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新たな研究で、コーラやジュースなどの糖質の多い飲み物を飲み過ぎている人はそうでない人に比べて、心筋梗塞などの心血管疾患を発症するリスクが高まる可能性が示されました。 この研究はハーバード大学公衆衛生大学院の研究グループによっておこなわれ、研究結果は「British Medical Journal」という医学誌に掲載されています。 約18年分の医療データを分析 今回、研究グループは、アメリカで実施されている「看護師健康調査」に参加した9252人の女性と、「医療者従事者追跡調査」に参加した3519人の男性の約18年にわたる医療データを分析。対象者全員が期間中に糖尿病を発症していることがわかりました。 また、対象者に、食事や運動などの生活スタイルや病歴についてのアンケート調査も実施。さらに、2~4年ごとに日常的に飲んでいる飲料についても尋ねました。 高カロリー飲料を飲み過ぎている人は死亡リスクが上昇 研究グループが対象者の医療データを分析した結果、ジュースなどの糖質が多い高カロリー飲料を毎日のように飲んでいる人は、そうでない人に比べてさまざまな理由による死亡リスクや心筋梗塞などの心血管疾患の発症・死亡リスクがそれぞれ上昇したことがわかったのです。 また、高カロリー飲料を飲む回数が1日1回増えるごとに全死因による死亡リスクが8%上昇したことも明らかになりました。 研究をリードした、ハーバード大学公衆衛生大学院栄養・疫学部門に所属するチー・スンスン氏は「今回の研究では、高カロリー飲料をコーヒーやお茶、低脂肪牛乳、水などに置き換えると健康効果を得られることがわかった」と言います。 研究グループが詳しく解析したところ、1日1杯の高カロリー飲料をコーヒーに置き換えると、あらゆる理由による死亡リスクが18%減少し、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡リスクも20%減少することが明らかになったのです。 同様に、お茶でも全死因による死亡リスクが16%減少し、心血管疾患による死亡リスクは24%減少。水でもリスクがそれぞれ16%と20%減少し、低脂肪牛乳でもそれぞれ12%と19%減少したことがわかりました。 もちろん、甘い飲み物を完全に制限する必要はありません。ただ、糖質を摂取し過ぎると糖尿病や肥満などの生活習慣病のリスクにもなるため、飲みすぎには注意しましょうね。
2023/05/15
日本と同様に高齢化が進むアメリカでは、老人ホームよりも自宅でヘルパーのサポートを受けながら生活することを好む人が増えています。 ただ、増大するヘルパー需要に対して供給が追いついていない現状が新たな研究でわかりました。 この研究はアメリカのペンシルバニア大学によっておこなわれ、その研究結果は「Health Affairs」と呼ばれる医学誌に掲載されています。 アメリカの国勢調査のデータを分析 研究グループは、ホームヘルパーの供給が国全体の需要に追いついているかどうかを調べるために2種類のデータを用いることにしました。 アメリカの国勢調査局が毎年実施している「米国コミュニティー調査」の2008~2020年のデータと、医療政策団体のカイザー・ファミリー財団が収集した1999~2020年のデータを分析。ホームヘルパーの数と在宅介護を希望する高齢者の数をそれぞれ調べました。 在宅介護の担い手が需要に追いつかず 研究グループが2種類のデータを分析したところ、2013~2019年にかけて訪問介護サービスを利用する人100人当たりのホームヘルパーの数が11.6%減少したことがわかりました。 ホームヘルパーの数は以前より増えていたものの、それを上回るペースで在宅介護を求める高齢者が増加していたのです。 今回の研究をリードした、ペンシルバニア大学医療経済学部に所属するアマンダ・クライダー氏は「ホームヘルパーの仕事は過酷でありながら給料が安く手当も少ないため、多くのヘルパーが貧困状態にある。このような現状から、ホームヘルパーの仕事を希望する人が少ない」と、介護の担い手が足りていない現状を述べました。 では、どうすれば介護の担い手を増やせるのでしょうか? これについて、クライダー氏は「介護士の賃金を上げることが、課題を解決するための現実的な方法だ。また、介護士がキャリアアップできる機会を設けたり、不規則な勤務形態を改善したりすることも重要だと考えられる」と指摘しました。 以上のように、介護士不足は日本だけでなくアメリカでも深刻なことが判明しました。政策決定者が多国間で協議をおこない、現状を改善するような施策をうってほしいですね。
2023/05/15
中高年世代の人が交流するコミュニティサービスを運営している株式会社オースタンスは、1000人以上の中高年に対して新型コロナに対する意識調査をおこないました。 その結果、半数近くの中高年が、新型コロナの5類移行に賛成 であることが明らかになったのです。 1000人以上の中高年に対して調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれました。 調査時期:2023年4月21日~4月25日 対象:コミュニティサービス「趣味人倶楽部」の会員 サンプル数:1384人 調査方法:ウェブ上でのアンケート 新型コロナの「5類感染症」に半数近くが賛成 アンケートで「新型コロナが5類感染症へ移行することについてどう思うか」と尋ねたところ、44.9%と半数近くの人が「賛成」 と回答していたことが判明。その理由も尋ねると、「社会生活を回さないといけないと思うから」「ワクチンや薬が開発され、恐れなくても良いと思うから」などの意見が挙がりました。 一方、現時点での5類感染症の移行に「反対」を表明した人も22.9%いました。その理由として「感染が落ち着いたとは言えない」「感染の再拡大などまだまだ油断できる状態ではないと思う」 などの意見が挙げられました。 また、「どちらとも言えない」と回答した人も3割 に上ることが判明。「いつまでも2類のままではいけないとは思うが、5類にするのが今なのかはわからない」「現段階では妥当だと思うが、コロナウイルスがこれからどう変異するかによって状況が変わる可能性がある」など慎重な意見が聞かれました。 新型コロナの5類への移行を受けて、これまでの制限が次々に撤廃されています。ただ、高齢者などの重症化リスクは変わっていないため、病院や高齢者施設を訪れる際にはマスクを着用するなど、その場所に応じた対策をしていきたいですね。
2023/05/11
毎年、消費者庁は「消費生活意識調査」と呼ばれる、消費者の意識や行動、消費者問題などについての調査をおこなっています。 2023年3月には、「消費者トラブル」をテーマにした調査を実施。その結果、高齢者は若年層に比べてニュースや報道機関の情報をもとに、トラブル対策をしていることがわかりました。 全国15歳以上の男女を対象に調査を実施 今回、消費者庁は以下の要領で調査を実施しました。 調査期間:2023年3月9日~3月12日 対象者:全国に住む15歳以上の男女 サンプル数:5000 調査手法:アンケート調査 なお、今回の調査はインターネット上でおこなわれたものです。 トラブルに遭わないための情報源は「ニュース」が最多 アンケートでは、まず「トラブルや被害に遭わないために普段から気をつけていること」について複数回答で尋ねました。すると、「うまい話は信じない」という回答が全体の61.8%で最多に。特に、70歳以上の高齢者はこの傾向が強く、75.9%の人が「うまい話は信じない」と回答していたことが明らかになりました。 ほかにも、70歳以上の高齢者では、「いらない商品・サービスははっきりと断る」「契約内容を十分確認してから購入する」という回答が目立ちました。 次に、「トラブルや被害に遭わないための情報源」について複数回答で尋ねたところ、10代や20代の若年層では「SNSの情報」と回答した人が最多でした。 一方、70歳以上の高齢者では、「ニュースや報道」と回答した人が67.4%と過半数を占めていたことが明らかになったのです。ほかにも、70歳以上の高齢者は「家族や友人」「行政機関のSNSやウェブサイト」などから情報を得ている人が多いことが明らかになりました。 ただ、70歳以上の高齢者の中には、「トラブルや被害に遭わないための情報収集はしていない」と回答した人も約15%見られることが判明しました。 信頼できる情報を入手するためには、第三者が編集していない一次情報を自分で集めることが大切です。トラブルに遭わないためにも、行政機関の発信など信頼できる情報を日頃から集めておくと良いかもしれませんね。 参考:「令和4年度第5回消費生活意識調査結果について」(消費者庁)
2023/05/08
さまざまな分野の研究や調査をおこなっているニッセイ基礎研究所は、高齢ドライバーの現状に関するレポートを発表。調査の結果、運転免許証保持者の平均年齢が年々上がってきていることがわかりました。 ドライバーの高齢化にどう対応するか ニッセイ基礎研究所によると、2022年12月時点での運転免許証保持者の平均年齢は50.5歳とのこと。ここ数年は毎年0.2歳ずつ平均年齢が上昇していることから、今後もドライバーの高齢化傾向は続くという考えを示しました。 また、2022年12月には、90歳以上の運転免許証保持者も調査して以来初めて10万人を超えたことが明らかになっています。 増え続ける高齢ドライバーが、今後も安全運転を続けていくためにはどんな施策が必要なのでしょうか? ニッセイ基礎研究所の研究員は「免許更新時の検査を適切におこなうことが大切。それから、衝突しそうなときに自動でブレーキが作動するような安全運転サポート技術の向上と、そういった機能が搭載された安全運転運転サポート車への買い替えを進めていく必要がある」と指摘しました。 サポートカーの買い替えの検討を 政府は、高齢ドライバーによる事故を未然に防ぐために安全運転機能が搭載された「安全運転サポート車(サポートカー)」の買い替えの検討を呼びかけています。 ところで、サポートカーとは具体的にどのような乗用車なのでしょうか? サポートカーは、主に以下のような機能がついた乗用車です。 前方の車両や歩行者をレーダーで察知し、衝突の可能性が高い場合に自動でブレーキが作動する機能 発進時や低速で走行しているとき、ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ場合に加速を抑制する機能 搭載されたカメラで道路上の車線を検知し、車線がはみ出しそうになったら運転者に警告する装置 対向車を感知して、ヘッドライトが照らす範囲を自動で切り替える装置 車の買い替えとなると、どうしても大きな金額が必要になるので二の足を踏んでしまう人も少なくないと考えられますが、人の命には代えられません。遠隔地などに住んでいてどうしても生活するのに運転が必要な高齢者は、一度サポートカーへの買い替えを検討してみると良さそうです。
2023/05/01
さまざまな分野の研究や調査をおこなっているニッセイ基礎研究所は、高齢ドライバーが安全に運転し続けられるように義務付けられている、運転技能検査の実施状況を分析。その結果、合格率に大きな地域差があることが明らかになったのです。 運転技能検査の実施状況について 高齢ドライバーによる事故を防ぐために、身体機能の低下を自覚している高齢者は、運転免許証の返納が推奨されています。しかし、遠隔地などに住んでいて生活に車が必要不可欠な人も少なくありません。 そこで、高齢ドライバーが事故を起こすことなく運転し続けられるように、2009年から「認知機能検査」を導入。また、2022年5月からは、過去3年以内に一定の違反行為をした75歳以上の高齢ドライバーに対して「運転技能検査」を義務付けました。 運転技能検査では、一時停止や右折・左折など基本的な運転技能を確認します。免許の有効期間であれば繰り返し受検できますが、有効期間までに合格しなければ免許を更新できません。 2022年5~12月までに、計7万7083人が受検し6万9041人が合格。合格率は約90%でした。 しかし、この運転技能検査では公平性が課題に。最も合格率が高かった山梨県では合格率が98.5%だったのに対し、最も低かった島根県の合格率は72.1%と、26ポイントもの差があることが明らかになったのです。 ニッセイ基礎研究所は、「今後は、運転技能検査の受検対象範囲が適切か、またこの検査で重大事故を防げているかの検証が必要になるだろう」と述べています。 サポートカー限定免許を取得している人はごくわずか また、運転技能検査と同じく2022年5月からは、自動ブレーキ機能などの安全運転機能がある、「安全運転サポート車」に限って運転可能な「サポートカー限定免許」をスタート。しかし、2022年5~12月の間にこの免許を取得したのは、わずか14人でした。 これについて、ニッセイ基礎研究所は「サポートカー限定免許で使用できる車種が少なく、多くの人が車を買い替える必要があることや、対象車両以外の運転は認められないことなど免許を切り替えるメリットを感じにくいからではないか」と分析しています。 今後、燃費が抑えられるなどより魅力的なサポートカーが登場すれば、今よりサポートカー限定免許を取得する人が増えていくかもしれませんね。 参考:「サポートカー限定免許について」(警察庁)
2023/04/28
さまざまな分野の研究・調査をおこなっているニッセイ基礎研究所が、高齢者の免許返納率の推移に関する研究を発表。運転免許証を自主的に返納する高齢者は、2019年のピークに減少を続けていることがわかりました。 免許の自主返納者数が減少 そもそも運転免許の自主返納制度とは、運転免許が不要になった人や加齢などで運転が難しくなった人が、自主的に運転免許の取り消しを申請する制度のこと。高齢ドライバーによる事故を防ぐために、身体機能の衰えを自覚している高齢者は、免許証の返納が推奨されています。 警察庁の統計によると、2022年における運転免許証の自主返納者数は44万8476人。前年より6万8564人減少しました。また、このうち75歳以上は27万3206人で、こちらも前年より5579人減少したことがわかりました。 運転免許証の自主返納者数は、60万人にも上った2019年をピークに減少の一途をたどっています。これについて、ニッセイ基礎研究所の研究員は「新型コロナによる影響で、密になりにくい自動車を手放さなくなった可能性や、重症化しやすい高齢者が外出しづらくなった可能性が考えられます。」と指摘しました。 コロナ禍で公共交通機関の利用者数が減少 また、ニッセイ基礎研究所はウィズコロナやアフターコロナにおける人々の行動を予測することを目的に、「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」を2020年6月から定期的に実施しています。 全国に住む20~74歳の人を対象に、感染拡大前と比べた行動の変化を調査したところ、「電車やバスでの移動が(やや)減少した」と回答した人が、2023年3月時点で約5~6割程度だったことが判明。特に、65歳以上の高齢者では、およそ7割の人が「電車やバスでの移動が(やや)減少した」と回答したことが明らかになりました。 一方、自家用車で移動する機会が増えた人の割合は増加傾向。65歳以上の高齢者では、3割以上の人が「自家用車での移動が(やや)増えた」と回答していたことがわかりました。 重症化しやすい高齢者は、公共交通機関を利用するよりも自家用車の方が、新型コロナの感染リスクを抑えられるのは事実。ただ、身体機能が低下していて事故につながる可能性も否定できません。 特に、周囲を見渡すのに大切な視力は、事故を未然に防ぐために定期的に眼科で検査しておくと良いかもしれませんね。
2023/04/27
新たな研究で、フレイルに該当する高齢者はそうでない人に比べて、転倒や転落などの事故を起こしやすいことが明らかになりました。 フレイルとは、加齢とともに心身の機能が衰えた状態のこと。要介護状態の前段階とも呼ばれていて、適度な運動など対策をすることで元の健康な状態に戻れると言われています。 今回の研究は、東京都健康長寿医療センター研究所の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Geriatrics and Gerontology International」という学術誌に掲載されています。 フレイルに該当する人は転倒・転落事故が多い 研究グループは、東京都内のシルバー人材センターに登録している7265人の高齢者の事故に関するデータを分析。その結果、全体の9.4%が過去1年間に事故を起こしていたことがわかりました。 フレイルに着目してみると、健康な人に比べてフレイル予備軍の高齢者は1.57倍、フレイルの高齢者は2.31倍も事故を多く経験していたことが明らかになったのです。 また、事故の種類別に分けて分析した結果、特に転倒・転落事故を経験した人が多いことが判明。転倒・転落事故を経験した人は、健康な人と比べ、フレイル予備軍の高齢者で1.92倍、フレイルの高齢者では3.1倍にも上ることが明らかになりました。 一方、物損事故など転倒・転落以外の事故については、健康な人とフレイルの人でそれほど大きな差がないこともわかりました。 フレイルに該当する人は安全就業について学ぶ機会が少ない それから研究グループは、フレイルのある高齢者はそうでない人に比べて、安全就業について学ぶ機会を得られていないことも突き止めました。 例えば、安全就業についてのチラシを読んでいないフレイルの高齢者は、健康な人に比べて1.39倍多いことが判明したのです。 また、安全就業に関する研修会についても、健康な人に比べて、フレイルの高齢者は1.14倍参加しない人が多いことが示されました。 研究グループは「フレイルの度合いに応じた就業内容の選択ができる機会を設けたり、フレイルの度合いが高い人に対して、安全就業に関する働きかけを積極的におこなったりすることが重要だ」と話しています。 フレイル状態になった人は身体機能が低下しているため、体を機敏に動かせず事故につながるリスクが高まります。フレイルの進行を予防して事故を未然に防ぐためにも、運動習慣を身につけ、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切ですね。
2023/04/27
2023年4月26日、2024年度に控える介護、医療、障がい福祉の同時改定に向けた意見交換会がおこなわれました。 厚生労働省は、その意見交換会でテーマのひとつとして認知症を提示。超高齢化社会で認知症の人がさらに増えていくことが見込まれる中、対応策を考えるねらいがあります。 認知症をテーマに取り上げる意義 厚生労働省の推計によると、2040年には約800~950万人が認知症の高齢者になると予測されています。これは、65歳以上の高齢者のうち4~5人に1人となる計算です。 また、高齢者の一人暮らしも今後増加を続けることが予測され、2025年には85歳以上の男性の約7%、女性の約14%が認知症を患いながら一人暮らしをする高齢者になる可能性があるとのこと。さらにこの割合は、2025~2040年の25年間に男性では約3倍、女性では約2倍に増えると試算されているそうです。 このように、今後はだれもが認知症とともに生きる可能性があるため、対策を今のうちに考えておく必要があるのです。 認知症の早期発見・早期対応が重要 意見交換会では、今後、議論すべき課題についての確認や検討もおこなわれました。 その中で、「単独の認知症高齢者が増加することが見込まれる中で、認知症の早期発見と早期対応ができる体制を構築することが求められる」という意見が挙がりました。具体的には、以下のように重層的な体制を構築する必要があるとしています。 日頃から、単独の認知症高齢者が社会参加活動をおこなえる地域づくり かかりつけ医による定期的な健康管理 医療機関や高齢者施設等で適切なサービスが提供されるための取り組み 介護の窓口となる地域包括支援センターと認知症疾患医療センターの連携 ほかには、「一人暮らしの高齢者は、情報の入手や必要なサービスにアクセスすることが困難になること、社会的に孤立するリスクが高まることなど多くの課題が残されている」という指摘などもありました。 認知機能が大きく衰えると、日常生活のちょっとした判断も難しくなります。認知症のある人が生きやすい社会にするために、お互いが協力できる地域づくりをしていきたいですね。 参考:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
2023/04/26
2023年4月17日、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会で、介護現場の事務負担を減らす施策に関する検討がおこなわれました。 この会議で提出された資料によると、国が指定した書類を改変せずに使用している自治体は約半数にとどまることが明らかになったのです。 国指定の書類を改変せずに使っている自治体は約半数 2022年の10~11月にかけて、厚生労働省は全国の自治体を対象に、介護施設の報酬請求や指定申請などに使用されている書類について、国が指定した全国的に統一されているものを使っているかどうかを調査しました。 その結果、「国が指定した書類をまったく修正せずに使用している」と回答した自治体は55.9%と約半数にとどまっていることが明らかになりました。 書類の様式を変更した理由も尋ねました。すると、「使い勝手が悪いため、書類のレイアウトを変更した」「問い合わせで活用するため、担当者名と電話番号の記載欄を追加した」などの回答が見られたのです。 書類の様式を国が統一したのは、業務の効率化を図って介護施設の事務担当者の負担を減らすため。自治体をまたいで複数の施設を運営している事業所にとって、書類の様式が自治体ごとに異なると個別の対応が必要になるため、大きな負担がかかってしまいます。 審議会の委員からは「統一された様式で、書類を使用するように促すための具体策を考える必要がある」などの声が挙がっています。 「事務手続きの負担が大きい」と感じている施設が約7割 2022年1月~2203年1月にかけて、厚生労働省は介護施設を運営している事業所に対して、更新申請にかかる事務手続きの負担の大きさを調べる調査を実施。その結果、「(どちらかと言えば)負担が大きいと感じる」と回答した事業所が72.5%に上ることが明らかになりました。 負担が大きいと感じている理由も尋ねたところ、「提出方法が郵送のみだったので手間がかかった」「報酬請求の際に加算手当も申請する場合、提出を求められる書類が多く、作成に多大な時間と労力を要する」などの声が挙がりました。 事務手続きに人手を割けるくらい人員が豊富な事業所は、あまり多くないのが実情です。職員が余裕を持って作業できるように、業務の効率化に資する施策を打ち出していってほしいですね。
2023/04/25
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。