださいね。 えっ、1ヵ所だけじゃダメなんですか。そんな急に仕事の都合がつくかな…。 厳しいことを言いますが、施設探しはお父様の新しい住まいを探しているんです。今後のお父様の生活に大きく影響することですから、なんとか時間を作って施設見学に行ってください。複数の施設を比較することでお父様に本当に優先するべき条件が見えてきたり、サービスの違いを理解できたりしますよ。入居を急いでいると言っても、入居してから後悔するような選択をしたくないですもんね。施設の見学については、以下の質問でもお答えしています。ぜひ参考にしてくださいね。 そうですよね…。職場に相談してみます。 見学に行って良い施設だと思ったら入居の意思を伝えて、お父様と施設担当者の面談がおこなわれます。この面談でお父様の心身の状態を確認して、受け入れができるかを判断しているんです。受け入れが可能だったら、契約をしてようやく入居できます。 入居までにいろいろとやらないといけないことが多いんですね…。これじゃあ、3日で入居できないわけだ。 おっしゃる通りです。手間はかかりますが、入居する人の安心安全な生活のためなのでしょうがないですよね。 早く入居するための裏ワザはある? ここまで、介護施設や施設探しの流れについてお話ししてきました。秋山さんのお父様の場合、本当に急いで入居しないといけないので、施設探しの裏ワザもお伝えしましょう! 裏ワザですか?教えてください! 一つ目は、「診療情報提供書」を事前に作成しておくことです。診療情報提供書は既往歴などをまとめたもので、老人ホームに入居するときに必要な書類です。この書類の作成には1週間かかることもあります。理想を言えば、退院時期がわかる前に作成をしておいて、施設にすぐに提出できるようにしておけると良いですね。この書類作成に時間がかかるので、今すぐにでも病院に作成を依頼してください。 退院日がわかる前にできることがあったんだ…。すぐに病院に連絡します。 二つ目は、退院日までに入居施設が見つからなかったり、入居手続きが間に合わないときの裏ワザです。具体的には、ショートステイや体験入居を利用すること。ショートステイは老人ホームやショートステイ専用の施設で1日から宿泊できるサービスです。体験入居は、老人ホームにだいたい7日間までお試しで入居できるサービス。ショートステイや体験入居を正式な入居までの期間の”つなぎ”として利用するわけですね。 へー!一時的に父を預かってくれるサービスがあるんですね。 それにショートステイであれば、最大30日連続で利用可能です。ショートステイの空室状況にもよりますが、ショートステイを利用している間にじっくり施設探しをするのもアリなんじゃないでしょうか? そんな方法が!それだったら腰を据えて施設探しができそうです。 施設探しをしていると、介護施設がたくさんあってどうやって選べば良いかわからなくなることもあると思います。そういうときに「いい介護 入居相談室」にご連絡いただければ、介護施設の知識が豊富な入居相談員がお父様にぴったりの施設をお探ししますよ。急いでいても、後悔だけはしないような施設を見つけてくださいね。 施設入居には最低でも1週間はかかる 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅は早く入居しやすい ショートステイ、体験入居を利用して早めに入居するワザも pre { margin: 40px 0; background: #333; ...

2022/11/30

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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