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施設入居 特別養護老人ホーム

特養(特別養護老人ホーム)の特例入所とは何ですか?お金がないので、父親をどうしても特養に入れたいです

特養に「特例入所」という制度があると聞きました。どんな制度か教えてください。 父親を特養に入所させたいのですが、区分変更の結果、要介護2になってしまったため入所できなくて困っています。特例入所の制度を使えば、父は特養に入所できるのでしょうか? (上原さん・アルバイト・68歳) 特例入所とは、特別な事情がある場合に限って要介護1や要介護2の方でも、特養に入所できる制度です。ただ、「認知症などで在宅生活が困難」など、条件が厳しく、特例入所制度を活用して入所している方はかなり少ないのが実情です。特例入所ができない可能性もあるので、特養以外の介護施設も合わせて検討しましょう。もし、金銭面で特養を希望されているのでしたら、「介護老人保健施設」や「グループホーム」なども良いかもしれません。 特養の特例入所とはどんな制度? 父の認知症が悪化して一人暮らしが心配なので、特養に入所させたいと思っています。ですが、区分変更の結果は要介護2。特養は要介護3以上じゃないと入れないのに…。ネットで特養には「特例入所」というものがあることを知りました。介護度が要介護3より低くても入所できるとのことですが、この制度を利用すれば、父も特養に入れるのでしょうか? 確かに、特例入所は、要介護3以下でも特養に入所できる制度です。厳密に言うと、要介護1もしくは要介護2の方でも例外的に特養に入所できます。ただ、特例入所をするには条件があって、それがかなりハードルが高いんですよ。 えっ、そうなんですか!?どんな条件なんでしょうか? それでは具体的にお話ししていきますね。 特養の特例入所の条件とは? 以下のように、特養の特例入所の条件の方針を厚生労働省が定めています。 認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること、 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること 引用元:「介護保険最新情報 Vol.1141 令和5年4月7日」(厚生労働省) うーん。これだけだと、よくわかりません。 ざっくりとした表現なので、具体的にイメージしにくいですよね。新潟県長岡市が公開している事例もふまえてご説明しますね。 一人暮らしの継続が難しいと判断されたケース アパートで一人暮らしをしている要介護2の101歳の方のケースです。大変高齢な方ですが、ご本人の希望で、お隣さんの生活支援を受けながら一人暮らしをしていたそうです。しかし、そのお隣さんが施設に入所してしまい、支援が受けられなくなってしまいました。しかも、ご本人はアパートの2階に住んでいて、歩行器を使って階段を登り降りしないといけない状況。そのうえ、居室にトイレはなく、用を足すには1階に降りないといけませんでした。 むしろ、101歳までこんな環境で一人暮らしできていたのがすごい…。 さらに、部屋にエアコンがなく、夏場は体調を崩すことが多くなったそうです。訪問介護やショートステイを利用していましたが、これ以上、夏や冬の時期を自宅で過ごすのは難しいと判断されて、特例入所が認められました。 家族による介助が難しいと判断されたケース ご家族による在宅介護が難しいと判断されて、特例入所ができたケースもあります。93歳で要介護2の認知症の方です。中心となって介護をしていた息子さんががん末期と診断され、介護ができなくなってしまいました。しかし、息子さんの奥さんは精神疾患と視力障害を持っており、お孫さんは知的障害と脳梗塞の後遺症の影響で要介護状態。介護ができるご家族がいない状態だったんです。デイサービスとショートステイを利用していたものの、これ以上の在宅介護が難しいと判断されて特例入所が叶いました。 事例の2つとも、かなり特殊なケースというか…。「これ以上、自宅では生活できない」というギリギリの状態のように思えます。 そうですね。この2つの事例から、特例入所はかなりハードルが高いことがわかりますね。判断基準は自治体ごとに多少異なりますが、客観的に見てどうしても在宅介護が難しいと思えるような、ギリギリの状況でないと特例入所は難しいのかもしれません。 参考:「特別養護老人ホームにおける特例入所者の取扱いについて」(長岡市) 特養に特例入所するための手続きは? 特例入所をするための手続きは、通常の入所の手続きと大きくは変わりません。ただ、特例入所を申し込む理由を詳細に記載する必要がある点が異なりますね。手続きは以下のように進みます。 特養に入所申込み 特例入所の適否を判定 入居順位の決定 入居 まずは、特養に入所の申し込みが必要なんですね。 そうです。特養に上原さんやお父様の状況を説明して、入所の必要性を理解してもらいます。そのうえで、特養が市区町村に特例入所の手続きをおこないます。その後、特例入所の要件に当てはまるかどうか市区町村が判定し、認められた場合は特養が入所対象者名簿にお父様の名前を載せることになります。 えっ、すぐに入所できるわけではないんですか? そうなんです。特例入所の要件を満たしていると判断されたとしても、入所対象者になることを認められただけなんです。そのため、他の申込者も含めて優先度が高いと判断された人から順番に入所していきます。 特例入所制度の実情 実は、特養の特例入所の制度は、厚生労働省が定めているものではありますが、すべての市区町村で上手く活用されているものではないのが実情です。 というと?どういうことですか? 以下のグラフを見てください。 参考:「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度調査)」(厚生労働省) これは、市区町村の特例入所の運用状況を表したものです。約87%の自治体で運用されているものの、一部の自治体では特例入所の指針が決められておらず、上手く運用されていないんです。また、一部では地域独自のルールで特例入所の可否を判断されていることも厚生労働省の調べでわかっています。 えーっと、地域独自のルールがあるなら、どうしたら良いんでしょうか? 入居を希望する特養で、特例入所の条件について改めて確認してみるのが良いでしょう。特養側で特例入所の条件を把握しているはずですから。もしくは、お住まいの地域の役所で、特例入所について聞いてみるのもひとつの手です。役所の「高齢介護課」「介護保険課」といった窓口があるので、そこで確認すれば詳細を教えてもらえるでしょう。 特例入所できなかったときに検討する施設 北野室長の話を聞いていたら、なんだか父が特養に入所するのは難しい気がしてきました…。思ったよりも条件が厳しいですね。 そうですね。それだけ特別な場合にしか認められていない制度なんです。そういえば、どうして上原さんは特養を選んだんですか? 他の介護施設よりも安いと聞いたからです。あまりお金が出せるわけではないので…。 そういうことだったんですね。でしたら、比較的、費用が安い他の介護施設もご案内しますよ ぜひ、教えてください!介護施設ってたくさんあるから、自分ではなかなか調べられなくて…。 費用の設定は施設によって異なることもありますが、以下の種類の施設であれば、比較的、安い施設が見つかるでしょう。 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 介護老人保健施設 介護老人保健施設は、「老健」とも呼ばれる施設です。老健はリハビリ専門職が常勤していたり、医師の配置もあったりと医療面のサポートも手厚いという特徴があります。ただ、老健はリハビリなどによって在宅復帰を目指す施設。そのため、一般的な入居期間は3~6ヵ月とされています。空室状況によってはもっと長期間の入所ができる場合もありますが、すべての施設で長期入所に対応しているわけではありません。 長期入所はできないんですか。最期まで父の面倒を見てくれる施設が良いのですが…。 はい。ただ、「特養や他の施設の入所順が回ってくる間だけ入所する」という手もあります。もしくは、「まず老健に入所して、その間に施設探しをする」という方法もあります。 そういう理由で入所するのもアリなんですね。最近、毎日のようにおもらしをしたり、わけのわからないことを言うことが増えたので、もう一人暮らしは無理だと思うんです。とりあえず、老健に入所させるのも良いのかな…。 有料老人ホーム 有料老人ホームは、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類あります。介護付き有料老人ホームは、食事介助や排泄介助といった介護サービスを施設が直接提供。対して、住宅型有料老人ホームは、介護サービスを受けるには外部の介護事業者を利用する必要があります。費用面では、住宅型有料老人ホームの方が安くなる傾向があります。というのも、介護付き有料老人ホームは、介護サービスを利用料が少なくても介護サービス費を満額で払わないといけないのに対して、住宅型有料老人ホームは利用した分だけの費用で済むからです。 そうなんですね!住宅型有料老人ホームなら、介護サービスを最低限に抑えれば費用を安くできるということでしょうか? おっしゃる通りです。ただ、介護が必要な量が多い場合、むしろ住宅型有料老人ホームの方が高くなってしまうこともあります。その場合は、介護サービスをたくさん使っても金額が変わらない介護付き有料老人ホームの方が安くなるでしょう。つまり、お父様に必要な介護サービスの量によって、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームのどちらが安くなるのかが変わってくる、ということです。また、有料老人ホームは施設によって、入居時費用が0~数千万円、月額11~30万円と大きく異なります。費用を事前に確認しておきましょう。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」とも呼ばれる施設です。サ高住は住宅型有料老人ホームと同様に、介護が必要な場合は外部の介護事業者を利用します。サ高住が住宅型有料老人ホームと異なるのは、生活支援サービスの有無。住宅型有料老人ホームは食事や掃除などの生活支援サービスを提供しますが、サ高住は安否確認と生活相談サービスのみです。つまり、介護とまではいかないけど、生活のサポートサービスがあるのが住宅型有料老人ホーム。見守りだけを提供しているのがサ高住ということです。 サ高住は見守りだけなのかぁ。となると、父には合わないかもしれません。今でも掃除や洗濯などは私や私の妻がやっていますから。 グループホーム グループホームは、認知症の方限定の施設です。最大9名のユニットごとの生活をしているため、アットホームな雰囲気が魅力です。また、入居できるのが認知症の方だけとあって、職員さんも認知症ケアの経験が豊富なのが特徴。認知症の方が穏やかに暮らせる環境やケアが提供されます。 へぇ!父も認知症なので、グループホームが良いかもしれません。グループホームの費用はいくらなんですか? グループホームの費用は、入居時費用が0~数十万円、月額費用は10~15万円です。グループホームも料金の幅があるので、事前に確認してくださいね。 北野室長の話を聞いて、特養に特例入所するのはかなり難しいことだとよくわかりました。近くの特養にかけあってみますが、特例入所できなかったときのために、特養以外の施設も探してみます。 介護施設はたくさんありますから、施設探しに迷ってしまったときはぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談くださいね。 特養の「特例入所」とは、要介護1や要介護2でも入所できる制度 特例入所をするのは、かなりハードルが高い 特例入所できなかったときのために、他の施設も検討しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/08/18

施設入居 介護の制度

介護度が上がるデメリットはありますか?父親の身体状況が悪くなり、ケアマネジャーさんに区分変更を勧められています

この数ヵ月で父親の状態が悪くなっており、担当のケアマネジャーさんから区分変更を勧められています。ケアマネジャーさんによると、現在の要介護1から要介護2に上がりそう、とのことです。 ケアマネジャーさんは、「在宅介護サービスの使える量が増える」と言うのですが、要介護度が上がることでデメリットはないのでしょうか? (須藤さん・主婦・62歳) 要介護度が上がることによるデメリットは、費用負担が増える可能性があることです。デイサービスやショートステイなど、一部の在宅介護サービスでは要介護度が上がると1回あたりの金額が高くなります。また、要介護度が上がることで介護保険の利用上限額が増えますが、それに伴って自己負担額も増えます。一方で、利用できる在宅介護サービスの種類が増えるなど、メリットもあります。ともあれ、お父様の心身の状態が変わっているのであれば、今の状況に合わせた要介護度になるように区分変更をすることをおすすめします。 要介護度が上がるデメリットは? ここ最近、父親の状態が悪くなっているので担当のケアマネジャーさんから区分変更を勧められています。ちょっと前のことを忘れたり、ふらついたりするようになってしまったので…。ケアマネジャーさんによると、「要介護度が上がれば、利用できる在宅介護サービスの量が増える」とのことなんですが、要介護度が上がったらデメリットはないんでしょうか? 費用の負担が大きくなる可能性があります。一部の在宅介護サービスは利用料が要介護度ごとに設定されており、要介護度が上がると利用回数が同じでも費用が高くなってしまうんです。 そうなんですね!どんな在宅介護サービスが当てはまりますか? 要介護度によって利用料が上がる在宅介護サービスは以下のものです。 デイサービス ショートステイ 通所リハビリテーション 小規模多機能型居宅介護 デイサービスも金額が上がるんですね。今、週2回通っているから痛手だな…。他のサービスは、要介護度が上がっても料金が上がらないんですか? はい。先ほどの在宅介護サービス以外のサービスは、要介護度によって1回あたりの金額が変わることはありません。具体的には、以下の在宅介護サービスが要介護が変わっても金額の変更がないものです。 訪問介護 訪問入浴 訪問看護 訪問リハビリテーション 福祉用具貸与 要介護度が上がるメリットは? 要介護度が上がることでデメリットがあることはわかりました。反対に、メリットはあるんですか? 先ほども話に出た通り、介護サービスの利用できる量が増えることと、利用できる介護サービスの種類が増えることが挙げられます。具体的にお話ししていきますね。 介護サービスを利用できる量が増える ケアマネジャーさんも言っていましたが、「介護サービスを利用できる量が増える」ってどういうことでしょうか? 介護サービスは、要介護度によって介護保険が適用される金額が設定されています。介護保険が適用されれば、負担額が1~3割に抑えられるようになっています。この介護保険が適用される金額は、要介護度が上がると増えます。そのため、要介護度が上がることで安く介護サービスを使える量が増えるわけです。 居宅介護サービスの自己負担額 居宅サービスとは、施設ではなく住み慣れた自宅で受けられる介護サービスのことです。 居宅サービスは大きく分けて3つ。ひとつは介護者が自宅を訪問してサービスをおこなう「訪問サービス」。利用者が介護施設に通って利用する「通所サービス」。そして一ヵ月以下の短期間利用する「短期入所サービス」です。 居宅介護サービスの利用には要介護度に応じた利用限度額が設定されています。要介護度が高くなるほど、限度額もあがります。 自己負担額の詳細はこちらの表でご確認ください。 ...

2023/07/31

施設入居 認知症介護 特別養護老人ホーム

特養の入所を一度断ったら、もう入所はできなくなりますか?母親がかわいそうになって入所させるのをためらっています

母親を特別養護老人ホーム(特養)に入所させるかどうか迷っています。先日、母の介護度が要介護3に上がったので特養の見学をして、これから順番待ちの申し込みをしようと思っています。ただ、そのことを叔母に話したところ「施設に入れるなんてかわいそう!」と言われてしまって…。 叔母に言われたことで、私ももうしばらく自宅で介護を続けた方が良いのかと迷っています。幸い、私の妻も介護を手伝ってくれるので、まだ在宅介護でも大丈夫かなとも思っています。 一度入所の順番が回ってきたときに断ったら、入所はできなくなってしまうんでしょうか? (伊東さん・会社員・63歳) 自治体によって異なりますが、一度入所を断ったからといって入所ができなくなることはまずないですよ。ただ、いつ空室が出るかわからないので、次に声がかかるかもわかりません。100人以上順番待ちが出ている施設もありますから、1年後になる可能性もあります。そうなると、お母様の身体状況が変わってより介護の負担が大きくなることも。要介護3以上となると在宅介護が難しくなるタイミングですので、「まだ大丈夫」と思わずに無理をしないで済む選択をしてくださいね。 特養の入所を一度断ったら、もう入所できなくなる? 母が要介護3に上がったので、特養の入所の申し込みをしようか悩んでいます。その話を叔母にしたら、「施設に入れるなんてかわいそう!」と言われて…。私も妻も仕事をしながら母の介護をしていて大変なので申し込みをしようと考えていたのですが、そう言われると迷ってしまって…。なので、特養に入所させるのはもう少し待ってみても良いのかなと思っています。もし、順番が回ってきたときに、断ったらもう入所はできなくなってしまうのでしょうか? 自治体によって対応が異なりますが、多くの場合は一度断ったからといって二度と入所できなくなることはないですよ。「今回は見送ります」と伝えれば、次に空室ができたときに再び声をかけてもらえるはずです。 よかった!それを聞いて安心しました。 ただ、気をつけていただきたいのは、次に順番が回ってくるのがいつになるかわからない点です。すぐの場合もあれば、1年後になる可能性もあるんです。 1年後…。そこまで在宅介護を続けられるかな…。 今後、介護の負担がより大きくなることも考えられますから、断るかどうかよく考えてくださいね。 特養の入所の順番は申し込み順ではない? 見学に行った特養は、何十人も入所の順番待ちをしている人がいるそうです。もし今、申し込みをしたら、どれくらい待つことになるんでしょうか? 正直なところ、まったくわかりません。というのも、特養の入所の順番は申し込み順ではなくて緊急度をもとに決められているからです。 緊急度、ですか? 緊急度とは、「本人の状況」「介護者の状況」「個別評価」という3つの観点から判断されるもの。つまり、介護の状況が逼迫している人が優先的に入所できるようになっているんです。施設や自治体によって判断基準が少しずつ異なるので、例として北九州市の判断基準をご紹介します。 本人の状況 項目 配点 説明 要介護度 要介護1 20点 申し込み時の要介護認定が1である場合 要介護2 40点 申し込み時の要介護認定が2である場合 要介護3 60点 申し込み時の要介護認定が3である場合 要介護4 80点 申し込み時の要介護認定が4である場合 要介護5 100点 申し込み時の要介護認定が5である場合 特別な状況 排泄 10点 介護者が、オムツや尿とりパットの交換などの介助を要する場合に限る 摂食 10点 食事中に介助を要する場合に限る 徘徊 15点 当てもないのに外へ出かけてしまう、自宅や施設などでひっきりなしに歩き回ったりする行動がある場合に限る 暴力などの問題行動 15点 介護者が話しかけたり、介護をおこなう際に、手で払いのける、足で蹴る、たたくなど、介護の支障となる行動を取る場合に限る 非該当 0点 上記の特別な事情のいずれにも該当しない場合 参考:「入所判定基準」(北九州市) こんなに明確に点数を付けて判断されているんだ! もちろん、この項目以外にも入所の必要度が高くなる理由がある場合は、それも加味されます。この点数をもとに、施設の「判定会議」で入所の優先順位が決定されます。判定会議には施設長や職員、生活相談員などが参加し、さまざまな観点から優先順位の判断がされていますよ。 特養入所の申し込みの流れ そういえば、特養の入所申し込みをする場合ってどうすれば良いんでしたっけ?まだ、申し込みをするか迷っているのですが、念のため確認しておきたくて。 でしたら、改めて特養の入所までの流れを確認しておきましょうか。特養に問い合わせしてから入所するまでは、以下のような流れで進めていきます。 問い合わせ・資料請求・見学 見学後に申込書を提出 審査 優先順位通知が届く 面談 入所 1.問い合わせ・資料請求・見学 まず、入所を検討している施設に電話やメールなどで問い合わせます。資料を用意している施設もあるので、資料を取り寄せても良いでしょう。もし、対応や費用の面で疑問がある場合には電話で問い合わせると具体的に回答がもらえると思います。より詳細に施設の様子が知りたい場合は、見学することをおすすめします。 2.申込書を提出 資料を見たり実際の施設を見学して気に入れば、入所の申し込みをおこないます。見学日当日に施設に申し込みしたいことを伝えれば、すぐ申込書を受け取れるでしょう。後日、申し込みをする場合は施設に問い合わせて申込書を取り寄せてください。あわせて、提出が必要な書類についても確認しておきましょう。 3.審査 地域ごとに定められた審査の指針があり、それにそって申し込みの対象者が入所できるかどうかが判断されます。 4.優先順位通知が届く ここでさっきの優先順位が決まるんですね。 はい。入所審査の後、施設の判断基準によって入所の順番が決まります。この優先順位を伝えるのが「優先順位通知」ですね。自治体にもよりますが、新宿区の場合は3ヵ月に1度のペースでこの通知を郵送しています。申し込みをしている人の状況によって順番はその都度変わるので、通知に記載されている順番はおよその目安と考えましょう。 5.面談 入所の順番が回ってくると、施設から連絡が来ます。入所の意向を伝えたら、その後には施設の担当者との面談。健康診断書の提出もおこないます。 6.入所 面談や健康診断書の情報をもとに、入所できるかどうかが決定されます。 えっ?ということは、入所できない場合もあるんですか? 問い合わせなどの段階で、大まかに身体状況を施設に伝えますから、この段階で入所ができないことはまずありません。ただ、以前よりも大きく心身の状態が悪化していたり、医療ケアが頻繁に必要だったり、施設で受け入れが難しい状態であることがこのタイミングでわかったら入所を断られることもあります。そうならないように、入所の順番待ちをしている段階でも定期的に施設と情報の共有をしておくことが大切ですね。 要介護3以上で在宅介護は難しい 特養に入所させるかどうか、まだ決断ができずにいます。やっぱり施設に入れるのはかわいそうだし…。 そう考えるのももっともです。ただ、一般的に要介護3は、在宅介護が難しい状態とされています。 そうなんですか!? というのも、要介護3とは1人で立ち上がったり歩くのが難しい状態。歩行器や車椅子を使うこともありますので、入浴や排泄にも介助が必要になるので常に誰かの手助けが要ります。ちなみに、お母様はどんな状態ですか? ちょっとふらつきはありますが、なんとか1人で歩いています。ただ、トイレに行くことを忘れてしまったり、トイレの使い方も忘れてしまうことがあります。なので、トイレに行くように声掛けしたり付き添いが必要です。身体の機能としては問題ないと思うのですが、認知症のせいでやり方や道具の使い方がわからなくなってしまって。それに、1人で外に出て帰れなくなったこともあるので、目が離せないんです。 なるほど…。となると、お母様を1人にするのは心配ですよね。 そうなんです。私は日中は仕事ですから、妻にパートの仕事を減らしてもらって、母から目を離さないようにしています。でも、夜中に大声で叫んだり、暴言を吐くこともあって。なんとかもうしばらくは在宅介護を続けられるとは思うんですが、妻も私も精神的な負担が大きくて…。 そう感じていらっしゃるなら、特養に申し込みすることをおすすめします。お話を聞くと、伊東さんご夫婦の負担が大きいように感じます。先ほどお話ししたように、入所の順番は緊急性に基づいて決まります。他の申込者に緊急性の高い人が多い場合は、申し込みしてもすぐに入所とならない場合もありますので、順番待ちをしている間に入所するかどうかを考えても良いと思いますよ。順番待ちをしている間に状態が変わって、入所の緊急度が上がる可能性もあります。そのときにすぐに入所できるように、早い段階で申し込みをしておくのがおすすめです。 特養入所を一度断っても、空室が出れば再度声がかかる 次の空室はいつになるかわからないので、辞退はよく考えて 要介護3以上で在宅介護は難しい。介護する人の負担が大きくなることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: ...

2023/07/20

施設入居

老人ホームの2人部屋に1人で入居できますか?母親が1人部屋だと狭くて入りたくないと言います

遠方の実家に住む母が入る老人ホームを探しています。都内の私の自宅の近くで探しているのですが、ある老人ホームのパンフレットを見せたら「こんな狭い部屋なら入りたくない」と入居を拒否されてしまいました。 どうやらその老人ホームには2人部屋があり、1人部屋よりも広そうなので、母も入居に納得してくれると思うのですが、2人部屋に1人で入居できるのでしょうか? (本間さん・会社員・59歳) はい、2人部屋に1人で入居できますよ!施設にもよりますが、2人部屋は1人部屋の1.5~2倍の広さがありますから、広々と生活できると思いますよ。ただ、介護度が上がると広い部屋が使いにくくなったり、2人部屋は1人部屋よりも数がかなり少ないので、入居までに時間がかかる可能性がある点に注意が必要です。 1人で老人ホームの2人部屋に入れる?広さ、設備は? 遠方の実家に暮らしている母を私の自宅近くに呼び寄せようと、都内の老人ホームを探しています。ただ、母は地方の広い家にずっと住んでいたので狭い部屋が嫌みたいで…。近所の老人ホームのパンフレットを見せたら、「こんな狭い部屋なら入りたくない」と、施設に入ること自体を拒否されてしまいました。その施設には2人部屋があるようで、1人部屋よりも広そうです。広い部屋なら母も納得してくれると思うのですが、2人部屋に1人で入るのは可能なのでしょうか? はい。老人ホームの2人部屋はおひとりでも入居できますよ。 よかった!ちなみに、2人部屋ってどれくらいの広さですか?キッチンや風呂もついているのでしょうか? それでは、2人部屋の広さや設備について、順番にお伝えしますね。 2人部屋の広さ 老人ホームは、一室床面積18㎡以上と決められています。「一室床面積」とは、ベランダ以外の1室あたりの床面積のこと。これにはトイレやお風呂の面積も含まれています。とはいえ、「一室床面積18㎡以上」というルールは、1人部屋の話。2人部屋の場合、30~50㎡の広さにしていることが多いですね。 30~50㎡…幅が広いですね。 そうなんです。2人部屋の広さは施設によって大きく異なりますので、事前の確認が必要です。 2人部屋の設備、収納 母は、まだまだ元気なので部屋にキッチンがほしいです。2人部屋にはどんな設備があるんでしょうか? 部屋の設備については、施設によってまちまちですが…。一般的には以下の設備があります。 トイレ 洗面台 キッチン 風呂 収納家具 そうだ。母が「収納がたくさんほしい」と言っていました!やはり2人部屋になると収納の量も多くなるんでしょうか? おっしゃる通りです。2人で入居をする前提の居室なので、1人部屋よりも収納が多い傾向があります。具体的には、1人部屋にクローゼットが1つ設置されている施設は、2人部屋には2つ設置されていたり。とはいえ、ご実家の荷物をすべて持ち込むことは不可能ですので、入居の前に整理をすることをおすすめします。 そうなんですよね…。亡くなった父のものもまだ残っているので、これを機に整理しようかな…。 もし、設備や収納などに希望があるのであれば、リストアップしておきましょう。設備や収納は施設によってまったく異なるので、「キッチン付き」「クローゼット2つ以上」など希望をメモしておくと、施設探しがスムーズに進むと思いますよ。 老人ホームの種類によっては2人部屋がない場合も 老人ホームの種類によっては、以下の図のようにそもそも2人部屋がない施設もあります。その施設を避けるだけでも、効率的に施設探しができるようになるはずですよ。 老人ホームの種類 2人部屋の有無 入居条件(要介護度) 公的施設 特別養護老人ホーム × 要介護3以上 介護老人保健施設 × 要介護1以上 介護医療院 × 要介護1以上 ケアハウス(軽費老人ホーム) 〇 自立~軽度の要介護 民間施設 介護付き有料老人ホーム 〇 要支援1以上 住宅型有料老人ホーム 〇 自立~軽度の要介護 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 〇 自立~軽度の要介護 グループホーム 〇 要支援2以上 2人部屋だと料金が2倍になる? 2人部屋の料金が気になります!2人部屋だと、やはり費用も2倍になるんでしょうか? いえ、すべての費用が2倍になるわけではありません。基本的には「家賃」に関連する費用と管理費が増額されます。当然ながら2人部屋の方が家賃が高くなるので、それに関係する費用も一緒に高くなるんですね。料金形式によっても変わるので、「初期費用」と「月額費用」の2点からお金についてお話ししますね。 初期費用は 老人ホームの初期費用には、大きく分けて「敷金」タイプと「一時入居金」タイプの2種類があります。敷金は一般的な賃貸住宅と同じもの。家賃に合わせて「家賃◯ヵ月分」と設定されている場合が多いです。そのため、1ヵ月の家賃が高くなるのに合わせて、敷金が高額になります。 確かに、一般的な賃貸アパートも1ヵ月の家賃が高くなれば、敷金も高くなりますもんね。 また、「一時入居金」とは前払い家賃のことです。毎月払う家賃の一部や全額を入居時に支払うことで、毎月の負担が軽くなります。そして、一時入居金も家賃であることには変わりないので、2人部屋で家賃が高くなれば一時入居金も高くなります。 月額費用は 老人ホームの月額費用の内訳は、基本的に以下の通りです。 家賃 管理費 食費 介護サービス費 この中のうち、2人部屋の方が金額が多くなるのは、家賃と管理費です。家賃は、部屋の広さなどによって金額が異なります。つまり、2人部屋の家賃が単純に1人部屋の倍になるわけではありません。目安としては、1人部屋の1.5~2倍が2人部屋の家賃の相場です。 へぇー、必ず2倍になるわけではないんですね。そういえば、2人部屋に入居しても食費や介護サービス費は変わらないんですか? そうです。なぜなら、基本的に食費や介護サービス費は、利用した量や回数によって金額が決まるため。部屋の広さや設備に左右されるものではないからです。 2人部屋に入居するときの注意点 2人部屋についてよくわかったので、北野室長の話を参考にして施設探しをしようと思います。 ちょっと、待ってください!2人部屋に入居を決める前に、注意していただきたいことがあります。 注意すること?何ですか? 要介護度が高いと広い部屋は使いにくいことも 実は、広い居室は介護度が高い方にとって使い勝手が悪いことがあるんです。現在、お母様は介護認定を受けていらっしゃいますか? はい。要介護1です。でも、まだ自分のことは1人でできていますよ。料理も掃除も自分でやっているくらいですし。 それであれば、2人部屋に入居しても大丈夫でしょう。ただ、今後、身体機能が低下したり認知症を発症してしまった場合、2人部屋は広くて持て余してしまう可能性があります。 どういうことですか? 介護が必要な状態になると、掃除や料理、洗濯などが大変になったり、介護職員さんにお願いすることになりますよね。また、トイレにまで行くのも一苦労になるでしょう。なのに、2人部屋では部屋が広いことで家事やトイレをする負担が増加すると考えられます。また、身体状況がさらに悪化して、常に見守りが必要な状態になると、リビングなどの共有スペースで過ごす時間が長くなります。部屋で過ごす時間が短くなるので、広い部屋である必要性が低くなることもありえますよね。 確かに!今は母がまだ元気なので広い部屋でのびのび暮らしてもらいたいと考えていましたが、介護が必要になったら、そんなことも言ってられないですもんね。 それに、共有スペースの風呂や食堂を使う場合、2人部屋のように広い部屋は必要ないと感じるかもしれませんね。 1人部屋よりも数が少ない 実は、老人ホームの2人部屋を探すのは、1人部屋を探すよりもハードルが高いんです。 えっ、それはなぜですか? 2人部屋の方が圧倒的に数が少ないからです。先ほどお話ししたように、施設の種類によっては2人部屋を設けていません。そのうえ、2人部屋がある施設であっても1人部屋よりもずっと数が少ないです。そのため、空室がないことも多く、入居するまでに長い期間待つかもしれません。 そうなんですか!?知りませんでした…。 「2人部屋の方が広くて良い」と思われる方はよくいらっしゃるのですが、注意点もいくつかあるので、気をつけながら施設探しをしてくださいね。 1人でも老人ホームの2人部屋に入居できる! 老人ホームの種類によっては2人部屋がないことも 介護が必要な場合、2人部屋では使い勝手が悪いかも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/07/04

施設入居 食事 医療体制

腹膜透析でも老人ホームに入居できますか?父親が自分で処置をできなくなってきました

腎不全で腹膜透析をしている父の老人ホームを探しています。腹膜透析は父自身でおこなっていますが、最近になって処置がうまくできていないことがあるようです。 そのため、週2回利用している訪問看護師さんやケアマネジャーさんから老人ホームへの入居を勧められています。 腹膜透析でも入れる老人ホームはあるのでしょうか? (吉野さん・会社員・63歳) 腹膜透析の人を受け入れている老人ホームはあります。ただ、かなり数が限られています。もともと腹膜透析を選択する人が少ないため、腹膜透析を受け入れていることをホームページやパンフレットなどで公開していないこともあります。そのため、まずは施設に入居可能かを相談することが必要。看護師さんが24時間常駐している施設や、訪問看護を使える施設に相談してみましょう。腹膜透析の人を受け入れている施設はかなり少ないので、ぜひ「いい介護 入居相談室」も活用してください。吉野さんの施設探しの負担がかなり減ると思いますよ! 腹膜透析で老人ホームに入居できる? 実家で一人暮らしをしている父の老人ホームを探しています。父は3年ほど前から腹膜透析をしていて。これまでは父が自分で処置ができていたのですが、最近はきちんとできていないことも増えたようです。そのため、訪問看護師さんやケアマネジャーさんから老人ホームの入居を勧められました。腹膜透析でも受け入れてくれる老人ホームってありますか? 腹膜透析の人を受け入れている施設はあることはあるのですが…かなり少ないですね。病院に通院して透析をする血液透析だったら、受け入れている施設は多いのですが…。 腹膜透析だと入れる施設は少ないんですか…。 でも、まったくないわけではありません!ちょっと探し方にコツがいるので、順番にお話ししていきますね。 腹膜透析でも入居できる老人ホームの探し方は? 腹膜透析の人を受け入れている老人ホームは数が少ないうえに、そもそも腹膜透析をしている人が少ないため、腹膜透析の対応が可能であることをホームページやパンフレットなどで公開していないこともあるんです。 えっ!そうなんですか!じゃあ、どうやって探したら良いんですか? 基本的には施設に問い合わせるのが一番です。施設の中には受け入れができるように調整してくれることもあるので、相談してみることが大切ですね。とは言っても、やみくもに施設に問い合わせるのは大変ですから、以下の特徴のある施設に相談してみると、受け入れてくれるかもしれませんよ。 医療体制が整っている 訪問看護を使える 医療体制が整っている 「医療体制が整っている」ってどういう施設でしょうか?何か特徴がありますか? 例えば、ホームページなどに「24時間看護師常駐」といった文言が記載されている施設です。昼夜問わず看護師さんが勤務しているため、常に医療ケアが必要な人が多く入居しています。看護師さんの数も多いので、多様な医療ケアに対応していることが多いです。医療ケアの頻度が多い人も受け入れていることが多いので、相談してみてください。 訪問看護を使える 「24時間看護師常駐」の施設ではなくても、訪問看護サービスを活用することで腹膜透析の人を受け入れてくれる施設があります。こうした施設は、訪問看護ステーションが併設されていたり、医療機関との協力関係がしっかりしている傾向があります。ただ、訪問看護やその他の介護サービスを利用するごとに費用がかかりますから、お金がかさんでしまう可能性があるので要注意です。 腹膜透析の注意点 吉野さんは既にご存知かもしれませんが、腹膜透析の注意点を改めて確認しておきましょう。具体的には、以下の3点です。 将来は血液透析に移行する 食事制限が要ることがある 感染症の可能性が高まる 将来は血液透析に移行する 腹膜透析は、開始から数年後には血液透析に移行しなければいけません。というのも、透析液を流す腹膜は数年経つと透析膜としての機能が低下します。さらに腹膜透析では対応できないほど、腎不全が進行した場合にも血液透析に移行する必要があります。たいていの場合は、腹膜透析を始めてから5~10年後には移行するとされています。 そういえば、父の病院の先生から説明を受けた記憶があります。 血液透析に移行することを考えて、施設探しのときには腹膜透析と血液透析のどちらも対応できる施設が良いでしょう。腹膜透析が対応できるのであれば、血液透析にも対応していることが多いので、「血液透析にも対応していますか?」と一言、確認しておくだけ大丈夫ですよ。血液透析の受け入れをしている施設については、以前のご質問でもお答えしているので、ぜひ参考にしてください! 食事制限が必要なことがある 腹膜透析に関わらず、人工透析をしている人の多くは食事制限が必要です。お父様には食事制限がありますか? はい。塩分制限とカロリー制限をしています。そういえば、食事制限って老人ホームで対応してもらえるんでしょうか? 腹膜透析の対応をできる施設には、腎不全以外にも食事制限が必要な病気を持っている人が多く入居している傾向があります。なので、食事制限ができないことはないと思いますが、念のため確認をしておきましょう。 感染症の可能性が高まる 腹膜透析の場合、透析液を注入するときに細菌が体内に入って感染症を引き起こす可能性があります。また、カテーテルが入っている部分から感染するおそれもあります。こうした危険性から、訪問看護師さんやケアマネジャーさんが施設への入居を勧めていると考えられるので、施設に入居したら腹膜透析の処置は看護師さんにお任せした方が良いでしょう。 腹膜透析の費用を抑える「高額療養費制度」 腹膜透析には、たくさんの費用がかかりますよね。特に老人ホームに入居すると、在宅介護よりも多くのお金がかかる傾向があります。そこで、「高額療養費制度」を活用してお金を費用を軽減しましょう。 「高額療養費制度」とは何ですか? 高額療養費制度は、1ヵ月の医療費が上限額を超えた場合に自己負担が軽減される制度です。しかも、慢性腎不全による腹膜透析の場合、特例で費用負担額が月1万円になるんです。 えっ!1万円になるんですか!? そうなんです!それ以上支払う必要はありません。ただ、申請が必要なので、加入している医療保険の窓口に問い合わせてくださいね。 数は少ないが、腹膜透析でも入居できる老人ホームはある! 医療体制が整っている、訪問看護で対応できる施設を探そう 将来は血液透析に移行することも念頭に施設探しをして pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/06/20

施設入居 在宅介護 認知症介護

父親の老人ホームの入居を親戚に反対されています。手伝いもしないのに口だけ出す親戚に困っています。

同居している父親を老人ホームに入居させようとしたら、叔母から反対されて困っています。 父親は認知症が進行しており、ほぼ毎回トイレを失敗。なのに、私の介助を拒否したり、怒鳴って私に手を上げることもあります。こんな状況なので、もう疲れて仕事にも支障が出ているんです。 だから施設に入居させたいのに叔母は「介護施設に入れるなんてかわいそう」と反対。たまに顔を見せるだけで介護を手伝うわけでもないのに、口だけ出されて困っています。 (高山さん・パート・63歳) それは大変な状況ですね…。そういうご相談はよくいただきます。例えば、老人ホームに入居すると身体状態が悪くなったり、認知症が進行すると考えていて、入居を反対されたり。また、介護の状況を理解していないために「老人ホームに入る必要がない」と思っていたり…。そういう場合は、老人ホームを見学してもらって実際の施設について理解してもらう、普段のお父様の状況を動画などで記録して見てもらうなどの対応ができます。在宅介護を続ける場合は、そのご親戚に介護の一部を担当してもらったり金銭的な支援をしてもらうなどの交渉をすることも検討してください。まずはお父様と介護をしている高山さんの生活が最優先。お二人が安心して暮らせる選択をしてくださいね。 親戚が老人ホーム入居に反対する5つの事例 父の在宅介護が限界なので、老人ホームに入居させようといくつかの施設を候補に考えています。そのことを叔母に話すと、「介護施設に入れるなんてかわいそう」と反対されてしまいました。父は身体は元気なものの、認知症の影響でトイレに間に合わなかったり、ちょっとしたことで怒鳴り出したりと面倒をみるのも大変。私の介助を拒否して手を上げられることもあり、自宅で介護を続けるのに限界を感じています。でも父と叔母は仲の良い兄妹なので、叔母の言葉を無視するわけにもいかなくて…。 なるほど…。私も入居相談を受ける中で、そういったご相談はよくいただきます。これまでいただいた相談から、以下の5つの事例と対応方法をご紹介しますね。 施設に入居したら状態が悪化すると思っている 施設入居の必要がないと思っている 家族や地元から引き離すのがかわいそうだと思っている 老人ホームの費用の支払いを心配している 入居する施設が気に入らない 施設に入居したら状態が悪化すると思っている まだまだ介護施設に悪いイメージを持っている人がいます。いわゆる「姥捨て山」のイメージですね。なので、介護施設に入居したら身体状態が悪化したり、認知症が進行すると思っているんです。そう言う人は、施設に入ったら「自由がなくてベッドで寝たきりにさせられる」と考えているんですね。 確かに、叔母は「施設に入れたら何もできなくなる!」と言っていました。老人ホームに良い印象を持っていないのは確かですね…。 その印象を少しでも良くしてもらうために、一緒に老人ホームの見学をするのはどうでしょうか?高山さんもご存知のとおり、一昔前とは異なり、最近の老人ホームはかなり良いものになっています。レクリエーションや体操を生活に組み入れ、「入居したらベッドの上で寝かせっぱなし」ということはまずありません。そういった実際の老人ホームの様子を叔母様に見ていただくのがおすすめですよ。 施設入居の必要がないと思っている 介護の状況を正しく理解していないために「施設に入居する必要はない」と、ご親戚が思っているケースもありました。たまにしか顔を合わせない人であれば、お父様の普段の様子はなかなか把握できないですよね…。それに、介護の経験がない人だと介護の大変さをイメージできず、「そこまで大変ではない」と思っていることもあります。 本当にそうなんですよ!「こんなに元気なのに施設に入れる必要があるのか」と言われました。父も叔母の前では、昔と同じように振る舞います。認知症の症状もなく、元気になってしまうんです。だからなのか、叔母も父の認知症がそこまでひどいとは思っていないようで…。 となると、いつものお父様の状況を動画やメモなどで記録して見せるのが良いかもしれません。認知症の人は、普段会わない人の前では頭がはっきりとして、認知症になる前と同じように振る舞えることも多いんですよ。なので、いつもの姿をはっきりと見てもらいましょう。もしくは、かかりつけ医やケアマネジャーさんからお父様の状況を説明してもらうのもひとつの手。第三者の専門家から説明を受けると納得できるケースも数多くあります。 家族や地元から引き離すのがかわいそうだと思っている ご家族や地域の愛情が強い人の介護施設の入居を検討している場合、「引き離すのがかわいそう」という理由で反対されるケースもあります。特に、長年連れ添ったご夫婦のお一人だけが入居する場合だと、「お父さん(お母さん)から引き離すのはかわいそう」という反対意見が出るといった話をよく伺います。 そういうこともあるんですね。うちはすでに母が亡くなっていますし、そういうことはないですね。ただ、父は生まれてからずっと地元から離れたことがない人なので、「地元から離すのがかわいそう」と叔母は考えているのかもしれません。 そういうときは、介護の負担が大きくて大変なことだけではなく、入居するご本人のためにもなることを伝えましょう。特に、在宅介護を続ける危険性について話すと良いかもしれません。具体的には「ガスコンロなどの火の管理ができずに火事の危険がある」「ふらつくことが増えて転倒するリスクがある」「部屋にこもりきりで、認知症の進行や身体機能の低下の可能性がある」といったことです。老人ホームに入れば、こうした危険性は回避できるでしょう。介護施設だからこそ、安全・安心な暮らしができることが伝われば、反対する気持ちも和らぐかもしれません。 老人ホームの費用の支払いを心配している 特に他のご兄弟から反対を受けるケースで多いのが、老人ホームの費用の支払いを心配しているパターンです。入居するご本人の財産から費用を出すのか、ご家族が出すのか…。「自分がお金を出さないといけないのでは」と考えて反対していることもあります。 私は一人っ子なので、兄弟から反対を受けるということはなかったですね。ちなみに今回の父の入居は、基本的に父の年金と貯金から出そうと思っています。足りなさそうであれば、私が多少出すかもしれませんが…。 もし、お金のことが心配で反対されている場合、「どこからお金を出すのか」を明確に伝えた方が良いですね。はっきり老人ホームの費用がわかっていれば、「本人のお金から◯万円」「私(子ども)のお金から◯万円」と内訳を伝えるのも良いでしょう。もし、金銭的な支援を頼む場合も、「我が家から◯万円出すから、◯万円出してくれない?」とお願いするのがわかりやすいですね。 入居する施設が気に入らない まれなケースですが、「入居予定の施設が気に入らない」という理由で反対されることも。気に入らない理由は「アクセスが悪くて行きにくい」「大手ブランドではない」「悪い噂を聞いた」「〇〇という種類の施設は対応が悪いと聞いた」などさまざまです。こうした場合も、実際の施設を一緒に見学してもらうのがおすすめです。反対している懸念を払拭し、噂話などではなく自分の目で見て納得してもらいましょう。可能であれば、施設の担当者に実際の対応内容を確認するのも良いですね。「どこまでが対応できて、どこからは対応できないのか」を理解してもらうことで、老人ホームでの暮らしをイメージしやすくなると思いますよ。 在宅介護を続けるなら、役割分担をしよう いろんな理由で、親戚に老人ホームの入居を反対される人がいるんですね。具体的な例を聞けてよかったです。ただ、もし叔母の説得ができなかったらどうしたら良いんでしょう…。叔母は頑固なので説得ができないかもしれません。 在宅介護を続けるということですよね。高山さんのお話を聞く限り、今のままで在宅介護を続けるのは難しいでしょう。高山さんが体調を崩してしまう可能性もあります。なので、在宅介護を続けるように言われたら、叔母様に介護の協力を依頼しましょう。「週◯回は介護をする」「通院の送り迎えを担当する」など、具体的にお願いすることが大切です。 叔母に介護を頼むんですか?やってくれるかな…。叔母も年ですし…。 叔母様が実際に介護ができない場合でしたら、金銭的な支援をお願いするのはどうでしょうか?在宅介護でも介護サービスをたくさん使うことで、かなり負担は減ります。もちろんそのためには今よりもお金がかかりますから、その分の費用を出してもらうんです。正直なところ、「介護もできない」「お金も出せない」と言う人の意見よりも、介護をする人・介護をされる人の安全や健康の方が優先です。何より、高山さんの生活ですからご自分の暮らしや健康を一番に優先した選択をしてくださいね。 「姥捨て山」のイメージがある、介護の実情を理解していないことで親戚から入居を反対されることも 動画やメモを使ったり、かかりつけ医やケアマネジャーから説明をしてもらって、介護の実情を理解してもらおう 在宅介護を続けるなら、介護の分担や費用の負担の相談をしよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/06/06

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

一人っ子だから母親の介護を誰にも頼れない!一人での介護に限界を感じています。

数ヵ月前、母が転倒して脚を痛めてから週に2回、実家に通って介護をしています。母は身の回りの最低限のことは自分でできるものの、以前のように家事はできません。父も同居していますが、全く家事ができない人で…。 それに、私は一人っ子で他に頼れる親族もいません。今はなんとかなっていますが、今後、母の状態が悪くなって常に介護が必要になったり、父の介護もしないといけない状況になったらと考えると不安です。 私一人でも介護ができる方法はあるでしょうか? (栗原さん・61歳・パート) 介護は一人で抱え込まなくても良いんです!介護の相談窓口や在宅介護サービスにどんどん頼りましょう!介護の相談窓口には、「地域包括支援センター」や市区町村の福祉相談窓口などがあります。そこで相談すれば、在宅介護サービスの利用手続きなどのアドバイスがもらえますよ。もし在宅介護サービスを駆使しても在宅介護を続けるのが難しい状況になったら、介護施設に入居することも検討してみてください。有料老人ホームなどのさまざまな種類の施設があるので、きっとお母様にぴったりの施設がみつかりますよ。 一人っ子の介護は相談窓口を頼ろう 実家の母が先日転倒して、ほとんど歩けなくなりました。母は父と二人暮らしですが、父が家事ができない人なので私が週に2回、実家に通って料理や洗濯をしています。私は一人っ子なので、介護はすべて私一人でやらないといけません。でも、今は母も身の回りのことは最低限できているものの、これから先、もっと介護が必要になるかもしれません。それに父の介護も必要になるかも…。そう考えると不安でいっぱいです。このままやっていけるでしょうか? 介護は一人でできるものではありませんよ!まずは誰かに頼りましょう!すぐに頼れるご親族がいないのであれば、介護の相談窓口に頼るのはどうでしょうか? 介護の相談窓口、ですか? そうです。以下のような相談窓口や相談先を持っておくことで、介護がかなり楽になりますし、これからの介護のアドバイスをもらえることもありますよ。 地域包括支援センター 市区町村の福祉相談窓口 医療機関 地域の民生委員 知り合い 地域包括支援センター 「地域包括支援センター」とは地域のご高齢者の暮らしを、介護・医療・福祉といった面から支援する窓口です。ご高齢者の生活の「総合相談窓口」ですね。保健師やケアマネジャーなどの福祉や介護の専門家が、ご高齢者の暮らしの相談に乗っています。市区町村が運営する福祉施設内に設置されていたり、特別養護老人ホームに併設されていることもあります。地域によって呼び方が異なることもありますので、お住まいの自治体に確認してくださいね。 うちの地域の地域包括支援センターはどこにあるんだろう?調べてみなくちゃ。 市区町村の福祉相談窓口 市区町村の役所に福祉に関する相談窓口が設置されています。「高齢者福祉課」「介護保険課」など名称は自治体によって異なりますが、役割は概ね同じです。介護サービスを利用するときに必要な「要介護認定」の申請もこの窓口でおこないます。介護をするうえで、介護サービスはぜひ使っていただきたいのでこの相談窓口を活用していってください。また、要介護認定は前に紹介した地域包括支援センターでも手続きができます。 医療機関 医療機関って病院のことですよね?病院で介護の相談ができるんですか? はい。特に認知症が疑われる場合は、かかりつけ医に診てもらうことになりますから、病院は介護と切っても切り離せない存在なんですよ。また、怪我や病気がきっかけで介護が必要になることもあります。そういうときにも介護や治療の相談に乗ってくれますよ。 地域の民生委員 地域の民生委員さんも介護するうえでの強い味方。民生委員さんは介護に関わらず、暮らしで困ったことがあったときに行政サービスなどにつないでくれます。地域のご高齢者の家を訪問して顔見知りになっていることもあるので、地域の民生委員さんに頼るのもひとつの手です。 知り合い もし、ご近所やお知り合いに介護の経験がある人がいれば、その人に相談してみるのも良いでしょう。自分の介護経験から具体的なアドバイスがもらえるかもしれませんし、何より、気軽に話ができます。それに、誰かに話すだけでも気持ちが楽になることもありますよね。 一人っ子の介護は介護サービスを駆使して そういえば、お母様は介護サービスを利用していますか? いえ、利用していません。身の回りのことはなんとか一人でやっているみたいですし、まだ必要ないかなと思って。 いえいえ、在宅介護サービスでは掃除や料理などの家事の依頼もできますし、身体の衰えを防止するために介護施設に通って介護予防体操などをするサービスもあるんですよ。そういったサービスを活用すれば、栗原さんの負担がもっと軽くなるんじゃないでしょうか? へー!トイレや食事の介助をしてくれるだけかと思っていました。在宅介護サービスってどんなものがあるんですか?詳しく教えてください。 もちろんです!在宅介護サービスにはたくさんの種類があります。具体的には以下のサービスです。 訪問サービス 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 通所サービス 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 宿泊サービス 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 複合サービス 小規模多機能型居宅介護 主なサービスについて紹介していきますね。 訪問サービス 訪問サービスとは、介護の専門家が自宅まで来てくれてサービスを提供するものです。慣れた環境で介護を受けられるのが魅力です。 訪問介護 訪問介護は、訪問ヘルパーさんが自宅で介護サービスを提供するもの。入浴、排泄、食事などの身体介助や、料理、掃除、洗濯などの生活支援もおこないます。 訪問介護は聞いたことがあります!うちまで来てくれるなんて、助かりますよね。 訪問リハビリ 訪問リハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士というリハビリの専門家が訪問してくれるもの。自宅で一対一のリハビリが受けられ、自宅の設備に合わせた動作の方法や介助方法の指導もしてくれます。また、身体状況に合わせた福祉用具や住宅改修のアドバイスももらえます。 そんなこともしてくれるんですね!母が脚を悪くしてから家の中の小さな段差を怖がって部屋から出ることが減ったんです。アドバイスをもらえたら、もう少し動いてくれることが増えるかも…。 通所サービス 通所サービスは、介護施設に通ってサービスを受けるものです。介護施設での本格的なリハビリが受けられたり、サービスを受けている間、介護している人の時間が作れるなどのメリットがあります。 通所介護(デイサービス) デイサービスは、介護施設に行って食事や入浴などの介助を受けられるサービスです。レクリエーションで体操をしたり、機能訓練なども受けられます。利用時間は、9~17時までのパターンが多いですね。 宿泊サービス 宿泊サービスは短期間の宿泊ができるサービス。ご家族が家を数日留守にするときや旅行などに行くときに利用されます。つまり、ご家族がどうしても介護ができなかったりリフレッシュをしたいときに利用できるサービスですね。 家族のリフレッシュのためのサービスがあるんですね!知らなかったです。 短期入所生活介護(ショートステイ) ショートステイは、1日から介護施設に宿泊できます。宿泊している間は食事や入浴、排泄といった一通りの介助をしてもらえます。最大30日まで連続で利用できるので、老人ホームに入居する前の待機期間中に利用されることもあります。 複合サービス 複合サービスは、訪問・通所・宿泊サービスをすべて提供するサービスのこと。複合サービスは小規模多機能型居宅介護の1種類だけです。 小規模多機能型居宅介護 小規模多機能型居宅介護では、1つの同じ介護事業所が訪問・通所・宿泊の3つのサービスを提供します。それぞれのサービスを別々の事業所から受けることもできますが、一括して同一の事業所から受けることで、すべてのサービスを同じスタッフさんから受けられるのです。自宅、デイサービス、ショートステイのそれぞれ場面での様子を把握している人にケアしてもらえる安心感があります。それに、ご家族としても信頼関係のできているスタッフさんからサービスを受けられるのは魅力ですよね。 在宅介護が厳しくなったら施設入居も 在宅介護サービスについてお話ししましたが、今後、お母様の状況が変化していくと、在宅介護を続けるのが難しくなるかもしれません。 それは私も思っていました。今はトイレも入浴も自分でできますが、これからどうなるかわかりません。それに、父も高齢ですから介護が必要になるときが来ると思います。二人とも同時に介護が必要になったら、一人っ子の私が介護をしていけるとは思えなくて…。 そうですよね。不安になりますよね…。もし、「どうしても在宅介護が難しい」と感じたら、老人ホームなどの介護施設に入居することも考えてみてください。 老人ホームですか…。もしかしたら、近い将来、入ることになるかもしれません。でも、老人ホームってどんなものがあるんでしょうか?いろんな種類があるということを以前聞いたことがあるのですが…。 おっしゃる通りです。介護施設には、以下のようにたくさんの種類があります。 民間施設 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 公的施設 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 養護老人ホーム ケアハウス 今回は、「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「特別養護老人ホーム(特養)」について紹介しますね。 民間企業が運営する介護施設 民間企業が運営する施設は、自由度が高いのが特徴です。ホームページや資料を見るだけでも、施設ごとの特徴がはっきりしていることがわかると思います。それだけに、明確な希望の条件を定めてから施設探しをすることをおすすめします。 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、「有料老人ホーム」と名の付く介護施設の中でも介護がより必要な人向けの施設。介護スタッフが24時間常勤しているので、夜間にトイレ介助やおむつ交換が必要な人も入居できます。 そうなんだ!だったら安心ですね。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、比較的にお元気なご高齢者向けの施設。介護スタッフが常に常駐しているわけではなく、介護サービスが必要なときは外部の訪問介護やデイサービスと契約が必要です。全館バリアフリーになっているので、「段差があるから自宅で暮らすのは不安だけど、そこまで介護が必要ではない」という人にはぴったりです。 なるほど。今の母には合いそうな施設ですね。 公的な法人が運営する介護施設 公的な介護施設は、社会福祉法人や医療法人が運営している施設です。民間施設よりも安いのが魅力ですが、入居の際の条件が多いのが特徴です。 特別養護老人ホーム(特養) 特別養護老人ホームは、要介護3以上の人が入れる施設です。要介護3というと、歩行がほぼできなかったり認知症が進んでいるために日常生活のほとんどで介護が必要な状態。ご自宅での介護が難しくなると、まず入居の候補に上がる介護施設です。 確かに、歩けないと自宅での介護は難しいですよね…。うちの両親がそうなったら、老人ホームに入ってもらわないといけなくなるかも。 ただ、一人っ子の栗原さんの場合、介護すること自体はもちろん、介護サービスの利用手続きや施設探しも一人ですることになると思います。仕事や介護、諸々の手続きを並行するのはとても大変です。ご両親の介護に限界を感じてからではなく、余裕のあるうちから施設探しを始めてくださいね。 一人っ子が介護するときは相談窓口を積極的に頼ろう! 在宅介護サービスをどんどん使って負担を減らすのが大切 在宅介護が難しくなったら、施設に入居することも考えて pre { margin: ...

2023/04/27

施設入居 老人ホームの暮らし

老人ホームにパソコンは持ち込めますか?父親がパソコンが趣味なので、ネットが使える介護施設を探しています

遠方に住んでいる父親を私の家の近くに呼び寄せて、老人ホームに入居させようかなと考えています。 ただ、父はパソコンが趣味で、長年のメール友達とやり取りするのが楽しみなのですが…。老人ホームにはパソコンを持ち込めるのでしょうか?パソコンが使えなくなるのであれば、介護施設に入ることに納得してくれないと思います。 (西山さん・会社員・53歳) パソコンを持ち込める介護施設はありますよ!ただ、ご入居者が利用できるようにネットを整備しているところは限られてしまいますが…。そのため、もしネット環境が整っていない施設であれば、ポケットWi-Fiを持ち込むこともひとつの手。ただ、施設によっては、家電を持ち込む場合は追加で電気料金がかかるところもあるので事前に確認が必要です。 老人ホームにパソコンは持ち込める? 遠方に住んでいる父を私の自宅の近くに呼び寄せようと、介護施設を探しています。ただ、父はパソコンを使うのが趣味なのでパソコンが使えないとなると、施設に入ることに納得しないと思います。老人ホームにパソコンは持ち込めますか? パソコンを持ち込める老人ホームはありますよ!ただ、ネット環境が整っている施設となると、数がかなり限られてしまいます…。 そうなんですね。どんな施設だったら、パソコンが使えるんでしょうか? パソコンが使えるかどうかは、施設によって大きく異なります。なので、「こういう施設だったらパソコンが使えます」とは言い切れないんですね。そこで、「パソコン持ち込み可」にしていることが多い施設についてお話ししますね。 持ち込めることがある介護施設の種類 「介護施設」とひとくちに言っても、施設の種類によって対応できる内容が大きく異なります。それはパソコン使用の可否についても同様です。パソコンの持ち込みをOKにしている施設は、介護認定を受けていない人(自立)の受け入れをしていたり、介護度が低い人が多く入居している傾向があります。具体的には、以下の施設ではパソコンOKとしていることがあります。 サービス付き高齢者向け住宅 住宅型有料老人ホーム 介護付き有料老人ホーム この3つの施設は、何が違うんですか? サービス付き高齢者向け住宅は、介護施設の中でも自立の人や介護度の軽い人を対象としています。その名の通り、ご高齢者向けの”住宅”なんですね。中には、フィットネスジムやカラオケルームなどの設備もある施設もあります。そのため、比較的に、他の種類の介護施設よりもパソコンの持ち込みができる場合が多いです。 へー!そういうところだったら、父が入るのを嫌がらないかもしれないですね。その次の、「住宅型有料老人ホーム」というのは? 住宅型有料老人ホームは、2種類ある有料老人ホームの中でも介護度が軽い人が多く入居している傾向がある施設です。介護よりもレクリエーションやイベントなどに力を入れていることが多いので、住宅型有料老人ホームでもお父様は快適に過ごせるかもしれませんね。 なるほど。父は要支援2ですし、なんとか一人暮らしができるくらいには元気です。そういうレクリエーションが充実しているところの方が、生活に張りあいが出て良いかも。 最後に挙げた介護付き有料老人ホームは、夜間帯も介護士が常勤しているなど介護体制が充実している施設です。介護度が高い人が多く入居している傾向がありますが、自立の人も受け入れている施設では、パソコンの使用ができる場合があります。ただ、やはり介護度が高い人が多く入居している施設だと、お父様が他のご入居者との身体状況のギャップを感じてしまって「生活しにくい」と感じてしまう可能性があります。もちろん、他のご入居者の状況や対応内容については、施設ごとに違うのが実情です。そのため、施設に確認したり、見学して直接確かめることをおすすめします。 動画を観るだけなら… もし、パソコンを使うのが動画を観るだけなのであれば、最近ではテレビをネットにつないでいる施設もあるので、そうした施設を選ぶのも良いでしょう。もちろん、共有のテレビなので自由に動画を観られるわけではありません。譲り合って利用してくださいね。 パソコンを持ち込むときの注意点 介護施設にパソコンを持ち込むときには、いくつか注意点があります。その注意点をクリアしないと、パソコンの持ち込み自体はOKでも利用ができない場合がありますので、事前に確認しておいてください。具体的には、以下のようなことに注意してくださいね。 パソコンを使える場所 電気料金 ネット環境 作業スペースの確保 介護施設では、パソコンを使用できる場所を制限している場合があります。最も多いのは、「自分の居室の中だけ」というケースでしょう。ごくまれに、パソコンを使うためのスペースを設けている施設もあります。そのスペースだけネットが使えるようにしていることが多いですね。施設からパソコンを使用する場所の指定があった場合、それに従ってください。 電気料金 パソコンを使うと、電気料金が追加されることがあるんですか? そうなんです。電気料金を居室ごとのメーターで請求する施設ではそうしたことはまずありません。が、電気料金を毎月一律料金に設定している施設では、パソコンを持ち込むことで追加料金が発生することがあります。これはパソコンに限ったことではなく、冷蔵庫や電気ケトルなどの自分の家電を持ち込んだ場合も同じです。施設ごとに対応が変わるところなので、事前によく確認しておいてくださいね。 ネット環境 また、パソコンの持ち込み自体は可能でも、ネット環境が整っていない施設もあります。 えっ、じゃあパソコンが使えないじゃないですか! そうなんです。まだまだネットが自由に利用できる施設ばかりではないので、「自分で別途ネットの契約をするのであれば、パソコンの使用OK」という対応をとっているわけですね。なので、そういうときはポケットWi-Fiの契約をして、施設に持ち込むなどの対応が必要です。 作業スペースの確保 意外と盲点なのが、パソコンを使うスペースの確保です。施設の中には、備え付けの机や椅子が用意されているところもあります。が、ほとんど備え付けの家具がないこともあるんです。そうなると、パソコンを使用する場所をどうするか問題になりますよね。特にご高齢者は、転倒リスクが高いため安全な移動スペースの確保が重要。特に車椅子を使用している場合、車椅子の導線も確保しつつ、机や椅子などの家具を置かないといけなくなりますよね。 確かにそうですね…。パソコンの持ち込みがOKの老人ホームを選ぶにしても、いろいろと考えなくちゃいけないことがあるんですね。 パソコンを使いたいと思うと、つい「老人ホームはパソコンの持ち込みが可能か」という点に目が行きがちですが、持ち込んだ後のことについても注意しないと、「家から持ってきたのにパソコンが使えない!」なんてことが起きてしまいます。見学などのときにしっかり確認してくださいね。 パソコンを持ち込める老人ホームはあるが、数が限られる サービス付き高齢者向け住宅などの民間施設だと持ち込めることがある パソコンを持ち込むときは、追加で電気料金の有無やネット環境を確認して pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2023/04/24

施設入居 認知症介護 サービス付き高齢者向け住宅

認知症でもサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に入居できますか?入居先を探すときのポイントも教えてください。

先週、認知症の父が勝手に家を出て迷子になり、警察に保護されました。家に一人でいるときのことだったので、できるだけ父を一人にしたくないのですが、家族が仕事や学校でいなくなるためどうしても平日は一人になる時間があります。 なので、そろそろ介護施設に入居させた方が良いと思って、近くの介護施設をネットで検索したところ、自宅の近くに「サービス付き高齢者向け住宅」という施設があることがわかりました。 サービス付き高齢者向け住宅というのは、認知症の父でも入居できるのでしょうか? (田辺さん・会社員・57歳) サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の中でも、認知症の方を受け入れているかどうかは施設によって大きく異なります。というのも、サ高住のほとんどは外部の介護事業所と契約して介護サービスを利用する形式。常に介護職員さんの見守りがあるわけではないので、転倒などによって怪我をするリスクがあります。そのため、認知症の方が入居するなら「有料老人ホーム」や「グループホーム」などの認知症の方の受け入れ体制が整っている施設を探すことをおすすめします。 サービス付き高齢者向け住宅は認知症でも入居できる? 父の認知症が進行して、一人で外出すると自宅に帰って来れなくなってしまいました。先週、隣町の交番で保護されたばかりです。一人で家にいるときに出かけてしまったのですが、どうしても平日の日中は家族が家を空ける時間帯ができてしまって…。なので、そろそろ介護施設に入居させることを検討しています。ただ、ネットで調べてみると近所だけでもいろんな種類の介護施設があるみたいで迷っています。家のすぐ近くに「サービス付き高齢者向け住宅」という施設があるようなのですが、この介護施設は認知症の父でも入居できるのでしょうか? うーん…。正直、サ高住が認知症の方を受け入れるかどうかは施設によって大きく異なります。入居を希望する方の認知症の状況によっては受け入れているサ高住もありますし、認知症の方を全く受け入れていないところもあるんですよ。 えっ、そうなんですか!同じ種類の施設でも、受け入れるかどうかは異なるんですね…。 もし、入居できたとしても認知症の方がサ高住で生活するのはリスクがあります。順番にお話ししていきますね。 認知症の人がサ高住に入居するリスク まず、サ高住には2つのタイプがあります。それは、「一般型サービス付き高齢者向け住宅」と「介護型サービス付き高齢者向け住宅」です。介護型サービス付き高齢者向け住宅は、正式には「特定施設入居者生活介護」と呼ばれる介護サービスです。詳しくは後でお伝えしますが、一般型よりも介護体制が整っているタイプのサ高住ですね。対して、一般型のサ高住は介護サービスを提供していません。一般型に入居して介護サービスを利用するには、外部の介護サービス事業者と契約する必要があります。 介護施設なのに、入居しても介護サービスを提供してくれないんですか? そうなんです。というのも、サービス付き高齢者向け”住宅”という名前の通り、サ高住は介護を提供する施設というよりも、「ご高齢者が生活しやすいような環境を整えた住宅」という位置づけ。基本的には介助が必要がないご高齢者を想定した施設なんです。なので、介護サービスを利用したいときは外部の訪問介護サービスやデイサービスを使うことになります。在宅介護サービスを、自宅ではなくサ高住の部屋で利用するようなイメージですね。 つまり、介護サービスを利用できないわけではないんですよね。じゃあ、父は介護サービスを利用しながら生活したら良いってことですよね。 はい、そのように生活している方もいらっしゃいます。ただ、介護が頻繁に必要な方の場合、介護サービス費がかさんでしまう可能性があります。サ高住の場合、介護サービスの費用は都度払い。介護保険の自己負担額の上限を超えてしまった分は、全額負担なんです。そのため、「想定よりもずっとお金がかかってしまった…」なんてことも。介護が常に必要な方は、あまりサ高住はおすすめできません。 えっ、あまりお金がかかるのは困ります。うーん、父さんの場合はどれくらいかかるんだろう? そこは、実際の介護の量によるので施設に相談する必要があり、私からは何とも言えませんね…。あともうひとつ、認知症の方がサ高住に入居するときに注意しておいていただきたいのは、サ高住は出入口に施錠がされていないことが多い点です。有料老人ホームなどの認知症ケアに対応している施設では、認知症の方が一人で外出して迷子になるのを防ぐために、玄関を施錠していることがほとんど。しかし、サ高住の場合、認知症ではない方が自由に外出できるように、施錠していないことが多いんです。 そうなんですね…。となると、父がサ高住で暮らすのは難しいかもしれないですね。もし、一人で出かけてしまったら、迷子になってしまうかもしれませんから。 認知症の人を受け入れられる「特定施設」とは 正直なところ、お父様の状況だと、ほとんどのサ高住で対応が難しいかもしれません。ただ、数は少ないものの、有料老人ホーム並みに介護体制が整ったサ高住があるんです。そこであれば、お父様も安心して生活できるでしょう。 そうなんですか?そのサ高住は、他のサ高住と何が違うんでしょうか? その介護体制が整っているサ高住というのは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」という認定を受けている施設です。「特定施設」とも呼ばれます。この特定施設の認定を受けるためには、介護士や看護師などの人員や設備などの細かい基準をクリアしないといけません。つまり、手厚い介護をおこなうための職員や設備を整えたサ高住だけがこの「特定施設」の認定を受けられます。以前の質問で、特定施設のサ高住について詳しくお答えしているので、そちらも参考にしてください。 へぇ!では、特定施設の認定を受けているサ高住であれば認知症の父でも入居できるんですね。 はい。特定施設であれば、認知症ケアの実績があるところも多いです。何より、看護師が常駐していたり、介護士が夜間も勤務しているので夜のトイレ誘導などにも対応してもらえるのが魅力です。 でも、介護体制が手厚いとなると、料金が高いんじゃないですか? それが介助が必要な量が多い場合、一般的なサ高住よりも特定施設の方が費用が抑えられることがあるんですよ。と言うのも、一般的なサ高住の介護サービス費がサービスを利用しただけの”都度払い”であるのに対して、特定施設の介護サービス費は”定額制”。つまり、介助を何度頼んでも費用は上がりません。 そうなんだ!まだ、トイレの介助が必要な状況ではないですが、今後のことを考えると特定施設の方が良いのかな。 認知症の人を受け入れている介護施設はサ高住以外にも これまでの話をまとめると、父のような認知症の人が入居できる施設は特定施設の認定を受けているサ高住ということで良いですか? サ高住にこだわるのであればそうなります。ただ、特定施設のサ高住はかなり少ないです。もしかしたら、希望の地域にはないかもしれません。なので、サ高住にこだわらずに他の種類の介護施設にも目を向けてみるのはどうでしょうか? そうか、サ高住しか頭にありませんでしたが、介護施設は他にもいろいろありますよね。父が入れそうな施設というと、どんなものがありますか? 例えば、以下のような介護施設であれば、認知症の方の受け入れをしています。 有料老人ホーム グループホーム 特別養護老人ホーム 有料老人ホームってさっきの話に出てきましたよね。どんな施設なんですか? 有料老人ホームは「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類あります。住宅型有料老人ホームは、サ高住と同じように外部の在宅介護サービスを利用しながら生活する老人ホーム。認知症ケアには対応していることが多いですが、介護が必要な量が増えた場合、サ高住と同様、介護費用が高くなってしまう可能性があります。一方で介護付き有料老人ホームは、有料老人ホームの中でも特定施設の認定を受けている施設。そのため、介護サービス費は定額ですし、職員の人員や設備の面で充実した介護体制が整っています。 へぇ、そうなんですね。有料老人ホームも良いかなぁ。その次のグループホームはどんな施設ですか? グループホームは、認知症の方だけが入居できる施設です。最大9名のユニットごとに生活しているのが特徴で、職員とご入居者の距離が近くてアットホームな雰囲気なのが特徴です。認知症の方しか入居していないこともあり、認知症ケアに特化しています。もし、お父様が大人数よりも少人数での生活が向いているようであれば、グループホームが合っていると思いますよ。 なるほど。父は、そもそも他人と生活したことがない人ですから、もしかしたら少人数のところの方が良いのかもしれません。 最後の特別養護老人ホームというのは、「要介護3」以上の介護認定を受けた人が入れる老人ホームです。そのため、認知症はもちろん、寝たきりの状態になってもケアができる体制が整っています。また、公的な介護施設ということもあり、料金が安いのが魅力です。ただ、料金が安いためにとても人気。入居の順番待ちが発生していることが多く、申し込みから1年以上待つこともあるんですよ。 1年以上!父の状態を考えると、そんなに待っていられません。料金が安いのはうれしいですが…。 となると、比較的に入居待ちの少ない、有料老人ホームやグループホームなどの民間施設の方が良いかもしれません。まとめると、以下の介護施設であれば認知症のお父様も安心して生活できるでしょう。 特定施設のサービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム グループホーム 特別養護老人ホーム 後悔しない施設探しのためにも、じっくり検討してみてくださいね。 サ高住の中には認知症の人が入居できる施設と入居できない施設がある 「特定施設」なら介護体制が整っているので認知症の人も安心 有料老人ホーム、グループホームなど、他にも認知症の人が入れる介護施設はたくさんある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2023/03/24

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

通いで両親の介護をするのが限界!もう疲れました…

半年ほど前から、電車で片道2時間ほどのところの実家に住む母を介護しています。週2回くらい実家に通っている状況です。 今まで父は家のことは母に全部任せきりだったので、父はなかなか家事がこなせないようです。実家に帰る度に家がめちゃくちゃになっているんです。 父も家事が上手くできないことを母に指摘されることが度々あり、毎日のようにケンカしています。父も私も疲弊しているのを感じています。 こんな状況をどうにかしたいのですが、どうしたら良いかわかりません。何か良い方法はないでしょうか? (岩本さん・62歳・パート) 仕事や自分の家のことをしながら、通いで介護をするのはとても大変ですよね…。お母様は介護サービスを利用していますか?まだ利用していないのであれば、まずは介護認定から始めましょう。介護認定が下りれば介護サービスが利用できますから、できるだけ介護サービスに頼って、介護をもっと”楽”にしましょう!それでも「通い介護は難しい」と感じたときは、介護施設への入居を考えてください。親御さんを介護施設に入れることに抵抗がある方もいらっしゃいます。が、ご自分の生活が一番大切です。無理して通い介護を続けていると、体調をくずしたり「介護うつ」になってしまうこともあります。介護サービスを活用して”ほどほどにがんばる介護”を心がけてみてくださいね。 通い介護に疲れたときの相談先 半年ほど前に母が脚を骨折してから、片道2時間ほどの実家に住む母の介護をしています。母は長い時間立つのが難しいので家事がほとんどできず、主に父が家事や介護をおこなっています。ただ、父はこれまで家のことを母に任せっぱなしで、料理も洗濯もろくにできなかった人です。家事が上手くできなくてしょっちゅう母に指摘されるので、毎日のようにケンカしているのでこちらもイライラしてしまいます。それに、週に2回ほど実家に私が帰ると、家の中がめちゃくちゃになっていてそれを見るのも憂鬱です。でも、私も自分の家のことや仕事もあるのでこれ以上帰る回数を増やせません。どうにかしたいとは思うのですが、どうしたら良いかわからないし、どこに相談したら良いのかもわからなくて…。 なるほど…。通い介護は大変ですし、お父様の負担も大きそうですね。でしたら、まずは介護で悩んだときの相談先をお伝えします。「何から手を打ったら良いのかわからない」という疑問も解決できると思いますよ。 地域包括支援センター 「地域包括支援センター」とは、市区町村に1つは必ず設置されている窓口。介護に限らずご高齢者の生活全般について相談できます。 市区町村の福祉相談窓口 地域包括支援センターはどこにあるのかわからない場合でも、市役所の場所はわかりますよね。なので、もしかしたらこちらの方が相談しやすいかもしれません。「高齢者福祉課」「介護保険課」など、自治体によって名前が異なるので、窓口がわからなければとりあえず役所に行ってみるのもありですよ。 なるほど、役所なら相談しやすいです。行ってみます! 医療機関 医療機関でも介護の相談ができるんですか? そうなんです。特に認知症が疑われる場合は、ドクターが強い味方になります。具体的には、「最近、物忘れが多いかも」「会話が噛み合わない」などの異変を感じたときはドクターの出番です。あとは、病気や怪我が原因で入院して、介護が必要になったときも医師に相談するのが良いでしょう。 認知症か…。まだうちの母はそんな感じはしないですが、気をつけておいた方が良いのかも。 地域の民生委員 また、地域の民生委員さんも介護の相談に乗ってくれます。民生委員さんは、地域のご高齢者の家を訪問して顔見知りになっていることも多いので、ご両親の住む地域の民生委員さんに相談してみるのも良いかもしれません。 知り合い もし、身近に介護の経験をしたことがある人がいたらその人に相談してみるのもあり。ご家庭によって状況が異なるので、その人の解決法が必ずしも岩本さんの悩みも解決できるとは限りませんが、誰かに話すだけでも気持ちが楽になることもあるので、積極的に頼ってみましょう。 そういえば、うちの近所でお母さんを介護している人がいた気がします。その人に相談してみるのも良いのかな。 通い介護に限界を感じたら在宅介護サービスの活用を そういえば、お母様は介護サービスを利用していますか? 利用していないです。まだ、そこまでの状況ではないと思って…。介護サービスって認知症とか、自分でトイレにも行けないとか、そういう状態の人が使うものじゃないんですか? いえいえ!もっと状態の軽い人でも利用できますよ。特に岩本さんのお宅は、通い介護で負担が大きいと思うので、積極的に活用していきましょう! と言われても…。どうやって介護サービスを利用したら良いのかわからないです。 では、介護サービスを利用するまでの流れをお話ししていきますね。 初めて利用する場合は介護認定から 介護サービスを利用するには、はじめに介護認定を受ける必要があります。その介護認定によって「要介護度」が決定し、介護度に応じて利用できる介護サービスの量がわかります。介護認定を受けるときの流れは以下の通りです。 介護認定の申請をする 認定調査を受ける 認定結果の通知を受ける ケアマネジャーを選ぶ 介護サービスを利用開始する 1.介護認定の申請をする 介護認定の申請は、認定を受ける人が住んでいる市区町村の役所でおこないます。つまり、お母様が住んでいる地域の役所で手続きをおこなうわけです。 2.認定調査を受ける 認定調査は「介護認定調査員」がお母様を訪ねて、直接の面談でおこなわれます。この面談でお母様の受け答えや身体の動き、普段の生活能力などを確認します。 3.認定結果の通知を受ける 介護認定の申請から30日以内に認定結果が知らされます。介護認定は「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかに分類され、「要介護1~5」に認定されると「介護保険サービス」が利用できるようになります。 4.ケアマネジャーを選ぶ 介護認定が下りたら、介護サービスを利用するためにケアマネージャーを探しましょう。ケアマネージャーとは、「ケアプラン」と呼ばれる介護サービスの計画書を作る専門家。介護サービスや介護の悩みの相談窓口でもあります。このケアマネージャーは、役所か地域包括支援センターに相談するとケアマネージャーの事業所(居宅介護支援事業所)のリストをもらえるので、その中から選びます。 5.介護サービスを利用開始する ケアマネージャーにケアプランを作成してもらい、それに沿って介護サービス事業所と契約をすれば、あとは介護サービスの利用が開始されます。 初めて聞く言葉も多いし、なんだかややこしいですね…。 そうなんですよね…。初めてのことでわからないことが多いと思うので、わからないことがあったら逐一、担当者に質問したり、役所の窓口に相談してみてくださいね。 在宅介護サービスの種類 えーっと…。介護認定が下りたら介護サービスを利用できるわけですよね。でも、介護サービスってどんなものがあるんですか?よくわからなくて…。 では、ここからは在宅介護サービスの代表的なものについて簡単にお伝えしましょう。他にも在宅介護サービスはいくつもあるので、詳しく知りたい場合は以下の記事もチェックしてみてくださいね。 訪問介護 訪問看護 通所介護(デイサービス) 短期入所生活介護(ショートステイ) 訪問介護 訪問介護は、ご自宅の訪問ヘルパーさんが来て掃除や食事の支度などの身の回りの世話や、排泄介助、入浴介助といった介護をしてくれるサービスです。介護サービスの対象者であるお母様に関する家事・介護しかしてもらえませんが、食品の買い物などもやってもらえるので、どうしても岩本さんやお父様の手に余るような家事をお願いするのも良いかもしれません。 訪問看護 訪問看護は、訪問介護と同じように訪問看護師さんがご自宅に来て健康管理や、薬の管理、医療ケアを提供してくれるサービスです。健康な人には日常的な健康管理をおこない、医療的ケアが必要な人には点滴や注射といった医療処置も提供可能です。 通所介護(デイサービス) デイサービスは、介護施設にご高齢者が通ってケアを受けるサービス。具体的には、食事、入浴、排泄介助といった身の回りの介助に加えて、レクリエーションや機能訓練なども提供します。ご高齢者の集いの場となっているので、自宅にこもりがちな人でも自然と人との交流ができる環境です。 短期入所生活介護(ショートステイ) ショートステイはその名の通り、介護施設に短期間宿泊できるサービスです。1日から利用でき、最長30日間連続の宿泊もできます。利用するご高齢者も気分転換になりますし、ご家族も介護から離れてリフレッシュする時間が確保できるのが魅力。介護をするご家族が休憩するためのサービスとも言えるんです。 施設入居も検討して 在宅介護サービスっていろんなものがあるんですね。もっと早く使っておけばよかった…。 そう思っていただけたのなら良かったです!介護は他の人に相談しにくく、一人で抱え込む方が多いんです。なので、ご紹介したようなサービスを活用して、どんどん介護のプロに頼りましょう!ただ、もしかしたら在宅介護サービスを使っていても「介護がきつい」と感じるときが来るかもしれません。そういうときは、老人ホームなどの介護施設に入居することも検討してくださいね。 えっ、老人ホームですか?でも、私もまだまだ介護できますし…。何より、父は「介護は家族がするもの」と口癖のように言う人です。それで母を施設に入れるなんて、父が首を縦に振るはずありません。 なるほど…。もしかしたらお父様は「施設に入れるのはかわいそう」と思っているのかもしれませんね。でも、無理して在宅介護を続けることで、岩本さんやお父様が体調を崩してしまうこともあるかもしれません。そうなってしまっては元も子もないですよ。介護は楽をして良いんです。むしろ岩本さんとお父様が体調を崩してお母様の介護ができなくなったら、お母様が生活できなくなってしまいますよね。そうならないように、「在宅介護は限界かも」と感じたらすぐに施設探しを始めましょう。 うーん、そうですね…。でも、老人ホームにもたくさんの種類があるんですよね?違いがよくわからなくて…。 でしたら、主な介護施設について簡単にお話ししていきますね。代表的な介護施設には以下のようなものがあります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) グループホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護施設の種類 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、24時間介護職員さんが常駐しているので、トイレ介助といった夜間の介助が必要な方におすすめです。また、日中には看護師さんも常駐しているため、インスリン注射などの医療ケアが要る場合でも入居ができます。 住宅型有料老人ホーム 住宅型有料老人ホームは、訪問介護やデイサービスなどの在宅介護サービスを利用しながら生活する施設。そのため、介護サービスの組み合わせの自由度が高いのが特徴です。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、基本的には介護の必要のないご高齢者向けの住まい。中にはカラオケやフィットネスジムなど、元気に活動できる設備が整っている施設もあります。サ高住に入居して介護サービスを使いたい場合は、在宅介護サービスの事業者と別途契約が必要になります。 グループホーム グループホームは、認知症のご高齢者限定の施設です。少人数の「ユニット」単位で生活しており、1ユニット9名までと定められているのが特徴なんです。ただ、「介護度が要支援2以上」「施設のある市区町村に住民票があること」などいくつか入居条件があるので、入居を希望する場合は注意が必要です。 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、公的施設のため比較的、費用が安いのが特徴です。ただ、安価なためとても人気で、入居までに1年以上待つケースも。「すぐに入居したい」と思っても入居できないのがネックなんです。そのため、特養に入居したい場合は、余裕のあるうちから入居の申込みをするのがおすすめです。 介護施設ってこんなに種類があるんですね…。 実は、ここでお話ししたのは一部だけ。詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。 通い介護を無理して続けて起きる問題 通い介護は介護をする人にとって負担が大きいですよね。移動時間もかかりますし、頻繁に通うとなると交通費も高額になってしまいます。それでも、無理をして通い介護を続けていくと次のような問題が起こる可能性があります。 介護離職 老老介護 介護うつ 介護虐待・殺人 在宅介護で虐待が起こる理由 在宅での介護で虐待が起こる一番の理由は、虐待者の介護疲れやストレスです。介護は食事・入浴・排泄の介助など、身体的に負荷がかかるものが多く、肉体的な疲労が精神的疲労にもつながりやすいものです。 さらに、高齢者の生活を支えていくには、一日の中で長時間の付き添いが必要です。そのため、介護者がゆっくりと過ごす時間が減り、自宅にこもりきりになります。 いつまで介護が続くかわからない状況で、外部との交流が減ったり、肉体的な疲れから追い詰められ、虐待に発展してしまうことも多いです。 また、介護費用がかかることや、介護に時間を使うことで収入が減り、経済的な不安から虐待につながることもあります。在宅介護は閉鎖的な環境で、一人で抱え込みがちになってしまうため注意が必要です。 「介護虐待」とか、テレビで聞いたことがあります…。でも、虐待してしまうのって寝たきりの人を介護していたり、介護がすごく大変なケースですよね?うちの母はまだ元気ですし…。 いえ、これらの問題は介護をするすべての人に起こる可能性があります。現に、岩本さんのご実家でもお父様がお母様を介護する「老老介護」の状態になっていますよね。老老介護は、介護をしている人も高齢のために体調を崩しやすいですし、「気がついたら介護している人が認知症になっていた」という話もあるんですよ。それくらい共倒れしやすい状況なんです。 え、父が認知症に…?うーん、確かに父も高齢ですし、ありえないことではないですよね…。 老老介護・認認介護とは 老老介護とは 老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態のことを言います。具体的には、介護する人も介護される側の人も65歳以上の高齢の場合で、さらに、共に75歳を超えている場合には「超老老介護」とも言われます。 日本では、老年人口と呼ばれる65歳以上の高齢者の割合が25%を超えてきており、完全に超高齢社会となりました。要介護者の人数が増加に伴って老老介護のケースも増えており、問題になってきています。 認認介護とは 認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護している状態を言います。老老介護と同様に高齢社会に伴って増加の傾向にあります。 厚生労働省が2019年に実施した調査の結果では、介護が必要になった理由として一番多かったのは認知症であり、認知症患者の増加が認認介護が増えてきている要因となっています。 また、要介護申請をしていない人は現在800万以上いるといわれており、実態は調査結果などの数字以上に増加している可能性もあります。 不安になるようなことを言ってすいません。ただ、そういうリスクを想定して介護サービスを積極的に使ったり、少しでも異変があったらケアマネージャーなどの専門家に相談しましょう。お母様の介護も大切ですが、岩本さんとお父様の生活が第一です。いろんなサービスを頼りながら”楽”に介護できる環境を整えてくださいね。 在宅介護サービスを活用して、通い介護の負担を軽減して 介護サービスを利用するときは、まず介護認定から 老老介護は介護する人が認知症になって介護できなくなることも… pre { margin: 40px 0; ...

2023/03/03

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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