ニュース
身体には「体内時計」が備わっており、睡眠や食欲などのコントロールに関係していると言われています。 しかしその体内時計は、就寝時間が遅くなったり運動不足などによって乱れてしまい、体調に不調をきたすこともあります。 さらに今回、アメリカでおこなわれた研究で体内時計の乱れが糖尿病のリスクを高めることがわかりました。 明るい部屋で寝ると糖尿病リスク増加⁉ アメリカのノースウエスタン大学が、体内時計と糖尿病リスクの関係についての研究結果を発表しました。 今回の研究は、20人の成人を2つのグループに分けて実施。対象者は2晩連続で研修施設で眠り、照明の明るさによって健康状態に変化があるかを調べました。 1つめのグループは、2晩とも3ルクス(映画館の客席程度)の薄暗い照明のなかで就寝。2つめのグループは、初めの晩は3ルクスの明るさ、次の日は100ルクス(一般的な住宅内の明るさ)と明るい光のなかで睡眠をとりました。 その結果、明るい照明のなかで眠った翌朝はインスリン抵抗性が進んでいることがわかりました。 インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンのへの感度が低くなり、インスリンの効果が悪くなっている状態のこと。つまり、明るい部屋で寝ると血糖値が高くなり、糖尿病リスクが上がってしまうということです。 加えて、心拍数の増加などの変化が起こっていることも判明。自律神経が活性化して、身体が緊張状態にあったそうです。 こうした結果から、「体内リズムを調整するために、日中はなるべく日光にあたり夜間は明るすぎない環境にすることも大切」と研究グループは述べています。 体内時計の乱れが病気のもと? 体内時計が乱れると、健康にさまざまな不調が出ることがわかっています。 例えば、食欲をコントロールするホルモンに異常が出ることで食欲が抑えられなくなり必要以上に食べてしまうようになるため、高血圧やメタボなどの生活習慣病を引き起こすこともあります。 それらが進行すると、脳卒中や心筋梗塞など最悪の場合死に至るような重篤な病気に悪化してしまうことも…。 それを防ぐためには、やっぱり規則正しい生活が大切。「毎朝、決まった時間に起きる」「起きたら朝日を浴びる」といった健康的な生活習慣が体内時計をリセットするカギになります。 仕事や介護で忙しかったりすると生活リズムが崩れてしまいがちですが、体内時計を上手く調整できるように少しずつ健康的な生活習慣を取り入れていきたいですね。
2022/04/12
新型コロナウイルスの感染が長期化するなかで、身体の不調を感じている人もいるのではないでしょうか。 感染予防のために外出や人との交流を控えることで運動する機会が減り、「長時間テレビの前で座りっぱなし」という人もいるかもしれませんね。 そうした状況を受けて、大阪市立大学はコロナ前後の検査データなどをもとにコロナ禍の体調への影響を調べました。 その結果、コロナ禍では脂肪肝を発症した人が増えたことがわかりました。 より危険な脂肪肝が増えている? 大阪市立大学は、同大学付属病院の患者のデータを解析して、コロナ禍がどのように患者の健康に影響しているのかを調査しました。 まず研究グループは、健康診断を受けた人のデータを解析。その結果、「代謝異常関連脂肪肝」の患者が増えていることがわかりました。 この病気は、代謝が異常な状態にある人の脂肪肝のこと。食べすぎや運動不足などの不摂生だけでなく、糖尿病や肥満などの代謝が落ちていることも原因になっている脂肪肝を表します。 この代謝異常関連脂肪肝は、通常の脂肪肝よりも肝硬変や肝がんに進行するケースも多いため「危ない脂肪肝」とも呼ばれているそうです。 また研究グループの追加の調査では、この脂肪肝の原因となった生活習慣が判明しました。 それは、夜食と飲酒。特にコロナ前では夜食がリスクを高めて、コロナ禍では飲酒がこの脂肪肝の発症リスク増加に関係していたそうです。 太ることと筋肉減少の最悪な組み合わせ コロナ禍で外出自粛が長引くと「どこも出かけられないし、テレビでも見ようかな」と何時間も座ったままになってしまうこともあるのではないでしょうか。 しかも、「テレビのお供におやつを食べていたら、お腹周りが気になるようになった」という人もいるかもしれませんね。 こうしたときに注意したいのは、「太った」というだけでなく「筋肉も落ちているかもしれない」ということ。外出が減った分だけ運動量も減っている可能性があるため、太りやすく筋肉が落ちやすい状況になっているのです。 そうなると、生活習慣病はもちろんのことフレイルや介護状態になるリスクが上がってしまいます。 そのため、たまには立ち上がって家の周りを散歩してみたりと、簡単な運動から取り入れてみると良いかもしれないですね。
2022/04/08
「食欲がないから朝食はいらない」と毎日の朝食を食べずに済ませてしまう人もいるかもしれません。 よく知られているとおり、朝食を抜くことの健康への悪影響は大きいもの。その具体的なものについて名古屋大学が調査しました。 その結果、朝食を抜くことで筋力低下を引き起こし、それによって高齢者は糖尿病やフレイル、要介護リスクを高める原因になりかねないそうです。 朝食がフレイル・メタボ・糖尿病を予防 名古屋大学が、習慣的に朝食を摂らない「朝食欠食」の健康への影響についての研究結果を公表しました。 今回の研究では、朝食を抜いたマウスの身体状況を調査。その結果、マウスの脂肪組織の重量が増加して体重が増え、筋肉の重量が低下することも判明しました。 こうしたことが起こったのは、体温や脂肪組織などに関係している体内時計に異常が出たためと考えられるそうです。 今回の結果から、朝食を摂って体内時計を正常に保ち筋肉を維持することが太りにくい体質を作りメタボを予防すると言えるそうです。 さらに、筋肉の低下によってインスリンが効きにくくなることがあるため糖尿病予防にも効果があるそう。そして、身体機能が低下するフレイルの予防にもつながると研究チームは述べています。 簡単なものでも朝食を食べる習慣を 筋肉の減少は高齢者にとって深刻な問題です。 なぜなら、筋肉が減少することで身体機能が落ちてフレイル状態となり、それが悪化すると要介護状態になりかねないから。朝食を抜くことが要介護状態を招くことになるかもしれません。 もし「朝は食事の準備をするのが面倒」という場合は、手軽に食べられるものを決めておくと良いのではないでしょうか。 例えば、「ごはんと納豆」「パンと目玉焼き」といった筋肉の材料となるタンパク質が含まれた食事にすると、よりフレイル予防につながるでしょう。 年を重ねると若い世代よりも筋肉の維持が大切になるため、少しずつフレイル予防をしていきましょう。
2022/04/04
「私のおばあちゃん、認知症なんだよね」という大学生の一言から生まれたゲームがあります。 それは、「懐話ふだ」というカードゲーム。めくったカードに書かれているお題に沿った思い出話をすることで、脳の活性化につながるそうです。 このゲームは、大学生の企画を企業が商品化して販売したもの。この商品企画の大会では総合優勝をした商品です。 「回想法」を取り入れたゲーム 大学生の企画を商品化する「Sカレ 2019」というイベントで法政大学の学生チームが提案したのが、カードゲーム「懐話ふだ」です。 このゲームは、認知症の進行予防として介護施設でも活用されている「回想法」を取り入れています。 回想法とは、認知症の心療療法のひとつ。自分の過去の話をすることで、楽しい気持ちになって精神状態が安定したり認知症の症状が緩和する効果があるとされています。 ゲームのルールはシンプル。裏面が青と赤の2色で、表面はピンク・黄色・緑の3色に分かれているカードを使います。 そして、青と赤のカードを1枚づつめくっていき、表面の3つの色で同じ色がそろうとそのカードをゲット。それぞれのカードの表面に書かれているお題について「思い出話」をすることで、脳の活性化につながるそうです。 このゲームの特徴は、カードをそろえるだけではないところ。そろえたカードに書いてあるお題に合わせた思い出話をすることがポイントです。 例えば、青カードには「幼少期」「大人になってから」などの”時期”を表す言葉が書かれており、赤カードには「住んでいた所」「好きだった曲」などの”モノ”や”コト”についてのテーマが書かれています。 そして2枚のカードの言葉を組み合わせ、その内容に合った話をしていくという訳です。 具体的には、青カードが「幼少期」、赤カードが「好きだった曲」であれば、「幼少期に好きだった曲の思い出話」をすることになります。 このゲームはこれまでオンラインのみでの販売でしたが、今年は4月におこなわれるアナログゲームイベント「ゲームマーケット」で初めて対面販売をするとのことです。 認知症の人が主体的に参加できる このゲームはルールがシンプルなので、認知症の人も参加しやすいのが特徴です。 もし周囲の人のサポートを受けながら遊ぶ場合でも、ゲームのメインである「思い出話をする」という部分は認知症の人もできるので、認知症の人が主体的に参加できるようになっています。 世代や認知症の有無を超えて楽しめるので、幅広い人が遊びやすいゲームと言えるのではないでしょうか。
2022/03/30
糖尿病や「血糖値が高め」と診断されているため、食事の管理を厳しくしている人もいることでしょう。もしかしたら、「アルコールは一切飲めない」と思っている人もいるかもしれません。 そうした人にうれしい研究結果が発表されました。 それは、「食事と一緒にワインを飲むと糖尿病リスクが下がる可能性がある」というもの。少量のワインであれば健康に良い効果があるそうです。 ”食事と一緒にワイン”が糖尿病リスクを下げる⁉ アメリカのチューレーン大学の研究グループが「食事と一緒にワインを飲むことが糖尿病リスクを低下させる可能性がある」という研究結果を発表しました。 この研究は、がんや糖尿病、心疾患などを発症していないイギリス人約31万人の健康データを分析したもの。10年前後の追跡期間のなかで約8500人が糖尿病を発症したそうです。 今回、研究グループが注目したのは「アルコールの種類」と「アルコールを摂取するタイミング」。これまで飲酒量と糖尿病リスクの関係を調査したものはありましたが、飲酒のタイミングに着目したものはなかったそうです。 そこで、今回は飲酒習慣のある人を「食事と一緒に飲む」「食事時には飲まない」「決まっていない」の3グループに分けて分析しました。 その結果、食事と一緒に飲酒するグループは、他のグループに比べて糖尿病リスクが14%減少。なかでもワインを飲む人だけが糖尿病リスクが低く、ビールなどの他のアルコール飲料ではリスク低下との関係がなかったそうです。 また飲酒量については、女性はワイン1日1杯まで、男性は最大2杯までが目安。節度を持って飲むことが大切としています。 やっぱり適量が大切 お酒が好きな人にとっては、完全に断酒しなければいけないわけではないのはうれしいですよね。 しかし、やはり量は少なめに抑える必要がありそう。「お酒は一切飲めない」と無理に我慢するのではなく、適量に留めることが大切ということですね。 もちろん、だからといって勝手な判断で飲酒するのはNG。医師の指導のもとで、無理なく自分に合った量でお酒を楽しむのが良さそうです。
2022/03/30
新型コロナウイルスの治療が終わって数ヵ月経ったのにも関わらず症状が残っていたり、新たに症状が現れる「新型コロナ後遺症」について多数報告がされています。 倦怠感や味覚・嗅覚障害、咳といった症状が多く報告されていますが、なかには新型コロナを発症してから糖尿病になる人もいるそうです。 そうした後遺症について、「ウォーキングによって症状が改善する」というアメリカの研究が発表されました。 ウォーキングがコロナ後遺症を軽くする? アメリカのペニントン生物医学研究センターが「ウォーキングが、新型コロナ後遺症の糖尿病などの症状を改善する可能性がある」という研究結果を発表しました。 研究グループによると、新型コロナ後遺症の糖尿病では血糖値が上昇して「糖尿病性ケトアシドーシス」になる可能性が高くなるそうです。 糖尿病性ケトアシドーシスとは、ケトン体の増加によって体内が酸性に傾いて、脱水状態に陥ることです。 血糖値を下げるインスリンの作用が低下することで、体内で糖をエネルギーとして利用できなくなり、代わりに脂肪やタンパク質がエネルギーとして分解されて「ケトン体」が発生。このケトン体が増加すると、体内が酸性になって腹痛や吐き気、症状が重いと意識がなくなることもあります。 こうした新型コロナ後遺症を改善する方法のひとつに運動があるそう。ランニングを長距離おこなうなどの激しい運動でなくても、30分程度のウォーキングで十分です。 どうして運動が後遺症を抑えるのかというと、後遺症の原因となる新型コロナの炎症を運動によって抑えられるから。 新型コロナに感染すると、ストレスや炎症、インスリンを分泌する細胞の機能不全によって、高血糖が引き起こされると考えられています。高血糖はさらに発熱や炎症を引き起こし、それによってインスリンを分泌する細胞の機能が低下したり細胞死が発生するそうです。 その結果、インスリン分泌が阻害されるため、さらに血糖値が上がるという悪循環におちいってしまいます。 そこで運動をすると、この悪循環を断ち切ってくれるそう。運動は、血糖値を低下させてインスリンの作用を高め、血糖値の良好なコントロールに効果があるのです。 身体に無理のない範囲で運動を 新型コロナ後遺症は、味覚障害や咳といった新型コロナ自体の症状が残ることは頻繫に報道されていますが、感染による炎症で糖尿病になるのはとても驚きですよね。 また後遺症は、新型コロナの感染から数ヵ月経っても続くことがあるとのこと。無理をしない範囲でゆっくりウォーキングなどから始めてみるのも良いのかもしれませんね。
2022/03/24
認知症の発症率が最も低いのは、アマゾンの先住民であることがわかりました。 その先住民は、チマネ族とモセテン族というほぼ自給自足で暮らしている人々のこと。認知機能検査をしたところ、軽度認知障害と診断されたのはチマネ族は1.2%、モセテン族は0.6%だけだったそうです。 アマゾンの先住民は認知症になりにくい? アメリカの研究チームによって、「認知症の有病率が最も低いのは、ボリビアのアマゾンに暮らすチマネ族とモセテン族」という研究結果が発表されました。 チマネ族とは、約1万7000人存在する狩猟や採取、農作によって生活している人々。身体活動量が多く、食料はほとんど自給自足をしているそうです。 対して、モセテン族は約3000人いる民族。チマネ族と比較的近い地域ですが、より街の近くで暮らしているため、水道設備を利用できて医療や教育を受けられる環境にあります。 この2つの民族は、遺伝子的・言語学的に近い部族。しかし、モセテン族は街で購入した嗜好品を口にすることもあるそうです。 これら2つの先住民の60歳以上の高齢者に対して、研究チームは認知機能検査を実施。頭部のCT検査もおこないました。 その結果、チマネ族で認知症と診断されたのは435人中5人(1.2%)。モセテン族では169人中1人(0.6%)でした。 ちなみに、アメリカの高齢者の認知症有病率は11%で、日本は16.7%。この数字と比べても2つの民族の認知症有病率が低いことがわかります。 また、頭部のCT検査によって認知症や軽度認知障害の人には脳の広い範囲で動脈石灰化(血管の内側にカルシウムが付着して血管が硬くなること)が起きていることがわかりました。 これについて研究グループは「これまで発見されていない、アルツハイマー病とは異なる認知症のタイプ」であることや、「チマネ族とモセテン族で蔓延している感染性疾患」である可能性を述べており、詳細な調査が必要だそうです。 認知症の新たな面の発見につながる可能性も 世界の認知症患者は、2050年に現在の3倍に増加すると予測されていますが、いまだに発症のメカニズムなどははっきりしていません。 そのため、今回の研究結果をきっかけに認知症の新たな側面を発見し、将来的な治療法や予防法の確立につながるかもしれませんね。 また、より文明的な生活を送っているモセテン族とチマネ族の発症率に大差がなかったことから「生活の文明化によって認知症が増えている」と一概には言えないようです。 文化や生活習慣、人種なども認知症発症に関係していることも考えられるので、追加の調査が期待されますね。
2022/03/23
糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病のリスクが高い人は、食事に気を付けたり運動量を増やしたりと生活習慣を改善するために、さまざまな工夫をしているかもしれません。 現在、そうした生活習慣病のリスクを下げる方法について、世界中でさまざまな研究がおこなわれています。 そのひとつに、デンマークでおこなわれた「北欧式食事」についての研究があります。これは、北欧で多く食べられている食事を食べることで、糖尿病や心疾患、高血圧、肥満などの多くの生活習慣病のリスクを下げられるというもの。無理なカロリー制限をすることなく、健康的になれるそうです。 北欧式食事で血糖値とコレステロール値が改善 デンマークのコペンハーゲン大学がおこなったのは、北欧式食事と生活習慣病のリスクについてです。 この北欧式食事とは、野菜を中心に全粒穀物、魚、ベリーなどをたくさん取り入れる食事のことです。 具体的には、キャベツ、えんどう豆、玉ねぎ、根菜などの野菜類や、リンゴ、ナシ、プラムなどの果物。魚介類、全粒穀物、ナッツ類に加えて、油脂類はアマニ油、菜種油といった植物性のものを食べます。一方で、肉などの動物性食品は控えるそうです。 今回の研究では、BMI(体格指数)が高い200人を対象に調査を実施。対象者は全員糖尿病と心血管疾患のリスクが高い人たちです。 はじめに研究グループは、対象者を北欧式食事と通常通りの食事をする2つのグループに分けて、半年間実験をおこないました。 その結果、北欧式食事のグループはそうでないグループに比べて、コレステロール値が低下。血糖コントロールも良くなったそうです。 この結果について、「研究グループは身体に良い油を摂取したことで、健康的になったと考えられる」と述べています。 というのも、北欧式の食事には、身体に良い働きをする不飽和脂肪酸が多く含まれる食品が豊富。例えば、魚やアマニ油、菜種油などは不飽和脂肪酸がたくさん含まれている食品です。 しかし研究グループによると、この不飽和脂肪酸が血糖値とコレステロール値を下げる理由は、まだ明確にはなっていないとのこと。ただ、加工された食品が少ない北欧式食事にすることで、身体に良い影響があると考えられているそうです。 ダイエットしなくても、健康になれる 北欧式食事にする際は、一般的なダイエットのように無理なカロリーや炭水化物の制限をする必要がないのが特徴。体重が減少しなくても、健康にはプラスの効果があるそうです。 また、北欧式の食事は日本人にもなじみのあるものが多く使われているので、食材が手に入りやすいのもうれしいですね。 そういった意味でも取り組みやすい食事法なので、「ダイエット」ではなく「食事改善」という意識で北欧式食事を始めてみるのもいいかもしれませんね。
2022/03/22
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気は、日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患の原因にもなるため、予防することが重要です。 しかし、これらの生活習慣病は運動量を増やしたり食生活を改善すれば予防できるとわかっていながらも、将来発症するのかわからないことに気をつかうのは大変。健康的な生活習慣が継続できないこともありますよね。 そうした問題に着目したのが、三井不動産の「&well」というアプリ。東芝が開発した「生活習慣病発症リスク予測AI」「リスク低減シミュレーション」という機能を使って、5年後の糖尿病・高血圧症・脂質異常症の発症リスクをAIが診断し、可視化することで生活習慣の改善を後押しするそうです。 5年先のリスクをAIが予測 三井不動産の「&well」は、企業が抱える社員の健康に関する課題の解決をサポートするアプリ。従業員がこのアプリを使って生活習慣を改めることによって、企業や社会の発展をサポートすることを目的としています。 そして今回、東芝が開発した「生活習慣病発症リスク予測AI」「リスク低減シミュレーション」を新機能として追加予定。2022年度中の本格稼働を目指して、来月からこのアプリの利用者300人を対象に機能の導入効果の実証実験をおこなうそうです。 この「生活習慣病発症リスク予測AI」とは、1年分の健康診断結果をもとに5年先までの糖尿病・高血圧症・脂質異常症の発症リスクをAIが予測。スマホアプリ上で、「糖尿病〇%」のように表示されて自分の近い将来の発症確立をはっきり確認できます。 さらに「リスク低減シミュレーション」では、発症リスクを減らすための目標体重を算出。それを実現させるための生活習慣改善のアドバイスや、健康知識を学べるコンテンツもアプリ内で配信しています。 また、このアプリではその日の健康状態や歩数などを記録。そういった活動をすることでアプリポイントが貯まり、ギフトと交換できます。そうした機能で健康的な活動の継続を支援しているそうです。 目標によって継続を 「生活習慣を見直そう」と思っても、つい気が緩んで元の生活に戻ってしまったり、切迫した状態ではないので後回しにしてしまうことってありますよね。 そこで、このアプリのように生活習慣病の発症リスクをはっきり提示してもらうと、気が引き締まって実行しやすくなるかもしれません。 もちろん、アプリに表示された発症リスクはAIがデータをもとに算出したものなので、あくまでも目安。しかし、ただ漠然と生活改善するよりも目標があった方が継続しやすいのではないでしょうか。
2022/03/22
近年、認知症と腸内細菌についての研究が注目されています。 そのなかに、国立長寿医療研究センターがおこなった「日本食」「腸内細菌」「認知症」の関連を調べた研究があります。 その結果、認知症でない人は日本食を食べている割合が高く、身体に悪影響のある代謝産物が少ないことがわかりました。 認知症・腸内細菌・日本食の関係とは? 国立長寿医療研究センターが日本食と認知症、腸内細菌の関係についての研究結果を発表しました。 これは、同センターに通院している認知症の人を対象に、認知症検査や食事アンケート、検便などを実施して調査されたものです。 同センターは、以前の研究で認知症と腸内細菌の関係を発見。認知症の発症に腸内細菌が発生させた物質(代謝産物)が影響していることがわかっています。 また、認知症でない人の腸内には「バクテロイデス」という種類の細菌が多く存在しているのに対して、認知症の人は種類のわからないその他の腸内細菌が多いことがわかりました。 それらの結果を受けて、今回は認知症と腸内細菌と日本食の関連を調査。その結果、認知症でない人は日本食やコーヒーを多く摂取していたそうです。 ここで言う日本食とは、米、みそ、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、漬物、緑茶、大豆、キノコ類などのこと。認知症でない人は、これらの食材に加えてコーヒーの摂取量が多かったそうです。 さらに、日本食を多く摂取している人は、腸内細菌の代謝産物の濃度が低い傾向がありました。 これらのことから、国立長寿医療研究センターは「日本食を多く摂ることが腸内細菌に良い作用を与え、認知症を防ぐ可能性がある」と示唆しています。 やっぱり日本食が良い? 研究技術の発達によって腸内細菌の研究が進んでいるようですが、まだまだわからないことが多い分野です。 そのため、認知症と腸内細菌が関係していることは明らかになっていますが、そのメカニズムは明確にはなっていないそうです。 ただ、認知症に食事が影響することはわかっており、魚介類や豆類、野菜、オリーブオイルなどを含む「地中海食」が認知症予防に効果があるという研究結果も出ています。 しかし、「地中海食」というと日本人にとってはなじみが薄いので、日本食に食生活を改めてみる方が手軽なのではないでしょうか。 普段の日本食にコーヒーをプラスすると、脳にも腸にも良い食事に改善できそうですね。
2022/03/17
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。