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認知症対策

最新研究 認知症予防 認知症対策

歩行スピード低下は認知症の前兆!?歩行状態と認知症リスクの意外な関係

高齢の親を持つ人の中には「親の様子がおかしい」「親の物忘れがひどくなった」と感じるようになった人もいるかもしれません。そうしたときに頭をよぎるのが「認知症」という言葉。でも、認知症であると確信が持てない以上、認知症テストを親に受けてもらうのも気が引けてしまうのではないでしょうか。 今回、認知症のひとつの目安になるのが歩くスピードであることがオーストラリアの研究で判明しました。 その研究では「認知機能の低下と同時に歩く速さが遅くなったら、その後に認知症を発症するリスクが高い」ということが明らかになったのです。 歩くスピードの低下が認知症の前触れ? オーストラリアで、認知機能と歩く速さの関係についての研究結果が発表されました。 この研究は、65歳以上のアメリカ人と70歳以上のオーストラリア人、合わせて1万7000人を対象におこなわれました。 この研究の対象者には、1年おきに認知機能や会話のなめらかさなどを測る検査を実施。加えて、3メートルの距離を歩くテストもおこない、7年間にわたって認知機能と歩行スピードの変化を把握しました。 その結果、認知症の発症率が最も高かったのは、歩く速さが毎年約5%ずつ遅くなっており同時に認知機能の低下が起きているグループ。どちらかだけ衰えてきたグループに比べて、どちらも衰えたグループの方が認知症リスクが高いことがわかったそうです。 たまには一緒に散歩を 歩行状態と認知症リスクの関係については、今回の研究以外にも報告があります。 例えば、東京都健康長寿医療センターが認知症リスクと歩幅についての研究を実施。歩幅の広い人と比べると狭い人は認知症リスクが高いことがわかりました。 特に、女性の場合、歩幅が広い人に比べて狭い人は認知症リスクが5.76倍も高くなったそうです。 こうした研究結果が出ているので、もし「親が認知症かもしれない」と感じたら、散歩に連れ出してみて歩く速さや歩幅をチェックしてみるのも良いかもしれませんね。 あわせて、歩くことは血流を良くするので認知機能の維持にもつながるそう。高齢になるとどうしても運動不足になりがちなので、定期的に親と一緒に散歩する時間を作ってみるのはどうでしょうか。

2022/06/06

最新研究 認知症対策

90歳の高齢者でも認知機能が改善!ゲーム感覚でできる「運動+脳トレ」

今後、高齢化が進んでいくのに伴って認知症を発症する人が増えていくと考えられています。 そのため、認知症の治療薬の開発が進められていますが、副作用のリスクがあることが知られており、薬に頼らない治療法が注目されています。 そこで、筑波大学では運動と脳トレを同時におこなう二重課題運動が認知機能と身体機能に与える効果に関する研究を実施。その結果、二重課題運動をした高齢者の身体機能と認知機能が向上したそうです。 90歳でも認知機能が改善 筑波大学は、二重課題運動をおこなうことによる高齢者の認知機能と身体機能への効果についての研究結果を発表しました。 二重課題運動とは、身体を動かすプログラムと脳トレを同時におこなうもの。今回の研究では、「じゃんけん」「ボール回し」と言った運動と計算や言葉を使った脳トレを同時に実施し、少しずつ難易度を上げていきました。 また、この研究で対象となったのは平均年齢89.9歳の超高齢者。高齢者(75~84歳)よりもさらに認知機能や身体機能の向上が難しいとされている超高齢者でも二重課題運動が有効なのかを検証しました。 その結果、二重課題運動プログラムを実施したグループとそうでないグループでは、運動をしたグループの方が認知機能と身体機能のテストの結果が大幅に良くなったことがわかりました。 一方で、二重課題運動をしなかったグループは、どちらのテストの結果も悪くなっており、認知機能や身体機能が時間とともに低下していることが明らかになりました。 ちなみに、プログラムがゲーム感覚で集団で楽しめるような内容だったため参加率がとても高かったとのこと。社会的な交流の機会が減っている高齢者のメンタルヘルスにも良い影響があると考えられるそうです。 副作用のない治療法 認知症には複数の治療薬が使われていますが、根本的な治療薬の発見には至っていません。 そのうえ、吐き気や便秘といった副作用で体調を崩したり、薬が身体に合わないことも。そのため、WHOは薬による治療の代わりに、運動を取り入れることを推奨しています。 そこで、今回のような運動と脳トレを組み合わせたプログラムで認知機能が改善できるのであれば、副作用などの心配もないので安心な治療法と言えそうですね。

2022/06/06

最新テクノロジー 認知症対策

世界初、言葉のいらない認知症検査!絵を書くことで認知機能を測定

一般的に、認知機能が低下しているかどうかは認知機能検査によって判断されます。 国内では、「長谷川式認知症簡易評価スケール」が最も使われている認知機能検査。名前や生年月日、記憶力を試す質問をすることで認知機能を測定します。 こうした認知機能検査は世界中にあるものの、言葉の違いなどの理由で検査対象者によっては診断が難しいことも。そこで、筑波大学は国や地域に関わらず利用できる認知機能検査を世界で初めて開発しました。 国も言語も問わない認知機能検査 筑波大学が、国や言語に関わらず誰でも検査が受けられる認知機能検査を開発したことを明らかにしました。 この検査は、タブレット端末に専用のペンを使って絵を書き、描画速度や筆圧などをAIが解析することで認知機能の低下の程度を測定するというものです。 この認知機能検査を開発するために、日本とアメリカで認知症ではない65歳以上の高齢者を対象にした描画実験をおこなったそう。その結果、対象者の認知機能が低下するにしたがって、描画速度のばらつきやペンの静止時間の増加などの傾向があることがわかりました。 この傾向は、日本人・アメリカ人に共通しているとのこと。つまり、認知機能が低下すると描画に影響が出るのは日本人もアメリカ人も共通しており、これを分析することで認知機能の低下の度合いを推定できると言えるとのことです。 こうした検査を開発した背景には、これまでの認知機能検査がさまざまな言葉に翻訳されているものの、翻訳の妥当性などについてあまり検証されていなかったことがあります。 そのため、言葉による回答が必要ない認知機能検査を開発。これによって、世界中の人々が同じように検査を受けられるようになります。 認知症治療の拡大となるか 認知機能の検査は、日本では広まりつつありますが、世界的にはまだまだ一般的ではないのが現状です。 筑波大学によると、特に中・低所得国で認知症の診断率が低く、90%以上の認知症患者が診断されずに治療が受けられていないそうです。 今回のような認知症検査が世界中で広まることで、今後、さらに増加するとされる認知症高齢者が適切な治療を受けられるようになるかもしれませんね。

2022/06/03

認知症対策

37万人は「治る認知症」!?歩行障害、尿失禁…特発性正常圧水頭症かも

手術すれば治る認知症があることを知っていますか? 一般的に認知症は、治療をしても進行を遅くしたり症状を緩和するだけとされていますが、一部の認知症は手術をすることで治ることがわかっています。 その認知症とは、特発性正常圧水頭症(iNPH)というもの。頭の中に脳脊髄液が溜まることで、脳が圧迫されて歩行障害や認知機能の低下などを引き起こすことが特徴です。 この病気が広く知られていないことを受けて、医療機器メーカーのIntegra Japan社が「高齢者の水頭症 iNPH.jp」をリニューアル。水頭症のチェックシートなどを追加して、よりわかりやすい形で特発性正常圧水頭症の啓蒙をおこなっています。 治る認知症とは? 脳外科用の医療機器メーカーであるIntegra Japan社が、特発性正常圧水頭症の認知度向上のためにウェブサイト「高齢者の水頭症 iNPH.jp」をリニューアルしました。 特発性正常圧水頭症とは、頭のなかに脳の水分を調節する脳脊髄液が過剰に溜まって脳が圧迫される病気のこと。脳が圧迫されることで、認知症と似たような症状が現れます。 主に、この認知症には歩行障害・認知症・尿失禁の3つの症状があります。 なかでも歩行障害は、もっとも特徴的で最初に出ることが多い症状。「がに股歩行」や歩幅が小さくなる「小刻み歩行」、進行すると転倒しやすくなることもあるそうです。 この歩行障害に加えて、意欲がなくなりぼーっとすることが多くなる「認知症」、トイレが近くなったり我慢できる時間が短くなって間に合わなくなる「尿失禁」の症状が出ている場合は、特発性正常圧水頭症を疑った方が良いかもしれません。 このように、特発性正常圧水頭症は他の認知症や加齢によるものと判断されやすい症状が多く、見過ごされているのが現状。特発性正常圧水頭症の患者数は約37万人と推定されていますが、治療しているのはそのうち1割もいないそうです。 もしかしたら治療できるかも? 「高齢者の水頭症 iNPH.jp」によると、認知症の約5%が特発性正常圧水頭症だそう。全体の約56%を占めるアルツハイマー型認知症と比べるとその割合は小さく感じますが、患者数にすると約37万人もいるそうです。 しかし、その患者のなかで特発性正常圧水頭症と診断されて適切な治療を受けているのはごく一部。ほとんどは「歳だから」と見過ごされているのです。 もし、特発性正常圧水頭症のサインである歩行障害・認知症・尿失禁の症状が出ている人が身近にいたら、脳神経外科や脳神経内科の受診を検討しても良いかもしれませんね。

2022/06/01

最新テクノロジー 認知症対策 高齢者の交通安全

車が高齢ドライバーの認知症を発見!?AIが車間距離、ふらつきを分析

高齢ドライバーの免許返納数は2019年までは増加傾向だったものの、2020年、2021年では減少しています。 この背景には、新型コロナウイルスの拡大があるとされており、高齢者が感染予防のために人込みを避けていたり密になりにくい車での移動の需要が高まっていることがあるようです。 しかし、認知機能や運転技能が低下しているのにも関わらず運転を続けている場合、事故を引き起こしてしまう可能性も。そこで、ホンダはAI(人工知能)でドライバーの認知機能や視野の欠損などを判断する車の開発を始めることを明らかにしました。 自動車が認知機能の低下を発見 ホンダは、ドライバーの認知機能や視野の欠損をAIが判断する技術を開発することを明らかにしました。 この技術は、運転中に車体が左右にふらついたり前の車両との間隔が狭くなるなどの傾向があった際に、認知機能や空間把握の能力が低下していることを知らせるものになるそうです。 ホンダでは、すでに量子科学技術研究開発機構とセンサーなどによるドライバーの脳や目の動きを分析する技術を開発中。ドライバーの視線を分析することで歩行者の見落としなどを警告するシステムです。 今回のAIを使った技術は、信号が変わったことへの反応スピードなども解析。認知機能の低下だけでなく、視野が狭くなる緑内障などの目の病気の早期発見につながることも期待されています。 免許返納を勧めるだけでない支援も 高齢ドライバーによる事故がなくならないことから、安全運転をサポートする機能を持つ自動車が続々登場しています。 一方で、今回の技術はドライバーの異変を早い段階から知らせる新しい発想。認知症の初期段階だと、自身も家族などの周囲の人も気が付かないことがあるので、運転を通して早期に発見できるのは便利ですよね。 また、運転中の異変が感知されれば、周囲も免許の返納や認知症検査を勧めやすくなるかもしれませんね。 ただ、移動手段がないために運転をしている高齢者が一定数いるのも事実。この技術のように未然に事故を防ぐ取り組みと並行して、車がなくても移動に困らない社会を作ることも必要なのではないでしょうか。

2022/05/31

地域の取り組み 認知症対策

高齢者もあせらず買い物「スローレジ」。効率化と真逆のニーズが増加

総人口の約3割が高齢者となった超高齢社会である日本。地域によっては、住民の半数近くが高齢者というケースもあり、高齢者に配慮した社会づくりが大きな課題です。 そこで、各地のスーパーマーケットで「スローレジ」が拡大。会計に時間をかけても良いレジを設けることで、高齢者や子ども連れなどが焦らず会計ができるため好評だそうです。 スローレジでゆっくり買い物 愛知県名古屋市にある商業施設にあるスーパーに、「サポートレジ」という名前のスローレジが導入されました。 スローレジとは、時間をかけて会計をしても良い有人レジのこと。混雑時だと会計であせってしまい、落ち着いて買い物ができないという声を受けて始まったサービスです。 特に高齢者は、小銭やポイントカードを出すのに手間取ったり認知症のために時間がかかったりと、会計をすることに負担を感じていることも。そうしたときに、レジの店員がサポートしながらゆっくり会計できるのが特徴です。 同様のレジは、福井県や岩手県などのスーパーでも広まっており、高齢者だけでなく障がいのある人や子ども連れの家族などにも好評だそうです。 また、こうした取り組みは日本と同じように高齢化が進んでいるフランスでもおこなわれています。 フランスでは、「ブラブラレジ」と呼ばれる店員とおしゃべりができるレジが人気。新型コロナウイルスの拡大によって一時的に休止していましたが、新型コロナによってコミュニケーションが希薄になったことで再開を求める声があり、その価値が見直されています。 また、このレジは高齢者に限らず、老若男女に広く利用されているそう。フランスでも、急いでいるときはセルフレジ、おしゃべりを楽しみたいときはブラブラレジと使い分けるようになるのかもしれません。 真逆のニーズ、”ゆっくり”と”急いで” 近年、品物登録から自分でおこなう「セルフレジ」、会計だけ自動精算機でおこなう「セミセルフレジ」など、会計を効率化するためのレジが多く導入されてきました。 しかし、若い世代は新しいレジが導入されても操作にすぐに慣れることができますが、高齢者は上手く扱えず、むしろ時間がかかることも。さらに、複数の種類のレジを瞬時に選択しなければいけないのも負担のひとつとなっています。 そこで、レジのうちひとつでも時間がかかっても良い「スローレジ」になれば、安心して買い物ができるでしょう。急いでいる人のためのセルフレジも合わせて設置すれば、それぞれの要望が叶えられそうですね。 ただ、まだこのレジを導入している店舗は少ないので、全国的に「スローレジ」が当たり前になると高齢者も若い世代も落ち着いて買い物ができるようになるのではないでしょうか。

2022/05/31

認知症対策 高齢者とデジタル

認知症でも買い物を!家族と支えるキャッシュレス決済「KAERU」

認知症の人は600万人を超えるとされており、高齢化に伴ってこの人数は増えていくとされています。 そこで問題となるのが、認知症の人の生活のサポート。なかでも日々の買い物は、認知機能の低下によって難しくなっていくため、認知症の人が自立して生活していくためには支援が重要です。 そうしたことを受けて、KAERU社は高齢者が安心して使えるキャッシュレスサービス「KAERU」をスタート。認知症の人が抱える「同じものを複数買う」といった問題を解決する機能があります。 買い物トラブルを未然に防ぐ 高齢者の買い物をサポートするアプリ「KAERU」は、認知機能が低下した人でも安心して買い物を楽しめるキャッシュレス決済サービスです。 キャッシュレス決済なので、お店で現金を出す必要はなし。おつりの計算など、現金のやりとりが苦手な認知症の人も不安なく会計ができます。 そして、事前にプリペイドカードにお金をチャージしておくことで買い物が可能。チャージしてある金額以上の買い物はできないうえに、1日の使用額の設定もできるので、お金の浪費を防げます。 さらに、「パートナー設定」をすることで、難しい設定は家族などに任せることが可能。スマホの操作が苦手な高齢者も家族が代理で設定をすることで、プリペイドカードを持つだけで買い物が可能です。 また、パートナー設定をしている家族は、利用者の買い物履歴の確認が可能。同じものを複数買っていないかなどをスマホで確認できます。 今後、位置情報の共有機能も追加予定。パートナーに居場所を伝えられるので、迷ってしまったときに助けを求めることができるようになるそうです。 テクノロジーと人の力をかけあわせて 「認知症になると何もできなくなる」と思ってしまいがちですが、すべての人がそうなるわけではありません。 認知症でも1人で暮らせる人もいます。何より、買い物や家事など身の回りのことを自分ですることで、認知症の症状進行を遅らせられる面もあるのです。 しかし、認知症の人がその人らしく暮らすためには周囲のサポートが重要ですが、家族が遠方に住んでいたりするとサポートしきれない部分があるのも事実です。 そこで、便利なテクノロジーも活用することで、認知症の人も安心して生活できる社会になっていくのではないでしょうか。

2022/05/25

老後の備え 認知症対策

認知症になるとお金を引き出せない⁉「家族信託」でシニアの財産を守る

第一生命経済研究所の調査によると、日本の金融資産の多くは高齢者が保有しているそう。今後、高齢化が進むに伴ってこの資産が増えていくことが考えられます。 さらに、認知症の人が保有する資産は、2030年時点で個人資産の全体の約1割の215兆円にのぼるという試算も出ているそうです。 そこで、高齢者が資産を活用するための家族信託をおこなう総合信託サービス「信託先生」が提供開始。家族信託の設計から契約後のサポートまでを低価格で支援するそうです。 家族信託で資産管理を任せる シニアの財産の管理や運用をサポートする総合信託サービス『信託先生』が提供開始されました。 このサービスは、家族信託を含めたさまざまな老後の悩みをトータルで支援するもの。提携している司法書士や税理士による無料相談もあるので、資産管理に関する困りごとをまとめて相談できます。 家族信託とは、親が認知症などによって財産を管理できなくなったときのために、財産を管理する権限を家族に与えること。親が介護施設などに入居することになったときに、介護費用を口座から引き出したり自宅の売却なども家族に任せられるようになります。 対策を何もおこなっていないと、いざというときに家族は親の資産を管理することができません。親が認知症になってしまったら銀行は口座を凍結するため、家族でもお金を引き出せないのです。 それを防ぐために、近年、家族信託が注目されています。信頼できる家族に財産の管理する権限を移しておくことで、親が認知症になって財産の管理ができなくなるときに備えられます。 家族信託にもデメリットがある シニアの資産管理をするのに便利な家族信託ですが、デメリットもあります。 例えば、財産の管理を誰に任せるかでもめる可能性があること。望んだとおりに資産を管理してくれる家族がいなかったり家族に財産管理を拒否されてしまうと、家族信託は利用できません。 そのため、家族信託を利用する際には「誰に財産管理を任せるのか」「どのように財産を管理してほしいのか」を家族でよく話し合っておく必要があります。 もし、認知症になってしまうと自分で銀行口座からお金を引き出したり、不動産を売却することはできなくなります。財産の不安をなくすためにも、元気なうちに対策をしておいて損はないですよね。

2022/05/19

最新テクノロジー 認知症予防 認知症対策

タブレットを3分見るだけの認知症検査⁉視線の動きで認知症を発見

認知症を発症している高齢者は年々増加しており、これからも増加する見込みです。そのため、認知症の発見をする認知機能検査が注目されていますが、一般的に利用されている検査は時間がかかる点がネックでした。 そこで、アイ・ブレインサイエンス社は簡易的に認知機能を評価できるアプリを開発。その販売を大塚製薬社がおこなうことが明らかになりました。 認知機能検査が3分で? 大塚製薬が、認知機能を簡易的に調べるアプリの販売をおこなうことを発表しました。 これまで一般的におこなわれている認知機能検査は、問診に20分近くかかったり検査を受ける人の心理的負担が大きく、苦痛を受けやすいことが課題。さらに専門知識を持った医師などが問診をする必要がありました。 そのため、検査の簡易化や検査をする人や検査を受ける人の負担を少なくすることが求められていました。 そこで、アイ・ブレインサイエンス社は「アイトラッキング技術」を活用したこのアプリを開発。認知症のスクリーニング検査として日本で初めて薬事承認を取得しているそうです。 アイトラッキング技術とは、視線の動きをアプリが読み込むことで認知機能を評価するものです。 この技術を使うことで、簡単でストレスの少ない認知機能検査を実現。アプリをインストールしたタブレット端末を約3分間見つめるだけで簡単に認知機能の評価ができるようになりました。 検査時間が短くなったことに加えて、この検査では問診が不要に。そのため、人手不足の医療現場の負担の軽減にもなるそうです。 認知機能検査が身近なものに これまで、認知機能の検査を受ける人の多くが認知機能に違和感を感じてから検査を受けていました。 しかし、認知症の進行を抑えるためには、早期からの対策が大切。認知症の発症初期から対策をしておけば、生活環境を大きく変えずに暮らし続けられる可能性もあります。 そこで、今回のアプリのように簡単に認知症の検査が受けられると、認知機能検査を受ける人が増えるかもしれませんね。 ただ、このアプリはあくまで簡易的なもの。従来の認知機能検査を補助するものなので、この検査の結果だけを信じることはできないようです。 今後、さまざまなテクノロジーが開発されて、気軽に本格的な認知症検査ができるようになることに期待ですね。

2022/05/02

最新研究 認知症予防 認知症対策

認知症の高齢者が減少⁉東京大学が2043年の認知症人口を発表

2020年の認知症の高齢者は約600万人。年々その数は増えており、2025年には700万人を越え、2060年には1100万人を越えるという予測が出ています。 しかし、このような予測を覆す推計を東京大学が発表。これまで、2043年の認知症患者の数は1000万人近くになると予想されていましたが、今回の予測では465万人にまで減少するという結果になったそうです。 認知症患者の数が減少⁉ 東京大学などの研究グループが60歳以上の認知症患者の人口などについて、将来的な推計を発表しました。 この推計は、60歳の高齢者の健康状態データをバーチャルで再現。半年ごとの発症率を計算して、2043年までの変化を割り出しました。 その結果、2016年の認知症の人の数は510万人となり、国の予想とほとんど同じ数字でしたが、2043年では465万人と2016年時点よりも減少。「長寿化の影響で認知症の人の数が増加する」というこれまでの世界的な常識を覆す結果となりました。 このような結果になった理由としては、学歴や健康状態の向上、人口減少などが考えられるそうです。 今回の結果をふまえて、研究グループは「社会的格差の対策が必要」としています。というのも、これからの認知症予防は、学歴格差や健康格差などさまざまな格差を小さくするための政策が必要であることがこの結果からわかったからです。 常識を覆す推計結果 これまで、認知症の人の数は年々増えていくものという予想が一般的でした。 例えば、厚生省の予測では2040年には認知症の人が800~1000万人まで増加。その医療費の増大が考えられるため、国は認知症の予防に力を入れています。 対して、今回の推計では2043年時点でその半分ほどの人数にとどまる結果に。2016年の人数よりも減少するそうです。 これまでのものとまったく異なる今回の推計が出たことで、国の方針などに変化があるかもしれませんね。

2022/05/02

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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