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最近、認知症の父親が薬をきちんと飲めていないようで心配です。認知症とはいえ、これまでは薬の飲み忘れがなかったので父に薬の管理を任せていました。しかし、先日、父の家の中を整理したらかなり古い薬がタンスの中から出てきて…。 父の薬の飲み忘れを防止する方法はありますか? (武藤さん・自営業・61歳) 薬の飲み忘れを予防する方法はいくつかあります。例えば、薬局で飲むタイミングごとに薬をひとつにまとめてもらったり(一包化)、医師に相談して薬の種類を減らしてもらったり。他にも、訪問介護やデイサービスなどで介護スタッフさんの目の届くところで服薬するなどの方法もあります。ただ、こうした予防法は認知症が進行すると効果がなくなることがあります。お父様の状況に合わせて予防法を使い分けてくださいね。 認知症の親の薬の飲み忘れ防止方法は? 認知症の父親が最近、薬の飲み忘れをしているみたいで心配です。先日、父の家の中を整理していたら古い日付の薬がタンスからたくさん出てきました。父は持病の関係で、毎日飲まないといけない薬がいくつかあります。父の薬の飲み忘れをなくしたいのですが、何か良い方法はないでしょうか? 持病があると、薬の飲み忘れは心配ですよね…。薬の飲み忘れを予防する方法は、主に以下のようなものがありますよ。 薬局で一包化してもらう 薬カレンダーを作る 薬の種類を減らす 書き置きをする 訪問介護・デイサービスのときに服薬する 家族が電話で確認する 訪問薬剤師・訪問看護を利用する 薬局で一包化してもらう 薬局で薬を受け取るとき、薬ごとにまとめてあることが多いですよね。それを服薬するときに必要な分だけ包装から取り出していると思います。ただ、複数種類の薬を飲んでいる場合、「朝食後はこの薬が1錠、こっちの薬は2錠」と毎回取り出すのは大変。認知症の影響で判断能力が低下してくると、なおさら大変になって飲み忘れが起こりやすくなります。そのため、飲むタイミングごとに薬をひとつにまとめることで、薬の飲み忘れを防ぎます。以下のイラストのように薬をまとめることを「一包化」と言います。 これならわかりやすそうですね! そうなんです。一包化すると小さな袋にそのときに必要な薬をまとめてあるので、薬を各包装から取り出す手間が省けますし、とてもわかりやすくなります。一包化は薬局で対応しています。処方箋を渡すときにお願いしてみましょう。 薬カレンダーを使う 薬カレンダーを使うこともひとつの方法です。薬カレンダーとは、飲み忘れ防止のためのグッズです。曜日や服薬のタイミングごとに区切られ、透明なポケットがついています。そのポケットに必要な薬を入れておき、それを飲むことで飲み忘れを予防できるものです。ちなみに、薬カレンダーは以下のイラストようなイメージです。 そのときに合ったポケットから薬を取り出して飲めば良いんですね。これなら、父も飲み忘れがなくなりそう。 それなら良かったです!ただ、認知症が進んでくると曜日や時間帯がわからなくなることも。そうなると、薬カレンダーでも管理が難しいので他の手を考えましょう。 薬の種類を減らす 薬の種類が多すぎて飲み忘れが発生しているのであれば、薬を減らすのも効果的です。特に、複数の病院に通院している場合、薬を飲みすぎていることもあるんです。もちろん、独断で薬を減らすのは危険ですから、お薬手帳などを見せて医師と相談してみてください。 書き置きをする 認知症の人は新しい情報は忘れやすくなる特徴があります。そのため、1度言っただけでは忘れてしまうこともあるでしょう。そこで、目につくところに「薬は飲みましたか?」と書き置きしておくと効果があるかもしれません。書き置きなら何度も目にするので、記憶に残りやすいからです。 なるほど。書き置きを見た父が薬を飲んでくれるようにするんですね。 もし、頻繁にお父様のところに通えるのであれば、「朝食後」「夕食後」「就寝前」などと書いて、1日分の薬を貼っておくのも良いかもしれませんよ。 訪問介護・デイサービスのときに服薬する お父様おひとりで服薬するのが難しいと感じるようになったら、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを利用して、そのときに服薬するのも良いと思います。訪問介護やデイサービスの時間に服薬する場合、指示どおりの時間帯に服薬できないこともあるでしょう。事前に医師に確認してから服薬をしてくださいね。 家族が電話で確認する 頻繁にお父様のところに通えないこともあるでしょう。その場合、薬を飲み終わったタイミングを見計らって電話で確認するのもひとつの手です。一日に何度も電話をするのは手間だと思います。ですが、今後、認知症が進んだ場合は毎回、確認することが必要になるかもしれません。 薬剤師訪問サービス・訪問看護を利用する 薬局では薬剤師が自宅に訪問してくれるサービスを提供していることがあります。これを薬剤師訪問サービスと言います。また、訪問看護ステーションでは、看護師が自宅を訪問するサービスである訪問看護を提供しています。薬剤師訪問サービス・訪問看護では、薬の管理方法の相談もできます。薬カレンダーに薬を入れたり、服薬状況の確認などもしてもらえますよ。 へぇ!それは助かりますね。 認知症の症状によって対応を変えよう 認知症で忘れっぽくなったとしても、長年の習慣になっているので薬を飲むのは問題ないと思ったんですけどね…。 薬を飲むためには以下のようないろんな力が必要になります。しかし、お父様は認知症の進行に伴って、できることが減って飲み忘れにつながってしまったと考えられます。 薬の形、大きさなどの区別ができる 薬を飲むタイミング(朝食後、夕食後など)を理解できる 薬を包装から取り出せる 薬を口まで運べる 内服に必要な水などを自分で準備できる 薬を飲み込める 内服後に姿勢を維持できる 普段、深く考えずに薬を飲んでいますが、こんなにいろんな力が必要なんですね。 そうなんです。例えば、指先を細かく動かすのが難しくなれば包装から薬を取り出すのができなくなるでしょう。また、文字が読めなくなれば、袋に「朝食後」「夕食後」と書いてあってもわからなくなります。 そうか、薬カレンダーも文字が読めなくなってしまったら使えないですよね。 そうなんです。認知症が進行すると、今まで薬の飲み忘れを予防できていた方法でも効果がなくなってしまうこともあります。今回、いくつかの予防法をご紹介したので、今まで成功していた方法が上手くいかなくなったらお父様の状態に合わせて別の方法も試してみてくださいね。 薬の一包化、訪問介護のときに服薬するなどの対策がある 認知症が進行すると以前の方法で対応できなくなるので他の方法も試してみよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2023/12/04
母が実家で一人暮らしをしています。数日前、久しぶりに帰省したら母の様子がおかしくて心配です。きれい好きなのに家の中が散らかり、スーパーで買った惣菜が放置されて腐っていました。 会話が噛み合わないこともあったし…もしかしたら、認知症になってしまったのかも…。もし、認知症だとしたらこのまま一人暮らしは続けられるものなんでしょうか? 私が母を引き取って介護するのはとてもじゃないけどできません。どうしたら良いのでしょうか? (岡村さん・会社員・58歳) お母様の状況にもよりますが、認知症になっても一人暮らしを続けることは可能だと思います。ただ、そのためには在宅介護サービスや配食サービスなど、生活を支援するサービスを利用することが大切です。一方で認知症の方が一人暮らしするのは、火の不始末による火事や薬の管理ができなくなるなどのリスクがあります。そのため、各サービスを活用しても一人暮らしが難しいと感じた場合は、老人ホームへの入居を検討してみてください。 認知症になっても一人暮らしは続けられる? 実家で一人暮らししている母が認知症になってしまったかもしれません。というのも、先日、久しぶりに帰省したら家の中が散らかり放題。スーパーの惣菜がシンクの中に放置してあり、腐っていました。きれい好きな人だったのに…。もし、認知症になってしまったのだとしたら、今後、母は一人暮らしを続けられるでしょうか?母を自宅に引き取って介護する状況ではなくて…。 お母様の状況にもよりますが、一人暮らしは続けられると思います。そのためには、在宅介護サービスなど、生活を支援するサービスを活用する必要があります。ただ、何にせよ、まずは認知症かどうかをはっきりさせましょう。 認知症かどうかをはっきりさせるって、どうしたら良いんですか? 病院を受診して、認知症検査を受けましょう。 受診ですか…。認知症という確信が持てないのに、病院に行って良いものか…。 もちろん問題ありません!むしろ、早めに認知症検査をすることをおすすめします。もし、認知症かどうかある程度の確信を持ってから検査したいのであれば、東京都福祉局のホームページで公開している「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使ってみてください。簡易的なチェックですが、病院で検査を受ける後押しをしてくれると思いますよ。 ネット上で簡単にできるものがあるんですね!早速、やってみます。 認知症の親の一人暮らしを支援する方法 もし、母が認知症だった場合、私はどうしたら良いんでしょう?先日の実家の様子を考えると、これまでと同じようには生活できないと思うのですが…。だからと言って、私が遠方に住んでいるので頻繁に手伝いに行けるわけでもありません。 そうですね…。まずは、ご家族の中のメインの介護者を決めましょう。メインの介護者は直接介護する人というわけではなく、介護スタッフとの連携や手続きを中心となっておこなう人のことです。介護はご家族や介護スタッフなど、チームでおこなうものです。チームのリーダーとして進めていく人を1人決めておくと、連携も取りやすくなりますからおすすめです。 リーダーですか。となると、私になるのかな。弟がいますが海外で暮らしているので。私がメインの介護者として動くとして、どんなことをしていけば良いのでしょうか? 遠距離介護の場合、頻繁に通って介護をするのは難しいので、できるだけ直接介護をしなくても問題ない体制を作るのが重要です。そのため、以下のような方法でお母様の生活を支援していきましょう。 在宅介護サービスを使う 配食サービスを使う 自治体の支援サービスを使う 近所の人とつながる 在宅介護サービスを使う まずは、在宅介護サービスを利用できる体制を整えましょう。在宅介護サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の結果、「要支援1・2」「要介護1~5」という介護の必要な度合いを示す「要介護度」の判定が下り、要介護度に応じた在宅介護サービスを受けられます。 はじめに要介護認定を受けるんですね。どうやって受ければ良いんでしょう? 要介護認定は、役所もしくは地域包括支援センターで申請できます。申請後、以下のような流れで調査がおこなわれ、在宅介護サービスが利用できるようになりますよ。 配食サービスを使う ご高齢者向けの配食サービスを使うのもおすすめです。認知症が進むと、食事を買いに行ったり食事の支度をしたりすることが難しくなると想定されるためです。ご高齢者向け配食サービスでは、ご高齢者に必要な栄養がしっかり摂れるように考えられています。噛む力が衰えた場合でも食べやすいメニューも用意されていることが多いので、おすすめです。 確かに…。実家には食パンが何袋もカビた状態で置いてありましたし、買った物の管理がうまくできていないのかもしれません。届いた弁当を温めて食べるくらいならできると思うので、配食サービスは良いかもしれないですね。 自治体の支援サービスを使う 高齢化が進んでいることを受けて、自治体のなかには一人暮らしの高齢者を支援するサービスを提供しています。内容は自治体によって大きく異なりますが、例えば、金銭管理の支援や安否確認などのサービスを提供しています。ご実家のある地域で、支援サービスがあるか確認してみてくださいね。 近所の人とつながる やはり、ご近所の人とのつながりも大切です。認知症の方の一人暮らしとなると、予想だにしないことが起こる可能性も。例えば、認知症が進行すると出かけたまま家に帰ってこれなくなることがあるんです。実家のご近所さんとつながっておき、お母様の様子がおかしいときに連絡してもらえるようにしておくとより安心ですよ。 認知症の親が一人暮らしをするリスク 認知症の方が一人暮らしをする場合、さまざまなリスクがあります。事前にリスクを把握して備えておくことが大切です。 どんなリスクがあるんですか? 例えば、以下のようなことです。 火の不始末 外出時の事故・行方不明 トイレトラブル 服薬管理の不備 金銭の管理ができない 食事の偏り ご近所トラブル 火の不始末 火の不始末、本当に心配なんですよね。ガスコンロの火のつけっぱなしや、ストーブから出火して火事になるという話をよく聞きますし…。 対策としては、空焚き防止機能のあるガスコンロやIHコンロに切り替えることでしょうか。また、お母様が料理を頻繁にしないのであれば、電子レンジや電気ケトルなどで済ましてもらうという手もありますよ。認知症の方の火の不始末については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 外出時の事故・行方不明 認知症の影響で、外出して家に帰れなくなることがあります。家に帰ろうとして、道がわからなくなってまったく異なる場所に行ってしまったり、交通ルールがわからなくなって道路を飛び出して交通事故に遭ってしまったり…。 認知症の人が行方不明になる話はよくニュースで見ます。もしかしたら、母もそうなってしまうかもしれないんですよね…。 最近ではGPS機能の付いたキーホルダーなども販売されています。お母様がよく持ち歩く杖やカバンなどに付けておいて、万が一のときに備えるのもひとつの方法です。 トイレトラブル 加齢や認知症の影響で、失禁などのトイレトラブルが増えることも考えられます。また、失禁して尿で汚れた下着類を自分で洗濯できなくなる可能性も。衛生的にも良くないので、訪問介護を定期的に利用したりして、お母様の変化にすぐに気がつける状態を作っておきましょう。認知症の方のトイレトラブルについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 薬の管理ができない 持病などで定期的に飲まないといけない薬がある場合、認知症の影響で適切に服薬できなくなる場合があります。 薬の飲み忘れですね。母もちょこちょこ飲み忘れがあるようで、心配です。 薬の飲み忘れだけでなく、飲み過ぎの危険性もあります。薬を飲んだことを忘れてしまって、再び飲んでしまうんです。高血圧の薬を飲みすぎて意識障害を起こしてしまう危険性も…。それを防ぐために、薬局で薬を1回分ごとの個包装にしてもらったり、定期的に訪問看護を利用するのが良いでしょう。 金銭の管理ができない 認知症が進んで判断能力が低下すると、お金の管理ができなくなることがあります。高額な健康食品を買ってしまったり、詐欺に遭ってしまう危険も…。 高齢者が詐欺の被害に遭うニュースはよく見ますよね。心配だな…。 基本的な対策としては、ご家族がお金の管理をすること。お母様の財産を把握しておいて、不審な出費がないか確認するんです。また、認知症の影響で家賃や公共料金の支払いができなくなる場合もあります。そういったことも含めて、ご家族がお母様のお金の管理をすることをおすすめします。 食事の偏り 食事の偏りは感じています。料理をしなくなったようで、スーパーの惣菜やパンといった簡単に食べられるもののゴミばかりでしたから。 おっしゃる通り、認知症が進行すると料理をすることが難しくなります。なので、必然的に出来合いのものが多くなってしまうでしょう。また、認知症になると異常に食欲が湧いてたくさん食べてしまったり、反対に食べる気力がなくなって食事を摂らなくなる可能性もあります。 そんなこともあるんですね…。 きちんと食事を摂ってもらうためには、配食サービスを利用するのがおすすめ。また、食事が摂れているのか確認のために定期的に訪問介護も利用してみると良いかもしれません。 ご近所トラブル ご近所トラブルと言うと、どんなものがあるんでしょうか? 例えば、ゴミ出しができなくなって家がゴミ屋敷状態となってしまい、ご近所ににおいが漏れてしまったり、コミュニケーションが上手くできなくなって人間関係のトラブルにつながる可能性もあります。こういうことが起こる前に、ご近所にお母様が認知症であることを伝えて協力してもらうことが大切。ゴミが溜まっていたり、お母様の様子がおかしいと感じたときに連絡してもらえるような関係性を作っておきましょう。 認知症の親の一人暮らしが難しいと判断するタイミングは? もし、母が認知症だったとしても一人暮らしを続けられるようにしていこうと思っています。ただ、いつまでも一人暮らしができるものなんでしょうか?もっと母の状態が悪くなったら一人暮らしが難しくなるんじゃないかと思って…。 確かに、お母様の心身の状態が進行したら一人暮らしができなくなるでしょう。もし、一人暮らしできない状態となったら、ご家族が同居して介護をするか介護施設に入居するかを選ばないといけなくなるでしょう。 うちには子どもが2人いますし、母を引き取って介護できる状態ではありません…。となると、介護施設に入居させることを考えないと。どんな状況になったら介護施設に入居させることを検討したら良いでしょうか? 介護施設に入るタイミングは、その人やご家庭の状況によってさまざまです。が、以下の状況になったときは、入居を検討するタイミングの目安となると思いますよ。 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 介護者の負担が大きいと感じたとき 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 先ほどお話しした、在宅介護サービスや配食サービスなどの支援サービスを活用しても、安全に生活できないと感じた場合、介護施設に入居することをおすすめします。例えば、外出して帰って来られなくなることが増えたり、自宅での転倒が増えたり…。支援サービスを活用しても、どうしても24時間365日、見守りの目があるわけではありませんから危険な瞬間が出てきてしまうんです。各支援サービスを利用してもお母様の安全を守れないと感じたら、介護施設への入居を検討しましょう。 いろんなサービスを利用してもダメそうだったら、介護施設に入居させるんですね。 介護者の負担が大きいと感じたとき また、ご家族の介護の負担が大きいと感じたときも介護施設に入居するタイミングと言えます。認知症が進行すると、先ほどお話ししたように転倒したり行方不明になることが増える可能性があります。すると、その度に介護事業者や警察などから呼び出しを受けることもあるでしょう。そうした呼び出しは、遠方に暮らすご家族にとって大きな負担になります。頻繁に呼び出されるために仕事を休まないといけなくなったり、睡眠時間を削って対応する必要もあるかもしれません。 確かに、頻繁に呼び出されるようになったらかなり厳しいかも…。実家まで片道3時間はかかるので…。 遠いですね…。となると、やはり頻繁に帰省しないといけない状況になったら、お母様の一人暮らしは難しいと思います。ぜひ介護施設に入居していただきたいですね。認知症の方が介護施設に入居するタイミングについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 「親が認知症かも」と思ったら、まずは認知症検査、メイン介護者を決めよう 在宅介護サービスや配食サービスなどを使って、直接介護をしなくても良い体制を整えよう 認知症の人の一人暮らしは火事や行方不明、金銭トラブルなどの問題が起こる可能性がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2023/11/30
すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできますか? 母が高齢になって、普段の生活で手伝いが必要な場面が増えてきました。まだ家族で介護できているものの、今後、体の状態が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。 介護サービスを利用するには要介護認定を受けないといけないと友人から聞いたので、今のうちから受けたいのですが…。可能なのでしょうか? (豊田さん・会社員・64歳) すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできます。ただ、身体状態が変化してから介護サービスを利用するのであれば、そのときのお母様の状態と要介護度にズレが出てしまうことも。また、要介護認定には有効期限がありますから、サービスを使わずに有効期限が切れ、サービスを利用するときには再び要介護認定を受けることになる可能性もあります。二度手間になってしまう可能性があるので、「そろそろ介護サービスを使おうかな」と思ったタイミングで要介護認定を受けることをおすすめします。 ”とりあえず”要介護認定を受けておくことは可能 母親の介護をしています。今はまだ家族で介護できているものの、もっと母の体が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。なので、すぐに介護サービスを利用できるように要介護認定を受けておきたいのですが、それは可能ですか?今すぐに介護サービスを使いたいというわけではないのですが…。 はい、今すぐ介護サービスを利用するわけでなくても、要介護認定を受けておくことはできますよ。豊田さんのおっしゃる通り、要介護認定を受けておけばすぐに介護サービスを利用できます。それに、直接介護を受けるサービスだけではく、福祉用具のレンタルができたり介護リフォームの補助金を受けられるようになります。 なるほど。介護サービスって、訪問介護やデイサービスなど、直接介護をしてもらうものばかりではないんですね。 介護を直接受けるサービスを利用するだけでなく、福祉用具をレンタルしたりご自宅を生活しやすいようにリフォームをするのも、ご自宅での生活を便利にすると思いますよ。 ”とりあえず”要介護認定を受けるときの注意点 介護サービスをすぐに利用しなくても、要介護認定を受けられます。ただ、以下のような注意点があることも頭に入れておいてくださいね。 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 自立(非該当)になることがある 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 要介護認定は、そのときの心身の状態に合わせて結果が出されます。そのため、要介護認定を受けてから介護サービス利用までに期間が空くと、要介護度と実際の身体状況がズレてしまう可能性があります。 「要介護度と実際の身体状況がズレてしまう」?具体的にはどういうことですか? 「身体的に介護が必要になったら介護サービスを使いたい」という場合、身体状況が変わるタイミングで介護サービスを利用しますよね。そうなると、認定を受けた時点と介護サービスを利用する時点で身体状況が異なると考えられます。例えば、要介護認定を受けたときは要介護1。その後、身体状態が悪くなったので介護サービスを使いたい場合、要介護度が低くて介護サービスが必要な量に足りない、という可能性があります。 そういう場合、どうしたら良いんですか? もし、実際の身体状態と要介護度がズレていると感じた場合、「区分変更申請」で要介護認定のやり直しができます。なので、大きな問題はないのですが、改めて要介護認定を受ける手間はかかってしまいますね。区分変更申請については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 実は、要介護認定には有効期限があるんです。 そうなんですか!?一度受ければずっと有効なのかと思っていました。 初回の要介護認定の場合、有効期限は原則6ヵ月です。自動更新ではないので、有効期限が切れる前に更新の手続きをする必要があります。有効期限が切れる60日前に更新のお知らせハガキが届きますが、要介護認定を受けてから介護サービスを利用していないと忘れてしまうかもしれません。せっかく要介護認定を受けたのに、有効期限切れで「介護サービスを使えない!」とならないように更新は忘れないようにしましょう。 自立(非該当)になることがある 「自立(非該当)」って何ですか? 要介護度は「要支援1・2」「要介護1~5」の7段階に分けられます。そのどれにも当てはまらないお元気な方のことを「自立」もしくは「非該当」と呼びます。介護現場では「自立」と呼ばれることが多いですね。 へぇー。自立になると何か問題があるんですか? 自立とは、「介護が必要ない状態」という判定結果。介護保険を適用して介護サービスを使うには「要支援1」以上の要介護度が必要ですが、自立の人はそれに該当しないので介護サービスを利用できません。もし、とてもお元気な状態で要介護認定を受ける場合は、注意しておきたいですね。 そうなんだ…。「自立」になってしまって介護サービスを利用できないのは困るなぁ。 要介護認定の流れ 要介護認定を受けるには、まず「要介護認定申請」をしないといけません。その後、以下のような流れで認定が進められます。 まずは、市区町村に依頼されたケアマネジャーなどが自宅を訪問して聞き取り調査をします。心身の状態や生活状況などについて質問されます。この聞き取り調査の結果や、主治医の意見書などをもとに一次判定がおこなわれ、専門家による二次判定に回されます。そして、審査の結果が要介護度として通知されるわけですね。 要介護認定ってどれくらいの期間がかかるんですか? 要介護認定は申請から1ヵ月程度かかります。ただ、高齢化が進んでいる影響で、通知に時間がかかる場合も。その場合は、自治体からお知らせがありますよ。 意外と時間がかかるんですね。 そうなんです。意外と手間と時間がかかりますし、あまりにも早い時期から要介護認定を受けておくと二度手間になってしまいかねません。早い段階から要介護認定を受けるのは可能ですが、「そろそろ介護サービスを使おうかな?」と思ったタイミングで認定を受けるのがおすすめです。 介護サービスを利用しなくても要介護認定だけを受けることは可能 要介護認定を受けると在宅や施設での介護サービスを使えるようになる 認定を受けてからサービス利用まで期間が空くと身体状態とのズレが生じることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...
2023/11/30
認知症の母親が夜に尿もれをするようになったのでおむつを履かせたいのですが、嫌がって履こうとしません。どうしたら良いですか? 昼間は私や他の家族が介助しているのであまり漏らしたりはしないのですが、問題は夜です。これまではトイレに行くときに私を起こして一緒にトイレに行っていたのに、最近は私を起こさなかったり、そもそも母が起きないことも…。 トイレに行かないと、朝におもらしをしていて服も布団もぐっしょり。洗濯も大変ですし、においがしてしまってもう大変なんです。 (角田さん・パート・63歳) 掃除に洗濯…排泄介助が上手くいかないと介護の負担が増えて大変ですよね…。なんですが、無理やりお母様におむつを履かせるのはおすすめできません。というのも、おむつを履いたとしてもおむつを脱いでしまったり、おむつ交換を拒否されてしまったり…余計に心身の負担が大きくなってしまうかもしれないからです。そのため、布パンツにパッドを入れたり、紙パンツを使ったりして段階的におむつに慣れてもらいましょう。とはいえ、おむつを履くというのは、お母様の尊厳を傷つける可能性が高いので最終手段と考えておきましょう。寝たきりになったりしてトイレに座れない状態でなければ、おむつを使わずに済むように工夫してみてください。介護サービスも活用しながら、負担の少ない介護をしてくださいね。 嫌がる認知症の親におむつを履かせるには? 認知症の母親の介護をしています。最近、夜におもらしして服や布団を汚すことが多くなって困っています。服や布団が汚れて洗濯が増えるし、家の中ににおいがこもってしまって…。なので、夜はおむつを履かせたいのですが、「おむつなんか履かない!」と拒否されてしまって…。母におむつを履かせるにはどうしたら良いでしょうか? おもらしがあると、洗濯や掃除が多くなったりにおいが気になって心身ともに負担が大きくなって大変ですよね…。うーん、ただ、おむつを無理やり履かせるのはおすすめできません。 えっ、なぜですか?こんなに介護が大変なのに! 角田さんのお気持ちはよくわかります。とは言え、無理におむつを履かせると、介護拒否につながってしまう可能性があるんです。例えば、おむつを履いたのは良いものの、こっそり脱いでしまって意味がなくなったり、おむつ交換を嫌がったり…。別の問題が起きかねないんです。おむつ外しやおむつ交換の拒否については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 とりあえずおむつを履いてくれれば…と思ったのですが、そう上手くはいかないんですね…。 おむつに段階的に慣れてもらう おむつを嫌がる原因は、おむつに良いイメージがないからでしょう。急に「おむつを履いて」と言われて履きたいと思う人はそうそういないと思います。そうした気持ちをふまえても、おむつに段階的に慣れてもらうことが履いてもらう方法のひとつです。 具体的にはどうすれば良いんですか? 以下のような段階を踏んで、おむつや紙パンツ、尿とりパッドに慣れてもらうんです。 布パンツ+尿とりパッド 紙パンツ+尿とりパッド おむつ+尿とりパッド 現段階でおむつや紙パンツ、尿とりパッドなどを利用していない場合、おむつを使うのは心理的なハードルがかなり高いでしょう。「おむつを使わないといけないなんて」と、情けなく感じるかもしれません。なので、はじめは普段使っている布パンツに尿とりパッドを入れて使ってみます。使っているうちに尿とりパッドを入れていることに慣れたり、尿とりパッドの吸水力に気がついて便利だと感じてくれることもあるでしょう。 母は、昼間はトイレに行って漏らすことはあまりないので、まだ普通の布パンツだけです。よく考えてみれば、普段は布パンツを履いているのにいきなりおむつを履くのは嫌ですよね。 「布パンツ+尿とりパッド」を使っても尿もれが続くようだったら、「紙パンツ+パッド」や「おむつ+尿とりパッド」に段階的に変えてみましょう。また、「おむつ」という言葉も心理的な抵抗感につながりやすいです。なので、「使い捨てパンツ」などと言い換えるのもおすすめです。 おむつにできるだけ頼らない介護を おむつを勧める方法についてお話ししましたが、正直なところ、本当はおむつを使わないで済むのが一番なんです。 えっ!?そうなんですか?なぜでしょう? おむつの交換は、すべて誰かにしてもらうことになりますよね。なので、尊厳が失われたり「下の世話をしてもらうなんて情けない」と感じやすいんです。そのせいで気力がなくなって今まで自分でできていたこともやらなくなり、さらに身体機能が低下したり認知症が進行するきっかけになることもあるんです。 そんな影響があるんですか!? なので、まだ歩けるのであればトイレを使うのが一番。歩くのが難しいのであれば、お母様の布団やベッドの近くにポータブルトイレを置いて、すぐに用を足せるようにしておくなどの工夫をしてみてください。 今まで夜中も母がトイレに行きたいタイミングで、母に起こされていました。でも、認知症が進んだせいか最近は起こしてくれなくて…。こういう場合、どうしたら良いんでしょうか? 夜中のトイレの時間を決めるのはどうでしょうか?ご自分でトイレに行く場合でも時間はある程度決まっていることが多いですから、その時間に合わせてお母様を起こしてトイレに行けば、おもらしがなくなるかもしれませんよ。 排泄介助を介護サービスに頼ろう 排泄介助は、介助のなかでも身体的にも精神的にも大変なもののひとつ。特に夜間の排泄介助は大変です。ですので、ご家族だけでやろうとせずに、介護サービスを活用して介護のプロを頼ってください。 どんな介護サービスが使えるんでしょうか? 次の在宅介護サービスなら、夜間の排泄介助にも対応してくれますよ。 夜間対応の訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 訪問介護のなかには、夜間も対応しているところがあります。ただ、日中だけの対応としているところが多いので、サービス提供時間を事前に確認してくださいね。 昼間だけしか対応してもらえないと思っていました!夜も介護してくれるのは助かるなぁ。 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、「定期巡回・随時対応サービス」とも呼ばれるサービスです。このサービスでは、事前に決められたタイミングで訪問介護・訪問看護が1日に複数回受けられます。さらに、緊急時などに通報を受ければ、すぐに介護スタッフや看護師が駆けつけてくれるんです。24時間365日対応しているので、夜間の排泄介助もお願いできますよ。 私は昼間に仕事をしているので、夜中に起こされるのは本当にしんどくて…。介護サービスを使ってみようかなぁ。 夜中の排泄介助はとても負担が大きいと思います。なので、おむつを使いたくなる気持ちはよくわかります。ただ、おむつは最終手段と考え、できるだけおむつを使わない介護をする方が、最終的には負担が少なくなることもあるんです。夜間の排泄介助が必要な場合は、積極的に介護サービスを利用してくださいね。 布パンツにパッドを組み合わせたり、おむつに段階的に慣れてもらおう おむつは最終手段。できるだけトイレで排泄できるように工夫してみて 排泄介助が大変なときは、積極的に介護サービスに頼ろう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...
2023/11/28
母が入る老人ホームの情報をネット上で集めています。気になっているのが入浴回数。多くの施設で「週2回」と記載されていますが、こんなに入浴回数は少ないものなのでしょうか? 母は毎日入浴しているので週2回だけというのが信じられません。本人も週2回だけというのは嫌がると思います。 老人ホームに入ったら、週2回だけの入浴で我慢しないといけないのでしょうか? (多田さん・会社員・58歳) 介護保険法で週2回以上の入浴が定められていることから、入浴回数を「週2回」と定めている施設が多いです。それ以上の入浴をしたい場合は、週3回以上の入浴回数を設定している施設に入居するか、在宅介護サービスを利用できる施設に入居するなどの方法がありますよ。 老人ホームの入浴が週2回なのはなぜ? 母が入る老人ホームを探しています。まだ、ネット上で情報を集めている段階ですが、入浴の回数について気になることがあります。老人ホームに入ったら、お風呂は週2回しか入れないものなんでしょうか?いくつか老人ホームの情報を見ていたら、どの施設も週2回した入浴できないようで…。今、母は毎日入浴しているので、週2回しか入れないのは嫌がると思います。せめて、週3回か週4回は入れてあげたい…。 残念ながら、多くの老人ホームで入浴が週2回までであるのが実情です。なぜ「週2回」かと言うと、介護保険法で最低でも週2回以上は入浴させなければいけない、と定められているからです。 あれ、でも「週2回以上」ということは、週3回でも週4回でも良いんじゃないんですか? おっしゃる通りです。「週2回」というのは最低限の回数です。ですが、介護スタッフさんの人員が足りない影響で、多くの老人ホームで最低限の回数しか入浴ができないのが実情です。 そういうことなんですね…。 老人ホームで週2回より多く入浴する方法 母が老人ホームに入ったら、お風呂は週2回だけで我慢するしかないんでしょうか? いえいえ、老人ホームに入ってからも週3回以上お風呂に入る方法はありますよ! そうなんですか!どんな方法ですか? 例えば、以下の方法なら老人ホームに入ってからも週3回以上入れるようになりますよ。 週3回以上、入浴日を設けている施設に入居する 追加料金を払えば入浴対応する施設に入居する 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に入居する 週3回以上、入浴日を設けている施設に入居する 数は少ないですが、週3回以上の入浴日を設定している老人ホームがあります。そうした施設を探して入居するのが良いでしょう。ただ、やはり週3回以上も入浴日を設定している施設は珍しいので探すのは一苦労。もし、施設探しに迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。 追加料金を払えば入浴対応する施設に入居する 老人ホームの中には、もともとの入浴は週2回でも、追加料金を支払えばそれよりも多く対応してくれるところもあります。 それは嬉しいですね!追加料金はどれくらい支払うんですか? 料金は施設によって大きく異なるので、一概には言えないですね…。料金体系は、「1回600円」「10分500円」といった形になっていることが多いです。 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に入居する 住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居することで、週3回以上の入浴も可能です。 どういうことですか?そもそも、「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」ってどんな施設なんでしょう? 住宅型有料老人ホームとは、介護サービスを自由に組み合わせて利用できる有料老人ホームです。在宅介護サービスを好きなように選択して利用できるのが特徴です。サービス付き高齢者向け住宅は、ご高齢者向けのバリアフリー住宅。比較的に元気な方を対象とした施設で、自由度が高いのが魅力の施設です。どちらの施設も、介護が必要なときは外部の在宅介護サービスと契約します。そのため、「週2回」という回数制限にとらわれずに入浴できるんです。 具体的にはどういうことなんでしょうか? 例えば、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居しながら、訪問介護で入浴介助をしてもらったり、デイサービスに通って入浴したり…ということができます。もちろん、週2回という制限はありませんから、毎日でも入浴できますよ。 なるほど!老人ホームに入っても毎日入浴できる方法はあるんですね。 ただ、老人ホームの浴室を使って入浴する場合、ほかのご入居者との兼ね合いで毎日の入浴は難しい可能性があります。そのあたりは、老人ホームやケアマネージャーさんと調整してくださいね。老人ホームの入浴については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 介護保険法で入浴回数が週2回以上と決められている 追加料金を払ったり在宅介護サービスが使える施設なら週3回以上入浴できることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...
2023/11/22
もうすぐ父親が介護老人保健施設(老健)を退所になります。ただ、以前よりもふらついたりするので、介護サービスなどを使って一人暮らしをさせるつもりです。老健を退所した後のケアマネジャーさんはどうやって探したら良いんでしょうか? 老健にはケアマネジャーさんがいてすべてお任せしていたのですが、自宅に帰ったら別のケアマネジャーさんを探さないといけないようです。老健に入るまで、父は何でも1人でできていたので介護について考えたことがまったくなく…。どうしたら良いのかわからない状況です。 (足立さん・パート・62歳) まずは老健のケアマネジャーさんに相談してみましょう。施設によっては在宅介護のケアマネジャーさんの紹介をしてもらえることがありますよ。ご自分でケアマネジャーさんを探す場合は、お住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談してみましょう。その場で紹介してもらえたり、ケアマネジャーの事業所一覧が載った「ハートページ」という冊子をもらえますので、その情報を頼りに直接連絡を取ってみても良いでしょう。 ケアマネジャーはどうやって探す? 父が老健に入所してから半年ほど経ち、リハビリのおかげでだいぶ歩けるようになったので、退所することになりました。ただ、やはり以前よりもふらついたりするので一人暮らしさせるのが心配で、介護サービスなどを使おうと思っています。老健を退所後のケアマネジャーさんは、どうやって探すのでしょうか? 老健を退所すると、担当が老健のケアマネジャーさんから在宅介護のケアマネジャーさんに変わるので、ケアマネジャー探しをするのは大変ですよね。なので、まずは以下の窓口に相談してみてください。 老健のケアマネジャー 地域包括支援センター・役所 今の老健のケアマネジャーさんに、新しいケアマネジャーさんのことを相談できるんですか? はい。老健のケアマネジャーさんは、退所後の生活についても相談に乗ってくれることがあります。地域のケアマネジャーや介護サービスについても把握している場合もあるので、ケアマネジャーさんを紹介してくれるかもしれません。また、老健のケアマネジャーさんは新しいケアマネジャーさんが決まったら引き継ぎが必要です。そのため、在宅介護サービスを利用して自宅で生活することを伝えておくと、スムーズに手続きが進むと思いますよ。 そうなんですね。その次の、地域包括支援センターとは何でしょうか? 地域包括支援センターは、ご高齢者の生活について総合的に相談に乗ってくれる公的な窓口。この地域包括支援センターや役所では、「ハートページ」という冊子をもらえます。これは、ケアマネジャーさんの事業所である居宅介護支援事業所の情報がまとめてあるもの。この情報をもとに、直接事業所に連絡してケアマネジャーさんを見つける方法もあります。もちろん、地域包括支援センターや役所でもケアマネジャーさんについて相談に乗ってくれますよ。 在宅介護サービスの利用までの流れ ケアマネジャーさんの見つけ方がわかって安心しました。ちなみに、在宅介護するときに利用できる介護サービスって、どうやって利用すれば良いんでしょうか?在宅介護をしたことがないのでわからなくて…。 在宅介護サービスは、以下のような流れで利用開始します。 ケアマネジャーを見つける ケアプランを作成する 介護サービス事業所と契約する サービス提供開始される 基本的には新しいケアマネジャーさんが見つかったら、わからないことはケアマネジャーに相談でOKです。在宅介護サービスを利用するまでの流れも、ケアマネジャーさんが導いてくれますよ。また、ケアプランを作成する際には、お父様にどんな生活をしてほしいか、お父様自身がどんな生活をしたいかなどの要望をケアマネジャーさんに伝えることが大切です。要望をできるだけ叶えられるように、ケアマネジャーさんがケアプランを作ってくれると思いますよ。 新しいケアマネジャー探しは老健のケアマネジャー、もしくは役所などに相談してみよう ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、各介護事業所と契約してサービス利用開始できる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...
2023/11/17
入院中の母親がもうすぐ退院しないといけなくなりました。入院中に体が衰えて歩けなくなってしまったので、在宅介護は難しいと考えています。 なので、老人ホームに入居させようと思うのですが、どうやって施設を探せば良いんでしょうか?介護施設の知識がほとんどないので、誰かに相談したいと思っているのですが、相談先ってありますか? (中尾さん・自営業・66歳) 退院後の生活については、まずは病院のケースワーカーさんに相談してみましょう。ケースワーカーさんによっては、地域の介護施設の情報を持っていることもあり、入居できる施設を紹介してくれることもありますよ。また、一から施設探しをするとなると、入居まで1ヵ月ほどかかるので退院までのスケジュールも確認しておきましょう。 退院後の施設探しはどこに相談すれば良い? 入院中の母がもうすぐ退院して良い、と医師から言われました。しかし、母は入院中に体力が落ちてほとんど自分で歩けなくなってしまいました。私も、仕事や家のことで手一杯で自宅では介護するのは難しい状況です。そのため、退院後は老人ホームに入居させたいのですが、老人ホームのことがまったくわからず、どうやって施設を探したら良いのか…。1人で探すのは難しいと思うので、できれば誰かに相談したいです。相談できるところはありますか? はい。施設探しの相談先はいくつかあります。具体的には以下の窓口です。 病院のケースワーカー 地域包括支援センター・役所 老人ホーム紹介センター 病院のケースワーカー 入院中の場合、施設探しの相談を最初にすると良いのは病院のケースワーカーさんです。ケースワーカーさんは退院後の生活がスムーズに行くように支援してくれます。病院によっては、地域の介護施設と連携していて、詳しい情報をケースワーカーさんが把握していることもありますよ。 ケースワーカーさんに施設探しのことも相談して良いんですね!それは助かります。 地域包括支援センター・役所 ときにはケースワーカーさんが老人ホームの情報を持っていなかったり、紹介された施設が希望に合わないことも。そういうときは、お住まいの地域の地域包括支援センターや役所の福祉課などの窓口に相談しましょう。地域包括支援センターや役所などの公的な窓口でも、老人ホームについての情報をもらえます。特に特別養護老人ホームなどの公的施設については、公的な窓口の方が詳しく教えてもらえますよ。 老人ホーム紹介センター 公的施設だけではなく民間施設も検討したい場合や、遠方で施設探しをしたい場合、老人ホーム紹介センターが便利です。「いい介護」をはじめとした老人ホーム紹介センターは民間施設を主に紹介しています。病院や地域包括支援センターでは狭い範囲の老人ホームの情報しか得られないことが多いですが、老人ホーム紹介センターでは広いエリアで施設探しがしやすいのが特徴です。特に、早く入居先を見つけたいときや複数の施設を見比べて入居先を決めたいときにおすすめです。 今回は、退院日が迫っているので少しでも早く入居先を決めたいです。老人ホーム紹介センターで相談するのも良いかも。 施設探しの流れ 施設探しってどうやってすれば良いんでしょうか?入居までどうやって手続きを進めていけば良いのか、まったくわかりません。 それでしたら、老人ホームに入居するまでの流れをお伝えしますね。次の通りです。 希望条件を決める 老人ホームの情報を収集する 老人ホームを見学する 仮申し込みをする 各種の書類を提出する 本人との面談を行う 契約・入居 一から施設探しをするとなると、入居までは1ヵ月ほどかかります。退院までの期日に間に合うかどうかスケジュールを確認してくださいね。 老人ホームにはどんなものがある? そういえば、老人ホームにはたくさんの種類があると聞いたことがあります。どんな施設があるんでしょうか? おっしゃる通りです!老人ホームには、民間施設が4種類、公的施設が5種類あります。それぞれの費用や入居条件などを次の表にまとめたので、ぜひ施設探しの参考にしてください。 民間施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ うわぁ、こんなに種類があるんですね。結局、うちの母にはどの施設が良いんでしょうか? 今後の生活をどう過ごしたいかで、選択肢は変わりますね。例えば、再びご自宅で過ごしたいのなら、老健でリハビリをして身体機能を回復する方法。また、終の棲家を探したいのなら有料老人ホームや特養などを探すのがおすすめです。 老人ホームにもいろんな種類があって、それぞれ特徴があるんですね。 そうなんです。それぞれの老人ホームの詳細は、以下の記事でも解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。 施設探しをするときは、まず病院のケースワーカーなどに相談しよう 施設探しは、資料請求から入居まで1ヵ月ほどかかる 有料老人ホームや特別養護老人ホームなどさまざまな種類がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...
2023/11/16
老健(介護老人保健施設)に入っている父親の介護認定の更新をしたところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、老健からは退所を求められており、急いで退所後の行き先を決めないといけなくなってしまいました。 父はリハビリのおかげで自分で歩けるようになりましたが、認知症が進行していて数分前のことも忘れたり、家電の使い方がわからなかったり…以前のように一人暮らしできるとは思えません。 だからと言って、私はフルタイムで働いていますし、父を引き取って介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? (平山さん・パート・58歳) お父様のケースだと在宅介護か他の施設に入居するか、2つの方法があると思います。在宅介護の場合、ショートステイをメインにデイサービスや訪問介護を使う方法です。別の施設に入居する場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームが選択肢になるでしょう。いずれにしても、実情とそぐわない要介護度が出てしまった場合、区分変更をすることをおすすめします。区分変更は改めて要介護認定をおこないますので、今度は適切な結果が出るかもしれません。区分変更をする場合、認定調査に平山さんが同席しましょう。認定調査でご本人がはりきってしまって要介護度が実際よりも低くなるケースが珍しくありません。そのため、平山さんが普段のお父様の状況を伝えることが大切です。 要支援に下がって老健を退所しないと!どうしたら良い? 先日、父の介護認定の更新をおこなったところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、今入っている老健を退所しないといけません。ただ、要支援2と言っても、数分前のことを忘れたりテレビのリモコンが操作できなかったり…。入所したときよりも認知症が進んでいて、自宅で介護できる状態ではありません。私はフルタイムで働いていますし、介護はできないと思います。でも、要支援2になってしまったので、1ヵ月以内に退所してほしいと老健に言われています。どうしたら良いのか教えてください! それは大変です!まずは、今後の介護の方針を決めましょう。お父様の場合、「在宅介護をするか」「別の介護施設に転居するか」の2つの選択肢があります。それぞれ、詳しくお話ししますね。 在宅介護をする 「在宅介護をする」と言っても…。先ほどお話しした通り、父は自宅で介護できる状態じゃないんです。在宅介護ができる方法が何かあるんですか? 在宅介護サービスを活用して、できるだけ負担を減らしながら介護する方法です。具体的には、以下の在宅介護サービスを利用しながら介護をします。 ショートステイ デイサービス 訪問介護 ショートステイとは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間、食事や入浴、排泄などの介助が提供されます。ショートステイは、最大30日まで連続で利用できますので、空きがあれば「30日ショートステイを利用して1日自宅に戻る」という使い方も可能です。 宿泊できるサービスなんてあるんですね!父は病院からそのまま老健に入所したので、在宅介護についてまったくわかっていなかったです。 また、デイサービスを利用する方法もあります。デイサービスは日中の時間帯に介護施設に通うもの。デイサービスでも食事や入浴、排泄介助などのサービスが受けられるので、その時間帯は施設に完全に任せられます。デイサービスやショートステイを利用していない日に訪問介護を利用すると、より安心して生活ができるようになるでしょう。 そういう方法もあるんですね。この方法で上手く在宅介護ができるのかな…。 お父様やご家庭の状況によっては、在宅介護サービスを駆使しても在宅介護が難しい可能性があります。そのときは、やはり他の介護施設に入る必要があるでしょう。 別の介護施設に入る 別の介護施設と言うと、どんなものがあるんでしょう。確か、いろんな種類があるんですよね?今の老健は入院していた病院から紹介されて入居したので、他の施設についてよくわかっていなくて…。 確かに、老人ホームは種類が多くてややこしいですよね。お父様の場合、以下のような介護施設がおすすめです。 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。「住宅型」と「介護付き」の大きな違いは、介護サービスが付いているかどうか。住宅型は介護サービスが付いてないので、利用する場合は外部の介護サービス事業者と別途契約が必要です。対して、介護付きは介護サービスが付随しています。24時間、介護スタッフさんが常駐しているため、おむつ交換など夜間に介護が必要な場合でも対応してもらえますよ。 なるほど…。となると、介護付きの方が良いのかな。おむつ交換は必要ないですが、認知症のせいで1人でトイレに行けないので。 ただ、注意していただきたいのは費用の面です。住宅型は介護サービスがなかったり、介護スタッフさんが少ないこともあって、介護付きより費用が安い傾向があります。そのため、出費を抑えたい場合は住宅型がおすすめです。が、住宅型は利用した分だけ介護サービス費が発生するため、頻繁に介護が必要な場合は介護付きよりも高くなってしまうことがあります。 介護付きは、頻繁に介護サービスを利用しても料金が高くならないんですか? はい。介護付きの介護サービス費は、要介護度に応じた定額制。たくさん使っても費用は上がりません。逆に言うと、あまり介護を必要としない場合は料金が割高になってしまうので、住宅型の方がおすすめです。 グループホーム グループホームは認知症の人限定の施設です。要支援2から入居できるので、お父様もご入居いただけます。グループホームは少人数のユニットごとに生活するのが特徴。料理や掃除などをご入居者とスタッフさんが協力しながらおこなっています。少人数で共同生活をしながら生活したい場合にはおすすめです。 少人数で生活できるのは良いですね!父は人が多いところが得意ではないので。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、自由な生活がしやすい施設です。住宅型有料老人ホームと同様、介護サービスは付いておらず、介護が必要な場合は外部の介護事業所と契約をします。サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要がない元気なご高齢者向けの施設もある一方で、重度の要介護度の人も受け入れている施設も多いです。受け入れ状況は施設によって大きく異なるので、事前に施設に確認しましょう。 施設ごとに受け入れ状況が異なるんですね。よく確認しておかないと。 ご紹介した3つの施設のなかでも、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は比較的に入居待ちすることが少なく、急いで転居先を決めたい場合におすすめです。 実際よりも低い要介護度が出たらどうする? やっぱり、父が要支援2になったのが納得いかないんです。友人のお母さんが要支援2なのですが、ほとんど介護は必要なく、自分で料理や洗濯をしています。どう考えても、うちの父と同じ要介護度とは思えません。 確かに。お話を聞く限り、お父様が要支援2なのは違和感があります。もし、今の要介護度に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能です。 要介護認定のやり直しなんてあるんですね! やり直しの方法は2つあって、「不服申し立て(審査請求)」と「区分変更」です。不服申立ては、市区町村の判断に異議を唱えて取り消しを求めるもので、再び結果が出るまでに数ヵ月かかることがあります。なので、もっとスピーディーに結果が出る区分変更をすることが多いです。区分変更は、要介護認定の更新の前に状態が変わって要介護度と合わなくなったときにおこなわれる手続き。1ヵ月ほどで結果がわかります。 その区分変更の手続きは、どうしたら良いんですか? では、区分変更の流れについてお伝えしますね。 要介護認定の区分変更の流れ 区分変更の流れは、初回の要介護認定や更新と同じ流れです。まずは、役所に「区分変更申請」をする必要があります。老健のケアマネジャーさんとうまく連携できているのであれば、ケアマネジャーさんに区分変更申請の相談をしてみましょう。その後は以下のような流れで進みます。 訪問調査 一次判定 二次判定(介護認定審査会) 認定結果通知 適切な要介護度が出るためのコツ 区分変更の際、適切な要介護度が出るためにぜひ平山さんに認定調査に同席していただきたいんです。 都合が付けば、同席できますが…。どうしてですか? 要介護認定で実際よりも軽い要介護度が出てしまう理由のひとつに、認定調査で”頑張って”しまうということがあるんです。 頑張ってしまう? 認定調査は、市区町村から派遣された調査員によって聞き取り調査などがおこなわれます。初対面の相手に自分ができないことを見せたくはないですよね。なので、できないことを「できる」と言ってしまったり、頑張ってしまうんです。 なるほど…。父は見栄っ張りなので、できないことも「できる」と言ってしまいそうです。 特に認知症の人の場合、普段と違う状況だったり初対面の人の前だと意識がはっきりすることも。なので、普段は認知症の影響で会話が上手くいかない人が認定調査のときはしっかり受け答えできることも珍しくないんです。 そうなんですね。今回の要介護認定の更新のときの認定調査には同席しなかったのですが、きっと”頑張って”しまっていたんでしょうね…。今回の認定調査には同席するように都合をつけます。それで、私は認定調査のときにどうしたら良いんでしょうか。 普段の様子を調査員にしっかり伝えましょう。現在は老健に入所されているので難しいかもしれませんが、できるだけ普段の身体状態や認知症の症状を把握して、調査員に話してください。もし、お父様の心身の状態で困っていることがあれば、それも合わせて調査員に伝えましょう。自宅で介護できる状態ではないことを詳しく伝えると、より実情に近い要介護度が出ると思いますよ。 老健のスタッフさんに聞いて、父の状況を把握しておきます。 区分変更申請はできるだけ早くしておくことをおすすめします。介護保険は申請時点に遡って適用されるので、要介護度が高くなった場合はよりたくさんの介護サービスを利用できますよ。 そうなんですね!すぐに老健のケアマネジャーさんに相談してみます。 ただ注意していただきたいのは、区分変更の結果、要介護度が上がらなかった場合、超過した分の介護サービス費は全額自己負担になります。かなり出費がかさんでしまうので、気をつけてくださいね。 老健退所後、在宅介護をするか別の施設に転居するかをまず考えよう 想定よりも低い要介護度になった場合、区分変更で要介護認定を再度受けるのがおすすめ 適切な要介護度が出るために認定調査でいつもの様子を伝えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2023/11/16
先日、母が高熱が出て誤嚥性肺炎で入院しました。体調が戻ったと思ったらまた発熱して…と繰り返して入院が長引いたせいか、自分で歩けないほどに体力が落ちてしまいました。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、入院中に要介護5になってしまったんです。 ここ1週間ほどは体調が落ち着いているので、もう少し様子を見て問題なさそうだったら退院、と言われています。ですが、仕事があるので私が母を引き取って介護するのは無理だと思っています。母を家に1人にするわけにはいかないし…。 自宅で介護をするのが難しい場合、どうしたら良いのでしょうか?老人ホームに入居させることになるのでしょうか?介護のことがまったくわからず困っています。 (小倉さん・会社員・59歳) そうですね、老人ホームへの入居も選択肢のひとつだと思います。もしくは、在宅介護サービスを利用しながらご自宅で介護をする方法もあります。が、要介護5というと、自分の身の回りのことがほとんど自分ではできない状況。在宅介護をするのは、ご家族の負担がとても大きいものになるでしょう。なので、できれば老人ホームへの入居をおすすめします。有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護医療院でしたら要介護5の方でも安心して生活できる施設ですよ。費用の面から老人ホームに入ることを迷っているのでしたら、安い老人ホームや介護費・医療費の減免制度を活用して出費を抑える方法もありますよ。 入院中に要介護5に…。在宅介護は無理? 母が誤嚥性肺炎で入院しています。発熱を繰り返してかなり入院期間が長引いてしまったせいか、どんどん体力が落ちてしまって…。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、今は歩くこともできなくなり、何をするにも介助が必要になってしまいました。そのため要介護認定を受けたところ、要介護5に。しかし、このところ母の体調が落ち着いており、もう少ししたら退院しないといけなくて…。母が回復したのは良いんですが、退院後の生活をどうするか悩んでいます。私は仕事をしているので、母を引き取って自宅で介護するのは無理だと思っています。が、自宅で介護するのが良いのか、施設に入れるのが良いのか、まったくわからず…。一般的に要介護5だと在宅介護は無理なのでしょうか? うーん。要介護5の人を在宅介護するのは無理ではありませんが、かなり難しいというのが正直なところです。要介護5の人だと、身の回りのことほとんどすべてに介助が必要な状態だと思います。そのため、ご家族だけで介護するのは負担が大きすぎて難しいでしょう。ただ、要介護5のご家族を在宅介護しているご家庭もあります。その多くは、複数の在宅介護サービスを駆使してできるだけ、ご家族の負担を減らしているんです。 在宅介護サービスですか…。介護のことはよくわからないのですが、どんなサービスなんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 デイサービス ショートステイ 訪問介護はヘルパーさんがご自宅に訪問して、掃除や調理といった家事、排泄・入浴・食事の介助をおこなうサービスです。デイサービスは、日中に介護施設に通うことで排泄・入浴・食事の介助を受けられるサービス。昼食も提供され、デイサービスに行っている時間帯はご家族が自分の時間を自由に使えます。 日中の間だけでも母を介護施設に任せられるのはとても助かりますね。昼間は仕事で家を空けてしまいますし。 その次のショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊中は排泄・入浴・食事介助やレクリエーションなどが提供されます。最大30日連続で宿泊できるので、ご家族の”介護休み”や老人ホームに入居するための順番待ちの間に利用されることが多いです。最後の小規模多機能型居宅介護は、ここまでにお伝えした訪問介護・デイサービス・ショートステイがひとつになったサービス。同じ介護施設で複数のサービスを受けられるので、「デイサービスの後にそのままショートステイ」など、柔軟な利用が可能です。また、緊急時に訪問介護を利用するといった対応もできます。 へぇ!それは便利ですね!小規模多機能型居宅介護を利用すれば、母を自宅に引き取って介護するのもありかも…。 要介護5で入れる老人ホームは? 在宅介護サービスを活用してご自宅でお母様を介護する方法をお伝えしましたが、もちろん老人ホームに入居するのも選択肢のひとつです。 やっぱり老人ホームなのかな…。老人ホームについてもまったく知識がなくて、施設に入れるべきか悩んでいるんですよね。要介護5は、もっとも介護が必要な状態だと聞きました。そんな状態の母を受け入れてくれる老人ホームはあるんでしょうか? もちろんです!以下の老人ホームでしたら、要介護5の人も受け入れていますよ。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。どちらも要介護5の人を受け入れていますが、特に介護体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。介護付き有料老人ホームには、24時間介護スタッフが常駐し、看護師は少なくとも日中帯に常駐しています。また、介護サービスを何度使っても介護サービス費が上がらない定額制のため、おむつ交換など夜間にも介助が必要な人や頻繁に介護が必要な人にぴったりの施設です。 特別養護老人ホーム 特養も24時間介護スタッフが、日中に看護師が常駐している施設。介護付き有料老人ホームと異なるのは、特養は公的施設のため費用が安い点です。そのため、ほとんどの特養で入居の順番待ちが発生。施設によっては入居まで数年待つこともあるほど人気の施設なんです。 何年も待つんですか!だったら、母の退院までに間に合わないかな…。 介護老人保健施設 老健は、医師が常駐しているため医療面のケアも可能な施設。主な目的はリハビリによる在宅復帰で、3~6ヵ月ごとに入所を継続するかの判定がおこなわれるのが特徴です。自宅に戻っても問題ないと判断されたら、退去しないといけません。 えっ!長期的に入所できないんですか?それは困ります。 ただ、病院から退院後、移り住む施設が見つからない場合に老健に一時的に入所して、その間に施設探しをするのもひとつの方法です。入院したままだと病院から退院を迫られて焦ってしまいますよね。とりあえず老健に入所して、その期間に落ち着いて他の老人ホーム探しをするケースも珍しくないんですよ。 なるほど、そういうやり方もあるんですね。すぐに老人ホームが見つからなかったらやってみようかな。 介護医療院 介護医療院は、医療ケアと介護を同時に受けられる施設。点滴や経管栄養、在宅酸素など、日常的に医療ケアが必要な方が多く入所しています。もしお母様に医療ケアが必要な場合、有力な候補のひとつとなるでしょう。 老人ホームの費用の抑え方 もし、母を老人ホームに入れるとなると、お金がすごくかかりますよね。そんなにお金をかけられるわけではないので、そこがネックで…。 確かに在宅介護をするよりも、老人ホームに入居する方がお金はかかります。ただ、費用を抑えて老人ホームに入居する方法はありますので、それをお伝えしますね。 安い老人ホームに入る 老人ホームの費用を抑える方法のひとつめは、安い老人ホームに入ることです。 と言っても、安い老人ホームってどうやって探すんですか?見分けられるものでしょうか? 絶対ではありませんが、安い老人ホームには以下のような特徴があります。この特徴の施設を探すと、費用を抑えられるかもしれません。 公的な老人ホーム 地方や駅から遠い 建物が古い 多床室 うーん、あまり私の家から遠い地方だと困ります。何かあったときに、私がすぐに駆けつけられないのはちょっと…。 おっしゃる通り、施設探しをするうえでゆずれないポイントはあると思います。そのため、どうしてもゆずれないポイントと安い施設の条件を比べて、”ちょうど良い”施設を探してくださいね。 減免制度を利用する 老人ホームの費用を抑えるためには、安い施設に入居することとあわせて減免制度も活用しましょう。介護費用の減免制度には、以下の2つがあります。 高額介護サービス費 高額介護合算療養費 高額介護サービス費 高額介護サービス費とは、毎月の介護サービス費に上限額を設け、それ以上を支払ったときに超過分が払い戻される制度です。この上限額は、ご利用者本人や世帯の所得によって次の表のように定められています。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) 高額介護合算療養費 高額介護合算療養費は、介護サービス費と医療保険の自己負担額の合計が、上限を超えたときに超過分が戻ってくる制度です。この上限額も所得に応じて、次のように設定されています。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 高額介護サービス費も高額介護合算療養費も、負担の上限額が所得によって異なるんですね。事前に確認しておかないと…。 もし、老人ホーム探しで迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。老人ホームに詳しいベテランの入居相談員が、お母様にぴったりの施設をお探ししますよ。 要介護5でも在宅介護はできるが、家族の負担がとても大きい 介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどが要介護5でも入れる 安い施設に入る、減免制度を使う、などで費用を抑えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2023/11/14
認知症の父親がおむつ交換を嫌がるので困っています。父が足腰が弱って自分でトイレに行けなくなったので、おむつをするようになりました。でも、「止めろ!触るな!」と抵抗され、殴られることも…。 そんな感じで、毎回、格闘しているので時間もかかるし本当に疲れます…。スムーズにおむつ交換ができる良い方法はないでしょうか? (今村さん・会社員・63歳) それは大変ですね…。おむつ交換はお父様の自尊心に大きく関わりますから、他の介助よりも配慮が必要です。声掛けやおむつ交換のタイミングも工夫する必要があるでしょう。認知症になっても、陰部を誰かに見られることの恥ずかしさは変わりません。対して、認知症の進行によっておむつ交換の必要性がわからなくなったり、尿意や便意を感じにくくなることもあります。認知症の症状やお父様の気持ちに配慮しつつ介助をすると、徐々におむつ交換への抵抗感が少なくなると思いますよ。 認知症の親がおむつ交換を拒否!どうすれば良い? 自宅で認知症の父の介護をしています。最近、父の足腰が弱ってトイレに行けなくなり、おむつになりました。ただ、おむつ交換のときの抵抗がすごくて…。「止めろ!触るな!」と怒鳴ったり、殴られることもあります。毎回、なんとかおむつの交換ができているのですが、ベッド上で暴れるのでおむつはズレるわ、力は使うわで本当に疲れます。スムーズにおむつ交換ができる良い方法はないでしょうか? おむつ交換は、ご高齢者の自尊心が大きく関係する難しい介助ですよね…。しかも、忙しいなかで1日に何度も介助しないといけないので、おむつ交換がスムーズに行くかどうかは介護全体の負担の大きさにとても影響します。とは言え、おむつ交換を拒否されても無理やりや力づくで介助することのないようにしましょう。 そんなこと言っても、力づくでやらないとおむつ交換できませんよ!いつまでも濡れたオムツでいさせられませんし…。力づく以外で父のおむつ交換ができる方法ってあるんですか? 例えば、次のような方法はどうでしょうか? 排泄タイミングに合わせておむつ交換する 優しい口調で声掛けする 時間を空けておむつ交換する 排泄タイミングに合わせておむつ交換する おむつ交換のタイミングで、排泄がされていないこともあるでしょう。誰しも必要もないのにおむつを開けられるのは嫌ですよね。それがおむつ交換の拒否につながっていることがあります。そのため、お父様の排泄のタイミングに合わせておむつ交換をするとスムーズにいくことがあります。なので、まずは排泄のタイミングを把握することから始めましょう。起床後、昼食後、夕食前、寝る前…など排泄がルーティン化されると、慣れてきてお父様もおむつ交換への抵抗感が薄くなるかもしれません。 排泄のタイミングなんて気にしたこともありませんでした。気づいたときにおむつ交換をしていたので、同じ時間帯で介助する方が良いんですね。 優しい口調で声掛けする 介護や家事、仕事で忙しいうえに介助を拒否されると、どうしても口調がきつくなってしまいがち。ですが、そこは気持ちを落ち着けて優しい言い方で声掛けするのが大切です。 そうなんですよね…。仕事をしながら介護をしているので、忙しいときに父におむつ交換を拒否されると頭に来てしまって。きつい言い方になってしまうことが多いです。 忙しいなか介護をするのは本当に大変だと思います。気が立ってしまうのはわかるんですが、スムーズに介助するためにも、一度、気持ちを落ち着けて声掛けをしていきましょう。特に、おむつ交換は介助を受ける人の羞恥心や自尊心が大きく関わります。声掛けがとても大切なんです。 声掛けが大切と言うと、どんな言葉を掛けるのが良いんでしょうか? 例えば、「汚いからおむつを換えるよ」と言うとお父様の自尊心を傷つけてしまうことがあります。なので、「汚い」「おむつ」という言葉を使わずに「下着を替えよう」と言い換えてみましょう。おむつの中に排泄することを「トイレを失敗している」と捉え、恥ずかしいことと思う人も多いです。そうした気持ちに配慮した声掛けをしてみるとスムーズにおむつ交換ができるようになるかもしれませんよ。 時間を空けておむつ交換する おむつ交換をしようとして激しく嫌がる場合、少し時間を空けて声をかけると意外とすんなり交換させてくれることがあります。 時間を空けるだけで良いんですか? はい。例えば、テレビを見ていたり何か別のことに気を取られているときに声を掛けられるのは誰でも嫌ですよね。それと同様に、声を掛けたときに”おむつ交換の気分ではない”だけなのかもしれません。同じ声掛けをしたとしても、少し時間を空けるだけでスムーズにおむつ交換ができることもありますよ。 そんなことがあるんですね。全然知らなかったです。 ここまでご紹介した方法は、一度では上手くいかないことも多いでしょう。何回も試してみて上手くいく方法を見つけてください。 認知症の親がおむつ交換を嫌がる理由は? そもそも、どうして父はおむつ交換を嫌がるんでしょうか?おしっこでおむつが濡れていたら気持ち悪いと思うんですが…。 そうですね…。認知症の人がおむつ交換を嫌がる理由には以下のようなものがあると考えられます。 陰部を見られることが恥ずかしい おむつ交換の必要性がわからない 尿意や便意が薄い 身体を触れられることが嫌 やっぱり、恥ずかしさは大きいんですね。 そうですね。息子さんとは言え、陰部を見られるわけですし…。それに、おむつ交換を誰かにお願いしないといけないことの情けなさもあるかもしれません。認知症になっても、恥ずかしさや情けなさは感じますから。 確かに。そうかもしれないですね。 一方で、認知症によっておむつ交換の必要性がわからなくなっていることも考えられます。おむつの中に排泄したことを忘れてしまったり、そもそもおむつが何なのかがわからなくなってしまったり…。そうなったと想像すると、服を脱がされたり裸にされる理由がわからないですよね。でも、裸を見られる恥ずかしさはあります。このように考えると、暴れておむつ交換を嫌がるのも納得できるんじゃないでしょうか。 なるほど…。そういう理由で父はおむつ交換の度に暴れるんですね。 おむつ交換は介護のプロでも頭を悩ませる介助。一人ひとり適切な介助方法は異なりますから、「上手くいかなくてもしょうがない」と肩の力を抜いて、じっくりお父様に合った方法を見つけてくださいね。 排泄タイミングを把握して優しく声掛けすると拒否が和らぐことも おむつ交換は、羞恥心や自尊心に配慮しておこなおう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...
2023/11/13
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。