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施設入居

施設入居 在宅介護 介護疲れ

母親の介護に追われて自分の生活もままならない…。終わりが見えない介護に限界を感じています

半年ほど前に母が脱水症状を起こして倒れました。しばらく食事が摂れなくて点滴をしていたのですが、少しは食べられるようになったので退院に。しかし、入院中に筋力が衰えたようで長い時間、立ったり歩いたりができなくなり、家事ができなくなってしまいました。 そのため、私が実家に戻って家事と母の介護を始めたのですが…。仕事から帰ってきたら家事や介護、寝て起きたらすぐに仕事…と常にやらないといけないことに追われています。 こんな生活はいつまで続くのでしょうか?母の介護に追われて自分の生活もままならず、母と自分の将来が不安です。 (佐久間さん・会社員・57歳) 介護に仕事に…本当にお疲れ様です。在宅介護だと忙しくて日々のやるべきことに忙殺され、介護や将来が不安になってしまいますよね。もしかしたら、「時間」「精神面」「お金」の3つの点で不安を感じているのかもしれません。時間の不安は介護休業制度や介護サービスを利用することで解決できるかもしれません。精神面の不安は愚痴を聞いてくれる相談先を見つけたり、介護保険外サービスを活用することで気持ちに余裕ができるかもしれません。お金の不安は介護費用の助成制度や安価な介護施設に入居することで出費を減らせるかもしれません。自分の生活を後回しにしてしまうと、追い詰められて「介護うつ」や「虐待」、「介護離職」の可能性もあります。ご自分の生活を第一に考えてくださいね。 親の介護に追われて自分の生活がままならないときは? 半年ほど前に母が脱水で倒れて入院して以来、自宅で母の介護をしています。しかし、入院が長引いたせいで筋力が低下したらしく、長時間歩いたり立ったりするのが難しくなってしまいました。そのため、家事全般の手伝いはもちろん、トイレや入浴の介助も必要な状態に。私はフルタイムで働いており、仕事から帰ってきたら家事や介護、寝て起きたらすぐに仕事…常にやらないといけないことに追われています。自分のために時間は使えないし、余裕がなくて母にあたってしまって毎日のように後悔しています。こんな生活、いつまで続くのでしょうか。母と私の将来が心配で、どうにかしたいけどどうすれば良いかわかりません。 急に始まった介護と仕事が重なって、本当に大変ですよね…。介護と家事と仕事に追われて、余裕がなくなってしまってしまうのがよくわかります。やらなければいけないことがたくさんあって、不安と焦りで混乱している部分もあると思います。そういうときは、状況を整理してみましょう。介護の不安は、主に次の3点であることが多いです。 時間 精神面 お金 考えたくはないことですが、余裕がなくて追い詰められてしまうと、「介護うつ」や「虐待」、「介護離職」につながる可能性も。早めに手を打ちましょう! 親の介護の不安①時間 介護の不安のひとつに時間の面があると思います。私がたくさんのご相談を受けるなかで、「介護に時間を取られて自分の時間が取れない」「いつ介護が終わるのかがわからない」といった不安の声をよく聞きます。内閣府の調査によって、要介護3になると介護に費やす時間が「半日程度」「ほとんど終日」という回答が半数以上であることがわかっています。この割合は要介護度が上がるにつれて増えていき、要介護5の場合は約70%の介護者が「半日程度」「ほとんど終日」を介護に時間を使っているそうです。 要介護度が上がれば上がるほど、介護にかかる時間が増えるというわけですね。まだ母は要介護2ですが、今後、もっと増えていくんですね…。 また、介護期間については生命保険文化センターが調査をおこなっています。それによると、平均介護期間は5年1ヵ月。ただ、次のグラフを見てわかるとおり、「4~10年未満」「10年以上」と回答した人が約半数います。この期間は直接介護をした期間だけではなく、病院や介護施設に入っている期間も含んでいますが、それなりの期間は介護が続くと想定した方が良いでしょう。 5年以上もこんな大変な思いをしないといけないんですか!私、やっていけるかな…。 不安にさせることばかりお伝えしてしまってすいません。介護は長期戦になることを想定して、長く介護を続けられるような対策もお話ししますね! 「親の介護の不安①時間」への対策 長期的に介護を続けるためには、上手く時間のやりくりをして自分の時間を確保することが大切です。そのために、以下のような対策をとっていきましょう! 介護休業制度を利用する 会社特有の制度を利用する 介護サービスを利用する 介護休業制度を利用する 介護休業制度とは、家族の介護をするために仕事を休める制度です。介護が必要な家族1人につき合計93日の休業を最大3回に分けて取得できます。この期間は給与の67%が介護休業給付金として支給されます。 全額でなくてもお金がもらえるのは助かりますが…休めるのが93日間だけでは介護をするには全然足りないですよね。介護は何年もしないといけないわけですし…。 実は、介護休業は直接介護をするための期間というよりは、介護体制を整えるための期間なんです。 「介護体制を整えるための期間」?どういうことですか? 例えば、役所の手続きやケアマネジャーとの調整などは平日におこなうことが多いので仕事を休まないといけないですよね。それに、もしお母様に認知症の予兆があって病院に行く場合、1日がかりで検査をしないといけなくなるかもしれません。介護が始まったばかりのころや状態が変化して介護の体制を見直さないといけないタイミングでは、役所やケアマネジャー、介護施設などの関係各所との連携に時間がかかります。介護休業は、そういった関係各所との調整が必要な時期に利用する目的で作られました。 そうか、自分が直接介護することばかり考えていましたが、病院や役所とのやり取りにも時間がかかりますもんね。 会社の介護支援制度を利用する 介護休業以外にも、企業には以下のいずれか1つ以上の制度を設けることが義務付けられています。 短時間勤務制度 フレックスタイム制度 時差出勤制度 介護費用の助成措置 それ以外にも、会社によってはテレワークを認めるなどの独自の支援制度を設けている場合もあります。介護に関する支援制度がないか、会社に確認してみましょう。 会社で介護の支援制度を設けているなんて知りませんでした!すぐ確認してみます。 介護サービスを利用する 自分の時間を確保するためには、介護サービスを利用することがかなり有効です。特に、以下の介護サービスは自分の時間を確保する際におすすめです。 デイサービス ショートステイ 介護施設 デイサービスは、日中に介護施設に通ってサービスを受けるもの。食事や入浴、レクリエーションなどを提供しています。もちろん、デイサービス利用中のトイレなどの介助もプロにお任せできるから安心ですよ。また、ショートステイは介護施設に1日から宿泊できるサービス。連続で最大30日の宿泊ができますから、ご家族の都合で介護ができない場合やご家族のリフレッシュなどに利用されることが多いです。デイサービスやショートステイを利用している間は、介護から離れられますから自分の時間の確保がしやすくなるでしょう。 自分の時間を確保するために介護サービスを利用する、という考え方は今までありませんでした。私が介護できるうちは誰かのお世話になるのはいけないと思っていたので…。そんなに気軽に利用してよかったんですね。 もちろんです!それに、物理的に介護ができない場合だけでなく、自分の時間を作るためにご家族を介護施設に入居してもらうケースもあります。介護サービスや介護施設を利用することは、もっと気軽に考えても大丈夫ですよ。 親の介護の不安②精神面 介護をしていると、次のような問題が起こって精神的に不安になることがあるでしょう。 介護のことばかり考えてリフレッシュできない 上手く介護ができない罪悪感がある 家族・親族と気まずくなった 認知症の症状に振り回されて疲れた そうなんです。仕事中も母の介護のことばかり考えて集中できないし、でも家に帰ればイライラして母にあたって後悔するし…。 気持ちを少しでも軽くする方法についてもお話ししますね。 「親の介護の不安②精神面」への対策 精神的な不安を解決するためには、次のような方法がおすすめです。 相談できる人をみつける 介護保険外サービスを利用する 相談できる人をみつける どんな悩みでも、誰かに相談することで気持ちが楽になることは多いでしょう。介護についても同様です。介護の場合、主治医やケアマネジャーなどの専門家や、友人や「介護者の会」の参加者などの介護経験者などが良い相談先と言えます。専門家なら具体的な解決策を教えてくれるでしょうし、介護経験者の話を聞いて参考になることがあるかもしれません。また、介護を経験していなくても友人や親族などに愚痴を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることもあるでしょう。 確かに、仕事の悩みや愚痴も聞いてもらうだけで気が楽になります。それと同じように、介護のことも誰かに聞いてもらって良いんですね。 在宅介護に限界を感じたときについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 介護保険外サービスを利用する 介護保険は適用されませんが、介護の助けとなるサービスに「介護保険外サービス」があります。これは、介護保険の制約を受けないためにかなり多様なサービスがあります。例えば、以下のような介護保険外サービスを利用すると、精神面で助けになると思いますよ。 家事・生活支援サービス 配食サービス リハビリサービス 見守りサービス 母がやわらかいものしか食べられなくなってしまったので、食事の支度に手間がかかるんです。配食サービスでは、やわらかい食事も提供してくれるんでしょうか? はい。ご高齢者向けの配食サービスなら、「やわらか食」や「ソフト食」などの噛む力・飲み込む力が低下した方が食べやすい食事も提供しています。介護食をご自宅で作るのはかなり大変ですから、ぜひ活用してみてください。 親の介護の不安③お金 お金の不安もかなりあります。母の介護が始まって半年、いろんなものにお金がかかってしまって…。介護にはお金がかかると聞きます。今後、どれくらいのお金がかかるんでしょうか? 要介護度や、在宅介護か介護施設に入居しているかで大きく異なります。次の表は生命保険文化センターの調査をまとめたものです。 要介護度金額要支援14.1万円要支援27.2万円要介護15.3万円要介護26.6万円要介護39.2万円要介護49.7万円要介護510.6万円 参考:「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター) 母は今、要介護2だから…月額6万6000円が平均なんだ。もし、要介護5になったら月に10万円以上もかかることになるんですね…。 また、在宅介護か介護施設に入居するかでも費用は大きく異なります。生命保険文化センターの同じ調査によると、在宅介護の場合は月額4万8000円、施設介護の場合は月額12万2000円が平均でかかることがわかっています。 介護施設に入ると12万円以上もかかるんですか!お金も不安だな…。 お金の不安を解決する方法についても、お伝えしますね。 「親の介護の不安③お金」への対策 介護のお金についての不安には、以下のような対策があります。 介護費用の助成制度を使う 安い介護施設に入る 介護費用の助成制度を使う 介護費用に関する助成制度がいくつかありますから、これを活用して少しでも負担を減らしましょう。助成制度には次のようなものがあります。 高額介護サービス費 高額介護合算療養費制度 医療費控除 介護休業給付 家族介護慰労金 福祉用具購入費 居宅介護住宅改修費 なかでも、「高額介護サービス費」は介護サービス費が高額になったときにとても助かる制度です。 どんな制度なんですか? 高額介護サービス費は、1ヵ月間に支払った介護サービス費が限度額を超えた場合に払い戻しされる制度です。限度額は世帯や介護サービスを利用する本人の所得に応じて定められています。例えば、世帯の自己負担上限額が4万4000円の世帯で、1ヵ月の介護サービス費が6万円だった場合は1万6000円が払い戻されます。限度額や世帯所得は以下のように決められています。 区分負担の上限(月額)課税所得690万円(年収約1160万円以上)140,100円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,000円(世帯)世帯の全員が市町村民税非課税26,400円(世帯)前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方等24,600円(世帯)15,000円(個人)生活保護を受給している方等15,000円(世帯) 出典:厚生労働省 安い介護施設に入る ご本人の身体状態やご家庭の事情で介護ができない場合、介護施設に入居することも選択肢のひとつです。しかし先ほどもお話しした通り、介護施設に入居すると在宅介護よりもお金がかかります。そうしたときには、安価な介護施設を検討してみましょう。安価な介護施設には以下のような特徴があります。 公的な介護施設 地方や駅から遠い ...

2023/12/14

認知症 施設入居 在宅介護

認知症になっても一人暮らしはできる?親の様子がおかしく、認知症かもしれません

母が実家で一人暮らしをしています。数日前、久しぶりに帰省したら母の様子がおかしくて心配です。きれい好きなのに家の中が散らかり、スーパーで買った惣菜が放置されて腐っていました。 会話が噛み合わないこともあったし…もしかしたら、認知症になってしまったのかも…。もし、認知症だとしたらこのまま一人暮らしは続けられるものなんでしょうか? 私が母を引き取って介護するのはとてもじゃないけどできません。どうしたら良いのでしょうか? (岡村さん・会社員・58歳) お母様の状況にもよりますが、認知症になっても一人暮らしを続けることは可能だと思います。ただ、そのためには在宅介護サービスや配食サービスなど、生活を支援するサービスを利用することが大切です。一方で認知症の方が一人暮らしするのは、火の不始末による火事や薬の管理ができなくなるなどのリスクがあります。そのため、各サービスを活用しても一人暮らしが難しいと感じた場合は、老人ホームへの入居を検討してみてください。 認知症になっても一人暮らしは続けられる? 実家で一人暮らししている母が認知症になってしまったかもしれません。というのも、先日、久しぶりに帰省したら家の中が散らかり放題。スーパーの惣菜がシンクの中に放置してあり、腐っていました。きれい好きな人だったのに…。もし、認知症になってしまったのだとしたら、今後、母は一人暮らしを続けられるでしょうか?母を自宅に引き取って介護する状況ではなくて…。 お母様の状況にもよりますが、一人暮らしは続けられると思います。そのためには、在宅介護サービスなど、生活を支援するサービスを活用する必要があります。ただ、何にせよ、まずは認知症かどうかをはっきりさせましょう。 認知症かどうかをはっきりさせるって、どうしたら良いんですか? 病院を受診して、認知症検査を受けましょう。 受診ですか…。認知症という確信が持てないのに、病院に行って良いものか…。 もちろん問題ありません!むしろ、早めに認知症検査をすることをおすすめします。もし、認知症かどうかある程度の確信を持ってから検査したいのであれば、東京都福祉局のホームページで公開している「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使ってみてください。簡易的なチェックですが、病院で検査を受ける後押しをしてくれると思いますよ。 ネット上で簡単にできるものがあるんですね!早速、やってみます。 認知症の親の一人暮らしを支援する方法 もし、母が認知症だった場合、私はどうしたら良いんでしょう?先日の実家の様子を考えると、これまでと同じようには生活できないと思うのですが…。だからと言って、私が遠方に住んでいるので頻繁に手伝いに行けるわけでもありません。 そうですね…。まずは、ご家族の中のメインの介護者を決めましょう。メインの介護者は直接介護する人というわけではなく、介護スタッフとの連携や手続きを中心となっておこなう人のことです。介護はご家族や介護スタッフなど、チームでおこなうものです。チームのリーダーとして進めていく人を1人決めておくと、連携も取りやすくなりますからおすすめです。 リーダーですか。となると、私になるのかな。弟がいますが海外で暮らしているので。私がメインの介護者として動くとして、どんなことをしていけば良いのでしょうか? 遠距離介護の場合、頻繁に通って介護をするのは難しいので、できるだけ直接介護をしなくても問題ない体制を作るのが重要です。そのため、以下のような方法でお母様の生活を支援していきましょう。 在宅介護サービスを使う 配食サービスを使う 自治体の支援サービスを使う 近所の人とつながる 在宅介護サービスを使う まずは、在宅介護サービスを利用できる体制を整えましょう。在宅介護サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の結果、「要支援1・2」「要介護1~5」という介護の必要な度合いを示す「要介護度」の判定が下り、要介護度に応じた在宅介護サービスを受けられます。 はじめに要介護認定を受けるんですね。どうやって受ければ良いんでしょう? 要介護認定は、役所もしくは地域包括支援センターで申請できます。申請後、以下のような流れで調査がおこなわれ、在宅介護サービスが利用できるようになりますよ。 配食サービスを使う ご高齢者向けの配食サービスを使うのもおすすめです。認知症が進むと、食事を買いに行ったり食事の支度をしたりすることが難しくなると想定されるためです。ご高齢者向け配食サービスでは、ご高齢者に必要な栄養がしっかり摂れるように考えられています。噛む力が衰えた場合でも食べやすいメニューも用意されていることが多いので、おすすめです。 確かに…。実家には食パンが何袋もカビた状態で置いてありましたし、買った物の管理がうまくできていないのかもしれません。届いた弁当を温めて食べるくらいならできると思うので、配食サービスは良いかもしれないですね。 自治体の支援サービスを使う 高齢化が進んでいることを受けて、自治体のなかには一人暮らしの高齢者を支援するサービスを提供しています。内容は自治体によって大きく異なりますが、例えば、金銭管理の支援や安否確認などのサービスを提供しています。ご実家のある地域で、支援サービスがあるか確認してみてくださいね。 近所の人とつながる やはり、ご近所の人とのつながりも大切です。認知症の方の一人暮らしとなると、予想だにしないことが起こる可能性も。例えば、認知症が進行すると出かけたまま家に帰ってこれなくなることがあるんです。実家のご近所さんとつながっておき、お母様の様子がおかしいときに連絡してもらえるようにしておくとより安心ですよ。 認知症の親が一人暮らしをするリスク 認知症の方が一人暮らしをする場合、さまざまなリスクがあります。事前にリスクを把握して備えておくことが大切です。 どんなリスクがあるんですか? 例えば、以下のようなことです。 火の不始末 外出時の事故・行方不明 トイレトラブル 服薬管理の不備 金銭の管理ができない 食事の偏り ご近所トラブル 火の不始末 火の不始末、本当に心配なんですよね。ガスコンロの火のつけっぱなしや、ストーブから出火して火事になるという話をよく聞きますし…。 対策としては、空焚き防止機能のあるガスコンロやIHコンロに切り替えることでしょうか。また、お母様が料理を頻繁にしないのであれば、電子レンジや電気ケトルなどで済ましてもらうという手もありますよ。認知症の方の火の不始末については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 外出時の事故・行方不明 認知症の影響で、外出して家に帰れなくなることがあります。家に帰ろうとして、道がわからなくなってまったく異なる場所に行ってしまったり、交通ルールがわからなくなって道路を飛び出して交通事故に遭ってしまったり…。 認知症の人が行方不明になる話はよくニュースで見ます。もしかしたら、母もそうなってしまうかもしれないんですよね…。 最近ではGPS機能の付いたキーホルダーなども販売されています。お母様がよく持ち歩く杖やカバンなどに付けておいて、万が一のときに備えるのもひとつの方法です。 トイレトラブル 加齢や認知症の影響で、失禁などのトイレトラブルが増えることも考えられます。また、失禁して尿で汚れた下着類を自分で洗濯できなくなる可能性も。衛生的にも良くないので、訪問介護を定期的に利用したりして、お母様の変化にすぐに気がつける状態を作っておきましょう。認知症の方のトイレトラブルについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 薬の管理ができない 持病などで定期的に飲まないといけない薬がある場合、認知症の影響で適切に服薬できなくなる場合があります。 薬の飲み忘れですね。母もちょこちょこ飲み忘れがあるようで、心配です。 薬の飲み忘れだけでなく、飲み過ぎの危険性もあります。薬を飲んだことを忘れてしまって、再び飲んでしまうんです。高血圧の薬を飲みすぎて意識障害を起こしてしまう危険性も…。それを防ぐために、薬局で薬を1回分ごとの個包装にしてもらったり、定期的に訪問看護を利用するのが良いでしょう。 金銭の管理ができない 認知症が進んで判断能力が低下すると、お金の管理ができなくなることがあります。高額な健康食品を買ってしまったり、詐欺に遭ってしまう危険も…。 高齢者が詐欺の被害に遭うニュースはよく見ますよね。心配だな…。 基本的な対策としては、ご家族がお金の管理をすること。お母様の財産を把握しておいて、不審な出費がないか確認するんです。また、認知症の影響で家賃や公共料金の支払いができなくなる場合もあります。そういったことも含めて、ご家族がお母様のお金の管理をすることをおすすめします。 食事の偏り 食事の偏りは感じています。料理をしなくなったようで、スーパーの惣菜やパンといった簡単に食べられるもののゴミばかりでしたから。 おっしゃる通り、認知症が進行すると料理をすることが難しくなります。なので、必然的に出来合いのものが多くなってしまうでしょう。また、認知症になると異常に食欲が湧いてたくさん食べてしまったり、反対に食べる気力がなくなって食事を摂らなくなる可能性もあります。 そんなこともあるんですね…。 きちんと食事を摂ってもらうためには、配食サービスを利用するのがおすすめ。また、食事が摂れているのか確認のために定期的に訪問介護も利用してみると良いかもしれません。 ご近所トラブル ご近所トラブルと言うと、どんなものがあるんでしょうか? 例えば、ゴミ出しができなくなって家がゴミ屋敷状態となってしまい、ご近所ににおいが漏れてしまったり、コミュニケーションが上手くできなくなって人間関係のトラブルにつながる可能性もあります。こういうことが起こる前に、ご近所にお母様が認知症であることを伝えて協力してもらうことが大切。ゴミが溜まっていたり、お母様の様子がおかしいと感じたときに連絡してもらえるような関係性を作っておきましょう。 認知症の親の一人暮らしが難しいと判断するタイミングは? もし、母が認知症だったとしても一人暮らしを続けられるようにしていこうと思っています。ただ、いつまでも一人暮らしができるものなんでしょうか?もっと母の状態が悪くなったら一人暮らしが難しくなるんじゃないかと思って…。 確かに、お母様の心身の状態が進行したら一人暮らしができなくなるでしょう。もし、一人暮らしできない状態となったら、ご家族が同居して介護をするか介護施設に入居するかを選ばないといけなくなるでしょう。 うちには子どもが2人いますし、母を引き取って介護できる状態ではありません…。となると、介護施設に入居させることを考えないと。どんな状況になったら介護施設に入居させることを検討したら良いでしょうか? 介護施設に入るタイミングは、その人やご家庭の状況によってさまざまです。が、以下の状況になったときは、入居を検討するタイミングの目安となると思いますよ。 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 介護者の負担が大きいと感じたとき 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 先ほどお話しした、在宅介護サービスや配食サービスなどの支援サービスを活用しても、安全に生活できないと感じた場合、介護施設に入居することをおすすめします。例えば、外出して帰って来られなくなることが増えたり、自宅での転倒が増えたり…。支援サービスを活用しても、どうしても24時間365日、見守りの目があるわけではありませんから危険な瞬間が出てきてしまうんです。各支援サービスを利用してもお母様の安全を守れないと感じたら、介護施設への入居を検討しましょう。 いろんなサービスを利用してもダメそうだったら、介護施設に入居させるんですね。 介護者の負担が大きいと感じたとき また、ご家族の介護の負担が大きいと感じたときも介護施設に入居するタイミングと言えます。認知症が進行すると、先ほどお話ししたように転倒したり行方不明になることが増える可能性があります。すると、その度に介護事業者や警察などから呼び出しを受けることもあるでしょう。そうした呼び出しは、遠方に暮らすご家族にとって大きな負担になります。頻繁に呼び出されるために仕事を休まないといけなくなったり、睡眠時間を削って対応する必要もあるかもしれません。 確かに、頻繁に呼び出されるようになったらかなり厳しいかも…。実家まで片道3時間はかかるので…。 遠いですね…。となると、やはり頻繁に帰省しないといけない状況になったら、お母様の一人暮らしは難しいと思います。ぜひ介護施設に入居していただきたいですね。認知症の方が介護施設に入居するタイミングについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 「親が認知症かも」と思ったら、まずは認知症検査、メイン介護者を決めよう 在宅介護サービスや配食サービスなどを使って、直接介護をしなくても良い体制を整えよう 認知症の人の一人暮らしは火事や行方不明、金銭トラブルなどの問題が起こる可能性がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/30

施設入居 入浴

老人ホームの入浴を週2回より増やす方法はありますか?我慢しないといけないの?

母が入る老人ホームの情報をネット上で集めています。気になっているのが入浴回数。多くの施設で「週2回」と記載されていますが、こんなに入浴回数は少ないものなのでしょうか? 母は毎日入浴しているので週2回だけというのが信じられません。本人も週2回だけというのは嫌がると思います。 老人ホームに入ったら、週2回だけの入浴で我慢しないといけないのでしょうか? (多田さん・会社員・58歳) 介護保険法で週2回以上の入浴が定められていることから、入浴回数を「週2回」と定めている施設が多いです。それ以上の入浴をしたい場合は、週3回以上の入浴回数を設定している施設に入居するか、在宅介護サービスを利用できる施設に入居するなどの方法がありますよ。 老人ホームの入浴が週2回なのはなぜ? 母が入る老人ホームを探しています。まだ、ネット上で情報を集めている段階ですが、入浴の回数について気になることがあります。老人ホームに入ったら、お風呂は週2回しか入れないものなんでしょうか?いくつか老人ホームの情報を見ていたら、どの施設も週2回した入浴できないようで…。今、母は毎日入浴しているので、週2回しか入れないのは嫌がると思います。せめて、週3回か週4回は入れてあげたい…。 残念ながら、多くの老人ホームで入浴が週2回までであるのが実情です。なぜ「週2回」かと言うと、介護保険法で最低でも週2回以上は入浴させなければいけない、と定められているからです。 あれ、でも「週2回以上」ということは、週3回でも週4回でも良いんじゃないんですか? おっしゃる通りです。「週2回」というのは最低限の回数です。ですが、介護スタッフさんの人員が足りない影響で、多くの老人ホームで最低限の回数しか入浴ができないのが実情です。 そういうことなんですね…。 老人ホームで週2回より多く入浴する方法 母が老人ホームに入ったら、お風呂は週2回だけで我慢するしかないんでしょうか? いえいえ、老人ホームに入ってからも週3回以上お風呂に入る方法はありますよ! そうなんですか!どんな方法ですか? 例えば、以下の方法なら老人ホームに入ってからも週3回以上入れるようになりますよ。 週3回以上、入浴日を設けている施設に入居する 追加料金を払えば入浴対応する施設に入居する 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に入居する 週3回以上、入浴日を設けている施設に入居する 数は少ないですが、週3回以上の入浴日を設定している老人ホームがあります。そうした施設を探して入居するのが良いでしょう。ただ、やはり週3回以上も入浴日を設定している施設は珍しいので探すのは一苦労。もし、施設探しに迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。 追加料金を払えば入浴対応する施設に入居する 老人ホームの中には、もともとの入浴は週2回でも、追加料金を支払えばそれよりも多く対応してくれるところもあります。 それは嬉しいですね!追加料金はどれくらい支払うんですか? 料金は施設によって大きく異なるので、一概には言えないですね…。料金体系は、「1回600円」「10分500円」といった形になっていることが多いです。 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に入居する 住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居することで、週3回以上の入浴も可能です。 どういうことですか?そもそも、「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」ってどんな施設なんでしょう? 住宅型有料老人ホームとは、介護サービスを自由に組み合わせて利用できる有料老人ホームです。在宅介護サービスを好きなように選択して利用できるのが特徴です。サービス付き高齢者向け住宅は、ご高齢者向けのバリアフリー住宅。比較的に元気な方を対象とした施設で、自由度が高いのが魅力の施設です。どちらの施設も、介護が必要なときは外部の在宅介護サービスと契約します。そのため、「週2回」という回数制限にとらわれずに入浴できるんです。 具体的にはどういうことなんでしょうか? 例えば、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居しながら、訪問介護で入浴介助をしてもらったり、デイサービスに通って入浴したり…ということができます。もちろん、週2回という制限はありませんから、毎日でも入浴できますよ。 なるほど!老人ホームに入っても毎日入浴できる方法はあるんですね。 ただ、老人ホームの浴室を使って入浴する場合、ほかのご入居者との兼ね合いで毎日の入浴は難しい可能性があります。そのあたりは、老人ホームやケアマネージャーさんと調整してくださいね。老人ホームの入浴については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 介護保険法で入浴回数が週2回以上と決められている 追加料金を払ったり在宅介護サービスが使える施設なら週3回以上入浴できることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2023/11/22

施設入居 ケアマネジャー

老健を退所して自宅に戻る場合、どうやってケアマネジャーを探せば良いですか?

もうすぐ父親が介護老人保健施設(老健)を退所になります。ただ、以前よりもふらついたりするので、介護サービスなどを使って一人暮らしをさせるつもりです。老健を退所した後のケアマネジャーさんはどうやって探したら良いんでしょうか? 老健にはケアマネジャーさんがいてすべてお任せしていたのですが、自宅に帰ったら別のケアマネジャーさんを探さないといけないようです。老健に入るまで、父は何でも1人でできていたので介護について考えたことがまったくなく…。どうしたら良いのかわからない状況です。 (足立さん・パート・62歳) まずは老健のケアマネジャーさんに相談してみましょう。施設によっては在宅介護のケアマネジャーさんの紹介をしてもらえることがありますよ。ご自分でケアマネジャーさんを探す場合は、お住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談してみましょう。その場で紹介してもらえたり、ケアマネジャーの事業所一覧が載った「ハートページ」という冊子をもらえますので、その情報を頼りに直接連絡を取ってみても良いでしょう。 ケアマネジャーはどうやって探す? 父が老健に入所してから半年ほど経ち、リハビリのおかげでだいぶ歩けるようになったので、退所することになりました。ただ、やはり以前よりもふらついたりするので一人暮らしさせるのが心配で、介護サービスなどを使おうと思っています。老健を退所後のケアマネジャーさんは、どうやって探すのでしょうか? 老健を退所すると、担当が老健のケアマネジャーさんから在宅介護のケアマネジャーさんに変わるので、ケアマネジャー探しをするのは大変ですよね。なので、まずは以下の窓口に相談してみてください。 老健のケアマネジャー 地域包括支援センター・役所 今の老健のケアマネジャーさんに、新しいケアマネジャーさんのことを相談できるんですか? はい。老健のケアマネジャーさんは、退所後の生活についても相談に乗ってくれることがあります。地域のケアマネジャーや介護サービスについても把握している場合もあるので、ケアマネジャーさんを紹介してくれるかもしれません。また、老健のケアマネジャーさんは新しいケアマネジャーさんが決まったら引き継ぎが必要です。そのため、在宅介護サービスを利用して自宅で生活することを伝えておくと、スムーズに手続きが進むと思いますよ。 そうなんですね。その次の、地域包括支援センターとは何でしょうか? 地域包括支援センターは、ご高齢者の生活について総合的に相談に乗ってくれる公的な窓口。この地域包括支援センターや役所では、「ハートページ」という冊子をもらえます。これは、ケアマネジャーさんの事業所である居宅介護支援事業所の情報がまとめてあるもの。この情報をもとに、直接事業所に連絡してケアマネジャーさんを見つける方法もあります。もちろん、地域包括支援センターや役所でもケアマネジャーさんについて相談に乗ってくれますよ。 在宅介護サービスの利用までの流れ ケアマネジャーさんの見つけ方がわかって安心しました。ちなみに、在宅介護するときに利用できる介護サービスって、どうやって利用すれば良いんでしょうか?在宅介護をしたことがないのでわからなくて…。 在宅介護サービスは、以下のような流れで利用開始します。 ケアマネジャーを見つける ケアプランを作成する 介護サービス事業所と契約する サービス提供開始される 基本的には新しいケアマネジャーさんが見つかったら、わからないことはケアマネジャーに相談でOKです。在宅介護サービスを利用するまでの流れも、ケアマネジャーさんが導いてくれますよ。また、ケアプランを作成する際には、お父様にどんな生活をしてほしいか、お父様自身がどんな生活をしたいかなどの要望をケアマネジャーさんに伝えることが大切です。要望をできるだけ叶えられるように、ケアマネジャーさんがケアプランを作ってくれると思いますよ。 新しいケアマネジャー探しは老健のケアマネジャー、もしくは役所などに相談してみよう ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、各介護事業所と契約してサービス利用開始できる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2023/11/17

施設入居 介護の基礎知識

母親の退院後、老人ホームに入れようと思うのですがどうしたら良いかわかりません

入院中の母親がもうすぐ退院しないといけなくなりました。入院中に体が衰えて歩けなくなってしまったので、在宅介護は難しいと考えています。 なので、老人ホームに入居させようと思うのですが、どうやって施設を探せば良いんでしょうか?介護施設の知識がほとんどないので、誰かに相談したいと思っているのですが、相談先ってありますか? (中尾さん・自営業・66歳) 退院後の生活については、まずは病院のケースワーカーさんに相談してみましょう。ケースワーカーさんによっては、地域の介護施設の情報を持っていることもあり、入居できる施設を紹介してくれることもありますよ。また、一から施設探しをするとなると、入居まで1ヵ月ほどかかるので退院までのスケジュールも確認しておきましょう。 退院後の施設探しはどこに相談すれば良い? 入院中の母がもうすぐ退院して良い、と医師から言われました。しかし、母は入院中に体力が落ちてほとんど自分で歩けなくなってしまいました。私も、仕事や家のことで手一杯で自宅では介護するのは難しい状況です。そのため、退院後は老人ホームに入居させたいのですが、老人ホームのことがまったくわからず、どうやって施設を探したら良いのか…。1人で探すのは難しいと思うので、できれば誰かに相談したいです。相談できるところはありますか? はい。施設探しの相談先はいくつかあります。具体的には以下の窓口です。 病院のケースワーカー 地域包括支援センター・役所 老人ホーム紹介センター 病院のケースワーカー 入院中の場合、施設探しの相談を最初にすると良いのは病院のケースワーカーさんです。ケースワーカーさんは退院後の生活がスムーズに行くように支援してくれます。病院によっては、地域の介護施設と連携していて、詳しい情報をケースワーカーさんが把握していることもありますよ。 ケースワーカーさんに施設探しのことも相談して良いんですね!それは助かります。 地域包括支援センター・役所 ときにはケースワーカーさんが老人ホームの情報を持っていなかったり、紹介された施設が希望に合わないことも。そういうときは、お住まいの地域の地域包括支援センターや役所の福祉課などの窓口に相談しましょう。地域包括支援センターや役所などの公的な窓口でも、老人ホームについての情報をもらえます。特に特別養護老人ホームなどの公的施設については、公的な窓口の方が詳しく教えてもらえますよ。 老人ホーム紹介センター 公的施設だけではなく民間施設も検討したい場合や、遠方で施設探しをしたい場合、老人ホーム紹介センターが便利です。「いい介護」をはじめとした老人ホーム紹介センターは民間施設を主に紹介しています。病院や地域包括支援センターでは狭い範囲の老人ホームの情報しか得られないことが多いですが、老人ホーム紹介センターでは広いエリアで施設探しがしやすいのが特徴です。特に、早く入居先を見つけたいときや複数の施設を見比べて入居先を決めたいときにおすすめです。 今回は、退院日が迫っているので少しでも早く入居先を決めたいです。老人ホーム紹介センターで相談するのも良いかも。 施設探しの流れ 施設探しってどうやってすれば良いんでしょうか?入居までどうやって手続きを進めていけば良いのか、まったくわかりません。 それでしたら、老人ホームに入居するまでの流れをお伝えしますね。次の通りです。 希望条件を決める 老人ホームの情報を収集する 老人ホームを見学する 仮申し込みをする 各種の書類を提出する 本人との面談を行う 契約・入居 一から施設探しをするとなると、入居までは1ヵ月ほどかかります。退院までの期日に間に合うかどうかスケジュールを確認してくださいね。 老人ホームにはどんなものがある? そういえば、老人ホームにはたくさんの種類があると聞いたことがあります。どんな施設があるんでしょうか? おっしゃる通りです!老人ホームには、民間施設が4種類、公的施設が5種類あります。それぞれの費用や入居条件などを次の表にまとめたので、ぜひ施設探しの参考にしてください。 民間施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ うわぁ、こんなに種類があるんですね。結局、うちの母にはどの施設が良いんでしょうか? 今後の生活をどう過ごしたいかで、選択肢は変わりますね。例えば、再びご自宅で過ごしたいのなら、老健でリハビリをして身体機能を回復する方法。また、終の棲家を探したいのなら有料老人ホームや特養などを探すのがおすすめです。 老人ホームにもいろんな種類があって、それぞれ特徴があるんですね。 そうなんです。それぞれの老人ホームの詳細は、以下の記事でも解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。 施設探しをするときは、まず病院のケースワーカーなどに相談しよう 施設探しは、資料請求から入居まで1ヵ月ほどかかる 有料老人ホームや特別養護老人ホームなどさまざまな種類がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2023/11/16

認知症 施設入居 在宅介護 介護認定

認知症の父親の要介護度が「要支援」に下がり、急に老健を退所に…。退所後はどうしたら良い?

老健(介護老人保健施設)に入っている父親の介護認定の更新をしたところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、老健からは退所を求められており、急いで退所後の行き先を決めないといけなくなってしまいました。 父はリハビリのおかげで自分で歩けるようになりましたが、認知症が進行していて数分前のことも忘れたり、家電の使い方がわからなかったり…以前のように一人暮らしできるとは思えません。 だからと言って、私はフルタイムで働いていますし、父を引き取って介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? (平山さん・パート・58歳) お父様のケースだと在宅介護か他の施設に入居するか、2つの方法があると思います。在宅介護の場合、ショートステイをメインにデイサービスや訪問介護を使う方法です。別の施設に入居する場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームが選択肢になるでしょう。いずれにしても、実情とそぐわない要介護度が出てしまった場合、区分変更をすることをおすすめします。区分変更は改めて要介護認定をおこないますので、今度は適切な結果が出るかもしれません。区分変更をする場合、認定調査に平山さんが同席しましょう。認定調査でご本人がはりきってしまって要介護度が実際よりも低くなるケースが珍しくありません。そのため、平山さんが普段のお父様の状況を伝えることが大切です。 要支援に下がって老健を退所しないと!どうしたら良い? 先日、父の介護認定の更新をおこなったところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、今入っている老健を退所しないといけません。ただ、要支援2と言っても、数分前のことを忘れたりテレビのリモコンが操作できなかったり…。入所したときよりも認知症が進んでいて、自宅で介護できる状態ではありません。私はフルタイムで働いていますし、介護はできないと思います。でも、要支援2になってしまったので、1ヵ月以内に退所してほしいと老健に言われています。どうしたら良いのか教えてください! それは大変です!まずは、今後の介護の方針を決めましょう。お父様の場合、「在宅介護をするか」「別の介護施設に転居するか」の2つの選択肢があります。それぞれ、詳しくお話ししますね。 在宅介護をする 「在宅介護をする」と言っても…。先ほどお話しした通り、父は自宅で介護できる状態じゃないんです。在宅介護ができる方法が何かあるんですか? 在宅介護サービスを活用して、できるだけ負担を減らしながら介護する方法です。具体的には、以下の在宅介護サービスを利用しながら介護をします。 ショートステイ デイサービス 訪問介護 ショートステイとは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間、食事や入浴、排泄などの介助が提供されます。ショートステイは、最大30日まで連続で利用できますので、空きがあれば「30日ショートステイを利用して1日自宅に戻る」という使い方も可能です。 宿泊できるサービスなんてあるんですね!父は病院からそのまま老健に入所したので、在宅介護についてまったくわかっていなかったです。 また、デイサービスを利用する方法もあります。デイサービスは日中の時間帯に介護施設に通うもの。デイサービスでも食事や入浴、排泄介助などのサービスが受けられるので、その時間帯は施設に完全に任せられます。デイサービスやショートステイを利用していない日に訪問介護を利用すると、より安心して生活ができるようになるでしょう。 そういう方法もあるんですね。この方法で上手く在宅介護ができるのかな…。 お父様やご家庭の状況によっては、在宅介護サービスを駆使しても在宅介護が難しい可能性があります。そのときは、やはり他の介護施設に入る必要があるでしょう。 別の介護施設に入る 別の介護施設と言うと、どんなものがあるんでしょう。確か、いろんな種類があるんですよね?今の老健は入院していた病院から紹介されて入居したので、他の施設についてよくわかっていなくて…。 確かに、老人ホームは種類が多くてややこしいですよね。お父様の場合、以下のような介護施設がおすすめです。 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。「住宅型」と「介護付き」の大きな違いは、介護サービスが付いているかどうか。住宅型は介護サービスが付いてないので、利用する場合は外部の介護サービス事業者と別途契約が必要です。対して、介護付きは介護サービスが付随しています。24時間、介護スタッフさんが常駐しているため、おむつ交換など夜間に介護が必要な場合でも対応してもらえますよ。 なるほど…。となると、介護付きの方が良いのかな。おむつ交換は必要ないですが、認知症のせいで1人でトイレに行けないので。 ただ、注意していただきたいのは費用の面です。住宅型は介護サービスがなかったり、介護スタッフさんが少ないこともあって、介護付きより費用が安い傾向があります。そのため、出費を抑えたい場合は住宅型がおすすめです。が、住宅型は利用した分だけ介護サービス費が発生するため、頻繁に介護が必要な場合は介護付きよりも高くなってしまうことがあります。 介護付きは、頻繁に介護サービスを利用しても料金が高くならないんですか? はい。介護付きの介護サービス費は、要介護度に応じた定額制。たくさん使っても費用は上がりません。逆に言うと、あまり介護を必要としない場合は料金が割高になってしまうので、住宅型の方がおすすめです。 グループホーム グループホームは認知症の人限定の施設です。要支援2から入居できるので、お父様もご入居いただけます。グループホームは少人数のユニットごとに生活するのが特徴。料理や掃除などをご入居者とスタッフさんが協力しながらおこなっています。少人数で共同生活をしながら生活したい場合にはおすすめです。 少人数で生活できるのは良いですね!父は人が多いところが得意ではないので。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、自由な生活がしやすい施設です。住宅型有料老人ホームと同様、介護サービスは付いておらず、介護が必要な場合は外部の介護事業所と契約をします。サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要がない元気なご高齢者向けの施設もある一方で、重度の要介護度の人も受け入れている施設も多いです。受け入れ状況は施設によって大きく異なるので、事前に施設に確認しましょう。 施設ごとに受け入れ状況が異なるんですね。よく確認しておかないと。 ご紹介した3つの施設のなかでも、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は比較的に入居待ちすることが少なく、急いで転居先を決めたい場合におすすめです。 実際よりも低い要介護度が出たらどうする? やっぱり、父が要支援2になったのが納得いかないんです。友人のお母さんが要支援2なのですが、ほとんど介護は必要なく、自分で料理や洗濯をしています。どう考えても、うちの父と同じ要介護度とは思えません。 確かに。お話を聞く限り、お父様が要支援2なのは違和感があります。もし、今の要介護度に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能です。 要介護認定のやり直しなんてあるんですね! やり直しの方法は2つあって、「不服申し立て(審査請求)」と「区分変更」です。不服申立ては、市区町村の判断に異議を唱えて取り消しを求めるもので、再び結果が出るまでに数ヵ月かかることがあります。なので、もっとスピーディーに結果が出る区分変更をすることが多いです。区分変更は、要介護認定の更新の前に状態が変わって要介護度と合わなくなったときにおこなわれる手続き。1ヵ月ほどで結果がわかります。 その区分変更の手続きは、どうしたら良いんですか? では、区分変更の流れについてお伝えしますね。 要介護認定の区分変更の流れ 区分変更の流れは、初回の要介護認定や更新と同じ流れです。まずは、役所に「区分変更申請」をする必要があります。老健のケアマネジャーさんとうまく連携できているのであれば、ケアマネジャーさんに区分変更申請の相談をしてみましょう。その後は以下のような流れで進みます。 訪問調査 一次判定 二次判定(介護認定審査会) 認定結果通知 適切な要介護度が出るためのコツ 区分変更の際、適切な要介護度が出るためにぜひ平山さんに認定調査に同席していただきたいんです。 都合が付けば、同席できますが…。どうしてですか? 要介護認定で実際よりも軽い要介護度が出てしまう理由のひとつに、認定調査で”頑張って”しまうということがあるんです。 頑張ってしまう? 認定調査は、市区町村から派遣された調査員によって聞き取り調査などがおこなわれます。初対面の相手に自分ができないことを見せたくはないですよね。なので、できないことを「できる」と言ってしまったり、頑張ってしまうんです。 なるほど…。父は見栄っ張りなので、できないことも「できる」と言ってしまいそうです。 特に認知症の人の場合、普段と違う状況だったり初対面の人の前だと意識がはっきりすることも。なので、普段は認知症の影響で会話が上手くいかない人が認定調査のときはしっかり受け答えできることも珍しくないんです。 そうなんですね。今回の要介護認定の更新のときの認定調査には同席しなかったのですが、きっと”頑張って”しまっていたんでしょうね…。今回の認定調査には同席するように都合をつけます。それで、私は認定調査のときにどうしたら良いんでしょうか。 普段の様子を調査員にしっかり伝えましょう。現在は老健に入所されているので難しいかもしれませんが、できるだけ普段の身体状態や認知症の症状を把握して、調査員に話してください。もし、お父様の心身の状態で困っていることがあれば、それも合わせて調査員に伝えましょう。自宅で介護できる状態ではないことを詳しく伝えると、より実情に近い要介護度が出ると思いますよ。 老健のスタッフさんに聞いて、父の状況を把握しておきます。 区分変更申請はできるだけ早くしておくことをおすすめします。介護保険は申請時点に遡って適用されるので、要介護度が高くなった場合はよりたくさんの介護サービスを利用できますよ。 そうなんですね!すぐに老健のケアマネジャーさんに相談してみます。 ただ注意していただきたいのは、区分変更の結果、要介護度が上がらなかった場合、超過した分の介護サービス費は全額自己負担になります。かなり出費がかさんでしまうので、気をつけてくださいね。 老健退所後、在宅介護をするか別の施設に転居するかをまず考えよう 想定よりも低い要介護度になった場合、区分変更で要介護認定を再度受けるのがおすすめ 適切な要介護度が出るために認定調査でいつもの様子を伝えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/16

施設入居 在宅介護

母親が入院中に要介護5になり、在宅介護は無理!どうしたら良い?

先日、母が高熱が出て誤嚥性肺炎で入院しました。体調が戻ったと思ったらまた発熱して…と繰り返して入院が長引いたせいか、自分で歩けないほどに体力が落ちてしまいました。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、入院中に要介護5になってしまったんです。 ここ1週間ほどは体調が落ち着いているので、もう少し様子を見て問題なさそうだったら退院、と言われています。ですが、仕事があるので私が母を引き取って介護するのは無理だと思っています。母を家に1人にするわけにはいかないし…。 自宅で介護をするのが難しい場合、どうしたら良いのでしょうか?老人ホームに入居させることになるのでしょうか?介護のことがまったくわからず困っています。 (小倉さん・会社員・59歳) そうですね、老人ホームへの入居も選択肢のひとつだと思います。もしくは、在宅介護サービスを利用しながらご自宅で介護をする方法もあります。が、要介護5というと、自分の身の回りのことがほとんど自分ではできない状況。在宅介護をするのは、ご家族の負担がとても大きいものになるでしょう。なので、できれば老人ホームへの入居をおすすめします。有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護医療院でしたら要介護5の方でも安心して生活できる施設ですよ。費用の面から老人ホームに入ることを迷っているのでしたら、安い老人ホームや介護費・医療費の減免制度を活用して出費を抑える方法もありますよ。 入院中に要介護5に…。在宅介護は無理? 母が誤嚥性肺炎で入院しています。発熱を繰り返してかなり入院期間が長引いてしまったせいか、どんどん体力が落ちてしまって…。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、今は歩くこともできなくなり、何をするにも介助が必要になってしまいました。そのため要介護認定を受けたところ、要介護5に。しかし、このところ母の体調が落ち着いており、もう少ししたら退院しないといけなくて…。母が回復したのは良いんですが、退院後の生活をどうするか悩んでいます。私は仕事をしているので、母を引き取って自宅で介護するのは無理だと思っています。が、自宅で介護するのが良いのか、施設に入れるのが良いのか、まったくわからず…。一般的に要介護5だと在宅介護は無理なのでしょうか? うーん。要介護5の人を在宅介護するのは無理ではありませんが、かなり難しいというのが正直なところです。要介護5の人だと、身の回りのことほとんどすべてに介助が必要な状態だと思います。そのため、ご家族だけで介護するのは負担が大きすぎて難しいでしょう。ただ、要介護5のご家族を在宅介護しているご家庭もあります。その多くは、複数の在宅介護サービスを駆使してできるだけ、ご家族の負担を減らしているんです。 在宅介護サービスですか…。介護のことはよくわからないのですが、どんなサービスなんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 デイサービス ショートステイ 訪問介護はヘルパーさんがご自宅に訪問して、掃除や調理といった家事、排泄・入浴・食事の介助をおこなうサービスです。デイサービスは、日中に介護施設に通うことで排泄・入浴・食事の介助を受けられるサービス。昼食も提供され、デイサービスに行っている時間帯はご家族が自分の時間を自由に使えます。 日中の間だけでも母を介護施設に任せられるのはとても助かりますね。昼間は仕事で家を空けてしまいますし。 その次のショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊中は排泄・入浴・食事介助やレクリエーションなどが提供されます。最大30日連続で宿泊できるので、ご家族の”介護休み”や老人ホームに入居するための順番待ちの間に利用されることが多いです。最後の小規模多機能型居宅介護は、ここまでにお伝えした訪問介護・デイサービス・ショートステイがひとつになったサービス。同じ介護施設で複数のサービスを受けられるので、「デイサービスの後にそのままショートステイ」など、柔軟な利用が可能です。また、緊急時に訪問介護を利用するといった対応もできます。 へぇ!それは便利ですね!小規模多機能型居宅介護を利用すれば、母を自宅に引き取って介護するのもありかも…。 要介護5で入れる老人ホームは? 在宅介護サービスを活用してご自宅でお母様を介護する方法をお伝えしましたが、もちろん老人ホームに入居するのも選択肢のひとつです。 やっぱり老人ホームなのかな…。老人ホームについてもまったく知識がなくて、施設に入れるべきか悩んでいるんですよね。要介護5は、もっとも介護が必要な状態だと聞きました。そんな状態の母を受け入れてくれる老人ホームはあるんでしょうか? もちろんです!以下の老人ホームでしたら、要介護5の人も受け入れていますよ。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。どちらも要介護5の人を受け入れていますが、特に介護体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。介護付き有料老人ホームには、24時間介護スタッフが常駐し、看護師は少なくとも日中帯に常駐しています。また、介護サービスを何度使っても介護サービス費が上がらない定額制のため、おむつ交換など夜間にも介助が必要な人や頻繁に介護が必要な人にぴったりの施設です。 特別養護老人ホーム 特養も24時間介護スタッフが、日中に看護師が常駐している施設。介護付き有料老人ホームと異なるのは、特養は公的施設のため費用が安い点です。そのため、ほとんどの特養で入居の順番待ちが発生。施設によっては入居まで数年待つこともあるほど人気の施設なんです。 何年も待つんですか!だったら、母の退院までに間に合わないかな…。 介護老人保健施設 老健は、医師が常駐しているため医療面のケアも可能な施設。主な目的はリハビリによる在宅復帰で、3~6ヵ月ごとに入所を継続するかの判定がおこなわれるのが特徴です。自宅に戻っても問題ないと判断されたら、退去しないといけません。 えっ!長期的に入所できないんですか?それは困ります。 ただ、病院から退院後、移り住む施設が見つからない場合に老健に一時的に入所して、その間に施設探しをするのもひとつの方法です。入院したままだと病院から退院を迫られて焦ってしまいますよね。とりあえず老健に入所して、その期間に落ち着いて他の老人ホーム探しをするケースも珍しくないんですよ。 なるほど、そういうやり方もあるんですね。すぐに老人ホームが見つからなかったらやってみようかな。 介護医療院 介護医療院は、医療ケアと介護を同時に受けられる施設。点滴や経管栄養、在宅酸素など、日常的に医療ケアが必要な方が多く入所しています。もしお母様に医療ケアが必要な場合、有力な候補のひとつとなるでしょう。 老人ホームの費用の抑え方 もし、母を老人ホームに入れるとなると、お金がすごくかかりますよね。そんなにお金をかけられるわけではないので、そこがネックで…。 確かに在宅介護をするよりも、老人ホームに入居する方がお金はかかります。ただ、費用を抑えて老人ホームに入居する方法はありますので、それをお伝えしますね。 安い老人ホームに入る 老人ホームの費用を抑える方法のひとつめは、安い老人ホームに入ることです。 と言っても、安い老人ホームってどうやって探すんですか?見分けられるものでしょうか? 絶対ではありませんが、安い老人ホームには以下のような特徴があります。この特徴の施設を探すと、費用を抑えられるかもしれません。 公的な老人ホーム 地方や駅から遠い 建物が古い 多床室 うーん、あまり私の家から遠い地方だと困ります。何かあったときに、私がすぐに駆けつけられないのはちょっと…。 おっしゃる通り、施設探しをするうえでゆずれないポイントはあると思います。そのため、どうしてもゆずれないポイントと安い施設の条件を比べて、”ちょうど良い”施設を探してくださいね。 減免制度を利用する 老人ホームの費用を抑えるためには、安い施設に入居することとあわせて減免制度も活用しましょう。介護費用の減免制度には、以下の2つがあります。 高額介護サービス費 高額介護合算療養費 高額介護サービス費 高額介護サービス費とは、毎月の介護サービス費に上限額を設け、それ以上を支払ったときに超過分が払い戻される制度です。この上限額は、ご利用者本人や世帯の所得によって次の表のように定められています。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) 高額介護合算療養費 高額介護合算療養費は、介護サービス費と医療保険の自己負担額の合計が、上限を超えたときに超過分が戻ってくる制度です。この上限額も所得に応じて、次のように設定されています。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 高額介護サービス費も高額介護合算療養費も、負担の上限額が所得によって異なるんですね。事前に確認しておかないと…。 もし、老人ホーム探しで迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。老人ホームに詳しいベテランの入居相談員が、お母様にぴったりの施設をお探ししますよ。 要介護5でも在宅介護はできるが、家族の負担がとても大きい 介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどが要介護5でも入れる 安い施設に入る、減免制度を使う、などで費用を抑えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/14

認知症 施設入居 在宅介護

母親が入院中に認知症に!退院後、自宅で介護をするのは無理な状態です。どうしたら良いですか?

先日、一人暮らしをしている母が自宅で転倒してしまい、脚を骨折して入院しました。脚の治療は順調なのですが、意味のわからないことを言ったり、亡くなった父が病室にやって来た、などと言うように…。様子がおかしいので検査してもらったところ、認知症であることがわかりました。 骨折の治療が終わったら退院しないといけません。ですが、今の状態の母では一人暮らしはできないだろうし、仕事と子育てで私が介護するのも無理です!どうしたら良いでしょうか? (上村さん・会社員・58歳) 主な退院後の選択肢としては、「在宅介護サービスを使って自宅で介護をする」「老人ホームに入居する」「別の病院に転院する」の3つがあります。いずれにしても、退院までの短い時間でお母様の今後の生活を決めないといけません。まずは今後の方針を入院中の病院のケースワーカーさんに相談しましょう。方針が決まったら、それに合わせて、今後の生活の基盤を整えていきます。老人ホームに入居する場合、一般的に入居までに1ヵ月ほどかかります。また、希望の施設が満室ですぐに入れないことも。その場合、一時的に介護老人保健施設(老健)に入所したり、ショートステイを利用するなどの方法がありますよ。 親が入院中に認知症に。どうすれば良い? 先日、一人暮らしの母が自宅で転倒して骨折のため入院しました。しかし、入院中に亡くなった父が病室にやって来たと言うようになったり、話の辻褄が合わなくなったりと様子がおかしくなり、検査をしました。そうしたら、アルツハイマー型認知症ということがわかりました。その後、リハビリ病院に転院したのですが、症状は悪化していくばかり。私のことはわかるのですが、私の妻や娘のことはわからなくなってしまいました。こんな状態なのに、「認知症の対応はできない」と言われて、残り1ヵ月ほどのリハビリ期間が終わったら退院しないといけません。一人暮らしに戻るのは無理だし、私が仕事と子育てで忙しく家で引き取って介護するのも難しいです。どうしたら良いでしょうか? 入院をきっかけに認知症を発症してしまったんですね…。つまり、退院までの期間でお母様の今後の生活について判断しないといけない状況というわけですね。退院後の選択肢としては、以下の3つが挙げられます。 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 老人ホームに入居する 別の病院に入院する 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 自宅での介護はかなり厳しいと思います。私も妻も働いていますし…。それに我が家に引き取っても、昼間、母は1人になってしまいます。1人ではほとんど何もできない状態なので、母を1人にしてはおけません。 そうですね…。例えばですが、以下のような在宅介護サービスを活用しても在宅介護は難しいでしょうか? 訪問介護 デイサービス ショートステイ 特に日中は家を空けるのであれば、デイサービスを利用するのはどうでしょう。デイサービスとは、昼間に介護施設に通う形のサービス。食事や入浴、排泄などの介助を受けられます。ご家族が家を留守にする平日はデイサービスに通い、お仕事が休みの日は自宅で過ごす、という生活をしている人もいます。 そういうサービスがあるんですね。介護のことを考えたことなんてまったくなかったので、すべて自分たちでやらないといけないと思っていたので…。日中、母を介護施設に面倒見てもらえるのなら、うちに引き取るのもありかも。 また、ショートステイというサービスも人気です。これは1日から介護施設に宿泊できるもので、宿泊中は食事、入浴、排泄、レクリエーションなどのサービスを受けられます。宿泊中は介護をすべて施設にお任せできるので、ご家族の「介護休み」として利用されることも多いんです。 老人ホームに入居する 老人ホームに入居するのもひとつの手です。在宅介護よりも費用がかかる傾向がありますが、何より介護のプロからケアを受けられるので安心して生活できます。 でも、母は認知症です。認知症でも入れる老人ホームってあるんですか? もちろんありますよ!積極的に認知症の人を受け入れている施設はたくさんあります。例えば、以下の種類の老人ホームは、認知症の人を受け入れていることが多いです。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 この中でも特に人気なのは、特別養護老人ホームです。認知症の人を受け入れているうえに終身利用が可能。そして、費用も安いので常に入居の順番待ちがいるほど人気です。 確かに、安くて終身利用が可能ってかなり魅力的ですね。でも、すぐに入れないのか…。 そうなんです。なので、急いで入居したい場合は特別養護老人ホームだけではなく、他の種類の施設も検討しておくことが大切。いくつか見比べて、すぐに入れる施設を選ぶ人も多いですよ。 別の病院に入院する 今の病院で「認知症の対応ができない」と言われて退院するのに、母を受け入れてくれる病院があるんですか? 精神科や脳神経科のある病院であれば、認知症の人も受け入れてくれることがあります。 そうなんですか!てっきり、認知症だと入院はできないものかと…。 認知症の対応は特殊ですから、一般の病院では入院できないことが多いんです。ですが、精神科や脳神経科は認知症の治療ができる診療科ですから、認知症ケアに対応できるんですよ。もし、入院してしっかりと認知症治療をしたい場合は、入院も検討してみてください。認知症の人が入院できる病院については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 退院までに時間がないときはどうする? 母の退院後、いくつか選択肢があることはわかりました。ただ、退院まで1ヵ月しかないのに、どうやって対処していけば良いのやら…。 まずは、お母様が入院している病院のケースワーカーさんに相談しましょう。ケースワーカーさんは、退院後の患者さんの生活を支援するのも仕事のひとつです。在宅介護にするのか、老人ホームに入居するのか、転院するのか、退院後のお母様の暮らしの方針を決めるうえで、ケースワーカーさんへの相談はかかせません。それに、ケースワーカーさんは地域の老人ホームの情報を持っていることもあり、スムーズに入居先が決まることもあります。とにかく、まずはケースワーカーさんに相談です。 まずは、ケースワーカーさんに相談、ですね。 お母様の状況や今後の生活方針によっては、以下のような相談先もあります。 ケアマネジャー 役所・地域包括支援センター 老人ホーム紹介センター もし、お母様に既に担当ケアマネジャーさんがいるのでしたら、介護のことはケアマネジャーさんに相談してみましょう。在宅介護をするにしても、老人ホームに入居するにしても、ケアマネジャーさんに相談するとスムーズに話が進むでしょう。 うちの母はこれまで介護サービスを利用していなかったので、担当ケアマネジャーさんがいないんですよね。 でしたら、お母様がお住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談しましょう。役所や地域包括支援センターに行けば、介護のことを一からサポートしてもらえますよ。 介護のことをまったくわかっていないので、相談しに行こうかな…。 もし、老人ホームに入居すると決めたのであれば、老人ホームの紹介センターを利用するのもおすすめ。紹介センターではいろんな施設を紹介しているため、複数の施設を見比べるときに便利です。「いい介護 入居相談室」では、老人ホームに精通した入居相談員が一から老人ホーム探しをサポートします。施設探しをする場合は、ぜひご相談くださいね。 入院中に認知症になってしまったら、在宅介護、施設入居、転院の選択肢がある 認知症の症状などによっては、介護施設や転院を考える必要があることも 退院までに時間がない場合は、まずは入院先のケースワーカーに相談しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/10

施設入居

老健はずっと入所できないって本当ですか?父親の在宅介護を続けるのが厳しいので、施設入居を考えています

父が半年ほど前に転倒して以来、歩くのが難しくなって今はほとんど寝たきりになってしまいました。トイレも行けなくなり、おむつです。 昼間はデイサービスや訪問介護を利用しているので大丈夫なのですが、夜中のおむつ交換は私がしないといけないので常に寝不足…。体力的にきついので、介護施設への入居を考えています。 自宅のすぐ近くに介護老人保健施設(老健)があるので、そこに入居させたいと思っているのですが、老健はずっと入所していられないと友人に聞きました。本当ですか? (河合さん・会社員・60歳) そうなんです。老健は終身利用を目的とした施設ではないため、ずっと入所できません。老健では、3~6ヵ月ごとに心身の状態の審査がおこなわれ、問題なければ退所となります。老健を退所した後は、「自宅に戻る」「他の施設に入る」「入院」という選択肢があります。ですが、長期入居を希望しているのであれば、始めから長期入居ができる有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設を検討してはいかがでしょうか? 老健はずっと入所できないって本当? 父が半年ほど前に転倒して以来、脚を痛めてどんどん歩けなくなり、今はほとんど寝たきりになってしまいました。昼間はデイサービスや訪問介護を使っているので良いんですが、問題は夜間のおむつ交換なんです。夜中、私が起きておむつ交換を2回しています。私は仕事をしていますし、昼間の仕事に響いてしまって。体力的にきついんです。そのため、介護施設に入居させることを検討しています。自宅のすぐ近くに老健があるのでそこが一番良いかな、と思っているのですが…。友人から「老健はずっとは入っていられないよ」と言われて。老健は入所期間に定めがあるんでしょうか? そうなんです。老健は終身利用ではなく、在宅復帰を目的とした施設。そのため、3~6ヵ月で審査がおこなわれ、身体的に問題がないとされれば退所しなくてはなりません。 えぇ!そうなんですね。戻ってきて、在宅介護をするのは厳しいだろうな…。老健は終身利用できないってことなんですね? 老健のなかでもベッドの空きがあれば、年単位の長期的な入所を受け入れている場合もあります。ただ、これは施設の判断によるので、一概には言えないところですね…。 平均入所期間は10ヵ月程度 老健に入所していられるのは、3~6ヵ月程度ということで良いんでしょうか? 厚生労働省が2016年におこなった調査によると、老健の平均入所期間は約300日。10ヵ月程度だそうです。ただ、この退所した人がすべて自宅に戻ったかというとそうではなく、在宅復帰したのは3割ほど。退所した人の約半数は他の介護施設や医療機関に転院しています。つまり、ご自宅に戻れる状況ではなくても、退所をさせられるケースも多いということ。老健に入所する場合は、次の住まいについても考えておく必要があります。 参考:「介護給付費分科会 介護老人保健施設」(厚生労働省) 退所させられたらどうすれば良い? 父が老健に入所しても数ヵ月で戻ってこられたら困ります。また、自力でトイレに行けるくらいまで回復すれば良いんですが、父の年齢を考えると難しいでしょうし…。もし、老健を退所させられたらどうしたら良いんでしょうか? 老健を退所した後の選択肢としては、以下のようなものがあります。 自宅に戻る 他の介護施設に入る 入院 河合さんがおっしゃる通り、老健のリハビリによって再びご自宅で生活できるほど回復する場合もあります。その場合は、自宅に戻るケースが多いです。 父は転倒して脚を痛めてから歩くのを億劫がっていて…。リハビリもきちんと取り組めるかどうかわかりません。家には戻れない気がしています。 でしたら、他の介護施設に入るのがおすすめです。老健以外にも介護が必要な人向けの施設はありますから、終身利用できる施設に転居するのが良いと思いますよ。 長期入居できる施設は? 北野室長の話を聞いていて、父には老健はあまり合っていないような気がしてきました。リハビリをして自宅に戻るのも難しいでしょうし…。なので、最期まで面倒をみてもらえる介護施設を最初から探そうと思います。どんな施設であればずっと入っていられるんでしょうか? 終身利用できる主な介護施設は以下の2つです。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム 有料老人ホーム 有料老人ホームは、民間企業が運営している施設。「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」があり、介護の体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。住宅型有料老人ホームでも、介護が必要な人の受け入れをしていますが、介護サービスを利用するには外部の介護サービス事業者と契約が必要。使った分だけ介護サービス費が追加されるので、介護が必要な回数が多い場合、料金が高額になる可能性があります。 じゃあ、ほとんど寝たきりの父の場合、住宅型有料老人ホームだと高額になってしまうかもしれないんですね。 おっしゃる通りです。対して、介護付き有料老人ホームは介護サービス費は要介護度に応じた定額制なので、介護サービスをたくさん使っても金額は据え置き。そのため、介護が頻繁に必要な場合は介護付き有料老人ホームの方がおすすめです。 料金が据え置きなのは助かるなあ。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、社会福祉法人などが運営する公的な介護施設です。終身利用できるうえに、費用が安いのでかなり人気の施設なんです。ただ、人気なので入居の申し込みから入居まで数年待つこともあるのがネックなんです。 えぇ!?数年待つんですか!今すぐにでも入居したい状態なのに…。 なので、特別養護老人ホームに申し込みをしておいて他の介護施設に入居するのもひとつの手。特別養護老人ホームの待ち状況にもよりますが、ご自宅近くの老健に入所しておいたり、有料老人ホームなどの比較的に入りやすい施設に入居して順番待ちするのも良いんじゃないでしょうか。 そんな方法もあるんですね!でも、特別養護老人ホームの順番待ちの間だけの入居というと、入った施設に申し訳ない気が…。 いえいえ、施設側も特別養護老人ホームが人気でなかなか入居できないことを知っています。それに、意外と有料老人ホームなどに入居して特別養護老人ホームの空室待ちをする人は多いんです。いざ、特別養護老人ホームが空いて入居できるようになったときにスムーズに転居できるように、入居の段階で「特別養護老人ホームの入居順が来るまでの入居です」と正直に伝えた方が良いでしょう。後悔しない施設選びのために、まずは落ち着いて施設探しをしてくださいね。 平均的な老健の入所期間は10ヵ月程度 老健退所後は、自宅に戻る、他の施設に入る、入院といった選択肢がある 長期入居を希望するなら、はじめから長期入居できる施設を選ぶのがおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/11/09

施設入居 在宅介護 介護のお金

親の介護のお金は子供が負担するものですか?80歳を超える高齢の母がいるので心配です

82歳になる母親が実家で一人暮らしをしています。母はまだ介護が必要な状況ではありませんが、年齢も年齢ですし、近い将来、介護が必要になるだろうな、と思っています。 お父さんが老人ホームに入っている友人から、毎月かなりお金がかかると聞きました。介護ってお金がたくさんかかりますよね?それは子供が負担しないといけないものなんでしょうか? (寺田さん・会社員・59歳) まずは、お母様のお金から介護費用を捻出できるように考えましょう。もし、足りない場合にお子さんが分担して負担する方が、継続的に介護できるでしょう。そのためには、まずはお母様の資産状況を把握しておくことが大切。貯金や年金などのお金、生命保険の契約状況などを把握して、いくらまでだったらお母様の財産から支払えるのかを見積もっておくんです。また、介護が始まる前に介護の方針やメインの介護者について考えておいてください。他に御きょうだいがいる場合、事前に話し合っておくと介護が始まったときもスムーズに進められるでしょう。 親の介護のお金は子供が負担するもの? 82歳の母が実家で一人暮らしをしています。母はまだ元気ですし、介護が必要ではありませんが、年齢を考えると介護が始まるのも時間の問題だと思っています。介護についてはいろいろと不安が多いのですが、一番気がかりなのがお金の問題。親の介護をしている友人から毎月かなり費用がかかっている、と聞きました。こういう介護のお金って子供が負担するものなんですか? いえいえ、基本的にはお母様のお金から支払うのが良いでしょう。介護の費用と言えど、お母様の生活費用だからです。ただ、お母様の貯金や年金だけでは足りない可能性があります。その場合は、お子さんが分担して支払うのが良いでしょう。 なるほど、足りない分だけ費用を出すので良いんですね! 親の介護にはどれくらい費用がかかる? 介護ってどれくらい費用がかかるんでしょうか?母のお金から出すにしても、出費の目安を知りたくて。 そうですね…。介護費用は一人ひとり大きく異なる、というのが回答になってしまいます。要介護度や利用するサービスによってもかかるお金がかなり変わるからです。とはいえ、参考になりそうな調査があります。「生命保険文化センター」が2021年におこなった調査では、介護にかかった費用の平均は8.3万円。在宅介護だと平均月4.8万円、施設入居だと平均月12.2万円と、在宅介護か施設介護かで大きく金額が異なります。 このグラフによると、月1~2万円で収まる場合もあれば、15万円以上かかる場合もあるんですね…。 介護が始まる前に準備しておくこと 介護にはいろいろと不安なこともあるでしょう。そうした不安も少しでも小さくするために、介護が本格的に始まる前に準備をしておきましょう。 準備ですか。どんなことをすれば良いんですか? 具体的には、以下のようなことです。詳しくお話ししていきますね。 親の資産を把握しておく 介護の方針を決めておく 主介護者を決めておく 親の資産を把握しておく 介護費用をどうやって捻出するのか考えるために、まずは、お母様の資産状況を把握しましょう。 母の資産ですか…。といっても、年金くらいなものでしょうか。 いえいえ、以下のようなものについて把握しておくのと良いでしょう。 年金 全ての銀行口座 不動産 株式などの有価証券 生命保険 負債 こんなに確認しておかないといけないことがあるんですね! そうなんです。事前に確認しておけば、いざというときに安心ですから。お母様にノートなどにまとめて書き出しておいてもらうと良いでしょう。 介護の方針を決めておく お母様や他のご家族と介護の方針について、事前に話し合っておいてください。 介護の方針って、具体的にはどんなことを話し合えば良いんですか? 例えば、次の内容です。 自宅で暮らし続けたいか 介護施設に入居したいか 自宅・土地の管理をどうするか 特に、自宅で暮らし続けたいかや介護施設に入居したいか、といった点は介護をするうえで大きく影響します。急に介護が必要になり、ご本人やご家族の意思がはっきりしないままに介護が始まってしまうケースも少なくありません。ご本人やご家族が後悔しない介護をするために、事前に介護の方針を話し合っておいてくださいね。 主介護者を決めておく 「主介護者」って何ですか? 介護を中心となっておこなう人のことです。他のご家族や御きょうだいがいる場合、中心となって介護をする人を1人決めておくことをおすすめします。主介護者は、かかりつけ医やケアマネジャーさんと連携を取ったり、介護サービスの利用日や通院などのスケジュールを管理する役目。この役割を別の御きょうだいと分けて担当していると、連携を取るのに手間がかかるかもしれないんです。 「中心となって介護をする」と聞くと、たくさん介護をしないといけない気がしますが、そういうわけではないんですね。 そうですね。確かに、主介護者が実際に介護する割合が多い傾向にありますが、必ずしもそうしないといけないわけではありません。どちらかというと、医療機関や介護事業所が「この家族に連絡しておけば大丈夫」という人が主介護者と言えます。もちろん、主介護者となる人は介護を受けている人の状況を把握しておく必要がありますから、お母様の近くに住むご家族がなるのが自然でしょう。 なるほど。となると、私になりますね。他のきょうだいは県外や遠方に住んでいるので、実家に通いやすい私が主介護者になった方が介護がしやすいと思います。 そういったご状況なら、寺田さんが主介護者になるのが良いでしょう。ただ、主介護者といっても介護をすべて負担する必要はありません。他の御きょうだいにも「週末は介護してもらう」「介護ができないから多く費用を負担する」といった形で、分担してもらってくださいね。 親の介護費用はできるだけ親のお金で賄おう 介護が始まる前に、親の資産の把握、介護方針と主介護者を決めておこう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/11/02

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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