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大阪府大阪市で、集合住宅に住む81歳の女性が訪問介護サービスを利用していたところ、介護職員の男から暴行を受けるという事件が発生。警察は訪問介護職員の男を逮捕しました。 男は警察の調べに対し「言うことを聞かないことにいらついたからやった。しかし、殺そうとして殴ったわけではない」と容疑を一部否認しているとのことです。 訪問介護職員が高齢女性を暴行 2023年4月14日の午前7~7時半頃、訪問介護のために81歳の女性が住む集合住宅を訪れた介護職員の男が、女性の腹や背中を何度も殴ったり背中を膝蹴りしたりするなどの暴行を加えるという事件が発生しました。 男は女性の介助をしたあと、同じ集合住宅に住む別の利用者の部屋を巡回。その後再び女性の元を訪れたところ、女性に意識がなかったため救急に通報しました。 被害を受けた女性は肋骨を折るなどして、全治3ヵ月の重傷を負ったとみられています。 女性の怪我を診察した病院は、「虐待の疑いがある」とみて警察に通報したことで今回の事件が明らかになりました。 警察の調べによると、女性は聴覚に障害があり意思疎通が難しく、ほとんど寝たきりの状態だったそうです。 また、容疑者の男は「女性に対して日常的に暴力をふるっていた」と供述していたことも発覚。警察はさらに詳しく調べる方針です。 虐待を防ぐために 今回のような虐待事件を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか? 真っ先に考えられるのは、職員のストレスケア。少ない人員で、多数の利用者の対応を日々迫られている介護職員の負担は甚大です。その負担を軽減させるためには、職員が日々抱えている不満を聞く面談を定期的に実施することが有効です。 また、不安定な精神状態にある利用者にうまく対応できずに虐待に至るケースも考えられるので、虐待防止のための研修をおこなうのも良いかもしれません。 虐待事件を起こす介護職員はほんの一握りですが、今回のような事件を聞いたら一人暮らしの高齢の親を預けるのは心配になりますよね。高齢者の安全を守るためには、防犯カメラを設置するなどの対策もひとつの手段かもしれません。
2023/05/10
兵庫県で、高齢女性が現金1320万円をだまし取られるという詐欺事件が発生しました。 「老人ホームに入居する権利を譲ってほしい」と言われ、それに承諾したところ別の男から「名義貸しは違法だ」などと脅されたと言います。 老人ホームの入居権をめぐる詐欺が発生 警察の調べによると、2023年2月22日の昼頃、兵庫県神戸市に住む89歳の女性宅に実在する大手住宅メーカーの社員を名乗る男から「大手ゼネコンが展開している老人ホームに入居しないか」という電話があったそうです。 女性が男の提案を断ると、今度は「入居しないなら、入居する権利をほかの人に譲ってほしい」と話したとのこと。女性は男の依頼に承諾してしまいました。 すると後日、大手ゼネコンの弁護士を名乗る男から電話があり「名義貸しは違法で刑事事件になる。親族にも迷惑がかかる」と脅してきたのです。 さらにその後も、兵庫県警の警察官や金融庁職員を名乗る男らからも次々に電話があり、女性に現金を送るように指示。女性はその指示に従い、宅配便で指定された東京都内の住所へ、現金1320万円を2回に分けて送ったと言います。 大手住宅メーカーの社員を名乗った男は「事件が片付けば返金する」と言い、その期日を2023年4月21日に設定。しかし、期日になっても返金されず、男と連絡も取れなくなったことで、女性は初めて自分がだまされたことに気づいたそうです。 兵庫県警は、詐欺事件とみて捜査を進めていく方針です。 詐欺を防ぐための取り組み 兵庫県警は、県内で特殊詐欺事件が多発しているとして住民に注意を呼びかけています。 警察が調査したところ、2022年に特殊詐欺に遭った件数は1074件で過去10年の中で最多だったことが明らかになりました。被害総額は18億円以上に上ったそうです。 では、どうすれば被害を防げるのでしょうか? 警察は、犯人からの電話はほとんどが自宅の固定電話にかかってくるため、固定電話対策が被害防止に有効だとしています。 高齢者の特殊詐欺被害を防ぐために、NTT西日本は2023年5月1日から、相手の電話番号を表示する機能の工事費と月額利用料を無料とすることを明らかにしました。 また、先着5000人を対象に、音声を録音してAIが特殊詐欺かどうかを判定する「特殊詐欺対策サービス」も一定期間無料化することを発表。期間は2023年5月1日~2025年3月31日までだとしています。 特殊詐欺の被害を防ぐために、現金を要求してくるなど少しでも怪しいと感じる電話があったら、送金する前にまずは警察や周囲の人に相談するのが大切ですね。 参考:「特殊詐欺の被害に遭わないために」(兵庫県警察)
2023/05/02
北海道旭川市の高齢者施設で、入居している男性の銀行口座から現金100万円を引き出され、着服されたという事件が発生。施設に勤務していた元職員の男を業務上横領の疑いで逮捕しました。 警察の捜査に対し、男は「間違いありません」と容疑を認めているそうです。 施設職員が100万円を横領 警察の調べによると、2022年10月、旭川市内の老人ホームで勤務していた容疑者の男が、施設に入居する68歳の男性の銀行口座から100万円を引き出し着服した疑いが持たれています。 ちなみに、この容疑者は2023年3月、士別市内の銀行で同じ入居者の男性になりすまして通帳を発行してだまし取った容疑でも逮捕されています。 警察が捜査をおこなっていたところ、男性の銀行口座から多額の現金が引き出されていることが判明。防犯カメラの映像を解析するなどした結果、容疑者の男による犯行の疑いが高まり再逮捕に至りました。 警察は余罪がないかなどを含め、さらに詳しい調査をおこなっていく方針です。 コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりが大切 今回の犯行は、高齢者の現金を勝手に引き出したり使ったりする「経済的虐待」であるとも言えます。 どうすれば、施設内での犯行や虐待を防げるのでしょうか? 最も大切なのは、職員同士でお互いの働き方に目を向けられるような体制・雰囲気づくりだと考えられます。 人員が足りず、職員が単独で多くの業務をこなさなければならないような施設では、お互いの目が行き届かず虐待などが起きやすくなります。これを防ぐためには、ケアを複数人でおこなえるような余裕を持った人員配置が必要です。 また、職員同士が円滑にコミュニケーションを取れるような雰囲気づくりも大切。お互いのケアのやり方を指摘し合ったり日頃の悩みを共有したりすることで、犯罪や虐待を未然に防ぎやすくなります。 もし、高齢者施設への入居を検討する際には、見学をしてその施設の雰囲気を確かめておくと、良い施設に巡り合える可能性が高まるでしょう。
2023/05/01
2023年4月19日、新潟県新潟市に住む60代の女性が、役所の職員を名乗る男から現金およそ17万円をだまし取られるという事件が発生しました。 警察は特殊詐欺事件として捜査を進めています。 新潟県で特殊詐欺事件が発生 警察の調べなどによると、4月19日、女性宅の固定電話に役所の職員を名乗る男から電話があり「あなたは介護保険料を払い過ぎている。払い過ぎている分の約3万円が戻るが、申請期限は今日までなので、すぐに手続きをおこなってほしい」と言われたそうです。 女性はその話を信じてしまい、新潟市内の金融機関に行き、男から携帯電話で指示を受けながらATMを操作。現金およそ17万円を他人名義の口座に振り込んだと言います。 その後も女性は別の振り込みをしようとしましたが、そこで女性の家族から止められたことで事件が発覚しました。 警察は、特殊詐欺事件と見て操作を進めています。 詐欺を防ぐ取り組み 新潟県警の調査によると、2022年度に新潟県で発生した特殊詐欺は194件に上るとのこと。特に、今回の女性が被害に遭ったように「お金が戻ってくる」などと言われ、金銭をだまし取られる「還付金詐欺」が、前年度と比べて53件増と大幅に被害が拡大しているそうです。 新潟県では、こういった詐欺の被害を防ぐために、県内すべての金融機関で引き出し理由などを尋ねる「水際シャットアウト作戦」を実施していると言います。 また、これまでゆるキャラを含む8人を「防犯機能付き電話を買おうぜ大使」に任命。ラジオやイベントなどで、相手の声の録音機能などがついた防犯機能付き電話の購入の呼びかけや、詐欺に関する注意喚起をおこなっています。 警察によると、詐欺の犯人はほとんど「固定電話」に「非通知」で電話をかけてくるそうです。そのため、非通知の電話は拒否したり留守番電話に設定したりすれば、詐欺の被害を防げる可能性は大幅に高まるでしょう。 参考:「特殊詐欺撲滅対策ページ」(新潟県警察)
2023/04/25
2023年4月10日、高知県内の病院内にある医療介護施設で、そこで働く看護師が70代の女性入所者の首を絞めて殺害しようとした事件が発生。41歳の看護師の男が殺人未遂の容疑で逮捕されました。 看護師による殺人未遂事件が発生 警察の調べによると、看護師の男は4月10日の午後6時40分~10時20分の間に、施設に入居している女性の首を絞めて殺害しようとしたと見られています。 この事件は、4月11日の午前11時頃に施設の関係者から「入居者から『首を絞められた』という訴えがある」と届け出があり発覚。被害女性の命に別状はないものの、首には皮下出血など首を絞められたような痕跡があったことから、男から首を絞められた疑いが浮上しました。 男は施設で被害女性の世話を日常的におこなっており、事件当日も午後10時20分頃まで勤務していたそうです。 警察は犯行の動機や手口について、さらに詳しく捜査を進めていくとしています。 高齢者虐待の防止に向けて 高齢者虐待には、殴ったり体を拘束したりなどの「身体的虐待」、暴言を吐くなどの「心理的虐待」、預金を無断で使うなどの「経済的虐待」、裸の写真を無断で撮影するなどの「性的虐待」、世話を意図的におこなわないなどの「介護放棄(ネグレクト)」があります。 どれも高齢者の尊厳を著しく傷つけてしまったり、場合によっては命の危険につながったりすることもあるため、高齢者虐待を未然に防ぐ取り組みが大切です。 では、高齢者虐待を防ぐにはどのような取り組みが有効なのでしょうか? まずは職員が常に複数人でケアをおこなえるような、余裕を持った人員配置にすることが大切。施設で起こる虐待は単独でおこなわれることがほとんどのため、常に他者の目がある状況に置くことで多くの虐待が回避できるでしょう。 それから、職員に対する定期的な面談も有効です。職員の不満やどの程度ストレスを抱えているかを把握することで、虐待に至る前に対応策を考えられます。 最後に、何より大事なのはその施設の雰囲気です。職員間のコミュニケーションが不足している施設は、職員のストレスも溜まりやすくなり、虐待に至る兆候を見逃す可能性も高くなります。 もし身近な誰かが入居する施設を選ぶ際は、事前に施設を訪れて現場の雰囲気を見ておくと良いかもしれませんね。
2023/04/14
大阪府吹田市で、高齢女性が「カードが不正に使われている」などと言われキャッシュカードを盗まれるという事件が発生しました。 大阪府警吹田署が逮捕した男は、容疑を認めているそうです。 高齢者のキャッシュカードを盗む事件が発生 2023年4月8日、大阪府警はキャッシュカードを盗んだ容疑で男を逮捕したと発表しました。 警察の調べによると、4月7日、男は仲間とともに吹田市に住む高齢女性宛てに「カードが不正に使われている」などと電話をかけたと言います。その後、男は女性宅を訪れ、カード2枚と通帳を偽物にすり替えて盗んだそうです。 この事件が発生する前にも別の高齢者宅に同様の電話があり、警察が吹田駅を警戒していたところ、スマホを見ながら歩き回る不審な男を発見。その後追跡すると、銀行で100万円を引き出したため職務質問をし、容疑が発覚したそうです。 警察の調べに対し、男は「SNSの一種であるツイッターで、闇バイト(インターネット上で募集される非合法なアルバイトのこと。仕事内容は詐欺の受け子や強盗の実行犯など犯罪行為をおこなう)に応募した」と容疑を認めています。 キャッシュカード詐欺とは 警察によると、最近警察官などを名乗り「キャッシュカードが不正に利用されている」などと電話をかけ、キャッシュカードを盗み取る「キャッシュカード詐欺」の被害が急速に増加していると言います。 電話での説明後、今度は「キャッシュカードを確認しに行く」などの名目で私服警察官などになりすました犯人が自宅を訪れ、被害者が目を離しているすきに、用意しておいた偽のカードと本物のカードをすり替えてしまうそうです。 警察は、このような詐欺から身を守るためには、常に留守番電話に設定しておくのが有効だとしています。 最近では、通話中に自動で音声が録音される迷惑電話防止機能がついた電話なども発売されています。被害を確実に防ぐためにも、こういった電話の購入を検討してみても良いかもしれませんね。
2023/04/13
2023年3月15日、長野県の6市町村からなる北信広域連合は、同連合が運営する特別養護老人ホームで、介護放棄(ネグレクト)があったことを明らかにしました。 4人の介護職員が、入所者1人が使っていた職員を呼び出すためのナースコールを鳴らないように設定していたと見られています。 ナースコールを夜間に鳴らないものに 北信広域連合の発表によると、4人の介護職員が入所者1人のナースコールを、夜間に鳴らないよう電池を抜いた機器と取り替えていたことが判明。その入所者は頻繁にナースコールを押すものの、押していたことを覚えていなかったり理由がないのに押していたりしていたそうです。 介護者4人の一連の行為は2022年8月19日、この入所者が事務室に「ナースコールを押しても鳴らない」と申し出たことから発覚。内部調査後、北信広域連合は中野市に通報しました。 その後、中野市はナースコールを鳴らないものと取り替えた行為を虐待に認定。施設を運営する北信広域連合は改善計画書を市に提出し、虐待を防ぐ研修を実施したそうです。 また、虐待をしたとする職員4人は戒告の懲戒処分としたことも判明。上司の職員2人も訓告の処分を受けています。 人員配置の見直しを このニュースについて、介護・医療従事者からは「現場の状況をよく調査してから処分を下してほしい」といった声が相次ぎました。 ある介護従事者からは「ナースコールを使えないようにする行為が良くないのはわかっている。しかし、必要性の低いコールを連打されると、ほかの入所者のコールが拾えず、転倒事故や急変への対処が遅れる危険性がある」と特定の人が必要性の低いナースコールを押し続けることによる危険性を指摘する意見が寄せられました。 また、別の介護従事者からは「特に夜勤は職員の人数が足りない。人手が足りない状況下で何人もの入所者の対応をしなければならないため、どうしたって対応が遅れるケースが出てくる」と人員配置の見直しを迫る声が挙がりました。 夜勤職員は、多いところでも3人、少ないところでは1人しかいません。そもそも、職員が余裕を持って業務をおこなえる体制を整えることが、今回のような事態を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。
2023/03/24
2023年3月15日、岩手県保健部は、同県紫波町にある介護老人保険施設の運営法人に対して、指定の効力の全部停止を言い渡したことを発表しました。 この施設では、2022年の8月頃に利用者への深刻な虐待があったことから、今回の処分に踏み切ったと見られています。 効力停止処分により、この施設は事実上1年間の営業停止となります。 指定の効力停止とは そもそも、今回、運営法人に下された「指定の効力停止」とは何でしょうか? 指定の効力停止とは、一定期間指定の効力が停止されることにより、本来法人に対して支払われる介護報酬が支払われなくなるというもの。介護サービスを提供しても報酬が発生しなくなるため、この処分を受けた法人は事実上の休業を余儀なくされるのです。 指定の効力停止は、虐待などをおこなった施設に対して業務改善命令をしても、状況が改善しなかった場合などに下されます。 また、指定の効力停止には、深刻度に応じて「指定の一部停止」と「指定の全部停止」があります。例えば、一部停止された場合は「新規の入所者を受け入れても報酬が発生しない」と業務の一部が制限されます。一方、全部停止の場合はどんなサービスを提供しても報酬が発生しなくなるのです。 利用者への虐待で高齢者施設が効力停止処分に 岩手県保健部の発表によると、2022年8月下旬、紫波町にある介護老人保険施設で職員が利用者に対して暴行して怪我を負わせたという虐待事件が起こったそうです。 それだけに留まらず、2022年9~10月には利用者をシーツで縛り上げたりベッドからの移動を制限したりするなどの不当な身体拘束をおこなっていたことも明らかになりました。 以上のような虐待に関する通報を受け、町と県が調査した結果、今回の処分に至りました。 この施設にいた利用者は、サービスが停止する6月までに別の施設に移動するそうです。 利用者への虐待は、利用者の心身に深い傷を残すだけでなく、一周回って自分たちの首も絞めることになります。利用者も職員も安心して施設にいられる雰囲気づくりをしてほしいですね。
2023/03/22
兵庫県西宮市にある尼崎信用金庫の窓口にて、多額の引き出しを不思議に思った職員が、高齢者の詐欺被害を防ぐという出来事がありました。 警察は、その職員に感謝状を贈っています。 銀行員が詐欺を防ぐ 2022年12月22日の昼過ぎ、尼崎信用金庫の窓口で高齢の女性が300万円の出金を申し出たそうです。 そこで対応にあたっていた職員は出金額の多さを疑問に思い、300万円の用途を尋ねました。すると、女性は「息子から電話があり、仕事で急にお金が必要になったから今日中にほしいと言われた」と答えたそうです。 女性が出た電話が詐欺であることを確信した職員とその上司は、応接間に案内して女性に対して「息子さんに確認をしたほうが良い」と説得を試みたものの、女性は「間違いなく息子からだった」と、詐欺の電話を信じ切っている様子だったと言います。 その後、職員の2人は兵庫県警に連絡。女性は警察が来たことで、初めて自分が出た電話が詐欺だったことに気づいたとのこと。対応にあたった職員は、「少しでも違和感があったときは、声をかけることが大切だと思った」と話しています。 詐欺を防ぐための対策 今回は、たまたま窓口の職員が詐欺に気づいたから詐欺を未然に防げましたが、このようなケースばかりとは限りません。詐欺を防止するためには、一人ひとりの心がけが必要になってきます。 では、電話を使った詐欺の被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか? 兵庫県警によると、電話を留守番電話に設定し、電話の内容を確認してから折り返し電話するのが有効だそうです。本当に要件がある人からの連絡だったら、メッセージが入ります。しかし、犯人は音声が録音されるのを嫌うため、留守番電話にはかけてこないのです。 もし高齢者が多額のお金を引き出しているのを見かけたら、勇気を出して声をかけてみると、その言葉に救われる人がいるかもしれません。
2023/03/17
介護職員が高齢者に対して殴る蹴るなどの虐待をして、逮捕されるという事件が相次いで発生しました。 警察はいずれの事件でも、詳しい動機や経緯などを調べる方針です。 兵庫県神戸市の高齢者虐待事件 2023年3月8日、兵庫県神戸市内の福祉施設で認知症の女性を殴って怪我を負わせたとして、30歳の元職員の男を逮捕しました。 警察の調べによると、2022年12月、容疑者は自分が働いていた福祉施設で、認知症を患っている80代女性の顔を殴り、軽いけがを負わせた疑いが持たれています。 女性の顔にあざがあるのを別の職員が見つけたことから今回の虐待が発覚。容疑者は「女性が夕食を手で払い落としたことに腹が立った」と容疑を認めているそうです。 また、容疑者は「ほかの入所者にも暴力をふるったことがある」と供述しているそうで、警察は余罪についても捜査を進める方針です。 岐阜県土岐市の高齢者虐待事件 岐阜県土岐市にあるグループホームでも、入所者の顔を殴るなどの虐待が発生。警察は、2023年3月6日に元施設長の容疑者を逮捕しました。 警察の調べによると、容疑者は2022年11月8~25日にかけて、入所している高齢女性3人の顔を殴ったり臀部を膝蹴りしたりする暴行を加えた疑いが持たれています。施設職員が入所者のあざを発見したことで発覚しました。 また取材などから、元施設長の容疑者は施設長に就任した当時から入所者に対して、厳しい口調で叱ったり命令したりするなどの行動や高圧的な態度が問題視されていたことも明らかになっています。 岐阜県の高齢福祉課によると、施設職員による入所者に対する虐待は増えていると言います。岐阜県高齢者権利擁護センターの担当者は、「閉鎖的な状況で虐待が発生している。虐待を通報する体制を早急に確立しなければならない」と話しました。 介護職員同士の連携が乏しく、一人の介護士が個別にケアをおこなうような施設では、どうしても情報共有が遅れて虐待も発見しにくくなります。介護職員には、常日頃から職員同士でコミュニケーションをする機会をつくって、虐待をさせない雰囲気づくりに取り組んでもらいたいですね。
2023/03/14
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。