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Q&A

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施設入居 在宅介護 介護疲れ

二人暮らしの母親の介護が上手くいきません。仕事を辞めて介護に集中しないのは親不孝な息子でしょうか?

母を自宅で介護しています。認知症が進行して物忘れがひどくなり、家に1人でいさせるのも心配。でも、私は仕事をしているので昼間はどうしても母1人になってしまいます。母と二人暮らしなので、母の世話を頼める人もおらず…。 仕事を辞めて介護に集中できない私は親不孝でしょうか? (大山さん・会社員・57歳) そんなことはありませんよ!介護のために仕事を辞めてしまうのはおすすめできません。というのも、仕事を辞めても介護の負担が軽くなるわけではないから。むしろ経済的・精神的負担が大きくなる可能性があります。まずは、介護サービスを活用しましょう。そうすれば、自分の時間を確保しやすくなって、体力的にも精神的にも負担が減ると思います。負担が減れば、仕事を続けながら介護もしやすくなります。まずは、介護と仕事の両立ができる体制を整えていきましょう! 介護離職しても負担が軽くなるわけではない 同居する母が認知症になってしまい、介護をしています。最近は症状が進んで、1人で家に置いておくのも心配になってきて…。でも私は日中は仕事で家を空けますから、どうしても母を1人にしてしまいます。だからといって、母と二人暮らしですし、近くに母の世話を頼める親戚もいなくて…。仕事はできるだけ続けたいと思っています。でも、母を放っておけるわけもなく…。仕事を辞めて介護に集中できない私は、親不孝なんでしょうか? そんなことありません!むしろ、お母様の介護をしながら仕事もしているのはすばらしいことだと思います。ただ、お母様の認知症が進行していくにしたがって介護に必要な時間が増えて、仕事との両立ができなくなってくるかもしれません。 そうですよね…。早めに退職して、母の介護に専念した方が良いんでしょうか。 いえ、私は介護のために離職するのはおすすめしません。というのも、介護離職しても負担が減らず、逆に増えるという調査結果があるんです。 参考:「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社) 仕事を辞めて経済的負担が増えるのはわかりますが、精神的負担も増えるんですね…。 そうなんです。おそらく、離職したことで”介護に集中しすぎてしまう”からだと考えられます。 どういうことですか? 仕事を辞めると、一気に外との社会的なつながりがなくなります。それまで、会社の同僚などと関わる時間が気分転換になっていたのに、その時間がなくなりますよね。お母様と二人きりの時間が増え、気分転換するタイミングが限りなく少なくなってしまうんです。 確かに、介護が始まってから友人と会うことがほとんどなくなりましたし、退職したら母以外の人と関わる時間はなくなるでしょうね。 介護のことを考える時間ばかりだと、追い詰められてしまう可能性もあります。在宅介護はかなり大変ですから、気分転換の時間を確保するためにも仕事は続けることをおすすめします。 介護サービスはどうやって利用する? 仕事を続けたくても今のままでは無理だと思います。今はまだ大丈夫ですが、今後、母の認知症が進行したらずっとつきっきりになるかもしれませんし…。 ちなみに、お母様は介護サービスを利用していますか? いえ。介護サービスっていろんな手続きがあるんですよね?そのあたりがまったくわからず、利用したことはありません。 でしたら、まずは介護サービスを利用しましょう!今、大山さんおひとりだけで介護しているのなら、介護サービスを利用するだけでもかなり負担が減ると思いますよ。 うーん。といっても、どうやって利用したら良いのか…。 でしたら、介護サービスを利用するまでの流れをお話ししますね! 介護サービスを利用するまでの流れ 介護サービスを利用するまでには、以下のような流れがあります。 要介護認定 ケアプラン作成 介護サービス利用開始 まずは、お母様に要介護認定を受けていただく必要があります。要介護認定は、介護の必要な度合い「要介護度」を判定するもの。要介護度は、「要支援1~2」「要介護1~5」の7段階あり、数字が大きいほど介護の必要度合いが高いことを示しています。要介護度が判定されたら、次はケアマネジャーさんにケアプランという介護サービス計画書を作成してもらいます。ケアプランには要介護度やお母様の状況に応じて、適切な介護サービスの種類や利用回数が盛り込まれています。 なるほど、母に合った計画を立ててもらえるんですね。 そして、ケアプランの計画に基づいて介護サービスの利用が始まるわけです。 うーん、介護サービスを利用するにしても、いろいろと手続きが必要なんですよね?仕事と介護をしていると、手続きをする時間もないんですよね…。こういう手続きって時間も手間もかかりそうですし。 そういう手続きをする時間を確保するために、「介護休業」という制度がありますから、ぜひ利用してください!介護休業は、介護をしている人が介護と仕事を両立する体制を整えるための制度。合計93日の休みを最大3回に分けて取れます。もちろん、大山さんご自身でお母様を介護する時間に充てられますが、長く介護と仕事を両立していくために、介護認定の手続きやケアマネジャーさんとの打ち合わせの時間として活用するのをおすすめします。 「介護休業」と言うから、私が母の介護をするための休みと思ったら、どちらかというと介護の体制を整えるためのものなんですね…。会社に確認してみます。 介護サービスの種類 そもそも、介護サービスにどんなものがあるのかよくわかっていません。どんなサービスを受けられるんでしょうか? 介護サービスは大きく分けて「在宅介護サービス」と「施設介護サービス」があり、主な介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 デイサービス ショートステイ 福祉用具レンタル 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム いろんなサービスがあるんですね! そうなんです。お話を聞く限りだと、訪問介護とデイサービスを利用するのが良いかもしれませんね。訪問介護は、自宅に訪問ヘルパーさんがやって来て、お母様の介助や家事などを代行してくれるサービス。お母様が1人になってしまう時間帯に訪問介護を見守り代わりに利用するのはどうでしょうか。また、デイサービスは介護施設に通って介護サービスを受けるもの。デイサービスに行っている間の、食事、入浴、排泄介助などはすべて施設に任せられますし、レクリエーションやリハビリなどもしてもらえるので、大山さんも安心してお仕事ができるんじゃないでしょうか。 デイサービス、良いですね。入浴の手伝いも大変なので、施設で入れてくれるのは助かります。 介護疲れをためずに介護をするには? 母の介護の時間を増やすためと、時間に余裕を持つために退職しようと思っていたんです。でも、例え介護サービスを使うとしても退職しないとなると、時間的にも体力的にも余裕がなくなりそうだな…。 在宅介護って大変ですよね。介護は長期戦ですから、どうしても疲れが溜まってきてしまうと思います。そういうときに、なるべく介護疲れを溜めずに介護を続ける方法をいくつかご紹介しますね。 介護について話を聞いてもらう 少しでも自分の時間を持つ ストレス発散に運動を取り入れてみる 介護施設への入居検討をする 介護について話を聞いてもらう 介護をしていると、どうしても精神面の負担も大きくなりがちです。そういうときは、介護について誰かに話を聞いてもらいましょう。他のご家族やご親戚でも良いですし、話しにくいときは介護経験のあるご友人でも良いと思います。 うーん。他に家族も身近な親戚もいないですし、介護の話ができる友人もいないですね…。 でしたら、「家族の会」に参加するのはどうでしょうか?家族の会は、認知症の人やご高齢者を介護しているご家族が作る団体。全国各地で家族が集まり、介護の相談や勉強会をする集会を開いています。「オレンジカフェ」「認知症カフェ」という名前で、認知症ご本人やその家族の集まりも全国でおこなわれています。そちらに参加するのも良いかもしれません。どちらの集まりに参加しても、介護の愚痴を誰かに聞いてもらうだけでも気持ちが楽になると思いますので、ぜひ参加してみてくださいね。 少しでも自分の時間を持つ 介護と仕事で多忙に過ごしていると、時間に追われて自分の時間って持てないですよね。それでも、ぼーっとする時間や趣味の時間を少しでも確保することが大切です。自分の時間を定期的に持つことで気分転換になって、介護にも集中できるようになると思います。 そんなこと言っても、忙しくて自分の時間なんて持てないですよ。働きながら介護しているんですから。 そうですよね…。自分の時間を作るためにも、介護サービスをどんどん活用してください。例えば、定期的にショートステイを活用するのがおすすめ。ショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービスで、最大30日連続で利用できます。宿泊している間の食事や入浴、排泄などの介助はすべて施設に任せられます。数日まとめてショートステイを利用すれば、安心してリフレッシュできると思いますよ。 え、リフレッシュですか?そんなことのために介護サービスを利用して良いんですか? もちろんです!介護をしている大山さんが倒れてしまっては元も子もありません。息抜きを忘れないでくださいね。 介護施設への入居検討をする 介護施設への入居もぜひ検討してください。介護は必ずしもご家族でしないといけないものではありません。在宅介護は負担が大きく、仕事をしながら続けるのはかなり難しいですから、介護施設への入居も視野に入れてみてください。先ほどお話ししたように、主な介護施設には以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 介護は、完璧にしなくても良いんです。ご家族だけでするものでもありません。介護のプロの力を積極的に活用して、「楽な介護」をしてくださいね。 介護離職で負担が大きくなることも。介護サービスを利用しながら仕事を続けよう 介護サービスを利用するために、まず要介護認定を受けよう 誰かに介護の話を聞いてもらったり、少しでも自分の時間を確保しよう pre { margin: ...

2023/10/30

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

家事ができない父が母の介護をすると言って聞きません!同居の話も断られてしまい、どうしたら良いのかわかりません

母が転倒して介護が必要になりました。母と暮らしている父だけでは介護が難しいと思い、同居の提案をしたのに断られてしまいました。父が母の介護をすると言うのです。 しかし、父はこれまで家のことを母に任せきりにしていたので家事もろくにできません。なので、父に介護なんてできっこないんです。 同居は断られるし…。何か良い方法はないでしょうか? (白石さん・会社員・56歳) まずは、お父様に介護を任せてみてはどうでしょうか?家事ができないと言っても、お母様に教わりながらできるようになるかもしれませんよ。その生活に限界が来たら手助けできるように、こまめに様子を見るだけに留めておくんです。ただ、ご家族の直接の手助けはしなくても、介護サービスを利用できる手はずは整えておくのがおすすめ。お母様が要介護認定を受けて、担当のケアマネジャーさんに付いてもらうだけでも、ご両親の生活のアドバイスが受けられる環境ができるはずです。もし、要介護認定を受けたり、介護サービスを利用することも拒否する場合は、説得する人を変えるのも手。普段関わっていないご親族やかかりつけ医などから説得されると、意外とすんなりと利用してくれることもありますよ。 家事ができない父に介護はできる? 実家で父と二人暮らしをしている母が、自宅で転倒して介護が必要な状況になってしまいました。母は歩けないほどではないものの、長時間立ったり歩いたりすることが難しく、家事がほとんどできなくなりました。そのため、父だけでは介護は難しいと思って同居の提案をしましたが、「俺が介護する」と言って父に同居を拒否されてしまって。ろくに家事もできない人が介護をできるわけないのに…。父が1人で介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? そうですね…。まずは様子を見てはどうでしょうか?家事については、お母様に教わりながらでもできますし、お父様が「介護する」と言っているのですから、見守る姿勢も大切ですよ。 えぇっ!でも、きっと父に任せておくと実家はとても汚くなるでしょうし、父が料理できるとも思えないので、出来合いのものが増えるでしょうし…。 確かに、以前よりもご実家が散らかったり、料理が出来合いのお惣菜などが増えるかもしれません。ですが、以前と同じようにしなくても良いんです。完璧でなくても、「二人が生活できているなら良い」くらいの気持ちでいると、白石さんの気持ちが楽になると思いますよ。ただ、お二人での生活が難しくなったら手助けできるように、様子はこまめに見ておきましょう。 介護サービスを拒否するときはどうすれば良い? 同居をしないなら、お母様が介護サービスを利用するのはどうでしょうか? それが、介護サービスを利用するのも父に拒否されてしまって。父1人で介護できる状況じゃないと思うんですけど…。どうしたら良いんでしょうか? そうだったんですね…。どうしたら良いか、一緒に考えてみましょうか。認知症が原因で介護拒否をしている場合については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 どうして拒否するのか確認しよう はじめに、どうして介護サービスを利用したくないのか確認してみましょう。どうしてお父様はお母様が介護サービスを利用するのを嫌がるんでしょうか? まったくわかりません。「俺が介護するからいらない」の一点張りで…。 なるほど…。もしかしたら、次のような理由かもしれません。 他人に介護されたくない 誰かに迷惑かけたくない 介護が必要なことを受け入れられない 利用費が高額だと思っている 実は、男性は介護が必要になったら奥さんに介護をしてほしいと思っている人が半数以上いることがわかっています。なので、「妻の介護は自分の役目」とお父様が思い込んでいるのかもしれませんね。 また、お母様が介護が必要な状況であることを受け入れられていない可能性もあります。介護サービスを利用することを重大なことだと捉えていて、「まだ介護サービスを利用するほど、ひどい状態じゃない」と思って、利用を拒否していることもあり得ます。 そういう理由があるんですね…。父は思い込みが激しいところがあるので、北野室長が言う理由が当てはまっているかもしれません。 どのように説得する? 母自身は、私と同居することも、介護サービスを利用することも、そんなに嫌がっている様子ではないんです。とにかく父が頑固で…。どうしたら父を説得できるでしょうか? 例えば、以下の方法はどうでしょうか? 説得する人を変える かかりつけ医から勧めてもらう 要介護認定だけでも受けてもらう 説得する人を変える 同じ内容の話でも、話す人を変えるだけで納得してくれることがあります。 どういうことですか? いつも白石さんがお父様を説得しているのであれば、白石さんのご主人やお父様・お母様のご兄弟から説得してもらうんです。普段、接することが少ない人から言われることで、「自分の考えは間違っているのかもしれない」と冷静に判断できるのかもしれませんね。 私の話は聞かないのに他の家族の話は聞くなんて、なんだか納得いきませんが…。それで父が納得してくれるなら、夫や叔父に頼んでみます。 かかりつけ医から勧めてもらう お母様のかかりつけ医から、同居や介護サービスの利用を勧めてもらうのも良い方法です。かかりつけ医であれば、お母様の状況を把握していますし、「専門家からの助言」ということで、お父様も納得しやすいでしょう。 かかりつけの先生の言うことは素直に聞くんですよね。先生に頼んでみるのもアリかな…。 要介護認定だけでも受けてもらう 少しハードルは高いですが、介護サービスは使わなくても要介護認定だけでも受けてもらうのもひとつの手です。要介護認定を受けると、担当のケアマネジャーさんが付きます。介護のプロから生活のアドバイスをもらえますし、お父様の中で「介護サービス」へのハードルが低くなると思いますよ。 介護サービスにはどんなものがある? 母に介護サービスを利用してもらうとして、介護サービスにはどんなものがあるんでしょうか?介護のことは考えてこともないので、全然わからなくて…。 介護サービスにはいろんな種類があるからわかりにくいですよね。主な介護サービスをご紹介しますね。 在宅介護サービス 訪問介護 デイサービス ショートステイ 在宅介護は、家で介護を受けている人が利用できるサービスです。訪問介護を利用すれば家事の支援が受けられますから、利用しやすいかもしれませんよ。また、デイサービスは日中に介護施設に通ってサービスを受けるものなので、お母様が利用している間、お父様が家事に集中できますよ。 施設介護サービス もし、今後、在宅介護が難しい状況になったら介護施設に入ることも視野に入れておきましょう。 介護施設ですか…。考えたこともなかったです。 主な介護施設には、以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 特別養護老人ホームは要介護3以上、介護老人保健施設は要介護1以上など、施設によって入居条件が定められています。種類もたくさんあって迷ってしまうと思うので、介護施設に入居したい場合は、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談くださいね。 介護サービスを使うときはどうすれば良い? 母が介護サービスを利用する場合、どうしたら良いんでしょうか?直接、訪問ヘルパーなどの事務所に申し込みするんですか? いえいえ!まずは要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、「要支援1・2」「要介護1~5」といった、介護が必要な度合い「要介護度」を調べるもの。要介護認定の結果がわかってから、介護サービスを受ける流れになります。要介護認定は、まずお母様がお住まいの地域の役所か地域包括支援センターで申請手続きをします。その後は次のような流れで、審査がおこなわれます。 審査の結果、要介護度がわかるので、要介護度をもとに担当ケアマネジャーさんがケアプランを作成。ケアプランに基づいて介護サービスを利用することになります。 担当ケアマネジャーさんってどうやって決まるんですか? ケアマネジャーさんについては、役所や地域包括支援センターで相談できます。役所や地域包括支援センターでは、地域のケアマネジャーさんについて把握しているので、そこで情報を提供してもらいましょう。 そうしてケアマネジャーさんが決まったら、ケアプランを作ってもらって、介護サービスを利用できるようになるというわけですね。 おっしゃる通りです。介護サービスの利用方法についてはややこしいことが多いので、わからなくなったら役所や地域包括支援センターに相談してくださいね。 まずは介護を両親に任せてみよう。何かあったら助けられる体制を 介護サービスには、主に在宅介護と施設介護の2種類がある 介護サービスを利用するには、まずは要介護認定を受けよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/10/23

認知症 施設入居 在宅介護

父親を介護していた母親も認知症になってしまったかもしれません。どうしたら良いんでしょうか?

私の両親は遠方の実家で二人暮らしをしており、認知症の父を母が介護しています。ですが、先日帰省したときに母の様子がおかしくて…。母まで認知症になったかもしれません。 「今日は何日?」「今、何時?」と同じことを何回も質問したり、少し前に話したことを覚えていない様子だったんです。 両親の生活は母がいないと成り立ちません。もし、母まで認知症になってしまったらどうしたら良いのでしょうか? (小沢さん・58歳・会社員) それは心配な状況ですね…!もし、お母様が認知症だった場合、介護サービスを使いながらお二人暮らしを続けるか、ご家族が同居するか、老人ホームに入居するなどの選択肢があります。もちろん、どの選択肢を選ぶのかはご両親の状況やご家庭の事情によって異なりますから、専門家に相談してみるのも方法です。お父様の担当のケアマネジャーさんがいるのであれば、お母様のことも相談してみてください。ただし、認知症の方が認知症の方を介護する「認認介護」には、ご両親の生活の管理が難しくなったり緊急時の対応が難しくなるなどのリスクがあります。早い段階で介護施設に入居することをおすすめします。 介護をしている親まで認知症になったら…? 実家で両親が二人暮らしをしています。遠方なので、年に数回ほどしか帰省はしないのですが、先日、帰省をしたら認知症の父の介護をしている母の様子がおかしくて…。「今日は何日?」「今、何時?」と何回も質問してきたり、ついさっき話したこともすっかり忘れているんです。もしかしたら認知症なんじゃないかと怖くて…。生活はすべて母が回していますから、母まで認知症になってしまったら両親の生活が成り立ちません!母まで認知症になってしまったらどうしたら良いんでしょうか? 落ち着いてください。まずはお母様を病院に連れて行って、早めに認知症かどうかを確かめましょう。それでもし、お母様が認知症だったら、認知症の方が認知症の方を介護する「認認介護」という状態です。かなり心配な状況なので、早めに手を打つ必要があります。 早めに手を打つって…どうしたら良いんでしょうか? 認認介護への対策には、以下のようなものがあります。 専門家に相談する 介護サービスを使う 家族が同居する 老人ホームに入る 専門家に相談する まずは介護の専門家に相談しましょう。お父様には担当のケアマネジャーさんがいますか? はい。両親だけの生活なので、親身になっていろいろと心配してくれています。 でしたら、まずはお父様の担当のケアマネジャーに相談してみましょう。お母様とやりとりする機会は多いでしょうから、お母様の異変を感じているかもしれません。お母様の認知症検査をする前に、今のお母様の状況を聞いてみるのも良いかもしれませんね。 そうですね。父のケアマネジャーさんなら、遠方に暮らす私よりも母の様子をわかっているかもしれません。 介護サービスを使う お母様が認知症とわかってからも在宅介護を継続する場合、お母様も介護サービスを使いながらの生活することをおすすめします。 確かに。今は父がデイサービスを利用していますが、母も通った方が良いんですかね。 それは良いですね。認知症の方がお一人になるのはとても危険です。ご両親で同じデイサービスに通えれば、小沢さんも安心ですよね。認知症のリハビリにもなりますし。また、以下の在宅介護サービスもおすすめです。 訪問介護 ショートステイ 訪問介護は、以前利用していました。ヘルパーさんが家に来てくれて、料理や介助などをしてくれるんですよね。 仰るとおりです!その次のショートステイは、介護施設に短期間の宿泊ができるサービス。宿泊している間の食事、入浴などはすべて施設にお任せできます。お父様とお母様がご自宅で2人で暮らすのが難しい状況になったら、ショートステイを取り入れるのも良いですよ。 家族が同居する 認認介護の状態は危険なので、同居してご家族が介護するのが安心です。もちろん、同居するご家族の負担が大きいですし、同居することで環境が変化して認知症が進行する恐れもあります。ただ、認知症のご両親を2人きりにしておくのは危険なので、有効な対策のひとつではあります。 やっぱり同居も考えないとですよね…。私も妻も仕事をしているので、介護ができるかどうか…。 ご家族が同居することについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 老人ホームに入る ご実家でご両親の二人暮らしも、ご家族の同居も難しい…となると、老人ホームに入るのが安心です。当然ながら、介護のプロがケアをしてくれますので、ご両親は安心・安全な生活ができるでしょう。 母がしっかりしていたときは、老人ホームのことなんて考えたこともありませんでしたが…。やっぱり老人ホームに入れた方が良いのかな。 認知症の人が認知症の人を介護するリスクは? 北野室長は「認認介護は危険」と、さっき言っていましたよね。具体的にはどんな危険があるんでしょうか?心構えをしておきたくて。 さまざまな危険があります。主には以下のようなことです。 介護に必要な時間が増える 社会とのつながりを失う 生活全般の管理が困難になる 緊急時に対応できなくなる 虐待・殺傷事件につながる可能性がある 介護に必要な時間が増える 認知症の方が介護をすることで、介護に必要な時間が増え、心身の負担が増えることが考えられます。介護をするには、段取りや手順、介護用品の使い方など考えないといけないことがたくさんありますよね。でも、認知症の影響で段取りを考えたり、道具の使い方を思い出すことは苦手になります。となると、以前よりも介護に時間がかかるようになりますよね。それによって介護を受ける方とする方のどちらの負担も大きくなることが考えられます。 母だけでなくて、父の負担も増えるんですね。 社会とのつながりを失う 「社会とのつながりを失う」とは、どういうことでしょうか? 具体的には、ご近所さんなどの地域とのつながりがなくなってしまうケースがあります。認知症の影響で会話のキャッチボールが難しくなり、会話ができなくなると自然とご近所さんとのつながりも薄くなってしまいます。 それは確かに…。 それに、先ほどお話ししたように介護に時間を取られるようになりますから、外出する時間も作れなくなってしまうんです。 生活の管理が困難になる 認知症になると、生活に関わるさまざまなものの管理が難しくなります。例えば、薬の管理。薬の飲み忘れはもちろん、お父様の薬をお母様が飲んでしまうなど、命に関わる危険性があります。 認知症になると、どれが自分の薬なのかわからなくなってしまいますもんね。間違った薬を飲むのは、本当に危険ですね…。 また、お金の管理も難しくなります。公共料金などのお金の支払いもできなくなる可能性がありますし、詐欺や悪徳業者の被害にあう危険性もあります。 それは、私も心配しています。最近、高齢者が詐欺の被害にあうニュースをよく見かけるので…。 緊急時に対応できなくなる 認認介護の場合、万が一、どちらかが急に倒れても対応ができない可能性が高いです。認知症が進行すると、どのように対応したら良いのかがわからず、パニックになるかもしれません。また、倒れた方も自分の異変を上手く伝えられない可能性も…。そのため、命に関わる状態でも救急車を呼べずに、最悪の結果になってしまいかねません。 そんな!でも、今までは二人とも元気にいてくれていたから良かったものの、高齢になったら何があるかわからないですもんね…。 虐待・殺傷事件につながる可能性がある これは、かなりお伝えしにくいことなのですが…。認認介護が続いた結果、虐待や殺傷事件に発展してしまったケースがあるんです。 えぇ!?どうしてですか! 例えば、介護を受けている方が認知症の影響でよく理解しておらず、介助を拒否したとします。でも、介助をしている方も認知症なので、どうして拒否するのか、どうしたら良いのかわからない。そして、理不尽な出来事に怒り、怒りのままにご家族を殴ったり殺害してしまったケースがあるんです。 そんなことが…。 認知症の影響で、感情のコントロールができなくなると言われています。なので、通常であれば抑えられるはずの怒りがコントロールできず、衝動のままに行動してしまうんですね。特に認知症の方がお二人だけで暮らしていると、仲裁をする人がいないので、虐待や殺傷事件につながりやすいと言われています。 つまり、うちの両親にもありえる話なんですね…。認認介護ってそんなに危険だったんだ…。 認知症の人が入れる施設は? 北野室長の話を聞いていたら、老人ホームに入居するのを本格的に検討しないといけないように思いました。ただ、老人ホームのことがよくわからず…。両親が入れるのはどんな施設なんでしょうか? 認知症の方におすすめするのは、次の施設ですね。 有料老人ホーム グループホーム 特別養護老人ホーム 有料老人ホーム 有料老人ホームは、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。2種類のどちらの有料老人ホームでも、夫婦部屋を用意している施設がありますよ。住宅型有料老人ホームは、利用する介護サービスを自由に選択できる施設。自分が選択した外部の介護事業所と契約をして介護サービスを受けるので、必要な分だけ利用できるのが特徴です。 へぇー、介護サービスを自分で選べる施設があるんですね。 対象的に、介護付き有料老人ホームでは介護サービスをすべて施設のスタッフさんが提供しています。そして、介護サービス費用は定額制なので、どれだけサービスを使っても据え置き。介護サービス費は介護度ごとに設定されているのが特徴です。介護スタッフが24時間常駐、看護師は日中に常駐しているので、夜間に介護が必要な方や医療サポートが必要な方も受け入れているところは多いですよ。 父は夜もトイレの介助が必要です。それなら、介護付き有料老人ホームの方が良いのかな。 グループホーム グループホームは、認知症の方だけが入居できる施設。少人数のユニットごとに生活をしているのが特徴です。ユニットは最大9名と決められており、人の顔などの物事を覚えるのが苦手な認知症の方に配慮した造り。スタッフさんも認知症ケアに慣れているので、より安心して暮らせるでしょう。ただ、グループホームには夫婦部屋はありません。同じ施設に入る場合は、1人部屋でそれぞれ入居することになります。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が入居できる施設。料金が安いうえに終身利用ができるため、とても人気の施設です。もちろん、認知症の方も入居できます。ただ、夫婦部屋を持つ特別養護老人ホームはなく、同じ施設に入れるとしても入居時期はバラバラになると考えておいてください。 なぜバラバラのタイミングで入居することになるんですか? 特別養護老人ホームの入居の順番は、緊急度によって施設に決められるからです。身体状況や生活環境、介護者の状況などによって、入居順が決定されます。この入居順はお一人おひとり判断されるので、ご夫婦だからといって同時に入居はできないんです。 そうなんですね…。安いのなら、特別養護老人ホームに入れようかと思ったのですが、そう簡単にはいかなさそうです。 ちなみに、ご夫婦が同じ老人ホームに入らないといけないわけではありませんし、同時に入る必要もありません。より状態が進行しているお父様だけ老人ホームに入居して、お母様はしばらく小沢さんご家族と同居する、という方法もあります。そういったアドバイスもできますので、施設探しに困った際は「いい介護 入居相談室」にご相談くださいね。 認知症の人が認知症の人を介護することを「認認介護」と言う 家族が同居する、老人ホームに入るなどで認認介護を乗り切ろう 認認介護を続けると、共倒れ、殺傷事件につながるなどの恐れがある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/09/29

認知症 施設入居 介護疲れ

認知症の親を介護施設に入れようとしたら「親不孝者!」と親戚が猛反対。施設に入居させるのはいけないことですか?

親を介護施設に入れるのは親不孝ですか? 父の認知症がひどくて、常に目が離せない状態です。父は週6回、デイサービスに通っていますが、デイサービスのない日曜日やデイサービス以外の時間は、家族の誰かが付き添わないといけません。 家事に介護に仕事に…もう疲れました。なので、介護施設に入れようと思ったら親族に「親不孝者!」と言われてしまい…。もうどうして良いかわかりません。 (桑原さん・パート・64歳) 親御さんを介護施設に入れるのは、まったく親不孝なことではありませんよ!在宅介護はとても大変です。しんどいと感じても、そのまま頑張りすぎてしまうと、介護離職や介護うつになりかねません。なので、認知症の方を受け入れているグループホームや有料老人ホームなどの介護施設に入居するのは、桑原さんのためでありお父様のためにもなりますよ。 認知症の親を介護施設に入れるのは親不孝? 父の認知症がひどくなって、怒鳴り散らしたり、廊下などでおしっこをしてしまったり、目を離せなくなってしまいました。週6回デイサービスに通っているものの、デイサービス以外の時間やデイサービスのない日は常に家族の誰かが付き添っていないといけない状態です。仕事も家事も介護も…となると、もう限界。でも、父を介護施設に入れようと思ったら、親族に「親の介護は子どもの役目だろう、親不孝者!」と言われてしまって…。介護施設に入れるのは親不孝なのでしょうか? そんなことはありません!!在宅介護はとても大変なことです。認知症の方の介護は、特に大変なことでしょう。介護を支えている介護保険制度は、ご家族だけでなく社会でご高齢者を支援するために生まれました。今、利用されているデイサービスと同じように、介護施設に入居することも介護サービスのひとつですから、罪悪感を持たなくて良いんですよ。 そうなんですかね…。 桑原さんは「すべて自分がやらないと」と思っているかもしれませんが、介護は誰かの助けを借りたり、介護サービスを使いながらするものです。お父様が安心して生活するためにも、積極的に介護サービスを活用していきましょう! 入居後は頻繁に面会に行こう もしお父様が介護施設に入居したら、頻繁に面会に行きましょう。面会時におしゃべりや散歩、外食など、一緒に過ごす時間を意識して作ると良いでしょう。 それはどうしてですか? 今まで同居されていた親御さんが介護施設に入ると、一緒に過ごす時間が途端に減りますよね。家事や介護や仕事で精一杯な状況だと、一緒の時間を楽しむ余裕がないですが、施設に入って余裕ができることで一緒に過ごす時間を楽しめると思いますよ。適度な距離ができて一緒の時間が少なくなったからこそ、その時間を大切に感じられるようになると思いますよ。 「介護がしんどい」をそのままにしておくと…? うーん…。デイサービスを使えば、まだ自宅で介護を続けられそうですし、もう少しがんばろうかなとも思うんですが…。 桑原さんが無理をしていないのであれば、それでも良いと思います。ただ、無理をして介護を続けるのであれば、「介護離職」や「介護うつ」になってしまわないかが心配なんです。 介護離職と介護うつ、ですか? それぞれについて、詳しくお話ししますね。 介護離職 介護離職とは、介護が理由で仕事を辞めることです。当然ながら、収入が減って経済的に苦しくなりますし、おすすめはできません。 でも、仕事を辞めたら介護に集中できますし、時間に余裕ができそうですが…。現に私はパートの時間を短くしてもらっています。 確かに、仕事をしていた時間を介護や家事に回せるので、余裕ができるように思うかもしれません。でも、以下のように、「介護離職をしても負担が減るわけではない」という調査結果が出ているんです。 出典:「分科会B:介護~仕事と介護の両立 社員や企業が地域社会とつながることの可能性~」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング) 経済面の負担だけでなくて、精神面での負担も増している人が多いんですね!なぜでしょうか。 おそらく、仕事を辞めたことで生活が”介護一色”になってしまい、精神的な負担が大きくなったんでしょう。仕事を辞めると家庭の外との交流が一気に減りますから、気持ちの切り替えができずに、追い詰められてしまう可能性もあります。 私も離職を考えていましたが…仕事は辞めない方が良いんですね。 介護離職については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 介護うつ 介護うつとは、介護が原因でうつ状態になることです。介護をする人は心身ともに疲労が溜まりやすいうえに、介護を受ける人のことを優先してしまいがちなので、うつになりやすいんです。 うつ病ですか…。確かに介護で常に疲労が溜まっていますが、どんな状態だと介護うつだと言えるのでしょうか? 例えば、以下の中に思い当たるものがあれば、介護うつになっているかもしれないので、受診をおすすめします。 食欲がない 急に体重が減った 疲れているのに眠れない 何をするにも気力が湧かない 慢性的に頭痛や肩こりがある 常に気持ちが焦っている ネガティブ思考になりがち 食欲がなかったり、慢性的な頭痛や肩こりはありますね…。たまに眠れないときもあります。 もしかしたら、介護うつの状態かもしれません。まずは桑原さんの体調を優先して、病院へ行きましょう。介護疲れに関しては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 認知症の人が入れる施設 北野室長の話を聞いていたら、やっぱり介護施設に父を入れた方が良いような気がしてきました…。在宅介護はこれ以上続けるのは難しいかもしれません。認知症の父でも入れる施設ってどんなところなんでしょうか? 施設入居について具体的に考えていただけて良かったです!認知症の方を受け入れている介護施設は、主に以下のようなものです。 グループホーム 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム グループホーム グループホームは、認知症の方だけが入居できる施設。認知症の方の特性を理解したケアを提供しています。例えば、ユニットと呼ばれる最大9名の少人数単位で共同生活しており、認知症の影響で新しいことを覚えるのが苦手になった方でも、顔を覚えやすいように配慮されています。 共同生活ですか。父にできるかなぁ。 掃除や食事の準備などをご入居者がおこないますが、スタッフがサポートしながらなので問題ないと思いますよ。 有料老人ホーム 有料老人ホームも、認知症の方が入居できる施設のひとつです。有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」があります。介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐、看護師も日中常駐しています。そのため、夜間帯にトイレ介助やオムツ交換が必要な場合や、持病などで健康面で不安がある方も入居可能です。もちろん、介護が十分配置されているので、認知症の方のケア体制もしっかりしていますし、終身利用が可能です。 父は高血圧なので、看護師さんがいるのは嬉しいですね。それに、トイレの誘導をしないとトイレまで行けないので、夜中も介護が必要なんですよね…。もうひとつの住宅型有料老人ホームは、どんな施設ですか? 住宅型有料老人ホームは、利用できる介護サービスを自由に選べるのが特徴の施設。介護付き有料老人ホームが、施設に常駐しているスタッフが介護サービスを提供するのに対して、住宅型有料老人ホームでは、外部の介護事業者と契約をすることでサービスを受けられます。そのため、住宅型有料老人ホームではデイサービスや訪問介護などをご自分で選択し、自由に組み合わせて介護サービスを受けられるんですね。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が入居できる公的な介護施設です。民間の介護施設よりも安価で終身利用ができるため、とても人気の施設です。24時間の介護スタッフ常駐、日中の看護師の常駐など、しっかりした介護体制があります。認知症の方や寝たきりの方を介護をした実績も多数あるので、安心してお父様を任せられるでしょう。 安いのは助かります。それに、やっぱり最期まで介護してくれるところが良いですね。北野室長が教えてくれた施設を中心に、探してみようと思います。 介護施設はいろんなものがあって迷うことが多いと思います。もし、施設探しでお困りのことがあったら「いい介護 入居相談室」までお気軽にご相談くださいね。 親を介護施設に入れることは親不孝なことではない! 介護疲れをそのままにしておくと、介護離職・介護うつのリスク大 認知症の人が入れる施設には、グループホーム、特別養護老人ホームなどがある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/09/28

認知症 施設入居 老人ホームの暮らし

認知症の母親へのプレゼントはどうしたら良い?介護施設の母に誕生日プレゼントをあげたいです

認知症の母親へのプレゼントにおすすめのものはありますか? 数ヵ月前に老人ホームに入った母親に、誕生日プレゼントを贈りたいと思っています。ただ、認知症が進行していることや老人ホームに住んでいることで、贈ってはいけないものがあるのでは、と気になっています。 (八木さん・会社員・58歳) すてきですね!でしたら、ご家族や思い出の写真、お母様の好きなお菓子などをプレゼントするのはどうでしょうか?ただ、注意しておきたいのが、お母様の身体状況や飲んでいる薬などによって食べられないものがあるかもしれないことです。それに、認知症の方にプレゼントを贈ってもそれが自分のものと認識できないことがあり、それが不安の原因になってしまうこともあります。 認知症の親におすすめのプレゼントは? 数ヵ月前に老人ホームに入った認知症の母に、誕生日プレゼントを贈りたいと思っています。認知症の人へのプレゼントにおすすめのものはありますか? 誕生日プレゼントですか!すてきですね!例えば、次のようなものはどうでしょうか? 家族の写真 好きなお菓子 塗り絵 クロスワードパズル ご家族や思い出の写真を写真立てに入れてプレゼントするのもおすすめです。昔のことを思い出すのは、「回想法」と言って、認知症の方のリハビリとしても取り入れられています。写真を見ながら、昔の思い出をお母様にお話ししてもらうのも良いと思いますよ。また、認知症が軽度の方や、認知症の一歩手前の軽度認知障害の方になら塗り絵やクロスワードパズルなどの脳トレグッズをプレゼントしても良いかもしれませんね。 うーん、母は認知症が進んでしまったので、脳トレグッズは使えないかもしれないです。でも、昔の写真は良いですね!考えてみます。 また、”モノ”のプレゼントだけでなく、”コト”のプレゼントもおすすめです。 ”コト”のプレゼントですか?どういうことですか? つまりは、一緒に過ごす時間を作るということです。認知症になると、直近の出来事の記憶がなくなりますが、感情の記憶は覚えていると言われています。そのため、一緒に外食したり旅行に行ったり、散歩や買い物に出かける時間をプレゼントするのもおすすめです。老人ホームに入って一緒に過ごす時間が短くなっているので、プレゼントにぴったりだと思いますよ。 一緒に過ごす時間かぁ。気にしたことがなかったです。それも良いかもしれません。 認知症の親へのプレゼントで注意したいこと 母の認知症が進行してしまっているんですが、プレゼントするのに気をつけることはありますか? 認知症ということだけではなく、ご高齢ということや老人ホームに入居されている点でも、気をつけることがあります。特に以下のものは、プレゼントすると迷惑になってしまうことがあります。 においの強いもの 生きた植物 壊れやすいもの 確かに、老人ホームで生活している人ににおいが強いものや壊れやすいものをプレゼントしたら、他の人の迷惑になったり、怪我をしたりしてしまいそうですよね。でも、生きた植物が迷惑になるのはどうしてですか? 生きた植物、例えば、生花の花束や植木鉢などは、受け取った方が世話をできない場合、スタッフさんの負担になってしまうことがあるからです。なので、お花を贈る場合は、世話をしなくても良い造花のお花にすると喜ばれるでしょう。 プレゼントが混乱の原因になることも 認知症の方の場合、置物や飾り物などのプレゼントが、混乱の原因になることがある点は頭に入れておいてください。 え?どういうことですか? 認知症の方は直近の記憶から忘れてしまいます。なのでプレゼントをもらっても、もらったことを忘れてしまうかもしれません。そして、認知症の方は見慣れないものがあると、「見慣れないものがある。誰のだろう?」と不安を感じることがあり、それが混乱の原因になってしまうことがあるんです。 認知症だからあげても忘れてしまうかも、とは思っていたのですが…。混乱させてしまうこともあるんですね。 また、自分へのプレゼントということを忘れてしまって、捨ててしまう可能性もあります。捨てられているのを見たら、プレゼントした方も悲しくなりますよね。もしかしたら、食べ物や日用品などの消耗品の方が、認知症の方へのプレゼントには向いているかもしれません。 食べ物を贈るときの注意点 食べ物をプレゼントする場合も注意が必要です。 食べ物は喜ばれそうですが…なぜですか? ご高齢者の場合、噛んだり飲み込んだりする力が低下していることが多いです。そのため、固いものや噛み切りにくいものは食べられないためNG。老人ホームに入居後に噛んだり飲み込んだりする機能に変化がないか、事前に施設に問い合わせておきましょう。また、飲んでいる薬によっては食べられないものがあります。「老人ホームに入居している間に飲んでいる薬が変わっていないか」「食べてはいけないものがあるか」をプレゼントする前に確認しておいてくださいね。 薬によって食べられないものがあるんですね!知らなかったです。 あと、賞味期限が短いものも避けた方が良いでしょう。多くの老人ホームで食事が出ますし、ご高齢者は食が細くなっていることから食べきれない可能性があります。お菓子の詰め合わせなどをプレゼントするときは、賞味期限が長いものを選んでくださいね。 お菓子もプレゼントの候補に入れていました。賞味期限に要注意ですね。 老人ホームの親に宅配便でプレゼントする場合 仕事のため、誕生日当日には母に会いに行けそうにありません。なので、宅配便でプレゼントを送ろうと思っているのですが、注意しておくことはありますか? まず、気をつけたいのが宛名です。老人ホームは、1つの建物にたくさんの人が暮らしているので、宛名を正確に書くことが大切です。以下のことに気をつけましょう。 施設名を正式名称で書く 宛名をフルネームで書く 大規模施設の場合、階数や部屋番号を書く また、念のため、宅配便でプレゼントを送ることを施設に連絡を入れておきましょう。介護が必要な方の場合、ご自分でダンボールや包装紙を開けられないことが多いですから、施設のスタッフさんに開けてもらって、ご本人に手渡してもらうようにお願いしておくと、スムーズに対応してくれるでしょう。 老人ホームの親に直接プレゼントする場合 もし、老人ホームを訪ねてご本人に直接プレゼントする場合、面会は15~17時の時間帯がおすすめです。 15~17時ですか。何か理由があるんですか? 15~17時の時間帯は、多くの施設で自由時間としていることが多いからです。夕食までの時間で近所を散歩したり買い物に出たりしやすい時間でもあるので、面会にピッタリなんです。反対に、一緒に外食に出かけたい場合は10~11時に老人ホームを訪ねると良いでしょう。ドライブして昼食を摂って、買い物などをして午後に帰ってくる…というお出かけがしやすいからです。外食をする場合は、数日前には老人ホームに連絡して昼食を止めるようにお願いしてくださいね。 お昼を一緒に食べに出かけるのも良いですね!次はそうしようかな。 家族の写真、好きなお菓子などが認知症の人へのプレゼントにおすすめ ”モノ”だけでなく、一緒の時間を作る”コト”のプレゼントもおすすめ もらったものが自分のものと認識できずに不安の種になる可能性も… pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/09/27

施設入居 在宅介護 特別養護老人ホーム

老人ホームの入居待ち期間をどう乗り切れば良いですか?もうこれ以上、在宅介護は続けられません!

老人ホームに入居の申し込みをしたのですが、満室で入れないと言われてしまいました…。しかも、入居待ちをしているのは900人と言われ、どうしたら良いのか…。 最近、実家で一人暮らしの母の認知症が悪化して、1人で出かけて家に帰れなくなってことがありました。それ以来、帰省する回数を増やしたりしてできるだけ母を1人にしないようにしているのですが…。私も仕事をしているので限界を感じています。 900人待ちとなると、どれだけ時間がかかるのか…。入居待ちの間、どうやって介護をしていけば良いんでしょうか? (杉浦さん・会社員・61歳) 入居の申し込みをしたのは、特別養護老人ホームでしょうか?特別養護老人ホームは入居の待ち期間が長くなる傾向があるので、申し込み後も介護を続けられる体制を作ることが大切です。入居待ち期間は、「在宅介護をする」「ショートステイを利用する」「民間施設に入居する」といった方法で乗り切りましょう。また、特養の場合、入居の申込み書類に具体的に入居申込理由を詳しく書くことで、入居待ち期間が短くなることも。特養は必要性が高い人から入所できるので、入所の必要性をしっかり伝えましょう。 老人ホームの入居待ち期間はどう過ごす? 一人暮らしの母が入る老人ホームを探しています。でも、近所の老人ホームに入所申し込みをしたら900人も入所待ちをしていると言われてしまいました。900人待ちなんて、入所がいつになるのか…。母の認知症が進行してしまって、先日は迷子になって警察に保護されました。なので、できるだけ母を1人にさせないように頻繁に帰省しているのですが、仕事もありますし、厳しい状況です。老人ホームに入れるまで、どうやって介護をしていけば良いのでしょうか? 900人待ちですか!申し込みしたのは、特別養護老人ホームですか? そうです。 特別養護老人ホームは、老人ホームのなかでも入所待ち期間が長い施設なんです。そのため、入所できるまでの介護体制についても考えておくことが大切です。 入所できるまでは、どうやって介護していけば良いんですか? 主に次の3つのパターンが考えられます。 在宅介護をする ショートステイを利用する 民間施設に入居する 在宅介護をする まずは、在宅介護を継続する方法です。在宅介護サービスを活用しつつ、できるだけ負担の少ない形で介護を続けていきましょう。具体的には、デイサービスや訪問介護を利用して、お母様が1人になる時間を減らすこと。入所待ち期間がどれだけかかるのかわかりませんから、杉浦さんに負担がかからない体制を作っていきましょう。 うーん。といっても、在宅介護をするなら私が実家に通わないと成り立たないんですよね。今も仕事の時間を短くしてもらっているのに、これ以上、仕事の時間を減らすことはできないですね…。 なるほど…。でしたら、他の方法も考えてみましょう! ショートステイを利用する 在宅介護を継続するのでも、ショートステイを積極的に活用することで介護の負担を大幅に減らせます。 ショートステイですか…。使ったことはないんですよね。 ショートステイは1日から利用できて、連続で最大30日間、介護施設に宿泊できます。泊まっている間の食事や入浴、排泄などのケアはすべて施設が対応してくれるので、杉浦さんの介護の負担はかなり減るでしょう。 30日も宿泊できるんですか!それはかなり助かるかも…。 ただ、30日泊まったら、最低でも1日は自宅で過ごさないといけません。ショートステイに30日泊まって、1日自宅に戻る、というのを繰り返して、老人ホームの入居待ちを乗り切っている方も意外といるんです。この方法を「ロングショート」「ショートのロング」と呼んだりします。 確かに、母を実家で1人にしておけないですし…。ショートステイを活用するのも良いのかもしれないですね。 他の老人ホームに入居する 希望の施設が入居待ちですぐに入れない場合、別の老人ホームに入って順番待ちをする方法もあります。 入居待ちをしているのに、他の老人ホームに入居しても良いんですか? はい。まったく問題ありません!特に、特別養護老人ホームの入所待ちが必要で在宅介護が難しい場合、待機期間だけ有料老人ホームなどの民間施設に入居するケースは珍しくありません。 でも、「特別養護老人ホームの入所待ちの間だけ入居させてください」って言うのは、施設さんに申し訳ない気が…。 そんなことはないですよ。そういった要望は多いので、民間施設のスタッフも慣れているので大丈夫ですよ! 老人ホームの入居待ち期間はどれくらい? 申し込みをした特別養護老人ホームに、入所を待っている人が900人と言われましたが、どれくらい待たないといけないんでしょうか? うーん。こればかりはまったくわかりませんね…。特別養護老人ホームの入所待ち期間は2~3年ほどとも言われますが、順番は入所の緊急性に基づいて決められているので、参考程度にしかなりませんね。 入所の緊急性ですか? 特別養護老人ホームの場合、「入所判定基準」に沿って入所の優先度が判断されます。これは、ご本人の生活状況や介護者の状況、介護サービスの利用状況などをもとに、点数化されるもの。点数が高い人から入所できます。入所判定基準は、市区町村によって定められています。例えば、以下の北九州市の入所判定基準は「本人の状況」「介護者の状況」「個別評価」の3つの項目で判定されます。 本人の状況 項目 配点 説明 要介護度 要介護1 20点 申し込み時の要介護認定が1である場合 要介護2 40点 申し込み時の要介護認定が2である場合 要介護3 60点 申し込み時の要介護認定が3である場合 要介護4 80点 申し込み時の要介護認定が4である場合 要介護5 100点 申し込み時の要介護認定が5である場合 特別な状況 排泄 10点 介護者が、オムツや尿とりパットの交換などの介助を要する場合に限る 摂食 10点 食事中に介助を要する場合に限る 徘徊 15点 当てもないのに外へ出かけてしまう、自宅や施設などでひっきりなしに歩き回ったりする行動がある場合に限る 暴力などの問題行動 15点 介護者が話しかけたり、介護をおこなう際に、手で払いのける、足で蹴る、たたくなど、介護の支障となる行動を取る場合に限る 非該当 0点 上記の特別な事情のいずれにも該当しない場合 参考:「入所判定基準」(北九州市) 介護者の状況 項目 配点 説明 身寄りなどの有無 身寄りなし 80点 同居・別居を問わず、身寄り(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいない場合に限る 実質的な介護者なし 70点 同居の介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合は、その者が要介護3以上であること。また、同居の介護者がいない場合は、その者が県外であるか、要介護3以上の場合に限る 状況 独居 20点 県内に介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合で、本人が一人暮らしをおこなっている場合に限る。世帯分離は対象外。 介護者が高齢または持病 20点 主たる介護者が70歳以上の高齢である場合や、障害者(障害者手帳等を有するもの)、病気療養中の者(軽度の者は除く)である場合。もしくは主たる介護者が県内で北九州市に隣接しない市町村に在住する場合に限る 介護者が就労・複数介護・育児 20点 主たる介護者が週に20時間以上就労している場合(非正規雇用等も含む)や、複数介護、就学前の育児をおこなっている場合に限る 非該当 0点 上記の介護者の状況のいずれにも該当しない場合 参考:「入所判定基準」(北九州市) 個別評価 項目 配点 説明 待機場所 在宅 50点 在宅で生活をしている場合。短期入所生活介護等の入所サービスを受けている場合も含む 病院 30点 病院に入院している場合 軽費老人ホーム・ケアハウスなど 20点 軽費老人ホーム、ケアハウス(一般)、有料老人ホーム(住宅型)などに入所している場合 養護老人ホーム・グループホーム・老健・療養型病床 10点 養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、療養型病床、介護保険適用外施設などに入所している場合 特別養護老人ホーム・特定施設入居者生活介護 0点 特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、ケアハウス(介護型)などに入所している場合 特殊事情 特殊事情 10点 待機場所が特養の場合で、ユニットから多床室、多床室からへのベッド移動、または施設移動を希望するやむを得ない事情がある場合 非該当 0点 上記の事情がない場合 住環境 住環境が不適応 15点 住む家がない場合、もしくは、屋外の環境により適応できない場合 例えば、エレベータのない住宅で2階以上の階に住んでおり、車椅 子を使用している方など 非該当 0点 上記の住環境のいずれにも該当しない場合 待機期間 1年以上の待機 10点 要介護3以上で、入所待機期間が 1年以上の場合 非該当 0点 上記の待機期間に該当しない場合 参考:「入所判定基準」(北九州市) へぇー、こんな厳密に設定されているんですね。 ちなみに、民間施設の入居の順番は、基本的には申し込み順です。民間施設であれば、特別養護老人ホームよりも入居待ちの人数は少ないので、比較的に早く入居できるでしょう。特別養護老人ホームの待機者数については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 特養の入居待ち期間を短くする方法は? 入所までに2~3年も待たないといけないかもしれないなんて…。入所待ちの期間を短くすることはできないですよね? 必ず入所待ち期間を短くできると断言はできませんが、以下の方法で多少は短くできるかもしれません。 申し込み理由欄を詳しく書く 施設に報告をする 複数の特養施設に申込みをする 介護サービスを積極的に利用する 仕事をする 申し込み理由欄を詳しく書く 先ほどお話しした通り、特別養護老人ホームの場合は入所の順番が緊急度によって決められます。そのため、入所申込書の申し込み理由欄に詳しく記入することで、緊急度が上がる可能性があります。 申し込み理由欄…そういえば、書類にあったような気がします。それに何を書けば良いんですか? 主には「在宅介護が難しい理由」です。その他にも介護しているご家族がいかに困っているのか、を書くと特別養護老人ホームに入る必要性を伝えられるでしょう。意外と申し込み理由欄を簡潔に書いてしまう方が多いのですが、丁寧に詳細に書くことで入所の順番を早められることがあります。 施設に報告をする お母様の状態やご家族の状況が変わったら、申し込みをしている施設にその都度、報告しましょう。入所待ちをしている間に、認知症が進行したり身体機能が低下したりと、より介護が大変になっていくことが考えられます。そのため、状況が変わったら施設にその都度、報告をすることで入居順が早くなる可能性があります。 複数の介護施設に申込みをする 入所の申し込みをするときは、複数の施設に申し込みをしましょう。 えっ!?そんなことをして良いんですか? 大丈夫ですよ!実際に複数の施設に申し込みをしている方は結構いらっしゃいます。複数の施設に申し込むことで、早く順番が回ってきた施設から入所できますから。また、特別養護老人ホームのなかでも「ユニット型」という種類は比較的に入所待ち期間が短くなる傾向があるのでおすすめです。 どうして、ユニット型は入所待ち期間が短くなるんですか? ユニット型は、多床室や個室タイプに比べて費用が数万円ほど高いからです。反対に、多床室などの安い施設の方が入所希望が多いので、入居待ち期間が長くなりやすいですね。 入居待ち期間が短くなる代わりに費用が高くなるんですね。悩みますね…。 でしたら、地域を広げて施設探しをするのがおすすめです。都市部の方が入所の待機者数が多くなる傾向がありますから、待機者数が少ないエリアの特別養護老人ホームにも申し込みしておきましょう。 介護サービスを積極的に利用する 介護サービスを積極的に利用するのも、入所待ち期間を短くする方法のひとつです。特に入所申し込みをしている特別養護老人ホームが、ショートステイやデイサービスなども提供している場合、利用することでより入所待ち期間を短くできることがあります。 どうして、入所待ちしている特別養護老人ホームの介護サービスを使うと、入所待ち期間が短くなるんですか? というのも、特別養護老人ホームのスタッフさんにお母様の状況を随時、把握してもらえるからです。先ほどもお話しした通り、施設側にお母様の状況を把握してもらうことで入所の優先順位を上げてもらえることがあるからです。また、介護サービスを頻繁に利用しているということは、家族だけでは介護ができない状況ということ。介護が大変な状況であることをアピールする材料にもなります。 仕事をする 特別養護老人ホームの入所順を早めるために、介護をしている方が仕事をしたり仕事を増やしたりするのも良いでしょう。 つまり、私が仕事を増やす、ということですか?介護のために、仕事を時短勤務に変えてもらったのに…。フルタイムに戻したら、介護ができないですよ。 在宅介護が難しいことを、施設にアピールするんです。先ほどお伝えした入所判定基準にも、介護している人の就労状況が考慮されています。なので、杉浦さんが仕事を増やすことで、さらに入所の緊急性を上げられるでしょう。もちろん、無理に勤務時間を延ばして、杉浦さんが体調を崩したら元も子もありません。無理にならない程度に調整してくださいね。 入居待ち期間は、特養で2~3年、有料老人ホームは待機人数によって大きく異なる 在宅介護を継続、ショートステイの利用、民間施設に入居などで入居待ち期間を乗り切って 複数施設に申し込む、申込み理由欄を詳しく書く、などで特養の入居待ち期間が短くなることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/09/25

施設入居 リハビリ

有料老人ホームのリハビリはどんな内容ですか?歩けなくなった父親はリハビリで歩けるようになりますか?

父が肺炎で入院し、以前のようには歩けなくなってしまいました。病院でのリハビリで歩行器を使えば歩ける程度には回復したのですが、もっと歩けるようになれば、と思っています。 なので、老人ホームに入居してからもリハビリを続けさせたいです。有料老人ホームへの入居を検討していますが、どんな内容のリハビリができるのでしょうか? (沢田さん・会社員・63歳) 有料老人ホームでは、歩行や立ち上がりなどの基本動作の訓練や、手芸や木工などの作業をするリハビリがおこなわれています。ただ、リハビリの内容は施設に常駐しているリハビリ専門職によって異なるので事前に確認をしましょう。また、有料老人ホームでのリハビリは病院とは異なり、機能維持を目的としていることがほとんど。残念ながらリハビリの頻度が減ることが多いので、病院のように機能回復が見込めないと考えておいてください。 有料老人ホームのリハビリの内容は? 先日、父が肺炎で入院しました。入院期間が長かったせいか、以前のようには歩けなくなってしまって…。その後、リハビリ病院に転院してリハビリをしているおかげで、歩行器を使えば多少は歩けるようになりました。歩行器なしでも歩けるようになるため、継続してリハビリをさせたいのですが、リハビリ病院ももうすぐ退院しないといけません。なので、有料老人ホームに入居して、リハビリを受けさせたいと思っています。有料老人ホームのリハビリは、どんな内容なのでしょうか? 入院したことで途端に歩けなくなるのは、ご高齢者にとても多いケースですね。ご質問は、有料老人ホームのリハビリの内容についてでしたね。実は、リハビリの内容は老人ホームに常駐しているリハビリ専門職の職種によって異なるんです。具体的にお話ししますね。 リハビリ専門職の職種によって内容が異なる 有料老人ホームに常駐するリハビリ専門職は、主に以下の職種の人たちです。 理学療法士(PT) 作業療法士(OT) 言語聴覚士(ST) 職種によって対応できるリハビリ内容が異なります。どんなリハビリがしたいのかをはっきりさせたうえで、対応できるリハビリ専門職のいる有料老人ホームを探しましょう。 理学療法士 理学療法士がおこなうリハビリは、「座る」「立つ」「歩く」といった基本的な動作の機能に関わるもの。椅子から立ったり座ったり、歩行器などを使って歩く訓練をします。そのほかに、マッサージによって体の動きを良くしたり、痛みの緩和などもおこないます。 父に歩く訓練をしてほしいので、理学療法士がいる施設が良いかもしれないですね。 作業療法士 作業療法士は、食事や着替えなどの日常的な動作に関わるリハビリをおこないます。理学療法士によるリハビリよりも複雑な動作の訓練をします。リハビリとして、手芸や木工といったレクリエーションをおこなうことも。理学療法士によるリハビリよりも細かな作業の訓練が多いのが特徴です。 言語聴覚士 言語聴覚士によるリハビリは、言葉や食べることに関わるものです。例えば、言語障害で話すのが難しい方に会話の訓練をしたり、飲み込む力が低下した方に飲み込みの訓練をします。特に加齢によって、噛んだり飲み込む力が低下するため、有料老人ホームなどの介護施設では飲み込む力を維持するリハビリを主におこなっています。 日常的におこなう「生活リハビリ」もある 有料老人ホームでは、リハビリ専門職によるリハビリのほかにも日常的におこなっているリハビリがあります。それが生活リハビリです。 「生活リハビリ」?どんなものですか? 生活リハビリでは、生活するうえですべての動作をリハビリと捉え、できるだけご本人の力で生活することを目的としています。具体的には、ベッドから体を起こしたり椅子から立ち上がったり、掃除などの家事もリハビリと考えるんです。 そんな簡単なことがリハビリになるんですか? もちろんです!若いうちは、立ち上がったり歩いたり、家事をすることは、何気ない動作かもしれません。が、介護が必要なご高齢者にとっては一つひとつの動作が大変なことなんです。だからといって、周囲が必要以上に介助してしまうと機能が低下して今までできたことができなくなりかねません。つまり、「できることはなるべく自分の力でやる」「介護スタッフが介助をしすぎない」というのが生活リハビリ。リハビリ専門職によるものではありませんが、毎日おこなうので身体機能の維持に効果があるんですよ。 病院と有料老人ホームのリハビリの違いは? 有料老人ホームでも、病院と同じようにリハビリをしてもらえそうで安心しました。これなら、父も前みたいに歩けるようになるかもしれませんね。 言いにくいことなのですが…実は、病院と有料老人ホームでのリハビリは少し異なるんです。有料老人ホームでリハビリを続けたとしても、お父様が以前のように歩けるようになるとは限らないのが実情です。 えっ!そうなんですか!?病院と有料老人ホームのリハビリって、何が違うんですか? では、それぞれのリハビリについて、お話ししていきますね。 病院でのリハビリ 病院でのリハビリの目的は、怪我や病気などで身体機能が低下した方の機能の改善・向上です。お父様のように、入院中に身体機能が低下した方や事故などで体が動かなくなった方が再び自立して生活できるように機能を回復することを目指してリハビリがおこなわれます。また、医師の指示のもとで理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職がリハビリをおこないます。 そういえば、リハビリ病院でも理学療法士さんが父のリハビリを担当してくれていたような気がします。 有料老人ホームでのリハビリ 有料老人ホームなどの介護施設でのリハビリは、日常生活動作や生活機能の維持、「生活の質」の向上が目的です。つまり、有料老人ホームでのリハビリは、今の身体機能を維持するのがメインの目的。どうしても病院よりもリハビリの頻度や量が減ることが多く、身体機能の回復までは目指していない施設が大半です。 えぇ!?そうなんですね!じゃあ、父はもうこれ以上歩けないのかな…。 ただ、中には「車椅子で移動していたのに歩けるようになった」「口から食事を摂れなかったのに食べれるようになった」など、ご入居者が機能回復をするほどリハビリに力を入れている施設もあります。特に有料老人ホームは、施設によってサービスやスタッフの体制が千差万別。リハビリに特化している施設は、リハビリ専門職が複数名常駐していたりと個性があります。 じゃあ、施設探しのときにリハビリに力を入れている有料老人ホームを選べば良い、ということですね! リハビリが受けられる他の介護施設は? 有料老人ホームであれば、リハビリを受けられることが多いですが、その他の種類の介護施設でもリハビリを受けられます。施設の種類によって特色があるので、施設探しの参考にしてみてください。有料老人ホームも含めて、リハビリが受けられるのは主に以下の施設です。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 特養は聞いたことがあります。近所のおばあちゃんが、この間、入所したので。 特養は、公的な介護施設のひとつです。要介護3以上でないと入所できませんが、その分、重介護度や認知症の方も受け入れているのが特徴です。最期の看取りまで対応していることと、費用が安いので人気の高い施設です。 要介護3以上でないと入れないんですね。じゃあ、父は要介護2なので入れないなぁ。 でしたら、老健はどうでしょうか?老健は公的施設のなかでもリハビリに特化しているのが特徴ですよ。 リハビリに特化した施設があるんですね!老健も良いかもしれないな。 老健は、リハビリで身体機能を回復して在宅復帰をするのが目的の施設。なので、しっかりリハビリを受けられますが、入所期間が3~6ヵ月と限定的です。期間を決めてしっかりリハビリをして、ご自宅に戻りたい方にはおすすめです。が、長期的な入居ができない場合が多いので、終身利用には向きません。もし、長期的に施設で生活したいのであれば、リハビリに特化した有料老人ホームがおすすめですよ。 リハビリは、リハビリ専門職によって内容が異なる 病院でのリハビリは機能回復、有料老人ホームでは機能維持が目的 有料老人ホーム以外でも特養、老健などでリハビリを受けられる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/09/22

施設入居 生活保護

生活保護で老人ホームに入る場合、費用の自己負担はありますか?

生活保護を受給している場合、老人ホームに入居したら費用の自己負担はあるのでしょうか? 足腰が弱ってきたため、母の一人暮らしに限界を感じています。母はアパートの3階に住んでおり、膝の痛みで階段の上り下りがきつくなってきました。私は遠方に暮らしているため、介護が難しく、経済的な支援も厳しいです。 (富田さん・自営業・59歳) 生活保護を受けている方の場合、基本的に老人ホームの費用の自己負担はありません。すべて生活保護費で賄われるためです。生活保護の方を受け入れている施設には、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどがあります。ただ、生活保護の方を受け入れていなかったり、受け入れ人数を制限していることが多いので、入居待ちの期間が長くなりやすいことに注意してください。 生活保護受給者は老人ホームの費用の自己負担はある? 膝の痛みが強く歩くのが難しくなっているため、母の一人暮らしに限界を感じています。特に、母はアパートの3階に住んでおり、階段の上り下りがきつくなって生活がままならないようです。私は遠方に住んでいるため、介護に通うのは難しいですし、だからといって私の自宅に母を呼び寄せることもできません。そのため、老人ホームへの入居を考えているのですが、生活保護を受けていても費用の負担はあるのでしょうか?私もお金がないので、老人ホームの費用は出せないんです。 生活保護を受けている方の場合、基本的には費用の自己負担はありません。生活保護から介護施設の利用料が賄われるからです。 自己負担はないんですね!よかった。 生活保護では、生活するうえで必要な費用を「扶助」という形で支給します。そのため、老人ホームの各費用も用途に対応した扶助が支給されます。 家賃→住宅扶助 食費→生活扶助 管理費→生活扶助 雑費→生活扶助 介護サービス費用→介護扶助 医療費→医療扶助 介護のサービス費用も介護扶助で賄われるんですね。 介護サービス費は要介護度に応じて扶助額が設定されています。その金額を超えて介護サービスを利用すると、全額自己負担になってしまいます。そこは注意しておいてくださいね。 生活保護で入れる老人ホームは? 老人ホームの費用が生活保護で賄われると知って安心しました。ちなみに、生活保護ではどんな施設に入れるんでしょうか? 以下の老人ホームであれば、生活保護の方の受け入れをしているでしょう。 特別養護老人ホーム(特養) 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 このなかでも、特養は公的施設で費用が安い傾向があります。そのため、生活保護の方が入る第一候補になるでしょう。 生活保護で入れる老人ホームを探すときの注意点 生活保護を受給している方が施設探しをする場合、注意していただきたいことがあります。 注意すること?何でしょうか? まず、全ての施設が生活保護を受給している方を受け入れているわけではない、ということです。特に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設の場合、2~3割しか受け入れをしていないという調査結果もあります。 参考:「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書」(公益社団法人全国有料老人ホーム協会) そんなに少ないんですね!施設を見つけるのは大変そう…。 はい…。そのうえ、生活保護の方を受け入れている施設でも、受け入れ人数を制限していることが多いです。それも生活保護の方の施設探しの難易度を上げています。長期的に入居の順番待ちをするつもりで施設探しをしましょう。このように生活保護の方の施設探しは難易度が高いのが実情です。ご希望の地域だけでは施設が見つからない可能性もあります。そのため、検討するエリアを広げて施設探しをしてくださいね。 生活保護受給者は、老人ホームの費用負担はない 特養、有料老人ホーム、グループホームなどには入居できる施設がある 生活保護の受け入れ人数の制限を設けていることがあるので注意 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/09/21

施設入居 在宅介護 介護のお金

親の介護をするお金がない!一人っ子だから兄弟からの支援もありません。どうしたら良い?

母が亡くなってから、急に父の様子が変わってしまい、介護が必要になってしまいました。もともとはマメな性格で掃除を率先してやる人だったのに、母が亡くなってからは無気力になって、家の中は荒れ放題に。ぼーっとしていることも増えました。 そのため介護サービスを使い始めたのですが、支出が増えて家計が苦しいです。でも、私は一人っ子でお金の工面をしてくれる兄弟もいません。親の介護をしたくてもお金がないときはどうしたら良いですか? (大森さん・パート・63歳) 介護にかかるお金や老人ホームの利用料を軽減する制度があります。そうした制度を上手く活用していきましょう。もし、費用の軽減制度の対象にならない場合や、制度を利用してもなお介護のお金が足りない場合は、生活保護の受給も検討してみてください。一人っ子の介護は、介護の負担が集中しやすいです。大森さんが体調を崩してしまっては元も子もないので、介護サービスを上手く活用していきましょう! 一人っ子で親の介護のお金がない!どうする? 母が亡くなってから父の様子がおかしくなって、介護サービスを利用するようになりました。でも、父の年金が少なくてこれまでの生活を維持するので手一杯。介護のお金が捻出できません。私も自分の生活でギリギリで、お金の支援はあまりできそうにありません。それに、私は一人っ子でお金の工面をしてくれる兄弟もいませんし…。父の介護をしたくてもお金がないんです。介護のお金がないときはどうしたら良いですか? 一人っ子の介護はお金の面でも大変ですよね…。例えば、介護にかかる費用を軽減する制度があるので、それを利用してみるのはどうでしょうか? 費用が抑えられる制度があるんですか!ぜひ教えてください。 では、介護や医療費全般が軽減される制度と、介護施設の利用費が軽減される制度についてお話ししますね。 介護費用の軽減制度を利用する 介護費や医療費の軽減制度には、以下のようなものがあります。 福祉用具購入費 居宅介護住宅改修費 高額介護サービス費 高額介護合算療養費制度 医療費控除 福祉用具購入費 「福祉用具購入費」は、福祉用具を購入した場合に、介護保険が適用されて一部の費用が手元に戻ってくる制度。以下の特定の福祉用具を購入した場合に、費用の助成を受けられます。 腰掛便座 自動排泄処理装置の交換可能部品 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、入浴用介助ベルト) 簡易浴槽 移動用リフトのつり具の部分 排泄予測支援機器 費用の助成を受けるには、事前の申請が必要なので忘れないでくださいね。 居宅介護住宅改修費 「居宅介護住宅改修費」は、介護リフォームの費用を助成する制度です。介助が必要な方が暮らしやすいように自宅を改修した場合に、最大20万円が支給されます。 20万円も!最近、父が段差でつまづくことが多くなったのでリフォームしても良いのかも。 それは良いですね!以下のリフォームが対象となりますので、念のため確認しておいてください。 廊下や階段、浴室、トイレ、玄関まわりなどへの手すりの設置 段差解消目的のスロープ設置、浴室床のかさ上げなど 滑り防止および円滑な移動のための床材変更(畳・じゅうたん・板材など) 扉の取り替え(開き扉・引き戸・折り戸など、ドアノブ交換など) 洋式便座などへの便器の取り替え 上記の住宅改修に付帯して必要となる改修(下地補強、給排水設備工事、壁・柱・床材の変更など) 高額介護サービス費 「高額介護サービス費」は、所得に応じた介護サービス費の自己負担額の上限を超えた場合、超えた分のお金が払い戻される制度です。高額介護サービス費の負担限度額は、以下のように定められています。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) 「高額介護合算療養費」は、介護保険と医療保険の自己負担額の合計が、限度額を超えたときに超えた分が戻ってくる制度です。限度額は、以下のように所得に応じて定められています。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 なるほど。この費用を上回ったときに、超えた分のお金が戻ってくるんですね。 医療費控除 「医療費控除」は、医療費が一定額を超えた場合に控除が受けられるものです。通院などにかかった医療費だけでなく、介護サービスの中でも以下のサービスであれば対象となります。 居宅サービス 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所リハビリテーション 短期入所療養介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 看護・小規模多機能型居宅介護 施設サービス 特別養護老人ホーム(支払った額の2分の1が控除対象) 介護老人保健施設 指定介護療養型医療施設 介護医療院 介護施設の費用の軽減制度を利用する 介護施設の居住費や食費を軽減する「特定入所者介護サービス費」という制度もあります。すべての介護施設に適用されるわけではなく、以下の公的施設であれば制度を利用できます。 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 加えて、所得に応じて以下の5段階に分けられており、段階ごとに各施設の金額が設定されています。 第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税第2段階:世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円以下第3段階(1):世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円より大きく120万円以下第3段階(2):世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人第4段階:上記以外の方 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 特別養護老人ホーム 特養は、要介護3以上の方が入居できる施設。寝たきりなどの要介護度が高い方や看取りの方にも対応しているので、「終の棲家」として人気があります。「特定入所者介護サービス費」を利用すると、特養の費用は以下のようになります。 負担限度額(日額) 第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 食費 300円 390円 650円 1360円 居住費 多床室 0円 370円 370円 370円 従来型個室 320円 420円 820円 820円 ユニット型個室的多床室 490円 490円 1310円 1310円 ユニット型個室 820円 820円 1310円 1310円 部屋のタイプによっても費用がかなり違うんですね。父はまだ要介護2なので、入居はできないですが、ゆくゆくは検討しないといけないのかも…。 介護老人保健施設 老健は、リハビリや医療ケアが充実している施設です。リハビリを重点的におこなって、在宅復帰することが前提の施設のため、入居期間は基本的に3~6ヵ月と短いのが特徴です。老健も居室タイプによって料金が異なります。詳しい料金は、以下の表のとおりです。 負担限度額(日額) 第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 食費 300円 390円 650円 1360円 居住費 多床室 0円 370円 370円 370円 従来型個室 320円 420円 820円 820円 ユニット型個室的多床室 490円 490円 1310円 1310円 ユニット型個室 820円 820円 1310円 1310円 介護医療院 介護医療院は、かなり充実した医療体制が特徴。医師が常駐しており、胃ろうなどの経管栄養やたん吸引といった、常に医療ケアが必要な方も入居可能です。介護と医療のサポートが必要な方を対象とした施設のため、要介護1以上で医療ケアが必要な方が入居対象です。「特定入所者介護サービス費」を利用したときの介護医療院の費用は、以下のとおりです。 負担限度額(日額) 第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 食費 300円 390円 650円 1360円 居住費 多床室 0円 370円 370円 370円 従来型個室 490円 490円 1310円 1310円 ユニット型個室的多床室 490円 490円 1310円 1310円 ユニット型個室 820円 820円 1310円 1310円 どうしても親の介護のお金がないときは生活保護も検討して いくつか費用の助成制度をご紹介しましたが、制度の対象にならなかったり、制度を活用しても経済的に厳しい場合もあるでしょう。そういうときは、生活保護の受給も検討してください。 えっ、生活保護ですか?生活保護でも介護サービスは利用できるんですか? もちろんです!生活保護になった場合、介護保険料や介護サービス費は生活保護費の中から支払われます。なので、自己負担はありません。生活保護を受給するためにはいくつもの条件がありますので、簡単に決断できるものではないかもしれませんが、介護のお金がない場合には、一度検討してみてください。 介護のお金がないときは、費用の軽減制度を活用して 公的施設なら所得に応じて利用料が安くなる どうしても介護のお金がないときは生活保護の検討を ...

2023/09/07

施設入居 在宅介護

親の介護をしない方法はありますか?疎遠な父親とできるだけ関わりたくありません

先日、約10年ぶりに父親に会いました。一人暮らしの家の中は荒れ放題だし、トイレットペーパーなどの必要な物は切らしているのに、卵が何パックも買ってあって腐らせていたりと物の管理も上手くできなくなった様子。もしかしたら、認知症になってしまったのかもしれません。 でも、私は父と関係が良くなく、できれば介護をしたくありません。が、このままにしておくわけにも…。 どうにか、介護をしなくて済む方法はないでしょうか? (古賀さん・59歳・会社員) うーん、正直なところ、親御さんの介護を完全に放棄できません。子どもは親に対して扶養義務があるので、場合によっては罪に問われてしまう可能性があるんです。ただ、できるだけ直接介護しないで済む方法はあります。それは、介護サービスを利用すること。また、きょうだいや親戚に任せるのもひとつの手です。もし、経済的な支援が難しいという場合は、介護や医療費の減免制度もありますので、活用してみましょう。 親の介護をしない方法はある? 先日、10年ぶりに帰省し、父に会いました。しかし、家は荒れ放題で掃除もろくにできていない様子。また、トイレットペーパーなどの必要なものがないのに、卵やスナック菓子など、同じものがいくつも置いてあって腐っているものも…。もしかしたら、認知症になってしまったのかもしれません。年も年ですし…。でも、私は昔から父と折り合いが悪く、介護をしたくありません。どうにか介護をしないで済む方法はないでしょうか? うーん…。結論から言うと、親の介護を完全に放棄できません。というのも、子どもは親に対して扶養義務があるからです。場合によっては、罪に問われることもあります。 えっ、犯罪になるんですか!? もちろん、経済的に支援が難しいなどの理由がある場合は別です。ただ、経済的に余裕があるのに支援をしなかったり、介護を放棄したことで親が死亡や怪我をした場合は罪になることがあるんです。法律では、以下のように直系の血族・兄弟姉妹や配偶者に扶養義務が発生します。 ここで言う扶養義務とは、直接介護をすることだけではありません。生活費や医療費の援助も扶養義務に含まれます。そのため、仕事が忙しくて介護ができない場合や介護を直接したくない場合は、経済的な援助をすることでも義務を果たすことになります。 経済的な支援…。あまりお金の余裕はないけど、直接顔を合わせるよりは良いのかも…。 できるだけ親の介護をしない方法 先ほどお話しした通り、お父様の介護を完全に放棄してしまうと、罪に問われてしまう場合があります。なので、できるだけ古賀さんの負担が少ない介護をしていきましょう。 負担が少ない介護ってどうやるんですか? 例えば、以下の2つの方法があります。 他のきょうだいや親戚に任せる 介護サービスを利用する 他のきょうだいや親戚に任せる もし、お父様の介護を任せられるごきょうだいや親戚がいるのであれば、その方に相談しましょう。お父様の様子を伺うに、普段の生活に援助が必要な状況である可能性が高いので、そうした身の回りの支援をごきょうだいや親戚に任せて、その分、古賀さんが介護費用の負担を多めに負担するといった分担もできるでしょう。 私には妹がいますが、妹とも疎遠なんですよね。事が事なので、連絡しないとなのかな…。 そうですね。今後、お父様の介護にあたって、妹さんと連携が必要な場面が何度もあると思います。本格的に介護が始まっていない今のうちに連絡を取っておいた方が良いと思いますよ。 介護サービスを利用する 介護サービスを活用することでも、古賀さんの負担は大きく減らせるでしょう。 介護サービスってヘルパーさんが家に来て、介護をしてくれたりするんですよね?利用してみたいとは思うんですが、どうやって利用すれば良いのかわからなくて…。 そうだったんですね。では、介護サービスを利用する方法についてご説明しましょう!介護サービスを利用するには介護認定が必要なのですが、お父様は介護認定を受けていらっしゃいますか? 介護認定?どんなものですか? 介護認定とは、介護が必要な度合いを7段階でレベル分けしたもの。一番状態が軽いのは「要支援1」、最も重いのが「要介護5」と判断されます。必要な介護の量が増えるに従って、要介護度も上がります。要介護度が上がると介護保険が適用される介護サービスも増えて、よりたくさんの介護サービスを費用負担を抑えながら利用できます。 なるほど…。まずは、介護認定を受ければ良いんですね。 まずは介護認定を受ける 介護認定を受けるには、まずは申請をします。申請はお住まいの役所の窓口や「地域包括支援センター」などでおこなえます。 地域包括支援センター? ご高齢者の生活をさまざまな面から支援する公的な相談窓口です。介護についてはもちろん、成年後見制度などのご高齢者の権利を守る制度の手続きなどもおこなえる施設です。役所や地域包括支援センターで介護認定の申請をおこなったら、以下のような流れで介護認定が進んでいきます。 介護認定の結果がわかったら、介護サービスが利用できるようになるというわけですね。ちなみに、介護認定の結果が出るのにはどれくらいの時間がかかるんでしょうか? 介護認定は、1ヵ月前後で結果がわかることが多いです。急いで介護サービスを利用したい場合は、結果が出る前に利用を開始することも可能です。そのときは、役所や地域包括支援センターの窓口で相談してみてくださいね。 在宅介護サービスとは 要介護度がわかったら、今度は介護サービスを利用する段階です。 と言われても、介護サービスってどんなものがあるんですか? 介護サービスは大きく分けると「在宅介護サービス」と「施設サービス」があります。例えば、在宅介護サービスには以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 福祉用具レンタル 介護リフォーム いろんなサービスがあるんですね。どれを利用すれば良いのかな…。 お父様の場合でしたら、訪問介護やデイサービスはどうでしょうか?訪問介護は、先ほど古賀さんがおっしゃっていたように、ヘルパーさんが家にやってきて家事や介護をしてくれるサービス。制限はありますが、お家の掃除や食事の支度を頼めますから、ご実家の状態も良くなるでしょう。 確かに…。掃除もそうですが、食事の支度をしてくれるのは助かりますね。父がまともなものを食べているようには見えませんでしたから。もうひとつのデイサービスとは? デイサービスは、昼間に介護施設に通って食事や身体介助、レクリエーションなどのサービスを受けられます。また、デイサービスで入浴もできるので、お父様がひとりで入浴するのが心配でしたら特におすすめのサービスですよ。 施設サービスとは 施設サービスは、その名の通り、介護施設に入居して受けられるサービスのこと。在宅介護よりはお金がかかる傾向がありますが、施設にお父様のことを任せられるので、古賀さんの心身の負担はかなり少なくて済むでしょう。施設サービスには、以下のようなものがあります。 公的施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ 民間施設 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円自立~要介護5○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 介護施設は、運営法人によって公的施設と民間施設に分けられています。なかでも公的施設の特別養護老人ホームは、安価なうえに終身利用ができるため人気。満室の場合が多く、入居まで2~3年かかるケースもあるそうです。 2~3年!?そんなにかかるんですか!それじゃあ、いざ老人ホームに入れようと思ってもすぐには入居できないんですね…。 民間施設だったら、比較的、入居しやすいと思いますよ。公的施設よりも料金が高くなる傾向はありますが、急いで入居したいときは民間施設の方が確実でしょう。 介護にお金をかけられない!そんなときは? 在宅介護サービスを使うにしても、介護施設に入れるにしても、お金はかかりますよね。私もそんなに経済的に余裕があるわけではないので、お金の支援も難しいかもしれません。だからって、父が貯金をしているとも思えないし…。 うーん。あまり気が進まないかもしれませんが、まずはお父様の資産の状況を確認することが大切です。貯金があるのか、年金はいくら受給しているのか…。お金の支援をするにしても支援しないにしても、お父様の資産状況を確認しないと始まりません。 そうですよね。年金額がわからないとお金の支援が必要なのかどうかもわかりませんよね。 おっしゃる通りです。お父様の介護費用はお父様自身の財産でまかなうのが原則。足りない場合に支援する形にしないと、古賀さんの経済的負担が大きくなってしまいます。始めに話した扶養義務についても、「余力の範囲内」で良いとされています。 なるほど。それでも、経済的支援をする余裕があまりなくて。子どもが2人いてお金がかかるので…。そういうときはどうしたら良いんでしょうか? でしたら、以下のような方法で負担を減らすのもひとつの手です。 介護・医療費の減免制度を利用する 生活保護を利用する 介護・医療費の減免制度を利用する 在宅介護のサービス費や老人ホームの利用料、医療費など、介護にはさまざまなお金がかかります。そのため、少しでも費用負担が軽くなる減免制度もご紹介しますね。減免制度には、以下のようなものがあります。 特定入所者介護サービス費 高額介護サービス費 高額医療・高額介護合算制度 介護保険料の減免制度 自治体独自の助成制度 「特定入所者介護サービス費」は公的施設の利用料を軽減する制度。「高額介護サービス費」と「高額医療・高額介護合算制度」は、支払った介護サービス費や医療費が一定額を超えたときにお金が戻ってくる制度です。 そんな制度があるんですね、知りませんでした! また、経済的に介護保険料の支払いが難しい場合の減免制度もあります。加えて、自治体によっては、収入が一定以下のご高齢者を支援する制度を設けている場合もあるんです。 収入の条件があるんですね。制度を利用できるか確認するためにも、父の資産状況を確認する必要がありそうですね…。 生活保護を利用する ご家族が経済的援助ができず、お父様が生活に困窮する可能性がある場合、生活保護を受けられることがあります。年金を受け取っていても条件を満たしていれば生活保護を受給できますよ。生活保護を受けると、介護サービスや老人ホームの費用などを自己負担なく利用できるようになるんです。 そうなんですね!それは助かりますね。でも、生活保護かぁ…。 もちろん、生活保護を受けるには収入や資産などの条件があります。生活保護を受けるとさまざまな制限がかかりますから、最後の手段として頭の片隅に置いておいてくださいね。もし、お父様の介護を老人ホームに任せたい、という場合は、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご連絡ください!お父様を安心して任せられる老人ホームをお探ししますよ。 親の介護を放棄すると罪になることも。子には親の扶養義務がある 他の家族や親戚に介護を任せる、介護サービスを利用して負担を減らそう 介護費用が足りない場合は、減免制度や生活保護の利用を検討しよう pre { margin: 40px 0; background: ...

2023/08/21

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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