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Q&A

施設入居

施設入居 在宅介護

入院中に母親が寝たきりに…。在宅介護は無理でしょうか?

母が足の骨折をきっかけに入院し、寝たきりになってしまいました。病院ではずっとベッドで寝かされており、ほとんど歩けません。お風呂も介助が必要で、おむつ交換もしなければいけない状況です。 母は「自宅に帰りたい」と言っていますが、こんな状況で自宅で介護ができるでしょうか? (島田さん・会社員・63歳) 寝たきりの人の在宅介護は可能ではありますが、負担がかなり大きいです。ご家族だけでは難しいので、訪問介護や訪問入浴などの介護サービスを積極的に活用しましょう。もし、在宅介護に限界を感じ始めたら、ショートステイを利用して介護を休憩したり、介護施設への入居も検討してくださいね。 寝たきりでも在宅介護はできる? 母が骨折して入院している間に寝たきりになってしまいました。入院前は何とか歩いていたものの、今はほとんど歩けません。それに、おむつ交換やお風呂の介助も必要です。母は「早く家に帰りたい」と言っているので、自宅で介護したいとは考えているのですが、このような状態で在宅介護はできるのでしょうか? うーん…。正直なところ、寝たきりの状態の在宅介護はおすすめはしませんが、「絶対にできない」とも言えませんね。在宅介護サービスを積極的に活用しながらであれば、ご自宅での生活は可能ではあると思います。が、ご家族の介護の負担が大きくなる可能性は高いです。 そうですよね…。入院前はデイサービスと訪問介護を利用していました。たぶん、デイサービスはもう通えないと思うのですが、どんな介護サービスを利用すれば良いんでしょうか? そうですね…。寝たきりの人も利用しやすい在宅介護サービスというと、以下のようなものがあります。もちろん、これ以外のサービスが全く利用できないというわけではありませんよ。 訪問介護 訪問入浴 訪問看護 訪問リハビリテーション ショートステイ 訪問介護は、訪問ヘルパーさんが家に来てくれて身の回りの世話や介助をしてくれるサービスです。お母様が利用していたので、よくご存知ですよね。 そうですね。入院前は週2回、来てもらっていました。 今後はもっと回数を増やしても良いかもしれません。おむつ交換が必要となると、介護するご家族の負担が一気に増えますから。おむつ交換は腰をかがめないといけないので、身体的な負担が大きい介助です。なので、介護のプロにお願いするのが良いでしょう。 それはそうですね。おむつ交換なんて、子どもが赤ん坊のとき以来ですので、上手くできるか不安ですし…。 夜間対応型訪問介護とは 夜間対応型訪問介護とは、夜間の時間に限定した訪問介護が受けられる介護保険サービスのことです。 高齢化が進み、老老介護が増えたことなどから夜間の介護ニーズが高まり、2006年から始まった地域密着型サービスです。介護スタッフが定期的に訪問する「定期巡回訪問サービス」と、利用者から通報を受けて都度訪問する「随時対応サービス」があります。 あと、ぜひ活用していただきたいのが訪問入浴サービスです。訪問入浴では、横になったまま入浴できる大きな浴槽を自宅に運び込んで入浴介助をおこないます。家庭のお風呂では寝たきりの人がお湯に浸かるのはまずできませんから、お母様も喜ばれると思いますよ。 訪問入浴とは 訪問入浴とは、看護師1名を含めた2〜3名の介護スタッフが入浴のサポートをおこなってくれる介護サービスのことです。 要介護度が高く自力では入浴が困難な方や、家族の手だけでは入浴が難しい場合などさまざまなケースで利用されています。 ...

2022/10/19

施設入居 介護の基礎知識

母が入る老人ホームがこの施設で良いのか迷っています。母が施設になじめるか心配です

母の老人ホームを探しています。いくつかの施設を見学して1つにしぼったのですが、本当にこの施設で良いのか迷っています。 他の入居者は認知症の人も多いらしく、認知症ではない母がなじめるかが心配です。 (野村さん・会社員・57歳) でしたら、施設の雰囲気を知るために体験入居をすることをおすすめします。体験入居すれば、他の入居者さんの雰囲気や過ごし方が感じられますし、スタッフさんとの相性も確認できます。1泊5000〜1万5000円ほど費用がかかりますが、入居してから「思っていたのと違った!」となるのを防げますよ。 入居する前に体験入居?メリットは? 遠くに住む母の老人ホームを探しています。いくつかの施設を見学して、ある1つの有料老人ホームにしぼったのですが、本当にここで良いのか悩んでいます。その施設は、いろんな条件面は合っているのですが、入居しているのは認知症の人が多いらしいんです。母は認知症ではないですから、話が合う人がいるか気になって…。 なるほど…。でしたら、入居する前にその施設に体験入居してみることをおすすめします! 体験入居ですか? はい。本当の入居する前にお試しで入居してみることを「体験入居」と言います。中には対応していないところもあるので確認が必要ですが、多くの有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でおこなわれていますよ。 体験入居ってしないといけないんですか?すでに館内の見学をさせてもらってますし、特に必要がない気がしますが…。 「しないといけない」わけではないです。ただ、見学よりもたくさんのことがわかるので、入居してから「思っていたのと違った!」という失敗する可能性が低くなりますよ。 体験入居をするメリット 体験入居は、見学ではわからなかった点も確認できるのがメリットです。例えば、体験入居をすると以下のようなことが確認できます。 各種サービス内容 設備の使い勝手 音、におい、室温などの環境 早朝・夜間帯のスタッフ体制 自宅から離れての生活が問題なさそうか 「サービス内容」については、見学のときに説明してもらいましたよ。体験入居することで、新しくわかることがあるんでしょうか? はい。見学でも説明してもらえますが、それを実際に体験してみるのはまったく別です。スタッフさんのスキルや接遇面は、どうしても見学のときだけではわかりません。それに、スタッフさんとの相性も大切。やはり人と人ですから、相性の合う・合わないはあります。そうしたところも、体験入居してみないとわからないところですよね。 それはそうですね。身近でお世話してくれるスタッフさんとの相性が悪かったら、生活しにくいですもんね。 それとあわせて、施設の設備との相性も大切です。これから暮らす場所の設備を実際に使ってみて、使いやすいのかを試してみるんですね。それと意外と忘れがちなのが、においや音といった環境面です。入居してからにおいが気になったり、隣の部屋の物音が気になってストレスになることもあるんですよ。 あー、確かに。見学のときは説明を聞くのに一生懸命で、においなんて気にしていませんでしたね。 あとは、スタッフさんの体制を直接確認できるのも体験入居の良いところ。特に早朝や夜間帯は、人数が減る傾向にあります。安心して生活していくためにも、事前に知っておきたいですよね。 最後の「自宅から離れての生活が問題なさそうか」というのはどういうことですか?よくわからないのですが…。 長年、住んだ自宅から離れるのは誰しもさびしくなると思います。特にご高齢になると、新しい環境への順応が苦手になるので、さびしさも一層強くなる傾向があります。なので、体験入居で自宅から離れて生活を試してみるんですね。そうすることで、そのまま自宅以外の生活になじめそうかわかると思いますよ。 体験入居でチェックするポイント 北野室長の言う通り、体験入居をさせてみようと思います。体験入居のときにチェックしておくポイントってありますか? そうですね。ざっと考えただけでもたくさんあります!でも、全部を確認するのは難しいので、最低限チェックしていただきたいところをリストアップしてみました。 雰囲気 サービス内容 食事内容 医療体制 設備 まず「雰囲気」について。かなりざっくりしていますが、つまりは他の入居者さんやスタッフさんの関係性のことです。スタッフさんが気持ちの良いあいさつをしてくれる、声掛けが優しくてわかりやすい、入居者さんとスタッフさんで信頼関係ができている、といった点は、施設内の雰囲気を大きく左右します。 あぁ、スタッフさんの声掛けが怖かったら雰囲気が悪くなりますもんね。 おっしゃる通りです。それに、先ほど野村さんが心配されていたように、他の入居者さんで気が合いそうな人がいるかどうかも大切ですよね。どうしても有料老人ホームというのは認知症の人が多く入居している傾向があります。そのため、認知症ではない人が認知症の人ばかりの施設に入居してしまうと、孤立してしまうことがあるんです。そのため、体験入居のときにおしゃべりのできそうな入居者さんがいるかどうかをチェックしておくことをおすすめします。1人でも気の合う入居者さんがいると、老人ホームでの暮らしがとても楽しくなりますから。 そうですよね。見学のときに、「認知症ではない人も何人かいる」とは聞いていたんですが、その人と気が合うかどうかは会ってみないとわからないですからね。 スタッフさんや他の入居者さんとの相性とあわせて、サービスについても体験してみないとわからないことがたくさんあります。実際に介護サービスを受けてみたり、日中のレクリエーションにも参加してみましょう。施設によってレクの内容が異なりますから、お母様が楽しめそうかどうかはよくチェックしておきましょう。 母は「レクにたくさん参加したい」と言っていましたから、重要なチェックポイントになりそうです。 それと、「食事内容」や「医療体制」も健康に大きく関わるポイントですので、よく確認しておきましょう。食事は美味しさも大切ですが、必要な場合には減塩食ややわらか食といった食形態に調整ができるのかも非常に重要です。調整ができないせいで、食事ができないのであれば元も子もありませんからね。 うちの母は、塩分の調整は必要ないですし、普通のやわらかさで問題なく食べられます。でも、今後やわらかいものしか食べられなくなることもありえますし、事前に確認しておいた方が良さそうですね。…あと、最後の「設備」というのは、さっき北野室長が言っていた「設備の使い勝手」のことですか? その通りです!共用部のトイレや洗面台、お風呂の浴槽などが使いやすいかは、今後、暮らしていくにあたってとても大切ですからね。あわせて、居室の広さについてもチェックしておいてください。見学のときには広く感じられていても、実際に住んでみたら手狭に感じられることがたまにあるんですよ。 なるほど。見学のときにきちんとチェックしていたつもりでしたが、意外とたくさん確認しておくことがあるんですね。 体験入居の流れ、費用は? そういえば、体験入居するにはどうしたら良いんでしょうか? では、改めて体験入居までの流れを確認してみましょう。 見学 申込書の提出 本人面談 体験入居 野村さんは、最初の見学については完了している段階ですね。複数の施設を見学して1ヵ所にしぼりこんだら、次は申込書の提出です。申し込みには「健康診断書」「診療情報提供書」が必要なのですが、この書類の取得に1~2週間かかることがあります。なので、時間に余裕を持って進めていくことが大切です。 書類を提出したら、面談をするんですね。これは施設の人との面談ですか? そうです。施設担当者とお母様の面談です。普段の生活の様子や今の身体状況、持病などの確認をおこないます。このときに、施設への要望を伝えておくと、入居後のギャップが小さくなるでしょう。そうして全ての手続きが終われば、体験入居が始まります。 体験入居と言えど、書類の提出が必要だったり面談があったりと手間がかかるんですね…。そうだ、体験入居ってお金がかかりますよね?いくらくらいかかるんですか? 介護施設によって大きく異なりますが、1泊5000〜1万5000円の間が多いですね。また、体験入居の期間は1泊2日〜1週間で受け付けている施設がほとんどです。ただ、施設の空室状況などにもよるので、まずは施設に確認してみてください。 それと、体験入居のときには何を持っていけば良いでしょうか?着替えとかは必要そうですが…。 イメージとしては、旅行のときに持っていくものですね。以下にリストアップしたので、参考にしてみてください。 着替え 靴 口腔ケア用品(歯ブラシ、入れ歯ケースなど) 薬、医療用具 消耗品(ティッシュ、おむつなど) 着替えや消耗品などは、念のため多めに持っていったほうが良いと思います。ただ、介護施設には生活するためのものが一通りそろっているので、そんなにたくさんの物を持っていく必要はありませんよ。介護施設に入るのは、大きな決断ですよね。なので、入居してから後悔しないようにまずは体験入居をしてみると良いですよ! 本入居前に体験入居で実際の施設の様子を確認しよう! 体験入居は、スタッフの配置や他の入居者の様子がよくわかる 周りの音や、衛生管理、介護サービス内容などをチェックしよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2022/10/17

施設入居 認知症介護 介護の基礎知識

父の認知症が進行していて、介護がきついです。どんなタイミングで施設入居をするべきか迷っています

認知症の父が夜間に起きて騒いだり、家から出ていこうとするようになりました。それを止めるために夜も起きなければいけないので、寝不足が続いています。そろそろ介護施設に入居させた方が良いのか悩んでいます。 介護施設に入れるのは、どんなタイミングが良いんでしょうか? (平野さん・自営業・61歳) 介護施設に入居する主なきっかけというと、「介護度が上がった」「歩けなくなった」「介護する人が夜に起きなければいけなくなった」などが挙げられます。どの場合でも共通するのは、介護する人の負担が大きくなったタイミングということです。介護する人の負担が大きくて、体調が優れなかったり気持ちが落ち込んだりしている場合は、すぐに施設に入居することを検討した方が良いでしょう。 どんなタイミングで施設の入居を考えるべき? 同居している父の介護をしており、介護施設に入れるべきか悩んでいます。というのも、このところ夜中に起き出して「助けて!」などと騒ぐようになり、妻と2人でなだめなければいけなくなったんです。落ち着かないときは、そのまま外に出ていこうとします。それに、トイレが間に合わないことが多いので、部屋が汚れてしまって困っています。今は何とかなっているのですが、どういうタイミングで施設に入れることを検討したら良いですか? 施設入居を考えるタイミングは、ご本人やご家庭の事情によって異なりますから、一概には言えません。ただ、一般的には以下のような状況になると施設に入居することを考えることが多くなります。 要介護度が上がる 徘徊をする 常に目を離せない 退院後、在宅介護が困難 介護する人が夜に起きないといけない 入居のきっかけになることで多いのは、要介護度が上がったとき。中でも、特別養護老人ホーム(特養)には要介護3以上でないと入居できませんから、要介護3になったタイミングで入居の申し込みをする人もいるようです。ただ、特養は費用が安いためにとても人気です。そのうえ、状態が重い人が優先して入居するので、入居待ちが多い施設では要介護4以上でないと入れないケースも。そのため、要介護4になったのをきっかけに特養に申し込む人もいるようです。 つまり、特養に入れるようになるまで自宅で介護を続けている、ということですね。 おっしゃる通りです。けれど個人差はありますが、要介護3や要介護4の状態で在宅介護をするのはかなり大変です。そのため、純粋に介護の負担が大きくなり在宅介護が難しくなったタイミングで入居の申し込みをしているとも考えられますね。 なるほど…。「在宅介護が難しくなったタイミング」というと、具体的にはどんな状況でしょうか? そうですね…。例えば、「徘徊をする」「常に目を離せない」という状況になったらでしょうか。ご自宅ではいくら気をつけていたとしても、ちょっと目を離した隙に家から出ていってしまうことがありますから。認知症の人が1人で外を歩き回るのは言うまでもなく危険。怪我や交通事故、季節によっては低体温症や熱中症になってしまうこともあり、最悪の場合、生命に危険が及ぶこともありえます。 そうなんですよね、私もそこが心配で…。幸い、父はまだ外に出ていってはいませんが、何度か出ていこうとしたことはあるんです。 そうだったんですね、それは負担が大きい状況ですね…。また、認知症が進行すると道具の使い方などがわからなくなり、家の中の物で怪我をしてしまうことも。特にハサミや針といった尖ったものが危険です。さらに、火の不始末などのリスクもありますね。つまり、症状が進行していくと自宅の中でも常に目を離せなくなるんです。そうなると、介護するご家族が常に気を張っていないといけなくなりますから、精神的な負担がとても大きいために施設入居を決断されるケースも少なくないんです。 なるほど。目を離せない状態が毎日となると、かなりしんどそうですね…。 あと多いのは、怪我や病気で入院中に身体機能が低下してしまって在宅介護が難しくなるケースです。ご高齢者は、運動量が減るとすぐに筋肉量も低下してしまう傾向があります。そのため、入院期間中にベッドでの生活が増えて運動量が減ると、歩けなくなったり身体機能が低下してしまうんですね。やはり、歩けなくなって移動に車いすが必要になると、ご自宅での生活は難しいですよね。そのため、退院するタイミングで介護施設に入居するんです。 確かに、我が家も車いすは使えないですね。歩けなくなったら、施設を考えるしかないか…。 また、介護のために夜に起きなければいけない状況になった場合は、介護施設に入居をすることをおすすめします。 それはどうしてですか? というのも、夜に起きないといけない介護は、介護する人の負担がかなり大きいからです。例えば、おむつ交換のために毎晩起きないといけない状況は、介護する人が寝不足になって体調を崩しやすくなりますよね。また、平野さんのお父様のように夜間に起きてしまう場合も当てはまるでしょう。寝不足は体調を崩すきっかけになりやすいですから、介護する人の健康を損なったり、ストレスが大きい介護はできるだけ避けてください。 父が夜に起きるのは良いんですが、騒ぎだすのをなだめるのが大変で…。うるさいのでご近所に迷惑にもなるし、かなりストレスになっています。毎晩、騒ぐわけではなくても「今夜も騒ぐかもしれない」と不安になって眠れない日もあります。 それは大変でしたね…。状況を伺っていると、介護施設に入居するのを検討し始めた方が良いと思いますよ。 どうやって介護施設を探せば良い? 北野室長の言う通り、介護施設に入れるのを検討しようと思います。でも、何から始めたら良いんでしょう?介護施設の探し方がよくわからなくて。 初めての施設探しだとわからないことだらけですよね。大まかな流れを以下にまとめたので、まずは流れを把握しておきましょう。 希望条件を決める 介護施設の情報を集める 見学する 仮申込み 書類提出 本人面談 契約 入居 まずは希望条件ですか…。と言われても、どんな条件を決めれば良いかイメージができません。 それはそうですよね。「介護施設」というとかしこまってしまうかもしれませんが、結局はお家ですから、はじめは普通の賃貸住宅を探すような感覚で考えてみましょう。なので、まずは「地域」「費用」といったところから絞り込んでみると良いですよ。今の自宅から近い方が良いのか、費用はいくらまでかといったことですね。 本当だ。そう考えると、賃貸アパートを探すときと同じなんですね。 そうなんです。そうやって大まかに数を絞り込みながら、介護施設の情報を集めてみましょう。気になる施設の資料を取り寄せたり、ネットで検索するんですね。その中から特に気になる施設をいくつかピックアップして、見学してみてください。やはり、資料で見ている内容と実際に見学してみるのでは、印象がまったく異なります。見学は必ずしてくださいね。 いくつか見学するって、何ヵ所くらいすれば良いんですか?父の介護があるので、そんなにたくさん見学する余裕がないんですが…。 10ヵ所も20ヵ所も見る必要はありません。ただ、多くの方はだいたい3~4ヵ所を見学してらっしゃいますね。というのも、1ヵ所だけしか見学しないと比較のしようがなくて、その施設が合っているか合っていないのかもわからないからです。これから生活する場所ですからしっかり見比べて決めてくださいね。 3~4ヵ所か…。それなら何とか時間を作れそうです。 見学して気に入った施設があれば、必要書類を施設に提出して契約します。そして無事、入居となるわけです。 うーん。こう聞くと、結構、時間がかかりそうですね…。 そうなんです。施設探しは、探し始めてから入居までは、スムーズに行ってもだいたい1ヵ月はかかります。そのうえ、特養などの人気の施設であれば1年以上待つこともあります。「今すぐ入りたい!」と思って探し始めても、すぐ入居できるものではないんです。 1年以上も!そんなに時間がかかるんだ…。 はい。なので、多少は余裕のある今のうちに探し始めることをおすすめします。すぐに入らなきゃ行けない状況になって焦って探し始めると、なかなか条件に合った施設には巡り合えませんから。もし、施設探しで困ったことがあれば、「いい介護 入居相談室」までご相談ください。介護施設に精通した入居相談員がお父様にピッタリの施設をお探ししますよ。 夜間の介護がある、介護する人の心身の健康が損なわれているときは入居を検討して まずは「地域」や「費用」などの希望条件を決めよう 待機期間が1年以上になることも…。余裕があるうちに施設探しを! pre { margin: 40px 0; background: #333; ...

2022/10/14

認知症対策 施設入居 認知症介護

認知症の母が介護施設に入居するのを拒否します。どうしたら嫌がる母を説得できるでしょうか?

入院中の母が介護施設に入居するのを嫌がるので困っています。入院中に車いす生活になり、自宅では車いすが使えないので、在宅介護は難しいんです。 それに認知症なので、何度も話をしているのに忘れてしまい、説得するのに疲れてしまいました。どうしたら母は納得してくれるでしょうか? (菅原さん・主婦・63歳) まずは、どうして入居が嫌なのか、お母様の気持ちをすべて話してもらいましょう。そのうえで、ショートステイや体験入居を利用して介護施設への抵抗感をなくしてもらうと良いかもしれません。ただ、認知症の人の場合、新しいことを覚えておくのが難しいんです。そのため、施設に入居する直前に話をしたり、施設のスタッフさんに上手く誘導してもらうなど、工夫をする必要があるでしょう。 認知症の人が介護施設を拒否する理由は 先日、母が自宅で転倒して足を骨折して入院しています。それで、車いすが必要な状態になってしまったので、介護施設に入ってもらおうと施設のパンフレットを見せたんです。そうしたら、「介護施設には行かない!」と強く嫌がられてしまいました…。なぜ、こんなにも施設に入ることを拒否するんでしょうか? 入居を拒否する理由は、おひとりお一人違いますから一概には言えませんが、主なものとしては以下のリストのような内容が挙げられます。 家を離れたくない 知らない人の世話になりたくない 共同生活することへの不安がある 認知症である自覚がない 介護施設にネガティブなイメージがある 家族に見捨てられると感じている 多くのご高齢者にとって、長年過ごしてきたご自宅は離れがたいものです。特に認知症の人は、環境が変わることが苦手なため、暮らす場所が変わると落ち着かなくなることもあります。そのため、新しい環境で暮らすということに拒否感を示す人は多いんです。ちなみに、内閣府が「自宅で介護を受けたい理由」について、以下のようなアンケートを実施しています。 へー。「住みなれた自宅で生活を続けたい」という理由が圧倒的に多いんですね。 そうなんです。このグラフは、言い換えれば「介護施設に入りたくない理由」なんです。あとは「知らない人の世話になりたくない」のも大きな理由のひとつ。家族なら良いけど、スタッフさんにお世話してもらうのに抵抗がある人が多いようです。 …あ、このリストを見て思ったんですが、もしかしたら母は「共同生活することへの不安」も大きいのかも。今まで共同生活をしたことがない人ですから、見ず知らずの人と同じ建物で生活するのが嫌なのもありえます。 そういう人も多いですね。高齢になって、外の人とのつながりが薄くなってしまうのも関係しているのかもしれませんね。それに、認知症の人の中には、自分が認知症である自覚がないことも。なので、「自分は介護を受ける必要がない」と考えて、介護施設に入る必要性を感じないんですね。 ああ、母もそういうところがあります。物忘れがあることを忘れているというか。…あと、「介護施設にネガティブなイメージがある」「家族に見捨てられると感じている」というのも母に当てはまっているかもしれません。施設に入ってほしいと伝えたら、「施設なんかに入らない!」と怒鳴られましたから。 そういうことがあったんですね…。やはり、介護施設に良いイメージのない人は多くいらっしゃいます。なので、施設が”姥捨て山”のように感じられて、「介護施設に入る」イコール「家族に見捨てられる」と考えてしまうんですね。 認知症の人の入居拒否はどう対応する? 母がどうして施設に入りたがらないのか、大まかにイメージがつきました。それでも、自宅では介護ができませんし、どうしたら母を説得できるでしょうか? まずは、「どうして介護施設に入りたくないのか」「どんな風に感じているのか」をお母様から聞いてください。先ほどの「入居をしたくない理由」は、あくまでも一般的な話ですから、お母様の気持ちをよく聞き取ってほしいんです。 母の気持ちですか…。 はい。そこから、どんな対応をしていけば良いのかがわかりますからね。ちなみに、具体的な説得方法には以下のようなものがあります。お母様の状況をふまえて、効果のありそうなものから実践してみてください。 介護施設の良さを説明する 医師やケアマネジャーに相談する 施設側にも協力してもらう 入居直前に説明する もし、介護施設や介護サービスにネガティブなイメージを持っているのだとしたら、施設入居よりも先に施設や介護サービスの良さを理解してもらいましょう!例えば、デイサービスを利用してみたりすることも良いかもしれません。さらに、自宅以外の場所に宿泊するのが嫌なのだとしたら、ショートステイで慣れておきましょう。 うーん、母は今まで訪問ヘルパーさんしか利用していませんでした。あまり、人の多いところが好きではないので、デイサービスに行きたがらなかったんですよね…。 そうだったんですね。特にショートステイは専用の施設だけでなく、有料老人ホームや特別養護老人ホームでもサービスを提供しています。もし、入居したい施設がある場合は、その施設のショートステイを利用すると、施設の雰囲気もわかって良いかもしれません。同様に、体験入居をおこなっている施設もあります。まずはお試しとして数日泊まってみて、良さそうだったからそのまま本入居、というケースもたくさんありますよ。 へー!体験入居なんてものがあるんですね。それなら母も入居してくれるかも。 そのときに、あわせて入居する施設に協力をお願いするとスムーズに行くかもしれません。 施設にですか?どんなことを協力してもらうんですか? 例えば、入居のときに施設のスタッフさんに迎えに来てもらうんです。スタッフさんたちは、入居を拒否していたり帰宅願望のある人の対応をたくさんしてきています。スムーズに入居できるように配慮してくれると思うので、プロに任せるのもアリですよ。 そういう方法もあるんですね。いざとなったら頼んでみようかな。 あとは、ご家族が説得してもお母様がなかなか首を縦に振ってくれないこともあると思います。そういうときは、医師やケアマネジャーといった第三者から説明してもらうのもひとつの手ですよ。かかりつけ医や今入院している病院の医師、担当のケアマネジャーというのは、お母様の状況をよく把握しています。それに、第三者の専門家からの意見だと、意外とすんなり話を聞いてくれることがあるんです。 だったら、入院している病院の先生に母を説得してもらうようにお願いしてみます。ただ、母は認知症が進んでいて、少し前のことでもすぐに忘れてしまうんです。病院に面会に行く度に施設に入居することを説明しても、次に面会するときにはすっかり忘れているんです。だから、先生に説明してもらっても忘れてしまうかも…。 確かに、認知症の人は新しい情報を記憶することが苦手ですから、何度、説得しても話を丸ごと忘れてしまいますよね。なので「認知症だから仕方がない」と割り切って、何度でも話をするつもりで説得する必要があります。もしそれが難しいようでしたら、厳しい言い方ですが、お母様に入居することを納得してもらうのを諦める覚悟も必要です。 えっ、納得しないまま施設に入居させるんですか!? お母様は認知症の影響で、事前に入居を了承していてもそのことを忘れてしまう可能性があります。となると、説得したご家族が疲れてしまうだけです。なので、施設に入居する当日など、直前に話をするのも良いかもしれません。記憶が薄れないうちに、入居してもらうんです。だますようで心苦しいかもしれませんが、そうしないと菅原さんやご家族の負担が大きくて倒れてしまう危険性もありますよ。 えそうですよね…。とてもじゃないですが、車いすに乗っていてまったく歩けなくなった母が自宅で生活できるとは思えません。いろんな手を使って説得してみようと思います。 もし、施設探しに迷ったら「いい介護 入居相談室」にご相談ください。たくさんある有料老人ホームの中から、お母様にピッタリの施設をお選びしますよ。 認知症であることを理解できない、慣れない環境が苦手などの理由で入居拒否をしているかも 体験入居などを利用して入居への抵抗感を和らげる、第三者に説得してもらうのもアリ 何度も説得してしても忘れてしまう場合は、直前に話をするのもひとつの手 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2022/10/11

認知症対策 施設入居 在宅介護 認知症介護

特養の待機者数が多くて入居できません。どれくらい待たなければいけないのですか?

先日、母を入所させたくて近くの特別養護老人ホームの見学に行ってきました。そしたら、入所待ちの人が50人!とりあえず申込みをしましたが、いつ入所できるかはわかりません。 この場合、入所するまでにどれくらいかかるんでしょうか?母の認知症が進行していて、一刻も早く入所させたいです。 (河野さん・主婦・59歳) 正直、待機期間がどれくらいになるかはわかりません。というのも、特養の入所の順番は申込み順ではなく、緊急度順で決まるからです。そのため、どれだけお母様が入所しないといけない状況なのかを特養に伝える必要があります。もし、今すぐにでも施設に入らなければいけない状況でしたら、待機期間中は民間の老人ホームに入所するのも手ですよ。 特養の待機期間はどれくらい? 先日、母を入所させたくて特養の見学に行ってきました。でも、今は満室で入所の順番待ちをしている人が50人もいるそうなんです!申込みはしてきましたが、入所できるのはずっと先になりそうです。こういう場合って、入所するのにどれくらい待てば良いんでしょうか?母の認知症が進行して、在宅介護が限界なんです。 申し訳ないのですが…正直、どれくらいの期間待つのかはわかりません。というのも、特養の入所順は申込順ではないからです。 え!?じゃあ、どんな順番で入所しているんですか? 入所の緊急性です。例えば、入所対象者さんの身体状態が悪く、在宅では介護しきれない状態だったり、ひとり暮らしやご家族が介護をできる状況でない場合は、優先度が高くなります。特養は公的なサービスのため、必要性の高い人から優先して入所するような流れになっているんですね。 うーん。じゃあ、母が緊急性が高いと思われなければいつまで経っても入所できないってことですか? 残念ながら、そういうことですね…。もちろん、入所待ちの順番が変わっているかは、こまめに施設に確認する必要があります。 そんな…。そもそも、なんで特養はこんなにも入所待ちしている人が多いんですか? 一番大きな要因は費用です。特養は公的施設のため、自治体などからの補助を受けて運営されています。そのため、入所者さんの費用負担が小さく済みますし、民間企業が運営している施設と比べて安定した運営がされているんです。それに、特養は終身利用が可能です。「終の棲家」を探している人にとっては、とても良い環境なんです。 特養の待機期間を短くするワザ 最近、母の介護するのも大変なんです。認知症が進んでいるのか、夜はあまり眠らずに落ち着きがないし、この間は夜中に家から勝手に出ていってしまい、警察に保護されました。そんなことがあってからは、私も落ち着いて眠れなくなってしまって…。早く特養に入れたいのですが、なんとかする方法はないですか? それは大変な状況です!でしたら、待機期間を短くする裏ワザをお教えしますね! 待機期間を短くする方法 待機期間を少しでも短くするためにできることをリストアップしました。もちろん、他の待機者さんとの兼ね合いもありますから、必ずしも有効とは言い切れません。が、何もしないよりはずっと良くなると思いますよ。 頻繁に情報収集をする 複数の特養施設に申込みをする 申し込み理由欄を詳しく書く 介護サービスを積極的に利用する ショートを連続で利用する 状況や介護度の変化を施設に都度報告 仕事をする 探す地域を拡大する はじめの「頻繁に情報収集をする」ってどういうことですか?特養を見つけたらあとは待つだけですよね? いえ、それだけでは順番は早くなりません!というのも、特養の空室状況は毎日のように変わります。そのため、ネットで空室状況を公開している特養であれば、頻繁にチェックをするのが大切。また、ケアマネジャーさんが空室状況に詳しいのであれば、ケアマネジャーさんを頼るのも良いでしょう。どちらにせよ、申込みできたからといって安心していると、いつまで経っても入所できない可能性があります。 そうなんですね!申込みした特養は、ケアマネジャーさんに教えてもらったところなので、空室状況をケアマネジャーさんに確認してみます。 あと、施設探しするときには、複数の施設に申込みをするのも戦略のひとつ。複数の施設に申込みをしていれば、1つの施設で空室が出たときに入所できますが、1つだけだとその可能性も低くなってしまいます。もちろん、入所先が決まったときには、その他の施設に断りの連絡を入れることはお忘れなく。そうでないと、実際には入らない待機者を施設が抱えることになってしまうので…。 なるほど…。申し込みするのは1つの施設だけでは足りないんですね。あと何ヵ所か探して、申し込んできます。 そのときに気をつけて頂きたいのが、「申し込み理由欄」を詳しく書くことです。入所の申し込みのときに必要書類に記入をするのですが、そこに申し込み理由を記入する欄があります。この申し込み理由欄に、「在宅介護での問題」「介護で困っていること」をできるだけ詳細に書いてください。詳しく書いてあることで、特養に入る必要性が高いと施設に判断してもらいやすくなります。 そうなんですね!この間の申し込みのときは、とても簡単に書いてしまいました。そんなにちゃんと読んでいるとは思わなくて…。 待機期間を短くするためには、特養に入る必要性を少しでも多く伝えることが重要です。そういう意味では、「介護サービスを積極的に利用する」ことも効果的です。 どういうことですか? 介護サービスをたくさん使うということは、ご家族だけの介護が難しいということです。積極的に利用して、「介護の手が家族だけでは足りていない」ことをアピールしましょう。また、特養の中にはショートステイをおこなっている施設もあります。なので、入所したい特養のショートステイを連続で利用するのもアリ。スタッフさんや施設担当者と顔なじみになっておいて、お母様の状況を把握してもらうんですね。 母の状況を知っていると、入所順が早くなるんですか? はい。やはりよく知っている利用者さんを受け入れる方が、見ず知らずの人を入所させるよりも施設の負担も少ないですから。それに、身近でお母様の状況を知っていれば、「入所の必要性が高い」と感じてもらいやすくなるかもしれません。ショートステイは、最大30日間連続で利用できます。なので、30日利用して1日だけ自宅に帰り、また30日間ショートステイをする、という使い方をしているご家庭もあります。こういった使い方を「ショートのロング」「ロングショート」と呼ぶこともあります。 「ショートのロング」なんて、初めて知りました…。このリストで気になっていたのですが、なんで仕事をすることが待機期間を短くすることになるんですか? これも、入所の必要性を高めるためです。介護の担い手であるご家庭が仕事をしているとなれば、介護できる人がいないので入所の緊急性は高くなりますよね。正社員でなくて、パートでも良いので仕事を始めるのも、特養に入所する戦略です。 そんな手が…。近くのスーパーで働いてみようかしら。 また、最後に特養を探す範囲を広げることも検討してください。多くの特養で待機者が多い状況ですが、中には空室が出ている施設もあります。近くの特養が空いていなくても、隣の市の特養では空室がある、なんてこともあるので、柔軟に考えて施設探しをしてくださいね。 特養の待機期間を乗り切るために 待機期間を短くするために、いくつかの裏ワザをお伝えしました。でも、やはり今すぐに入れる施設を探すのは難しいでしょう。そこで、待機期間の介護の負担をできるだけ減らす方法についてもお話しします。 そうですよね。やっぱり、待機期間がまったくないってことはないですもんね。 大きく分けると「在宅介護サービスを組み合わせる」「民間の介護施設に入居する」という2つの方法があります。在宅介護サービスを活用する方法は、今の生活に近い方法です。できるだけ介護負担が減るように、デイサービスやショートステイ、訪問介護などのサービスを組み合わせていきます。自宅での介護に限界を感じているのであれば、先ほど言った通り「ショートのロング」をすると良いかもしれません。 実は、母の介護が大変で参ってしまっていて…。ショートのロングができるところがないか探したいと思います。 そうですよね…。待機期間中も介護は続きますから、できるだけ河野さんの負担を減らすようなケアプランになるように、ケアマネジャーさんに相談してみてください。一方で、民間の介護施設にいったん入居してもらって、特養が空くのを待つ方法もあります。 民間の老人ホームも検討しましたけど、費用が高いですよね? 施設ごとに大きく金額が変わるので何とも言えないところですが、特養と比べたら料金が高くなる傾向がありますね。しかし、特養と比べて空室があるケースが多いのが特徴です。すぐに入れるところもあります。そのため、ちょっと割高でも「特養の待機期間だけ」と決めて、入居している人もいますよ。民間の施設側も、そういうケースが少なくないので遠慮せずに相談してみてください。もし、民間の老人ホーム探しで迷った場合は「いい介護 入居相談室」にご連絡ください。ベテランの相談員が、お母様の状況に合った施設をお探ししますよ。 特養の入所順は、申込み順ではなく「緊急度」順! 特養の待機申込みは、複数の施設にすること 仕事をしたり介護サービスを利用して、入所の必要性をアピール 待機期間だけ民間の施設に入居するのもアリ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/10/07

認知症 認知症対策 施設入居 在宅介護

認知症の母親の暴言がひどくて我慢の限界!手におえません

認知症の母の暴言や暴力がひどくて我慢の限界です。母の認知症が進んだせいか、数ヵ月前から暴言を吐き、ときおり暴力を振るうときもあります。そうなると、入浴やトイレの介助などをまったく受け付けません。 昔から気難しい人ではありましたが、それがひどくなっている気がします。どうしたら良いか、対策を教えてください。 (新井さん・パート・57歳) お母様からの暴言を受けながらの介護は大変ですよね。もし、暴言を吐かれてつらいと感じたら、物理的に距離を取りましょう。別の部屋に移動したりして、お母様の目の届かないところに移動することで、お母様も次第に落ち着くかもしれません。また、テレビをつけたり食べ物を出したりしてお母様の注意をそらすのも手。それでも暴言・暴力が続くようでしたら、医師やケアマネジャーに相談しましょう。 認知症による暴言・暴力の理由は? 母からの暴言や暴力がつらくて、毎日の介護が大変です。認知症が進行したのか、母は何ヵ月か前から私を罵るようになり、今ではちょっと気に食わないことがあると怒鳴り散らします。昔から気難しい人ではありましたが、ここまで激しく怒ることはありませんでした。どうしてこんな風になってしまったんでしょうか? 怒鳴られながらも懸命にお母様の介護をして、とてもおつらいですよね…。認知症になると、感情のコントロールに関わる前頭葉が萎縮します。そのため、ストレスや不安を感じると感情のコントロールが効かなくなって、激しく怒り出すことがあるんです。こういった状態のことを「感情失禁」と呼びます。 ストレスや不安によって、怒り出すんですか?それよりも、母の場合は単に気に食わないから怒っているようにも見えます。病院が嫌いな人なので、病院のことはわかっていないのに「こんなところに連れてきてどうするつもり!」と病院の入口怒鳴ったり、「助けて!」と大声で叫んだり私を殴ったりするんです。そうやって騒ぐせいで、受診できなかったことが何度もあります。 なるほど…。それも一種の不安が原因かもしれません。というのも、認知症になると直近の出来事を記憶できなくなります。人によってはほんの数分前のことも忘れてしまうんです。そういった場合、外出するときに「病院に行くよ」と伝えていたとしても、移動しているうちに忘れてしまいます。でも、出来事の記憶はなくなっても「病院は嫌い」という感情の記憶は残りやすいんです。なので、「よくわからないけど、嫌なところに行く」という不安が暴言や暴力を引き起こしている可能性があります。 「病院は嫌」という感覚だけは残っているんですね…。 認知症の中核症状「記憶障害」とは 認知症の中でも、最もわかりやすいのが記憶障害です。 記憶障害はもの忘れとよく混同されますが、記憶障害ともの忘れは根本的に異なります。もの忘れは「何かを忘れている」ことは理解できますが、記憶障害になると、忘れているという記憶すらなくなるのです。 例えば、普通のもの忘れであれば会う約束の時間をうっかり忘れてしまっても、指摘されると思い出すことができます。しかし、記憶障害になると約束したこと自体もすっぽりと記憶からなくなってしまうのです。 例)失われやすい短期記憶 数時間前に会った人の名前 ...

2022/10/05

認知症 施設入居 食事

特養の母親が体重減少するのはなぜ?食べているのに痩せてしまう対策はありますか?

特別養護老人ホームにいる母が急に痩せてしまって心配です。食事は毎食8割近く食べられているそうですが、半年で3kg以上減っているとのこと。きちんと食べているのに体重が減っているのはなぜでしょうか? (杉山さん・会社員・60歳) 加齢で筋肉量が減ったことによって体重も減ってしまったのかもしれません。また、高齢になると食事をとっていても消化・吸収力が低下することで、栄養が身体に吸収されないで排泄されてしまうこともあります。高カロリーなゼリーなどを食事に追加してみるのも良いかもしれません。 なぜ体重減少をしてしまった? 特養に入っている母親が、急激に体重が減っているようです。何か大きな病気なのではないかと心配で…。 ちなみに、お母様の体重はどれくらい減少しているんですか? 特養のケアマネジャーさんによると、この半年で3kg以上も減っているそうです。ダイエットしているわけでもないですし、これって減りすぎですよね? そうですね…。半年で体重の5%以上の体重減少があるのは要注意です。例えば、50kgの人の場合、2.5kg以上ですね。特にご高齢者の場合、さまざまな理由で体重が落ちやすいので注意が必要なんです。 どんな理由で体重が落ちるんですか? ご高齢者の体重が減少する理由はいくつか考えられます。主なものを以下にまとめました。 加齢によるもの 認知症によるもの 病気によるもの 咀嚼力・嚥下機能の低下 例えば、加齢によって筋肉量が減ると身体を動かすことが億劫になって運動不足になってしまいます。そのため、生きるために必要となるカロリーが少なくなるので、以前よりも空腹を感じにくくなります。そうして食事量が低下してしまうんですね。また、噛む力(咀嚼機能)や飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、食事が飲み込みにくくなるので食欲が低下する傾向があります。 ケアマネジャーさんによると、母はしっかり食べられているみたいです。毎食8割ほどは食べていて、好きなおかずだと完食するときもあるくらいです。となると、食欲低下が原因ではないですよね? 確かにそうですね。…そういうことであれば、高齢になったことで消化力や吸収力が低下したことが原因かもしれません。 どういうことですか? 歳を重ねることで、栄養を身体に取り込みにくくなるんです。これまでと食事量や内容は変わらなくても、体内に栄養が吸収されずに排出されてしまうので、痩せてしまうということですね。 なるほど、もしかしたらそうなのかもしれません! 吸収力が低下している場合、下痢になる傾向があります。排泄の状況もケアマネジャーさんに確認した方が良いかもしれません。 そんなことがあるんですね、ケアマネジャーさんに聞いてみます。 あとは、やはり病気が影響することもあります。例えば、がんの場合、がん細胞はたくさんのエネルギーを使って増殖します。そのため、がんの進行にともなって体重減少が起こることがあります。また、これはお母様は違うかもしれませんが、消化器系の疾患のときも体重減少する場合があります。胃や十二指腸の潰瘍、潰瘍性大腸炎などの場合、消化機能に異常が出るので胃の中に食べ物が残り続けて食欲がわかなくなるんです。 病気の可能性もあるんだ…。 そうなんです。それに、認知症が原因で体重が減ることもあります。例えば、食べること自体を忘れてしまったり、食べ物を食べ物と判断できないために食事量が減少して体重も減ってしまうこともあります。また、箸やスプーンを使ったり、それを口まで運ぶという一連の動作ができなくなることも…。さらに、認知症によって何事にも無関心になって食事もとらなくなることで、体重が減ってしまうケースもあるんです。 認知症による『拒食』 拒食とは食べることを拒否する弊害を指し、食べなくなることで栄養状態の悪化や体力の低下を招きます。介護をする人からすれば、「なんとか食べてほしい」という一心で食事を勧めていても、本人はそれがストレスとなり拒否している可能性があります。 対策①好きなものを献立に取り入れる 食欲を掻き立てるために、本人の好きなものを献立に取り入れるのが良いでしょう。ただし、毎日となると栄養に偏りが生じてしまうため、あくまで本人の食欲を向上させるための手段と考えておきましょう。 対策②無理に食べさせようとしない 強引に食事を勧めたり無理やり食べさせることは絶対にしてはいけません。介護をする人は、「本人のためを想ってやっているのに…」と思うこともあるでしょう。しかし一番重要なのは、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることです。 高齢者が体重減少をするとどんなリスクがある? ご高齢者の体重が減ってしまう原因を知ったところで、合わせて体重減少によるリスクも把握しておいてください。 体重が減るリスク…。急に体重が減ったことには動揺しましたが、その危険性についてちゃんと考えたことはありませんでした。 では、ここで改めて確認していきましょう。以下に体重減少のリスクについてまとめました。 活動量の低下 床ずれ 免疫力の低下 低血糖 低たんぱく血症 体重が減少するときは、たいてい同時に筋肉量も減っています。すると、先ほどもお話しした通り、身体を動かすことが億劫に。そのため、お腹が空きにくくなって食事量が減って、筋肉量がさらに減って…と悪循環になってしまいます。 これが進行すると、気力や体力が落ちた「フレイル」という状態になります。フレイルがさらに進行すると、介護が必要な状態、つまり要介護状態になるわけですね。もしかしたら、そのまま寝たきり状態になってしまうかもしれません。 寝たきりに!体重が減ることって良いイメージがありますが、そうとも言えないんですね。 おっしゃる通りです。若い世代の健康管理にダイエットは有効かもしれませんが、ご高齢者には勧められません。筋肉の減少する可能性が高いですから。 また、床ずれのリスクも高まります。床ずれは、栄養状態が良い人にはほとんどできません。でも、栄養状態が良くないと、皮膚がクッションの役割をしないので炎症しやすい状態です。だから、長時間ベッドに横になっていたり、同じ姿勢で座っていると皮膚がむけたり化膿してしまうんですね。 あと、この「低血糖」ってなんですか?血糖値が高いのが良くないのは知っていますが…。 血糖値は、低すぎても良くないんです。血糖値が下がりすぎると、頭がぼーっとして意識障害になったり最悪の場合、死に至ることもあります。特に、糖尿病の治療で血糖値を下げる薬を使っている場合、必要なカロリーをしっかり摂らないと低血糖になってしまうんです。 低血糖ってそんなに怖いんですね…。それと「低たんぱく血症」という言葉は、初めて聞きました。 低たんぱく血症は、血液中のたんぱく質が非常に少ない状態のことです。お腹に水が溜まる「腹水」やむくみが起きて、身体を動かしにくくなり、さらに活動量の低下につながってしまうんです。 高齢者の体重減少にはどんな対策がある? 体重が減ることのリスクを知ったら、母のことがもっと心配になってしまいました…。どうしたら食い止められるんでしょうか? 不安にさせてしまってすいません! 体重減少を食い止めるには、やはりしっかり栄養を摂ることですね。体重減少がみられるときには、糖質や脂質といったエネルギー源になる栄養を優先して摂っていきたいです。 糖質と脂質ですか…。どんなものを食べさせたら良いんでしょうか。 お母様は特養の栄養バランスが考えられた食事をとっているので、今の食事に追加するのが良いかもしれません。 例えば、手軽に栄養を摂れる高カロリーゼリーや高カロリードリンクがドラッグストアなどで売られているので、差し入れしても良いでしょう。もちろん食品を持ち込む際には、まず特養の看護師さんやかかりつけ医に相談してからにしてくださいね。 高カロリーの食品が売ってるんですね!知らなかったです。 また、そういう食品でなくてもお母様が好きな食べ物を差し入れするのも良いでしょう。例えば、ようかんやアイスといったお菓子類だと、おやつの時間などに手軽に食べられますよ。 なるほど…。特養の看護師さんに確認してみます。 そうですね。どちらにせよ、今のお母様の状態を医師や看護師さんといった専門家に相談してみることが大切です。もしかしたら、病気や服薬中の薬との兼ね合いで食べてはいけないものがある可能性もありますから。 まずは、現在の食事状況や体調を確認しつつ、特養の医師や看護師に相談してみましょう。 半年で体重の5%以上の体重減少は要注意! 高齢になると食欲低下、消化・吸収力の低下で体重が減少しやすい 筋力や免疫力の低下によって、寝たきりや病気になるリスクが上昇 栄養食品や好きな食べ物で意識して栄養を摂って pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/10/04

認知症 認知症対策 施設入居 在宅介護

認知症の母親の介護でイライラ…。物忘れで同じことを何度も聞いて腹が立ってしまいます

認知症で同じことを何度も聞いてくる母にイライラしてしまいます。それに夜に落ち着きがなくなって家から出ていこうとすることもあるので、夜もゆっくり眠れません。イライラを解消するにはどうしたら良いでしょうか? (竹内さん・63歳) 介護でストレスが溜まったときは、ご自分のための時間を作ってリフレッシュしましょう。美味しいものを食べたり運動をするなど、リフレッシュ方法を見つけておくと良いですよ。また、介護の負担を軽くすることも大切。介護サービスを活用して介護をプロに任せることも検討してください。 介護でストレスが溜まったときの解消法 母の介護をしていて、どうしてもイライラしてしまいます。母は認知症なので、同じことを何度も聞いてくるし、機嫌が悪いと朝の着替えを嫌がるので支度に時間がかかるんです。いけないのはわかっているんですが、イライラするとどうしても怒鳴ってしまうこともあって…。どうにかしたいと思っています。 それは大変ですね…。このままだと竹内さんが体調を崩したりする可能性もあるので、適度にリフレッシュする方法を見つけていきましょう。何か気分転換できる方法はありますか? いやいや、リフレッシュする方法なんて、そんなすぐに思いつかないですよ。 大掛かりなものでなくても良いんです。ちょっとしたことでも、息抜きになったりリフレッシュするきっかけがあるとストレスも解消できると思います。例えば、以下のような方法でリフレッシュしている人もいますよ。 美味しいものを食べる ペットや子どもの写真を見る 好きな音楽を聞く 好きなテレビを見る 好きな芸能人の写真を見る 運動をする こんな簡単なことで良いんですね。だったら、孫の写真を見るのでも良いかな。 良いですね!お孫さんと会うこともリフレッシュになりそうですね。手軽にできるもので良いので、気分転換になる方法を見つけておくと介護の合間にリフレッシュしやすいです。介護をしていると、どうしても介護のことで頭がいっぱいになってしまいますから、意識して”自分のための時間”を作ると気持ちが少し楽になりますよ。 自分のための時間なんて、久しくありませんでした。ちょっと意識してみます。 それと、同じように認知症のご家族を介護している人との交流をしてみるのも良いかもしれません。「認知症の家族の会」や「認知症カフェ」など、認知症の介護で悩む人や認知症のご本人が集まる場がありますから、そこで同じ環境の人と話すと気持ちが楽になることもあるはずです。それに、良い介護の方法などの情報交換もできますから、近くで集まりが開催されてないか探してみてくださいね。 イライラしない認知症介護の心がけとは 認知症のご家族を介護する場合、毎日の介護の心がけや対応方法をちょっと変えるだけでだいぶ気持ちが楽になることがあります。そこで、イライラを軽減するための「介護の心得」と「認知症介護の原則」をお伝えしますね。 心の負担を軽くする心得 まず、介護の心得から。認知症の人の介護に限らず、介護を続けていくうえでぜひ頭に入れていただきたい考え方です。 自分も大切にする 溜め込まない 比較しない まわりにも頼る 「今」を大切に 「自分も大切にする」…母の介護が始まってから、自分のことがおろそかになっていたかもしれません。 そういう人はとても多いんです。ご高齢者の身体機能や認知機能が衰えることは当然のことです。でも、それを介護をするご家族が「自分が上手く介護をできなかったからだ」とご自分を責めてしまうことがあります。そうして必要以上にがんばってしまったことで共倒れになることも。そうならないために、ご自身の健康や時間も大切にしてくださいね。 そうですね。適度に息抜きする時間を作っていこうと思います。 「溜め込まない」という考え方も「自分も大切にする」に共通する部分があります。というのも、介護の負担を1人で溜め込んでしまった結果、介護する人が体調を崩してしまうこともありますから。それに、介護をするなかでイライラだけでなく不満や悲しみを感じることもあるでしょう。そうした負の感情は、溜め込まないのが一番です。友人や他のご家族に相談したり愚痴を言ったりと発散することも大切ですよ。 愚痴かぁ…。あまり言ったことがなかったですね。 愚痴を言える人が身近にいると、かなり精神的な負担が軽くなりますよ。それに、それが「まわりにも頼る」という心得にもつながります。介護は大変ですから、なかなか1人ですべておこなうのは難しいです。なので、ご家族や近所の人などに協力してもらったり、介護サービスを利用していくと上手く負担を軽減できると思いますよ。 認知症介護の原則 次に「認知症介護の原則」です。認知症の人や介護する人が快適に過ごせる接し方についてですね。主には以下のような内容です。 何事にも“ゆっくり”を心がける 感情を合わせる 具体的な声かけをする 自分も役に立つ存在であることを感じてもらう 外部との関わりを持つ 「“ゆっくり”を心がける」とは、ゆっくり話しかける、ということですか? はい、そうです。認知症の人は脳の機能が低下しているため、こちらが普通に話しかけても速すぎて理解ができないことも。それでも、認知症の人も一生懸命に理解しようとがんばるので疲れてしまうことがあります。なので、お母様に話しかけたり介助をするときも”ゆっくり”が基本です。「ちょっと遅いかな」と思うくらいが、穏やかに介助できるコツですよ。 そうなんですね!たまに母がこっちの話を理解しているかわからないときがあるんですが、あれは私の話が早かったからなんですね。あと、その次の「感情を合わせる」とはどういうことですか? 感情に共感する、ということです。例えば、お母様が怒ったり悲しんだりしているときに、まずは共感してあげましょう。「辛かったね」など共感しながら穏やかに接することで、お母様もつられて気持ちが落ち着いてくることがあります。 なるほど。今度、母の気持ちが不安定になったら共感するようにしてみます。 接し方をちょっと工夫するだけでも介護の負担が軽くなることがありますから、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。 介護サービスを活用して介護を”楽”に イライラのリフレッシュ方法や、ストレスを溜めない介護のコツについてお伝えしましたが、状況によってはこうした対策をしてもイライラが解消されないこともあると思います。そういうときは、介護サービスに頼ってください。介護の専門家に任せた方が良いときもよくありますから。 すでに母は、週3回のデイサービスを使っていますが…。 デイサービスとは デイサービスとは、施設に入居することなく、自宅から通所しリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設です。 デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない方でも利用できます。 ただし、施設の送迎範囲が決まっているので、その範囲外の場合はその施設をその施設の利用はできません。基本的にデイサービスは地域住民のためのサービスという特徴があるからです。 デイサービスでは、介護職員や理学療法士、看護師などの専門スタッフがサービスを提供。決められた時間に高齢者の機能訓練や集団でのレクリエーションなどを担当します。 自宅にこもりがちになる高齢者にとっては、外部との交流が持てることも嬉しいポイントです。 もし、今のサービス量だと負担が大きいようでしたら、ケアマネジャーさんに相談して、デイサービスの回数を増やしたり、他のサービスを追加するのも手ですよ。 他のサービスってどんなものがあるんですか?これまでデイサービスしか利用したことがないのでよくわからなくて…。 在宅介護サービスには、デイサービス以外にもいろんなものがあります。主なサービスは、以下の通りです。 訪問介護 訪問入浴 デイサービス(通所介護) ショートステイ(短期入所生活介護) 小規模多機能型居宅介護 ああ、「訪問介護」は聞いたことがあります。ヘルパーさんがお世話をしてくれるサービスですよね。あと…この「ショートステイ」って何でしたっけ?これも聞いたことがある気がするんですが…。 ショートステイは、短期間、介護施設に宿泊するサービスです。食事や入浴介助など、身の回りのお手伝いもやってもらえます。なので、冠婚葬祭などで家を空けなければいけないときなどに利用できます。あと、多くの人が介護から離れてリフレッシュするために利用しています。ショートステイを利用している間に、ご家族で旅行に行く人もたくさんいるみたいですよ。 ショートステイを活用したい場面 ショートステイは最短1日から最長30日間も利用できるので、使いやすく便利です。ショートステイを活用する場面は下記のようなケースです。 仕事の事情や冠婚葬祭などにより、介護する側が家を空けなくてはならないとき 介護する側が体調不良になってしまったとき介護疲れによりリフレッシュしたいとき 将来の施設入居をふまえ、事前に施設に慣れておきたいとき 退院が決まっているが、在宅介護がまだ不安なとき いずれにしても在宅介護を基本に、介護者の都合にあわせて利用されるケースが多いようです。定期的な介護疲れのリフレッシュにも、ショートステイは非常にありがたい存在です。 そんなサービスがあるんですね!知らなかった…。 在宅介護については、以下のご質問で詳しく回答しています。ぜひ参考にしてみてください。 介護施設の入居も検討して 今後、ご自宅での介護が難しくなったら、在宅介護サービスを利用するのと合わせて、介護施設への入居も検討した方が良いかもしれません。 施設ですか。まだまだ考えられないですけど…。 実は、そういう方が大半です。ただ、本当に自宅での生活ができなくなってからでは、施設探しもままならなくなりますから、余裕のあるうちに早め早めに検討しておいてください。 ちなみに、介護施設ってどんなものがあるんですか? 主な介護施設には、以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム このなかで、特養と老健は公的施設です。特養は要介護3以上でないと入居できませんし、老健は3~6ヵ月での退去を前提としているので、長期的な入居はできないという特徴があります。 公的施設だと、いろいろと制約が多いんですね。 対して、それ以外の施設は基本的に民間企業が運営している施設です。施設ごとに特徴が大きく異なるので、一概には言えないんですが…認知症の人に向いている施設は「介護付き有料老人ホーム」「グループホーム」ですね。 その2つはどんな施設なんですか? 介護付き有料老人ホームは、その名の通り介護サービスがまとめて受けられる施設です。サービスを提供するための介護スタッフさんや看護師さんが常駐しているのが特徴で、常に介助が必要な方に向いている施設なんです。 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 へー、それは安心ですね。もうひとつのグループホームというのは? グループホームは、認知症の人が共同生活している施設です。ここでは、入居者さん一人ひとりが自分のできることを生かしながら協力して暮らしています。介護付き有料老人ホームでは、掃除や料理などの家事はすべてスタッフさんがやってくれることが多いんですが、グループホームではご入居者さん自身ができる範囲で家事をおこなっているんですよ。なので、認知症でも身体がお元気な人が多く入居しています。 グループホームの特徴 グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 なぜ介護をするとイライラしてしまう? 介護のイライラの原因となるものはいろいろとあります。ただ、それを放置しておくと「介護うつ」になってしまうこともあるので、理由を把握して対策をとっていきましょう。 イライラの理由、ですか。改めて考えたこともありませんでした。 イライラにつながる原因は、状況やその人によって異なります。しかし、主に以下の負担がイライラにつながります。 身体的な負担 精神的な負担 経済的負担 確かに、こういった負担が重なってストレスやイライラになっている気がします。 一般的に、大きいのは身体的な負担でしょうか。ベッドや布団での寝起きや、トイレ・入浴などの介助をするときに、やはり身体への負担が大きいです。介護を続けることで、介護をする人が腰やひざなどを痛めてしまうケースが多いんです。加えて、夜にトイレ介助が必要な場合だと、介護するご家族も起きて介助をしなければいけません。それで、睡眠不足になってしまうこともあります。 うちの母の場合、夜中に起き出して外に出かけようとしたことがあったので、私が落ち着いて眠れなくなりました。なので、睡眠不足のことが多いですね。 そうなんですね…。そうした睡眠不足は、精神的な負担にもつながります。そのうえ、認知症の影響で「何度も同じことを話す」「探しものがないと言い張る」といったことに対応する必要がありますよね。さまざまな要因が重なって負担が大きくなると、介護うつになってしまって介護する人の健康に影響が出ることもあります。そうなる前に、適度にリフレッシュしたり介護サービスを活用して負担を軽減したりと、”楽”な介護をするために対策をしてくださいね。 介護うつに要注意! 介護による身体的負担・精神的負担が発展することで、“介護うつ”につながることがあります。 「在宅での介護にこだわって全て自分でやろうとする」「介護による悩みや愚痴を相談できない」「身体的負担や精神的負担を我慢する」など、全て自分でやろうとしてしまうと、知らないうちに精神的限界を迎えて、介護うつになってしまうケースが多々あります。 身体的や精神的な負担が重なって、イライラが介護うつを引き起こすことも ストレス解消法を用意しておいて、自分の時間も確保して 介護サービスを積極的に利用して”楽”な介護を pre { ...

2022/09/29

施設入居 在宅介護 老後の備え 介護の基礎知識

介護保険料はいつまで支払うものですか?どういった仕組みなのかも知りたいです

介護保険料が給料から天引きされていることは知っていますが、これまで会社勤めだったこともあり、その詳細が良くわからずにいます。介護保険料はいつまで支払うものなのでしょうか?また、介護保険の仕組みについても知りたいです。 (中野さん・会社員・63歳) 介護保険料は40歳から支払いが始まり、終身にわたって払うものです。今後、保険料を支払い続けている人が介護が必要になった際に、介護サービスの利用料が1~3割負担で済むようになります。しかし、滞納してしまうとこの負担が増えることもあるので滞納せずに支払うことが大切ですね。 介護保険料はいつから支払う? あと数年で定年なので、最近、お金に関して見直しを始めました。そうしている中で、介護保険料をいつまで支払う必要があるのか気になりました。これまで、ずっと会社勤めだったもので、給料から介護保険料が引かれているのは知っているのですが、詳しい仕組みまではよくわからなくて…。 お金の見直しは大切ですよね!介護保険料というのは、介護保険制度を支える費用です。この支払いは、40歳から始まって終身にわたって納める必要がありますが、会社勤めされている場合は自動で給料から天引きされているので、実感がしにくいですよね。 そうなんです。介護についてもよく知らないので、どうやって保険料が使われているのかもわからないですし…。 介護保険料は、介護が必要になって介護サービスを利用する人を支援するために利用されます。介護サービスを利用するにはサービス費を払わなければいけませんが、介護保険制度があることでご利用者はその負担額が1~3割に抑えられるんですね。 そうなんだ!料金の10~30%の負担で済む、ということですね。 その通りです!この介護保険制度の財源は、国や自治体による公費と私たちが支払っている介護保険料で成り立っているんです。その割合は半々ですね。以下のグラフで、財源の内訳をまとめてみました。 また、介護保険制度では65歳以上の人を「第1号被保険者」、40~64歳の人を「第2号被保険者」とあらわします。基本的には、第1号被保険者のうちの介護認定を受けている人が介護サービスを利用する対象となりますが、第2号被保険者の中でも一部の特定疾病を持っている人は介護サービスを利用できます。この特定疾病とされているのは、以下の病気です。 がん(末期) 関節リウマチ 筋萎縮性側索硬化症 後縦靱帯骨化症 骨折を伴う骨粗鬆症 初老期における認知症 進性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病 脊髄小脳変性症 脊柱管狭窄症 早老症 多系統萎縮症 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 脳血管疾患 閉塞性動脈硬化症 慢性閉塞性肺疾患 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 この病気を患っている人は、65歳以上でなくても介護サービスを利用できるんですね。 介護保険料はいくら支払っている? 介護保険の大まかな仕組みは理解しました。でも、実際はどれくらいの保険料を支払っているんでしょう? 介護保険料の金額については、第1号被保険者と第2号被保険者で考え方が異なります。さらに、第1号被保険者の場合、自治体ごとに計算方法が変わるんです。全国一律の金額にしてしまうと、所得などによって負担の差が大きくなってしまうんですね。 確か、私はまだ第2号被保険者ですよね?その場合はどうなるんですか? 第2号被保険者の場合、保険料は加入している医療保険によって計算方法が変わります。例として、国民健康保険に加入しているケースと、健康保険組合・協会けんぽに加入しているケースで考えてみますね。まず、国民健康保険に加入している人の場合、以下の計算式で保険料が算出されます。 (被保険者の総所得ー市県民税の基礎控除額)×介護保険料率=所得割額 所得割額+均等割額=介護保険料 所得割額とは前年中の所得金額を基に決定される金額。高所得者ほど多くの保険料を納める均等割額とは世帯の国民健康保険加入者の人数に応じて均等に負担する金額平等割額とは国民健康保険に加入する全世帯が平等に負担する金額資産割額とは国民健康保険に加入する世帯の資産を基に決定される金額 うーん…よくわからないです。 計算式もいろいろと複雑なんですよね。もし具体的な保険料を知りたい場合は、市区町村の窓口に確認してみてください。また、中野さんは会社の健康保険組合に加入されていると思います。そういった人や、協会けんぽに加入している人は、以下の計算式で算出されています。 (標準報酬月額+標準賞与額)×介護保険料率=月額介護保険料 こっちも難しいですね…。「標準報酬月額」「標準賞与額」とはなんですか? 標準報酬月額とは、税金を引かれる給与を区切りの良い幅では区分けた金額のことです。また、標準賞与額は税金を引かれるまでの賞与から1000円未満を切り捨てた額です。ちなみに、介護保険料は会社と被保険者で折半しています。給与明細に載っているのは、働く人の負担分の金額というわけですね。 介護保険料の支払い方法 介護保険料の算出方法については、複雑でわかったようなわからないような感じですが…。実は私、あと2年で定年なんです。今は保険料が天引きされているから良いですが、定年後はどうやって支払うんでしょう?終身で支払っていかなければいけないということは、定年後も支払う必要があるんですよね? おっしゃる通り、定年後も引き続き支払う必要があります。ただ、65歳以上の第1号被保険者の人は、基本的に年金から自動的に支払われるので問題ありませんよ。けれど、支払い方法についても、第1号被保険者・第2号被保険者、年金額などによって変わってきます。ちょっとややこしいので、以下にまとめました。 第1号被保険者 年金が年額18万円以上の人 年金の定期支払時に介護保険料を自動的に差し引かれる 年金が年額18万円未満の人 市区町村から送られてくる納付書で支払う 第2号被保険者 会社員 加入している医療保険の支払いに含まれて天引きされる 自営業 口座振替。納付書を役所・銀行・コンビニで支払う これを見ると、私の場合は年金から差し引かれることになりそうですね。毎回、支払いに行かなければいけないのは大変ですからよかったです。 介護保険料を滞納すると 私の場合は、自動的に差し引かれるので大丈夫だと思いますが、もし、介護保険料を滞納した場合はどうなるんでしょうか? 介護保険料を滞納すると、その滞納期間によってペナルティがあります。滞納期間が長くなると、介護サービスを受けたときの自己負担分が増えることもありますので、注意が必要です。介護保険料の滞納のペナルティは以下のとおりです。 滞納期間:1年以内 督促手数料や延滞料が発生し、介護サービス料を全額支払わなければいけない。介護サービス料の支払いが完了してから2ヵ月後に9割が返還される。 滞納期間:1年以上 滞納している介護保険料をすべて納付しないと、9割が返ってこない。保険料の滞納が続く場合は、介護サービス料の9割の金額が充てられる。 滞納期間:2年以上 2年を過ぎると時効になり、保険料が支払えなくなる。滞納期間に応じて自己負担割合が3~4割に引き上げられる。 滞納してしまうと、介護サービスを利用しようとしても大変高額になる可能性があります。生活に支障が出ることもあるかもしれませんので、気をつけたいですね。 介護保険料が免除・減額されるケースがある 介護保険料は、災害や入院して収入が減ったときなど経済的に困窮した場合の減免措置が各自治体でとられています。詳細は自治体ごとに異なるので、今回は例として東京都練馬区の減額措置をご紹介しますね。 介護保険料の所得段階が第2または第3段階(世帯全員が特別区民税非課税)令和2年中の世帯の年間収入の合計額が基準収入額以下(世帯一人増えると50万円加算)世帯の預貯金額・資産がひとり世帯で150万円以下、世帯一人増えると50万円加算の基準額以下介護保険料を滞納していない 収入がなくなったら、介護保険料も支払えませんもんね。特に災害なんていつ起こるかわからないので、いざという時のために頭に入れておきます。 介護が身近でないと介護保険料を支払っても恩恵を感じないかもしれません。でも、介護保険料は将来、安心して暮らすためのものです。保険料を滞納して将来の負担が大きくならないように注意したいですね。 介護保険は介護が必要な人を社会全体で支える仕組み 介護保険料は40歳から終身にわたって支払う 介護保険料の金額は、自治体や加入する医療保険によって異なる 滞納すると介護保険の自己負担割合が大きくなることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2022/09/15

施設入居 介護の基礎知識

有料老人ホームの違いがよくわかりません。特養とは何が違うんでしょうか?

数年前から母を自宅で介護していますが、最近、状態が悪化してきたので老人ホームに入居することも検討していますが、いろいろあってよくわかりません。特に有料老人ホームにはいくつも種類があると聞いたので、どう違うのか教えてください。 (西村さん・会社員・63歳) 有料老人ホームには、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類あります。それぞれ、入居を想定されている身体状況や提供するサービスが異なり、入居する方の状態に応じて選ぶ必要があります。たくさんの種類がありますし施設ごとに特徴が異なりますので、どの施設にするか迷ったらぜひ「いい介護 入居相談室」に相談してくださいね。 有料老人ホームの種類は3つある 数年前から同居している母の介護をしています。最近は認知症が悪化したり、足腰が弱くなってきたりでかなり介護の負担が増えて、仕事にも影響が出ているんです。そろそろ老人ホームに入れることを考えるタイミングと思って調べているのですが…。いろいろあってよくわかりません。特に、有料老人ホームにはいくつか種類があるんですよね? そうなんです。ちょっとややこしいんですが、有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類あるんです。 3種類?何が違うんですか? 主に介護度によって分けられています。3種類の中でも最も介護度が高い人が多く入居しているのが、介護付き有料老人ホームです。というのも、”介護付き”と名乗れるのは、厚生労働省が定めた基準をクリアして、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設のみ。介護スタッフさんや看護師さんの人員配置などいくつもの条件を満たしているので、充実した介護体制を持っていると言えます。 レクリエーションもしてくれるんだ。最近、母は家にこもりきりなので、そういった刺激があるのは嬉しいですね。 続いて、住宅型有料老人ホームも同様に身の回りの介助や生活の支援をおこないます。ただ、介護付きと異なるのは、それらのサービスが併設もしくは外部の介護サービス事業所によって提供される点。介護付きが介護サービスをどれだけ利用しても変わらない定額制であるのに対して、住宅型は利用した分だけ料金がかかります。 じゃあ、住宅型は介護サービス費がとてもかかるということですか? たくさん介護サービスを利用する人はそうなります。ただ、介護度が軽度の方の場合は住宅型に入居した方が費用が安く済む場合もありますよ。そこは利用するサービスの量によりますので、一概には言えないところですね。また、介護付きは介護サービスが施設内で完結しているのに対して、住宅型は訪問介護やデイサービスなどの在宅介護サービスを組み合わせて利用できます。なので、施設と調整ができれば、今のデイサービスを利用しながら住宅型に入居する、なんてこともできるわけです。 そんな使い方もあるんですね!母が今通っているデイサービスを気に入っているので、住宅型に入るのもありかなぁ。 最後に健康型有料老人ホームですね。これは、とても数が少ないので探してもあまり見つからないかもしれません。全国で16件しかないという、かなりレアな老人ホームです。 16件だけ!何で数が少ないんですか? というのも、実はあまり需要がないというのが正直なところなんです。健康型はその名の通り、健康なご高齢者向けの施設。介護が必要になったら退去しなければいけないですし、入居時に支払う入居一時金も他の有料老人ホームと比べて高額なんです。多くのご高齢者が介護が必要になったことがきっかけで老人ホームに入居するので、健康型の入居希望者はあまり多くありませんね。 それはそうですよね。うちの母も、すでに介護が必要な状態なので入れないですし…。 特別養護老人ホームとの違い そういえば、老人ホームについて調べていたら、「特別養護老人ホーム」という施設もありました。あれは、有料老人ホームと何が違うんですか? 特別養護老人ホーム…つまり特養は社会福祉法人や自治体などが運営する公的な介護施設です。料金が安いこともあってとても人気で、ほとんどの施設で長期間の空室待ちが発生しています。また、入居時に要介護3以上であることが必須条件です。常に介護が必要な人を対象としている施設と言えますね。 母は要介護2なので入れないです。安いのは魅力的なんですが…。 有料老人ホームのサービス内容 有料老人ホームの違いはわかりましたが、まだイマイチ施設での生活のイメージがついていません…。 そうですね…。では、有料老人ホームではどんなサービスを提供しているのかをお話ししていきますね。有料老人ホームでは、主に「介護サービス」「食事」「医療サービス」「レクリエーション・イベント」などを提供しています。まず、介護サービスでは入浴や排泄、食事といった介助をおこないます。基本的なケアはもちろん、入浴前後の血圧チェックや食事の際の飲み込みの状態なども確認しながら、支援をします。 そういうのは、なかなか自宅だとできないのでサポートしてもらえるのは良いですね。 あと気になるのは、食事でしょうか。ご老人向けの食事というと和食をイメージされるかもしれないですが、和洋中のバリエーション豊かなメニューが提供されています。詳しくは、以下のご質問にもお答えしているので、ご参照ください。 そういえば、有料老人ホームだと健康の管理はどうなるのでしょうか。母は持病を持っていて薬を飲んでいるので…。 介護付きの場合は看護師さんがいるので、看護師さんが日常の健康管理や薬のチェック、インスリン注射などの医療処置をしてくれます。ただ、住宅型の場合は看護師さんの配置義務がないので、常駐していない場合は外部の訪問看護サービスなどを利用することになりますね。 住宅型だと看護師さんも外部のサービスになるんですね。お医者さんは有料老人ホームにはいないんですか? はい。医師については介護付きも住宅型も配置義務がないので、常駐していないことが多いです。でも、多くの有料老人ホームでは近隣の医療機関と提携して往診をおこなっています。定期的に医師の診察を受けられる体制があるのは安心ですよね。 あと、さっきリハビリもしてもらえると言っていましたよね?具体的には、どんな内容なんでしょうか。 立ち上がりや歩行など、日常生活に関わる身体機能の維持・向上を目的としたものが多いですね。また、集団での介護予防体操や、身体を動かすレクリエーションもあります。本格的なリハビリをしたい場合は、理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門家が常駐している施設か、外部の訪問リハビリサービスを利用するのも良いかもしれませんね。 ”外部の”ということは、住宅型に入居して他の介護サービスと組み合わせるということですね。 そうです、そうです!他にも、お正月やひな祭りといった季節の行事や、カラオケや脳トレなどのレクリエーションもおこなっているので、余暇も楽しく過ごせると思いますよ。 有料老人ホームの費用 有料老人ホームって、いろんなサービスをしてくれるんですね。でも、こんなに良くしてくれるなら、かなりお金がかかるんじゃないですか? そうですね…。有料老人ホームの費用については、正直、幅がありすぎてなんとも言えません。入居金がゼロ円の施設もあれば、何千万円や億超えのところもありますから…。 億超え!?そんなに支払えないです! もちろん、そういった”超”高級老人ホーム以外にもありますから安心してください(笑)。あくまで目安ではありますが、有料老人ホームの費用感をまとめてみました。 介護付き有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム健康型有料老人ホーム初期費用0~数千万円0~数千万円0~数千万円月額費用15~30万円15~30万円15~40万円 この「初期費用」とはなんですか? 初期費用は、「入居金」や「入居一時金」「保証金」などの入居時に支払うまとまったお金のことです。多くの施設では、”前払い家賃”としてあらかじめ家賃を支払うパターンが多いですね。対して、「月額費用」は毎月支払うお金です。この中には、家賃や食費なども含まれています。月額費用の主な内容については、以下の通りです。 月額利用料 家賃 管理費 食費 介護保険の自己負担額 医療費 雑費 管理費って、普通の賃貸アパートとかでもありますよね?それと同じですか? 少し重なるところがありますね。管理費の中に何が含まれているのかは施設によって異なりますが、主に「設備のメンテナンス費用」「共有部の水光熱費」などです。それに加えて居室の水光熱費も含まれるのかは、施設によってさまざまです。事前に施設に確認してくださいね。 なるほど…。あと、介護保険の自己負担額はいくらくらいかかりますか?今、在宅介護サービスを利用していますが、それと同じでしょうか? 介護保険の自己負担額は、介護付きか住宅型かで大きく異なります。先ほどもお話しした通り、介護付きは自己負担額が定額制ですので、介護度が変わらなければ一定です。一方で、住宅型は利用した分だけの支払いですから、利用する介護サービスが変われば金額も異なります。次の表で、介護付きと住宅型の介護保険の自己負担額をまとめましたので、参考にしてみてください。 介護付き有料老人ホーム 1割負担額2割負担額3割負担額要支援15,460円10,920円16,380円要支援29,330円18,660円27,990円要介護116,140円32,280円48,420円要介護218,120円36,260円54,360円要介護320,220円40,440円60,660円要介護422,140円44,280円66,420円要介護524,210円48,240円72,360円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 住宅型有料老人ホーム 1割負担上限額 ...

2022/09/15

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

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2021/10/28

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