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長引くコロナ禍で外出したり運動したりする機会も減り、高齢者を中心に、心筋梗塞や狭心症などといった虚血性心疾患のリスクが高まっています。 そのような背景を受け、福岡工業大学で生体情報計測システムを研究している李知炯(リ・ジヒョン)助教の研究室が、画期的な血管の健康チェックができる装置を開発しました。 指輪のような装置で血管の状態を調べる方法 李研究室が開発した装置は指輪のようになっていて、指にはめるだけで血管の硬さ・血圧・心拍数の3つの情報を計測できます。 また病院にあるような大がかりな装置に比べ、端末の長さは約9センチと大幅な小型化に成功しています。 この装置の使い方は簡単で、以下のようにして血圧の値や血管の硬さ、心拍数を算出します。 装置を指にはめる 小型のポンプで空気を送り込み、内部のカフを膨張させる カフで指を圧迫することで、心臓から押し出された動脈血がつくる波形である、指の根元の脈波を、搭載された光センサーが計測 脈波を装置が読み取る その特徴を、コンピューターの演算や制御を司るマイクロプロセッサーが分析 このように、自分はただ指に装置をはめるだけで、血管の状態を測定できるのです。 装置の使用実績 李研究室の健康チェック装置は、福岡工業大学が福岡県の篠栗町(ささぐりまち)で実施している高齢者の健康調査「篠栗元気もん調査」で使用。すでに4000人以上の篠栗町内の高齢者の健康状態を診断し、データを取得しています。 取得したデータをもとに、精度向上に向けた装置の改良も実施中とのことです。 今回紹介した装置は試作段階のため、まだ一部の地域でしか使えませんが、病院で血管の状態をチェックすることはできます。 健康で長生きするためにも、万病のもとである動脈硬化の予防は重要です。定期的に血管の状態を確認して、動脈硬化の予防に努めましょう。
2022/11/10
米ラトガーズ大学とバージニア大学の研究で、いわゆる「夜型」の人は「朝型」の人と比べて脂肪の燃焼が少なく、血糖値を下げるインスリンが効きにくい(多く必要とする)ことが判明。そのため、2型糖尿病や心臓病のリスクが高まる可能性があると発表されました。 「夜型」の人はご用心 今回の研究は、運動不足によって高血圧や高血糖などの可能性の高いメタボリックシンドロームの人、51名を対象に実施。コントロールされた食事と運動を実践しながら、1週間にわたるモニタリングがおこなわれました。 その結果、朝型の人は安静時、運動時ともにより多くの脂肪を燃やすうえに、インスリン感受性(インスリンの効きやすさ)が高いことが分かりました。一方で夜型の人は、脂肪を燃やす代わりに糖をエネルギー源としてしまい、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい)も高いため、2型糖尿病や心臓病などの病気にかかるリスクが高まる可能性があることが判明しました。 実証された「早起きは三文の徳」 また、朝型と夜型の脂質の代謝の違いによって、「概日リズム※1」がインスリンの働きに影響を与える可能性があることもわかりました。 つまり、『「クロノタイプ※2」は代謝やホルモン作用に影響を与える可能性があり、疾患リスクを予測するものとして利用できる』と論文の筆頭著者でラトガーズ大学の運動学・代謝学教授であるスティーブン・マリン氏は述べています。 よく「早起きは三文の徳」、「早寝・早起きは長生きのもと」言われていますが、どうやら、本当だったみたいですね。 とはいえ、夜型の人がすぐに朝型に変えるのは難しいもの。生活リズムを30分でも早くできると、健康にも良い影響があるかもしれませんね。 ※1概日リズム 約25時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在している。一般的に体内時計とも言う。 ※2クロノタイプ 一般に「朝型夜型」と呼ばれるもので、特別な用事がなければ、朝型の人は日の出ごろに目覚めて早い時間帯に活発に活動し、夜は早々と床につくのに対して、夜型の人は日が高くなってからようやく起きだし、昼間はなかなか元気が出ず夜になってから目が冴えてきて、深夜遅くにようやく眠りにつく。
2022/10/27
糖尿病の人が心筋梗塞や狭心症などの発作を起こすと、糖尿病のない人に比べ、心不全とその後の死亡のリスクが高くなるという調査結果が、欧州心臓病学会(ESC)学術集会で発表されました。 心臓発作とは 心臓発作は、心臓の筋肉に血液をおくっている冠動脈に異常が起こり、血流が途絶えたことで十分な酸素を供給できなくなり引き起こされます。心臓発作は生命に重大な危険をおよぼす状態であり、高齢者に多いですが若年層でも起こることがあります。 心臓発作の原因は、心臓の筋肉の機能は完全には低下していないが、心臓への血のめぐりが悪くなることで起こる狭心症、冠動脈がさらに完全につまったり細くなったりして、心臓の筋肉細胞が死んでしまい機能が低下する心筋梗塞、さらには不整脈による心停止などがあります。 フランスのパリ-ジョルジュ ポンピドゥー欧州病院のニコラ ダンチン教授は、健康的な食事により肥満や過体重を避け、運動を生活の中に取り入れることでより良い生活スタイルに変えていくことが重要としています。 糖尿病による心臓発作の危険性 「心臓発作を起こした患者で糖尿病が多いことは、ほとんどの心臓専門医の共通認識であり、今回の調査でも一致していた」とダンチン教授は言います。 今回の調査で、心筋梗塞で入院したときに糖尿病の人の32%が心不全を発症したのに対し、糖尿病ではない人では17%となり、糖尿病の人は心不全を発症するリスクが56%高いことが判明しました。 また、心臓発作を経験し生き延びた人では、糖尿病の人の5.1%が翌年に非致死性の心不全で入院したのに対し、糖尿病でない人で入院したのは1.8%にとどまり、糖尿病の人は心不全の危険性が高いことが示されました。 さらに、心臓発作を経験した1年後に心不全で入院した患者の56%がその後の4年間に死亡したのに対して、心不全のない患者で死亡したのは21%でした。 心不全により5年間での死亡の危険性は73%上昇。危険性の増加は、特に薬による治療を必要としている糖尿病患者でとくに顕著であることも分かりました。 まとめ このように、糖尿病は心臓発作を起こしやすくするだけでなく心臓病の症状も悪化させることがわかりました。生活習慣を改善していくことで病気の危険性を抑えることができますので検討してみてはいかがでしょうか。
2022/09/07
7月に入ってから急速に感染の再拡大を始めた新型コロナウイルス。世界的にも感染は収まっておらず、各国でこの新しいウイルスについての研究が進められています。 そのようななか、イギリスの大学の研究チームが、新型コロナに関する新しい研究結果を報告しました。 それは、新型コロナに感染した人は回復後しばらく間、糖尿病と心血管疾患の発症するリスクが高くなる、というもの。回復後も特別な警戒が必要としています。 コロナ後3ヵ月は糖尿病・心臓病に注意!? イギリスのロンドン大学キングス・カレッジの研究グループが、新型コロナに感染したことがある人の糖尿病と心血管疾患の発症リスクについての実験結果を発表しました。 研究グループは、新型コロナに感染したことのある人と感染したことのない人の、感染した翌年の糖尿病・心血管疾患の発症リスクを比較しました。 それによると、感染した人は、感染後の4週間で糖尿病の診断が81%も増えることが判明。感染後12週間では27%も上昇していたそうです。 さらに、心血管疾患のリスクは、不整脈と肺塞栓症のリスクが6倍も上がっていました。 こうした結果になるのは、新型コロナに感染することで身体の炎症を引き起こす経路が作動してしまい、全身のさまざまな器官に影響を与えることが理由に考えられるそうです。 今回の結果を受けて研究グループは、「新型コロナに感染後、少なくても3ヵ月は特別な警戒が必要」と警告しています。 いつもよりも健康的な生活を 糖尿病や、不整脈や心筋梗塞といった心血管疾患は、発症リスクが普段の生活習慣に大きく左右されるため、生活習慣病とされています。 糖尿病も心血管疾患のどちらを予防するにも、食事や運動が重要。特に脂肪の多い食事は、血管壁に塊を作り、それが心臓の血管を詰まらせることが心血管疾患の原因になります。さらに、血液中の脂肪が多くなることで血糖値も下がりにくくなるため、糖尿病のリスクが高くなってしまうのです。 このように、日常的に食べるものなどが大きな影響を与える糖尿病と心血管疾患。新型コロナから回復した後は、バランスの良い食事や適度な運動など、これまでよりも健康的な習慣を心がける必要があるのかもしれませんね。
2022/08/18
加齢とともに増加する病気のひとつに、「心房細動」があります。 これは、不整脈のひとつで心臓の心房という部屋が細かく震えるように動くことで、正しい心拍ができなくなる状態のこと。この病気の患者の平均年齢は75歳で、患者の84%が65歳以上と言われています。 しかし、心房細動が慢性化していると自覚症状がないことが多いのが実情。息切れやめまい、胸の苦しさなどの症状があっても「年だから」と見逃されてしまう傾向があります。 そこで、オムロンヘルスケア社が持ち運びのしやすい小型心電計「オムロン 携帯型心電計 HCG-8060T」を販売開始。不整脈などの自覚症状を感じたときに手軽に測定・記録ができるので、心房細動の治療に活用できるそうです。 超小型の心電計 医療機器の開発や販売などをおこなっているオムロンヘルスケア社が「オムロン 携帯型心電計 HCG-8060T」を日本国内で販売開始することを明らかにしました。 この心電計は、不整脈などの自覚症状を感じたときに心電図を測定・記録できるもの。縦3センチメートル、横9センチメートル、厚さ7.4ミリメートルとポケットにも簡単に入るサイズなので、測定したいときにすぐに取り出せます。 また、測定方法も簡単。専用のアプリを起動して心電計の電極に手で触れるだけで30秒で測定結果がアプリに表示されます。 この結果はアプリに自動で保存されるので、病院での診察の際に医師と共有することも可能。心房細動の治療に活用できるそうです。 息切れ、動悸を放置しない 心房細動の自覚症状は、息切れや動悸、めまいなど。しかし、こうした症状があっても「年だからしょうがない」と、治療をせずにそのままにしてしまいがちですよね。 ただ、心房細動が続くと血栓ができやすくなり、命の危険がある脳梗塞を引き起こす可能性が高くなります。 そのため、自覚症状を感じたら早めに病院に行くのが大切。あわせて今回の心電計を活用できれば、早期に治療ができるかもしれません。
2022/06/24
健康に気を使って、普段から野菜を食事に取り入れている人もいるかもしれません。一方で、仕事や介護に忙しくて食事に気をつける余裕がない人もいるでしょう。 ちなみに、厚生労働省が推奨している野菜の摂取量は1日350グラム。しかし、2018年の調査によると、実際の野菜の摂取量の平均は男性で290グラム、女性で270グラムにとどまっているそうです。 しかし、今回、野菜をたくさん食べていればサプリメントを飲む必要はないという研究をオーストラリアの大学が発表し、改めて野菜の健康効果を強調しています。 それによると、硝酸塩を含む野菜をたくさん食べている人は、血圧が低くなっていたうえに心臓病のリスクも最大26%も低かったそうです。 野菜が血圧を下げる オーストラリアのエディス・コーワン大学は、硝酸塩を多く含む野菜の血圧への効果と心臓病リスクとの関係を調査し、その結果を発表しました。 硝酸塩とは、ほうれん草や小松菜、春菊などの葉物野菜、ごぼうやビーツなどの一部の根菜に多く含まれているもの。土の中に自然に含まれているもので、肥料として使用されることもある成分です。 今回の研究は、デンマークに住む5万人以上の23年間分のデータを解析したもの。対象者の食事内容と血圧や病気などの健康状態について調査しています。 その結果、硝酸塩を多く含む野菜を最も多く食べている人は血圧が低く、心臓病リスクが12~26%低いことがわかりました。 さらに、足の動脈の血流が悪くなり太ももなどに痛みが出る「末梢動脈疾患」のリスクも26%低下。その他にも、心臓発作、脳卒中、心不全などのリスクも下がっていたそうです。 こうした結果を受けて研究チームは、心臓病リスクを下げるためには葉物野菜を多く食べることで十分で、硝酸塩を摂るためにサプリメントを飲む必要はないとしています。 サプリメントは必要ない 血圧を下げる効果があるサプリメントや健康食品がたくさん売られていますが、今回の研究結果を見ると、野菜を食べていればそうしたものは必要ないのかもしれません。 ちなみに、研究チームによると硝酸塩を含む野菜の摂取目安量は1日カップ1杯。それ以上の量を食べても効果が高まることはなかったそうなので、血圧が気になる人はカップ1杯の野菜を食べることを目標に食事を変えることから始めてみてはどうでしょうか。
2022/06/10
新型コロナの拡大で外出自粛生活が始まって2年以上。自宅で過ごすことに慣れた人も多いのではないでしょうか。 しかし、そこで心配なのが運動不足。「長時間、座りっぱなしでテレビを見ている」なんて人もいるかもしれません。 しかし、座っている時間を約1時間減らすだけで糖尿病や心臓病のリスクを減らす効果があることをフィンランドのトゥルク大学が発見。座っている時間を減らして、身体活動量を増やすだけで健康的になれるそうです。 座っている時間を短くするだけで健康に フィンランドのトゥルク大学が、座位時間や身体活動量と健康上の効果についての研究結果を発表しました。 この研究は、中高年64人を2つのグループに分けておこなわれたもの。1つのグループは、座っている時間を1日1時間短くして、軽い運動や活動時間を増やし、もう1つのグループは、普段通りに座る時間が長いままの生活を過ごしました。 その結果、座位時間を短くしたグループは3ヵ月間で血糖値のコントロール状況が改善し、インスリンの働きが良くなりました。さらに、肝臓の状態も改善。一方の普段通りの生活をしたグループは、健康状態に変化はなかったそうです。 今回の研究で特徴的なのは、3ヵ月の実験期間を通して座っている時間と活動している時間の身体活動量を活動量計で測定した点です。 というのも、従来の研究では、活動量を測定するのは実験期間の最初と最後の数日間だけなのが一般的。今回は参加者に活動量計をずっと身につけてもらうことで、実際の行動の変化に関して多くの情報を取得して分析できたそうです。 まずは立つ時間を増やすことから 「運動しないと…」と思いつつ、なかなか始められないことが多いですよね。 そういった人には、「座っている時間を3ヵ月間減らすことで健康に効果がある」という今回の研究結果は心強いものになるかもしれませんね。 ただ、今回の研究グループによると「糖尿病や心疾患など複数の病気のリスクが高い人は、座っている時間を減らすだけでは病気を防ぐには十分ではない」とのこと。運動の強度を上げたり運動時間を増やすことで、より効果が得られるそうです。 しかし、いきなりハードな運動をするのはなかなか大変。普段、座っている時間が長い人にとっては、座位時間を減らすだけでも運動を始める良いきっかけになるのではないでしょうか。
2022/05/20
日本人の死因の第2位である心臓病。心不全、心臓弁膜症、心筋症、不整脈などさまざまな心臓の異常によって起こる病気の総称です。 今回、心臓病の治療機器などを開発しているメーカーのエドワーズライフサイエンス社が、「心臓の健康に関する意識調査」の結果を発表。それによると、多くの人が心臓の状態を診断する聴診を受けておらず、さらに、心臓弁膜症については60%以上の人がよく理解していないことがわかりました。 心臓弁膜症の怖さ 医療機器メーカーのエドワーズライフサイエンス社が、65歳以上の高齢者らを対象に「心臓の健康に関する意識調査」を実施。その結果を公表しました。 それによると、聴診を定期的に受けている高齢者は27%にとどまる結果に。聴診は、心臓の状況を判断するうえで最も一般的で重要な診断方法で、聴診をすることで不整脈や心臓弁膜症のひとつである大動脈弁狭窄症を発見できることもあるそうです。 さらに、心不全や心臓病の主な原因となる心臓弁膜症について60%以上の人が理解していないことが判明。「手術をしなくても薬だけで治療できる」「健康的な生活習慣によって、苦しみのない生活を送れる」などの間違った認識をしている人が数多くいることもわかりました。 心臓弁膜症は、心臓の弁の機能が低下して血液の流れが悪くなっている状態。加齢によって心臓の弁の機能低下が起こるリスクが高まるため、年齢とともに発症率が上がる傾向があることがわかっています。 「年だから」と放置しないで コロナ禍で身体を動かす機会が減ったことで、心臓の異常に気が付きにくくなっている可能性があります。 というのも、心臓の異常の発見のきっかけとなる症状が、活動したときの息切れや動悸といった日常生活で現れるもののため。しかし、外出自粛をすることで歩くことや階段の利用頻度が減ると、異常に気が付きにくくなります。 さらに、息切れや動悸といった症状は、「年だから」と見落とされがち。「去年より息切れしやすくなった」など、少しでも変化があったら医師に相談した方が良いかもしれませんね。
2022/05/13
コロナ禍が長引き、運動する機会が減ったと感じる人もいるのではないでしょうか。 それで怖いのが、肥満や身体機能の低下。特に高齢になると代謝機能が低下することで肥満になりやすくなるので、一層の注意が必要です。 そこで、イギリスの保健当局は新しいガイドラインを発表。それによると、ウエストサイズが身長の半分以上だと肥満と判断できるそうです。 この指標は、これまで肥満の指標になっていたBMIよりも簡単かつ正確に判断できるとのことです。 ウエストは身長の半分以下に イギリスの保健当局は、肥満に関する新しい指標を発表しました。 それは、身長とウエストサイズの比率。身長の半分の数値よりもウエストサイズが大きい場合は、肥満と判断できるそうです。 例えば、身長170センチメートルの男性であれば、ウエストが85センチメートルを超えると肥満と判断できます。 これまで肥満の指標として使われていたBMIの数値は、身長の数字の二乗で体重の数字を割ることで算出。体脂肪率や身体のどの部分に脂肪が多いのかを考慮していないため、BMIの数値だけでは不十分と考えられてきました。 そのため、イギリスの保健当局は糖尿病や高血圧、心臓病などの生活習慣病のリスクが高くなることがわかっている腹部周辺の脂肪をウエストサイズを測って把握することを推奨しています。 ちなみに、ウエストサイズは、肋骨と腰の骨の中間にメジャーを巻いて息を自然に吐いてから測るのが正しい測定方法だそうです。 BMIだけでは肥満はわからない よく知られている通り、肥満は高血圧や糖尿病、心臓病などさまざまな生活習慣病の原因になりかねません。 しかし、肥満の指標として一般的に知られているBMIは、日本人には一概に当てはまらないことも。BMIは低いのに体脂肪が多い「隠れ肥満」が多いこともわかっています。特に高齢になると、筋肉が低下しやすくなるので隠れ肥満のリスクが上がるのです。 この隠れ肥満の場合、筋肉が少なく腹部周辺に体脂肪がたくさん付いているケースが多いので、身長とウエストサイズの比率を確認することで肥満を発見できるそうです。 また、今回、発表された目安は「ウエストサイズを身長の半分以下に」とシンプルなものなので、この指標を使って手軽に健康管理できそうですね。
2022/05/09
心筋梗塞や不整脈、心筋症などさまざまな病気が原因となって発症する心不全。心臓が血液を送り出す機能が低下することで、動機や息切れ呼吸困難などの症状が出ることもあります。 特に高齢者は、年を重ねることで心臓の機能が衰えるため、心不全を発症すると慢性的にくり返す傾向があります。 また、高齢者の筋肉が衰えることで、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなることもわかっています。 そこで、大阪公立大学は筋肉の質と心不全患者の発症後の経過の関連を調査。その結果、大腿部(太もも)の筋肉内脂肪が多いと、その後の経過が悪くなることがわかりました。 筋肉内の脂肪が再発リスクと関係する? 大阪公立大学が、大腿部の筋肉内脂肪と心不全の経過の関連についての研究結果を発表しました。 筋肉内脂肪とは、筋肉内に霜降り状に溜まっている脂肪のこと。高齢者にみられるもので、大腿部の筋肉内脂肪が糖尿病リスクを上げることが過去の研究でわかっています。 また、心不全は心筋梗塞や不整脈、心筋症といった病気が原因となる症候群のこと。心不全は発症すると完治することはないとされており、急に呼吸困難などの症状が再発することもあります。 そこで大阪公立大学は、大腿部の筋肉内脂肪の比率によって心不全の再発や再入院のリスクに関係があるかを調査しました。 その結果、筋肉内脂肪の割合が高い人は症状の再発率が高いことが判明。筋肉内脂肪の比率が心不全の再発に関連していることがわかりました。 ただ、現状ではなぜ筋肉内脂肪の割合と心不全の再発に関連があるのかわかっていないため、さらなる研究が必要だそうです。 入院による身体状態の悪化が問題 心不全は、倦怠感や息切れ、手足の冷えなど日常的な不調を引き起こします。 さらに、それだけでなく突然の呼吸困難で救急車で搬送されることも。高齢者の場合、そのように入退院を繰り返すと、入院期間中に身体機能が低下することで介護が必要になるケースもあります。 それを避けるためには、筋肉量を維持することが大切。ウォーキングや筋トレなど、自分の体力と相談しながら、無理のない範囲で継続していけると良いですね。
2022/04/21
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。