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機能性とデザイン性を兼ね備えたシニア向け部屋着が登場しました。 その名も、ルームウエア「keamu(ケアム)」。着る人を引き立てるシンプルなデザインと、着脱のしやすい機能性が特徴です。 さらに、耐久性にも配慮。老舗繊維メーカーの技術を生かして何度も洗濯しても新品のときのような品質を保てるそうです。 上品な高齢者向けルームウエアが登場 創業64年の老舗繊維メーカー冨士経編社が、介護が必要な高齢者向けのルームウェア「keamu」の販売を開始。シャツワンピース・チュニックシャツ・シャツジャケット・クロップドパンツの4種類のラインナップがあります。 この服は、介護する人とされる人のことを考えた機能性と、これを着たまま外出できるようなおしゃれなデザインが特徴です。 例えば、チュニックシャツの袖下から脇までが隠しスナップになっており、大きく開くため介護する人が着せやすいデザイン。パンツには裾にファスナーがついており、脚にサポーターを巻くときや診察時に便利です。 さらに、耐久性にも配慮。従来のパジャマだと洗濯するうちにシワになってしまうことが多いですが、keamuは新開発の耐洗濯性に優れた新素材を使用することで、毎日洗ってもシワになりにくいそうです。 また、どの服も共通のオフホワイト・ライトベージュ・ネイビーの3色のラインナップを用意。上品でスタンダードな色なので、他の服との組み合わせもしやすいように考えられています。 これからはデザイン性も重視? これまで介護現場で使われていた部屋着は、パジャマを代用してこだわりがなかったり、機能性を重視するあまり”いかにも介護用品”といったデザインの介護用品を利用することが多くありました。 そのため、本当に「着たい」と思える介護服はほとんどなく、デザインの変化も少ないのが実情。そのため、実際に着る高齢者のニーズに合っていない可能性もありました。 今回発売されたルームウエアのように、デザイン性と機能性を兼ね備えた服であれば、従来の部屋着よりも着る人も着せる人もうれしいのではないでしょうか。 これからの介護用品は、使いやすさや便利さだけでなく美しさも求められているのかもしれませんね。
2022/04/26
4月に入り、気温が25度以上になる日も増えるようになりました。 そこで、気になるのが熱中症。特に高齢者は熱中症リスクが高いとされており、毎年熱中症で救急搬送される人の半数近くが65歳以上の高齢者です。 そうしたことを受けて、ヘルスケア事業を展開しているベストリハ社はスマートバンド「ベストリハバンドPro」に「熱中症警戒アラート機能」を追加。スマートバンドを通して水分補給を促すそうです。 スマートに熱中症予防を テクノロジーを使った健康管理システムなどを提供しているベストリハ社が、自社のスマートバンド「ベストリハバンドPro」に「熱中症警戒アラート機能」を追加したことを発表しました。 この腕時計型のスマートバンドは、常に身につけていることで活動量や食事、血液データなどの管理が可能。酸素飽和度を測るパルスオキシメータや血圧計との連携も可能です。 さらに、遠方に住む家族がこれらのデータを確認をすることもできるので、高齢者の見守りや疾病予防も期待できます。 今回追加された「熱中症警戒アラート機能」は、心拍数や体表面温度の測定をすることで、深部体温が37.5℃以上になった際に水分摂取を促して熱中症を予防します また、総務省によると昨年6~9月の熱中症の救急搬送者数は4万6251人。そのうち高齢者は6割近くに上ります。 特に多いのが、住居の中で熱中症になるケース。高齢者は暑さに対する感覚が鈍くなるので、部屋の中が暑くても気が付かずエアコンを使わないために熱中症になることも多いそうです。 日常の健康管理にも 重症になれば命の危険もある熱中症。高齢者は暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなるうえに体温の調節機能が低下するため、若い世代よりも熱中症のリスクが高くなります。 そのため、熱中症を予防するために今回のスマートバンドのようなツールを活用してみるのも良いかもしれません。 このスマートバンドは、身につけるだけで体温や心拍数、睡眠状態などを自動で記録するので、普段の健康管理にも活用できそうです。 もちろん、それだけでなく普段から熱中症を予防することも大切。温度計や湿度計を使ったり、エアコンを活用するなどの対策を心掛けていきましょう。
2022/04/26
簡単に介護記録が残せるシステムや介護ロボットなど、介護現場の人手不足をテクノロジーの力で解決しようとする動きが多くの企業でおこなわれています。 その取り組みのひとつに、自動で利用者の体位交換をするベッド「Haxx(ハックス)」があります。 このベッドは、職員の手を借りずにベッドで横になっている人の身体の向きを自動で変えてくれるそうです。 今月18日からは、このベッドによって介護職員の業務負担の軽減と褥瘡の予防ができるのかを介護施設にて実証実験を開始しています。 ベッドが自動で体位交換してくれる 睡眠の質を向上させる製品の開発をおこなうAx Robotix社が、自動で体位交換をするロボットベッド「Haxx」を開発。今月18日から介護老人福祉施設での実証実験を開始しています。 このベッドは、マットレスの上にハンモック状のネットを設置。その上に利用者が横になると、自動で身体を揺り動かしたり体位交換をおこないます。 これまでは、自分で寝返りを打てない利用者の褥瘡(床ずれ)を防ぐために、定期的に職員が身体の向きを変えていました。 しかし、介護職員の業務量が増えたり身体的な負担が大きいのが現状。加えて、体位交換の度に目が覚めてしまうため、介護を受ける利用者にとっても負担になっていました。 そこで、このロボットベッドでは職員の手を介さずに体位交換を実施。職員の負担を減らすことに加えて、利用者の睡眠を妨げることのない体位交換を実現します。 さらに、シリンダーによって細かくネットの高さを変えられるので、一人ひとりに合わせて寝姿勢の調整もできるそうです。 腰の負担も軽減できるかも? まだ実証実験の段階ではありますが、このロボットベッドが製品化すれば寝たきりなどの介護度の高い人の睡眠状況が変わるかもしれません。 特に自分で寝返りが打てない高齢者の多くは、オムツをしていて皮膚が弱くなっていたりベッドで横になっている時間が長くなりやすいので、褥瘡のリスクが高い状態です。 そうした人が睡眠を妨げられずに過ごせれば、睡眠の質が上がって日中に眠くなることも減り、活動量が増えることもあるかもしれないですね。 また、介護職員にとって体位交換は身体的負担が大きい介助のひとつ。ベッドの上で腰を曲げて利用者の身体を動かさなければいけないので、腰を痛める原因にもなりかねません。 もちろん、このベッドに褥瘡予防の効果があればの話ではありますが、今後に期待できそうですね。
2022/04/21
介護施設で提供する食事は、高齢者ならではの配慮が必要なため、献立作成や調理の手間がかかることで悩んでいる事業所もあるかもしれません。 そのため、栄養面に配慮したら調理の工程が増えて業務の負担が膨大になったり、手間を考えて簡単な食事にしてしまうと栄養が偏ったり、見た目がさびしいものになってしまったり…。 そうした悩みを解決するために、配食サービスを提供しているヨシケイ開発は、介護施設向けのミールキットを開発。さらに今回はメニューのリニューアルを記念して、施設向けの無料試食キャンペーンをおこなっています。 施設向けミールキットとは? 家庭向けのミールキットや宅配弁当を手掛けるヨシケイ開発が、施設向けのミールキット「ヨシケイキッチン!」を今月よりリニューアル。それを記念して先着1000施設に無料試食キャンペーンをおこなっています。 このミールキットは、湯せんのみで食事の準備ができるものや、送られてきた食材を調理するだけなのが特徴。献立づくりの手間がなくなるので、業務の負担が減らせます。 具体的なラインナップは4種類。湯せんで温めたり解凍するだけの「超簡単おかず」や、手作りのおいしさや新鮮な野菜を使った「手作りおかず」、湯せんやレンジ調理を取り入れつつ手づくりのおいしさもこだわれる「簡単おかず」、量の多い「ボリューム手作りおかず」を提供しています。 このように複数のラインナップを用意しているため、「手早く準備を済ませたい」「ご入居者様と一緒に調理したい」といった施設のニーズにも応えられるようになっています。 加えて、「ムース食」と「やわらか食」も提供しています。 ムース食は舌でつぶせるやわらかさの食事でミキサー食を食べている人向け。やわらか食は見た目は普通の食事と変わりませんが、歯ぐきでつぶせるやわらかに調理されており、ソフト食やきざみ食を食べている人向けのメニューだそうです。 気になるその味は…。 人手不足が深刻な介護施設にとって、毎日の食事の準備は大変なもの。調理だけではなく、献立を決めたり食材を準備したりとさまざまな業務が発生します。 そこで今回のミールキットのように、献立がすでに決まっていて届いた材料を調理するだけであれば、業務負担が減らせそうです。 ただ、やはり気になるのがその味。メニューに揚げ物がありますが、湯せんで調理するので味がどうなのか心配になってしまいますよね。そのため、試しに試食してみてからの方が失敗がなくて良いかもしれませんね。
2022/04/19
介護が必要になったり介護度が上がる原因になりかねない転倒。特に太もも(大腿骨)を骨折してしまうと、歩けなくなるリスクが高くなり、その後の生活に大きな影響が出ることもあります。 そうしたことを防ぐために、Magic Shields社は高齢者の転倒骨折リスクを軽減する床「ころやわ」を開発。そして今月はスペースに合わせてどこでも設置できる「どこでも ころやわ」の販売を開始しました。 これは通常時の歩きやすさと転倒時の衝撃吸収力を兼ね備えており、現時点でこの床の上での大腿骨の骨折は起きていないそうです。 転んでも骨折しない床? 福祉用具の製造などをおこなっているMagic Shields社は、高齢者の転倒による骨折リスクを軽減する床「ころやわ」を開発しました。 この床は、転倒時などの強い力が加わったときのみやわらかくなるのが特徴です。 これまでの緩衝マットはやわらかすぎて歩行が不安定になるため、むしろ転倒リスクを上げることもあったそう。対してこの床は、歩行時は足が沈みにくく杖や車いすの使用も可能な固さを保ちつつも、力が与えられたときにはクッションのように衝撃を吸収します。 こうした特徴もあり、2020年に発売して200ヵ所以上の病院や介護施設などで導入。現在までに、この床の上での転倒骨折事故は起きていないそうです。 また今回新しく販売された「どこでも ころやわ」は、設置スペースに合わせて組み立てるタイプ。別の場所に設置する際は分解して、再度使用することもできます。 この床は、認知症などで1人での歩行が難しい人や、転倒リスクが高く夜間にセンサーを利用している人などに向いているそう。転倒リスクが高いベッドの前やトイレの前に敷くことで転倒による骨折を防ぎます。 自分の足で歩き続けられるように 高齢者の転倒による骨折は、要介護状態になったり介護度を上げる要因になりかねませんが、さまざまな対策をおこなっている介護施設でもそれを防ぐことが難しいのが現状です。 特に転倒リスクの高い人に対しては、多くの介護施設では「1人で歩かせない」という対策をしてきました。しかし、それによって入居者の心身が衰弱していくことがあり、転倒をおそれるあまり健康を損ねるという矛盾が起きていました。 そうしたときに転倒しても骨折しない方法があれば、過剰に行動を制限する必要がないため、入居者の心理的ストレスが減りますし、介護職員も業務負担が減るため双方にとってメリットになるかもしれませんね。
2022/04/14
嚥下機能(飲み込む力)の低下は、食品が気管に入って肺炎を起こす誤嚥性肺炎のリスクが上がることに加えて、食べる気力が低下して慢性的な栄養不足になることもあります。 そこで林兼産業は、少量でエネルギーやタンパク質が摂取できる「スティックゼリー」を開発。嚥下機能が落ちた高齢者でも飲み込みやすく誤嚥しにくい形状なので、誤嚥性肺炎のリスクを下げられるそうです。 ゼリーで手軽に栄養補給 ハムやソーセージなどの食品の製造をおこなっている林兼産業が「スティックゼリー」を開発。少量で栄養が補給できるため注目されています。 このゼリーの特徴は、1本で80キロカロリーを摂取できること。また、スティック状に個包装されており、スプーンで一口サイズにも切りやすい形をしています。 これまでのカップゼリーはスプーンですくうと山型になるため、嚥下機能の落ちた人ののどには通りづらく、くずれて口の中に残ることでかけらが誤嚥性肺炎の原因になりかねないことが問題でした。 そこで、このゼリーでは薄い短冊形にすることで噛まずに丸のみできるため、口の中やのどの奥にゼリーのかけらが残ったりむせこみの防止をしています。 また、嚥下機能が落ちてくると食事に時間がかかるため、それが精神的な負担となったり食事量の減少にもつながることも。さらに、それが原因で低栄養状態となって、身体状況が悪くなり介護度が上がることもあります。 そうした問題をこのゼリーでは、少量でも栄養を取れるようにすることで解決。1本約15グラムでしっかりカロリーを摂取できるタイプや、1本でタンパク質を2.5グラム含むタイプ、1本で1日必要量の30%以上のビタミンやミネラルが摂取できるタイプなど、食事量が少ない人の補助食として活用できます。 介助する人・される人の負担軽減に 嚥下機能が落ちると食事に時間がかかるようになることで、食欲が落ちたり食事量が減ることも。さらに、食事介助が必要な場合は職員の業務負担が大きくなります。 そこでこのゼリーのように、少量でもしっかりと栄養を補給できる食品があれば、介助される人の心身の負担も介助する人の業務の負担も減るのではないでしょうか。 またこのゼリーはスティック状に個包装されているので保存もしやすく、食事量が足りない日のおやつとしても使いやすいかもしれませんね。
2022/04/14
介護をしていて迷うことのひとつに、「介護用品の選び方」があるのではないでしょうか。 なかでも車いすは長時間乗ることもあるため、体に合っていないものを選んでしまうと、身体を痛めることも。特に体格の大きい人は、車いす選びに頭を悩ませたことがあるかもしれません。 そこで、福祉用具貸与事業所を運営するスペースケアは座面が広い車いす「ファームリー」をはじめとした福祉用具を発売。それぞれ特徴のある商品で、介護する人とされる人をサポートしています。 多様な介護用具が登場 全国15ヵ所の福祉用具貸与事業所を展開しているスペースケアが新しく販売する商品のひとつに、自走式オリジナル車いす「ファームリー」があります。 この車いすは座面の幅が44センチメートルと広いことが特徴。そのため、体格の大きい人もゆったりと座れるそうです。 ちなみに、車いすを選ぶときはお尻の幅に3~5センチメートルをプラスした座面の幅がちょうど良いそうです。 というのも、狭すぎると窮屈だったり介助者が抱え上げるときに手が入りにくいため。反対に広すぎると、自走式車いすの場合は漕ぎにくい可能性があるそうです。 また同時に、コンパクト軽量車いす「アクティブONE」も発売。これは、使わないときにはベビーカーのように折りたためるため、収納場所が省スペースなのが特徴です。 加えて、軽量で気軽に利用しやすいため「長距離を歩くのが不安」という人も、旅行のときなどに使えるデザインになっています。 これらの車いすは2つともノンパンクタイヤを採用しており、タイヤのパンクはなく空気入れの必要もありません。 このような車いすと合わせて、車いす用見守りセンサー「メルコル」も販売。これは車いすの座面に敷くことで、立ち上がったときや座面からずり落ちたときにメロディで異変を知らせます。 また、センサーの厚みは4ミリメートルほどと薄型なので、センサーの上に座っていても違和感がないのが特徴だそうです。 専門家に頼るのもひとつの手 同じ介護用具でも多くのメーカーからいろんなものが販売されており、何を基準に選んだら良いのかわからないこともありますよね。 そういうときに地域の福祉用具貸与事業所に相談してみるのも良いかもしれません。 福祉用具貸与事業所には福祉用具専門相談員がおり、一人ひとりにあった福祉用具を提案してくれます。サイズや使いやすい形はその人によって異なるので、専門家に聞きながら選んでみるのも良いのではないでしょうか。
2022/04/12
食事や入浴、排泄介助など多くの業務をこなしていると、レクレーションの企画まで手が回らなかったりいつも決まった内容になっている事業所もあるかもしれません。 そうした問題を解決するために、エクシング社がタブレット型の「健康王国DX」を発売。レクや機能訓練など約900種類のコンテンツを提供しています。 また、初期費用を抑えられるサブスクリプション形式のため、導入をしやすいのが特徴だそうです。 レクも機能訓練もこれひとつで 「JOYSOUND」などのカラオケ機器を提供するエクシング社が、介護事業所向けの音楽療養コンテンツのタブレットタイプを発売することを明らかにしました。 このコンテンツは、これまで自社のヘルスケア支援機器に搭載していたソフトをタブレット端末で使えるようにしたもの。タブレットだけで利用できるため、大人数の場合はテレビに接続したり少人数や個室の場合はタブレット画面で視聴したりと、幅広い使い方を可能にしました。 「健康王国DX」では、「体を動かす」「観る・癒す」「遊ぶ」「歌う」の4種類のコンテンツを提供。カラオケはもちろん、脳トレクイズやなつかしの映像などラインナップは多彩です。 加えて、このコンテンツは毎月新しいものが配信されていくので、飽きずに使えます。 さらに、機能訓練にも対応。愛知県作業療法士会が監修した機能訓練をわかりやすい動画で提供しています。その他にも、楽しみながら身体を動かせるダンスや顔ヨガ、立位でも座位でもできる体操など、幅広い身体状況の人が参加できる内容です。 そして、個別機能訓練の実施結果は利用者ごとに自動で記録されて加算算定に活用可能。もちろん、利用者や家族への報告資料にも使えます。 マンネリ解消、業務軽減にも 利用者に楽しんでもらおうといろんなレクを企画しようとするものの、時間がかかって仕事の負担になることってありますよね。加えて、内容がいつも同じようなものになってしまうことも…。 そういうときに、こうしたコンテンツがあると便利かもしれませんね。 例えば、「月曜日は体操の日」「第3金曜日はカラオケの日」といったように、この「健康王国DX」の内容を中心にレク表を組み立てるという使い方もアリかもしれません。 また「健康王国DX」は新しい動画などが定期的に追加されるので、「いつも同じ体操ばかり」「違う歌も歌いたい」といったマンネリも解消できそうです。 毎月のレク表が埋まらなくて困っている場合には、こういったものを活用してみるのも良いかもしれないですね。
2022/04/08
介護職員の業務負担は以前から大きな問題となっていますが、新型コロナウイルスの拡大でさらに業務量は増加。さらに、近年は入居者へのきめ細かな対応がこれまでよりも求められるようになり、職員の精神的・身体的な負担が増加しています。 そこで、日本セイフティー社はSOMPOホールディングス社と協力して、オムツ回収ボックス「ラップポン・パケット」を開発。効率的で衛生的な排泄介助をサポートするそうです。 自動でオムツを密封する 介護用品や防災用品の製造をおこなっている日本セイフティー社は、SOMPOホールディングス社と協力してオムツ回収ボックス「ラップポン・パケット」を開発。今年6月に発売することを発表しました。 これはボックスに入れた使用済みオムツを一つひとつ包装することで、臭いや菌を外に漏らさずに一時保管できるもの。ボタン1つでボックスの中のフィルムを熱で圧着して密封します。 また、このボックスを各居室に設置することで、汚物室までその都度捨てに行っていた手間が省け、時間の短縮や介護職員の身体的負担の軽減につながるそうです。 このボックスを開発した日本セイフティー社は、これまでにも同様のシステムを使った「ラップポン」シリーズを販売しており、介護現場だけでなく災害現場でも活用されています。 例えば、東日本大震災や熊本地震などでは組み立て式の「ラップポン」のトイレが設置されました。このトイレは、1回ずつ排泄物をフィルムで密封することで水を使わずに排泄物を処理できるため、断水が起きても問題なく使用できるそうです。 ちなみに今回の「ラップポン・パケット」は、SOMPOグループが運営する研究所を通して介護施設の業務状況やニーズをくみ上げ、実際の現場の意見を商品に反映したとのことです。 便利だけど費用が… 新型コロナの拡大で業務量が増加する介護現場をサポートするために、さまざまなシステムや介護器具が各社から登場しています。 今回のオムツ回収ボックスも、業務時間の短縮や介護職員の負担軽減につながるものでしょう。 ただ、このボックスは1つ21万4500円。すべての居室に設置するには費用面がネックになりそうです。 もちろん、衛生面で処理に配慮しなければいけないものが減りますし、汚物室までの往復の時間がなくなるのは大きなメリットなので、こうした介護機器を活用してみるのも良いかもしれませんね。
2022/04/07
飲み込む力が落ちてくると、一般的なお茶やジュースなどの飲み物を飲む際に誤嚥をしてしまうことがあります。 それを防ぐために、多くの介護施設では入居者の嚥下状況に応じて「とろみ剤」を飲み物に溶かして粘度を上げています。 しかし、一つひとつ手でとろみを付けているので時間がかかり、職員の負担になっているのが問題でした。 そうした負担を軽減するために、とろみづけのサブスクリプションサービス「TRORINPA(トロリンパ)」が登場。短時間でとろみのついた飲み物を提供してくれるサービスです。 誰でも簡単にとろみづけを 「TRORINPA」はとろみづけのサブスクリプション(月額)サービス。これまで、食事やおやつの際に1杯1杯手でしていたものをドリンクサーバーが自動でとろみづけをしてくれます。 このサーバーでは、森永乳業グループのとろみ剤を使い、3段階のとろみを1杯13秒で提供。時間の短縮に加えてとろみの強さも均一になるため、作る人によってとろみの強さが異なるということもなくなります。 また、サーバー専用の飲料パウダーを7種類の中から3種類を選択可能。麦茶やほうじ茶、リンゴジュースや紅茶などのさまざまな味が楽しめます。とろみなしのドリンクも選択できるので、職員の福利厚生としても活用できるそうです。 細かな調整ができれば… これまで、1杯1杯手作業でおこなっていた「とろみづけ」が自動でおこなえるとなれば、現場にとって大きな負担軽減になるのではないでしょうか。 ただ、とろみの粘度が3段階だと調整が難しい面もあるかもしれません。 おそらく、多くの施設で入居者ごとに細かくとろみの強さを調整しているでしょう。そのため、とろみの強度をもっと細かく調整できるようにしないと、現場で使い勝手が悪いと感じられてしまう可能性もあります。 例えば、日本介護食品協議会が定めているユニバーサルデザインフードの規格では、4段階の粘度を設定しています。 これに合わせて、4段階くらいの調整ができないと現場では使いにくいかもしれません。 今回のサービスは定期的なメンテナンスも含めた内容。基本料は管理費用込みで月2万2000円となり、あとは飲料パウダーととろみ剤の費用だけです。 とろみづけが必要な人が多い施設では、活躍するサービスとなるかもしれませんね。
2022/03/28
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。