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聴覚機器の製造、開発などを手がけるソノヴァ・ジャパン株式会社が、20代以上の男女に対して、「聞こえに関するアンケート調査」を実施。その結果、補聴器がそれほど浸透していない現実が明らかになりました。 日本全国の男女を対象に調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれたものです。 調査期間:2023年3月23日~3月28日 対象:日本全国に住む20歳以上の男女 有効回答数:823人 調査方法:ウェブ上でアンケートを実施 今回の調査の対象になっているのは20歳以上の男女ですが、回答者の約70%が65歳以上の高齢者でした。 補聴器を使用している人はわずか1割 アンケートで、補聴器を現在使っているかどうかについて尋ねたところ、「使っている」と回答した人はわずか9.2%だったことがわかりました。 次に「補聴器と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるか」と尋ねると、「聞こえが良くなる」と回答した人が54.2%と、補聴器の本来の役割を理解している人は半分強に留まっていることが明らかになったのです。 それから「耳につけるのが面倒」「老けて見える」「ベージュなど地味な色やデザイン」など、補聴器にネガティブな意見も一定数聞かれました。 最後に、「補聴器にどのような機能があれば便利だと思うか」と質問。すると、「良い音に自動で設定する機能」という回答が65.6%と過半数を占めました。また、「手を使わずに通話する機能」や「音楽鑑賞ができる機能」を挙げた人も一定数見られています。 以上の結果を踏まえ、ソノヴァ・ジャパンの担当者は「自分好みの音にできたり操作しやすかったりする補聴器なら、高齢者にも受け入れられやすいのではないか」と分析しています。 聴力が大きく衰えると、認知症を発症するリスクも上昇するというデータもあります。高齢者が健やかな毎日を過ごせるようにするためにも、高齢者自身がより使いやすい補聴器が開発されると良いですね。
2023/07/03
新たな研究で、世界中の糖尿病患者が2021年時点で5億2900万人に上ることが明らかになりました。 この研究は、アメリカのワシントン大学保健指標評価研究所の研究グループがビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を得ておこないました。その研究結果は「THE LANSET」という学術誌にオンライン掲載されています。 世界の5億人以上が糖尿病 今回、研究グループは、世界中で横断的におこなわれている大規模研究「Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study」のデータを使用して調査を実施。204の国と地域でどの程度糖尿病を患っている人がいるかどうかを調べた結果、世界の6.1%を占める5億2900万人が糖尿病を患いながら生きていることが判明しました。 糖尿病を患っている人の割合を示す有病率は、どの国でもおおむね65歳以上になると大きく増加。特に、75~79歳の平均有病率は24.4%と、およそ4人に1人の割合で糖尿病を患っていることが明らかになったのです。 研究グループは、生活習慣の見直しなどの対策をしなければ糖尿病有病者の数はこれからも増加し続けると指摘。試算によると、今後30年で、糖尿病患者の人数が現状の2倍以上である13億人に達すると考えられています。 糖尿病について 糖尿病には、糖の代謝を促すインスリンを分泌する細胞が壊れて発症する1型糖尿病と、生活習慣が大きく発症に関わる2型糖尿病があり、糖尿病患者のうち96%が2型糖尿病だと言われています。 糖尿病に関する情報発信などをおこなっている日本医療・健康情報研究所によると、以下のような要因が糖尿病のリスクになるそうです。 肥満 運動不足、身体活動の低下 栄養が偏った不健康な食事 アルコールの飲み過ぎ 大きなストレスがかかる職場環境 逆に考えると、糖尿病を防ぐためには適度に運動をしたり栄養バランスの取れた食事をしたりと、生活習慣を見直すことが有効であると言えるでしょう。 エスカレーターではなく階段を使うなど、できることから生活習慣を改善してみると良いかもしれませんね。 参考:「1990年から2021年までの糖尿病の世界的、地域的、国家的負担と2050年までの有病率の予測:世界疾病負担調査2021のための系統的分析」(THE LANSET)
2023/06/30
近年、サウナがブームになる中、サウナの利用中に緊急搬送されるケースもあると言います。 そこで、福島県郡山市の消防本部が、過去10年間に管轄地域内で起きた、サウナ利用者の緊急搬送に関する調査を実施。その結果、60代や70代といった高齢者が救急搬送されるケースが最も多かったことが明らかになりました。 高齢者世代の事故が過半数を占める 郡山地方広域消防組合は、2013~2022年の期間に管轄する4つの市町で起きた、サウナの利用によって体調が悪くなり、救急搬送されたケースの傾向を分析しました。 その結果、救急搬送された101件のうち、36件が70代によるものであったことが判明。また、次に多かったのが60代で26件でした。つまり、60代と70代の高齢者世代で事故件数の過半数を占めていたことが明らかになったのです。 次に、救急搬送された101件を症状別にみると、「失神・意識障害」が30件で最多に。それから、「熱中症・脱水症状」が24件、「脳卒中などの脳疾患」が5件と続きました。 消防は「失神すると転倒のリスクが高まるほか、冷水浴中に溺れる恐れがあるため大変危険な状態にあると言える」と述べています。 注意するポイント では、サウナを楽しむためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか? 消防は、サウナに入る際は特に以下の3つについて注意してほしいと呼びかけています。 持病がある場合は医師に相談して、その日の体調を確認する 水分補給はしっかりとおこない、飲酒後は入らない 無理をせず、小まめに休憩を入れながらサウナを楽しむ 消防によると、救急要請があった101人のうち半数以上が糖尿病や高血圧、心疾患など何らかの持病があったことが明らかになったそうです。 サウナに入ると、血管の収縮と拡張が極端におこなわれるため、血圧が乱高下しやすいと言われています。持病がある人は特に危険な状態に陥りやすいため、その日の体調を見極めて、無理をしない程度に楽しんでいきたいですね。 参考:「サウナに関連した救急統計について」(郡山地方広域消防組合)
2023/06/28
2023年6月22日、警察庁は2022年における行方不明者の状況についての報告をおこないました。認知症やその疑いがある人で、行方不明者として警察に届け出があった件数は1万8000件以上に上ったことが明らかになったと言います。 高齢者の行方不明者が年々増加 警察庁生活安全局人身安全・少年課は2022年における行方不明者の人数とその内訳を公表。警察が調査を行った結果、2022年に行方不明となった人は計8万4920人だったことが明らかになりました。 年齢別にみると、80代以上の行方不明者が年々増加傾向にあることが判明。2022年には、行方不明者全体のうち1万3749人が80代以上だったことがわかりました。 また、70代で行方をくらました人も1万人以上に上ったことが明らかになっています。 認知症の行方不明者が1万8000人以上 行方不明者について、原因・動機別でみると、疾病関係が原因で行方不明となった人が最も多く、2万4719人だったことが判明。このうち、認知症またはその疑いによるものは1万8709人で、認知症に限定した統計を取り始めた2012年以降、最多となったことが明らかになったのです。 認知症が原因とみられる行方不明者は年々増加していて、2012年の9607人から10年でほぼ2倍になりました。 高齢化社会が進展するにつれて、今後ますます認知症による行方不明者が増えていくことが予測されています。警察は、自治体や企業などと連携して早期発見に向けた取り組みを進めていくとしています。 認知症の人でも安心して過ごせる社会をつくっていくためには、地域住民の理解が欠かせません。認知症カフェなど、当事者の意見を聞ける取り組みが各地でおこなわれているため、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 参考:「令和4年における行方不明者の状況」(警察庁生活安全局人身安全・少年課)
2023/06/23
広島大学と日本老年医学会は、全国の高齢者介護・医療施設に対して、新型コロナ禍による生活の変化で生じた影響に関するアンケートをおこないました。 その結果、約7割に上る施設が認知症を患った人に「影響があった」と回答していたことが明らかになったのです。 全国の高齢者介護・医療施設に調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれました。 調査期間:2023年1月17日~2月24日 対象:全国の高齢者が入居している介護・医療施設 回答数:995施設 調査手法:アンケート調査 なお、新型コロナの影響に関する調査は今回で3回目。新型コロナの感染が広がった2020年から、毎年実施されています。 新型コロナが認知症の人に「影響あり」が約7割 今回のアンケートでは、まず「新型コロナの感染予防対策は、どのようなことをおこなっているか」と尋ねました。すると、全体の94%の施設が「家族・友人との面会を制限している」と回答したことが判明。ほかにも「外出を制限している」「施設へのボランティア訪問を中止した」という回答もそれぞれ9割近くに上りました。 次に、感染対策で活動を制限したことによって、認知症の人への影響があったかどうかを尋ねたところ、全体の施設のうち69.5%が「影響があった」と回答したことがわかりました。 さらに、活動を制限したことで、重度の認知症を患っている人に生じた具体的な影響について複数回答で尋ねました。すると、全体の78%の施設が「認知機能が低下した」と回答したことが明らかになったのです。 ほかにも「身体活動量が低下した」「ADL(食事や更衣、排泄など日常生活における基本的な動作をおこなう力)が低下した」という回答も半数以上に上ったことが判明しました。 広島大学の石井伸弥氏は「状況を改善するためには、感染対策を引き続きおこないながらも、面会制限を緩和することや中断していたリハビリを再開することが重要だ」と指摘しました。 外部との接触が断たれてしまうと、脳への刺激も乏しくなり認知機能が悪化するリスクが高まります。そのため、これまで課していた制限を徐々に緩和していく必要がありますが、施設内の感染拡大も防がなくてはなりません。 高齢者施設は難しい決断を迫られていますが、納得できる道を探っていきたいですね。 参考:「第3回「新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設入所中の認知症者に対する影響に関する調査」結果報告書」(広島⼤学⼤学院医系科学研究科・一般社団法人 日本老年医学会)
2023/06/21
新たな研究で、最低気温が25度以上になる「熱帯夜」では、より死亡リスクが上昇する可能性が示されました。 この研究は筑波大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Environmental Health Perspective」という学術誌に掲載されています。 熱帯夜のリスクを解明 近年、地球温暖化が進み、世界全体の平均気温が上がってきています。そのため、最近では夜になっても気温が下がらない「熱帯夜」になる日も増えている現状があります。 研究グループは、「熱帯夜が続くと、日中に体内で溜め込んだ熱を発散する機会がなくなり、身体に大きな負担がかかる。場合によっては重大な健康リスクを招く危険性もあるため、熱帯夜のリスクを具体化することが重要だ」としています。 しかし、これまで熱帯夜に関連する死亡リスクを調査した研究はほとんどなかったため、今回、筑波大学の研究グループがこれを調べることにしました。 熱帯夜で死亡リスクが上昇 今回の研究では、47都道府県における1973~2015年の気象データから死因や地域別に熱帯夜の死亡率への影響を統計的に解析しました。 その結果、熱帯夜における全死因による死亡リスクは、熱帯夜ではない日に比べて9~10%上昇したこと判明。また、研究グループが定めた11の死因(心筋梗塞や脳卒中、肺炎、腎臓病など)による死亡率すべてが熱帯夜と関連していることも明らかになりました。 また、熱帯夜と死亡率との関連の強さは都道府県ごとに違うことも判明。特に、東北地方で熱帯夜における死亡リスクが高いことがわかりました。 さらに、すべての地域で、夏の終わりよりも初夏における熱帯夜のほうがより死亡リスクが高いことも明らかになりました。 以上の結果を受けて、研究グループは「近年、気候変動によってますます平均気温が上がってきている。今回の研究では、それにともなう健康被害を防ぐための手だてを考えることの重要性が示された」としています。 これから夏本番を迎え、夜になっても気温が下がらない熱帯夜になる日が増えることが予想されます。特に高齢者は、一般成人に比べて脱水症状や熱中症になりやすいため、小まめに水分補給をしたり扇風機や冷房を我慢しないで使用したりすることが大切です。
2023/06/05
新たな研究で、高齢者がドラムを叩いているときの腕の角度で、認知症の進行度を測れる可能性が示されました。 この研究は東京大学先端科学技術研究センターの研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Frontiers in Rehabilitation Sciences」という学術誌に掲載されています。 評価方法のバリエーションを増やすことが重要 認知症の人が残された能力を最大限発揮して日々を過ごしていくためには、できる限り早い段階で認知症を発見し、適切なケアをおこなっていくことが重要です。 簡易的に認知症かどうかを調べるために、現在、広くおこなわれている方法として、ペーパーテスト方式でおこなう認知機能検査が挙げられます。しかし、認知機能の低下が進んでいる人ほど検査の必要性が理解できず検査を拒否してしまう傾向があります。 また、対象者に視覚や聴覚に障害があると、正しい得点が得られないこともあります。 研究グループは、以上のような課題を解決するためには、評価方法のバリエーションを増やすことが重要だと指摘しました。 ドラムを叩く角度と認知機能に関連性あり そこで今回は、特別養護老人ホームに入居している16人の高齢者(平均年齢86歳)を対象に調査を実施。対象者の手首に、動きを感知するセンサーが搭載された腕時計型の装置を装着して、ドラム演奏中における腕の振りの速さの平均値と腕を上げる角度の平均値を調べました。 その結果、認知機能の低下が進んでいる人ほど、ドラムを叩く腕の角度が上がっていないことが判明。一方、認知症の重症度とドラムを叩く速さは関係がないことも明らかになりました。 以上の結果を受けて、研究グループは「ドラム演奏時の腕の角度が認知機能と関連していることがわかった。また、ドラム演奏に必要な動きは認知症がある人や力が衰えた人でもできるため、この手法が広く普及すれば、認知症の早期発見や重症化の抑制など、認知症治療において大きな貢献が期待できる」と述べました。 認知症を患っている人の中には、自分ができないことを認めたくなくて認知テストなどを受けないという人も少なくありません。しかし、今回のドラムを演奏してもらうという方法なら楽しんでできるため、自分から進んでやってくれるかもしれませんね。 参考:「ドラム演奏で簡単に認知症重症度をスクリーニング ―認知症があっても「できること」で機能評価―」(東京大学先端科学技術研究センター)
2023/06/02
山口県警察が、4月末までに県内で確認された「うそ電話詐欺」の被害の認知状況を公表しました。その結果、うそ電話詐欺の被害者のうち8割近くが65歳以上の高齢者であることが判明したのです。 「うそ電話詐欺」の被害者の約8割は高齢者 山口県警が公式ホームページにて、2023年4月末までに県内で確認された「うそ電話詐欺」の被害状況を公表。その結果、2023年1~4月に確認されたうそ電話詐欺は19件に上り、被害者の78.9%が65歳以上の高齢者であることが明らかになりました。 また、被害額の合計が6223万円であることも判明。去年の同時期における被害額より5000万円ほど減少しました。 しかし、うそ電話詐欺の被害者の中には、高額の被害に遭った人も。警察などの調べによると、2023年4月に山口県防府市に住む80代の女性が、弁護士や警察官を名乗る人物からのうそ電話で3050万円だまし取られるという事件があったそうです。 「うそ電話詐欺」の手口 警察は、一言で「うそ電話詐欺」と言ってもその手口はさまざまである、として注意を呼びかけています。 例えば、以前からある「オレオレ詐欺」は、親族が起こした事件や事故に対する示談金などを名目に金銭をだまし取る手口。近年では、親族以外にも警察官や弁護士など権威のある人物を名乗って電話をかけてくることもあるそうです。 また、毎年特に被害に遭う人が多いと言われているのが、架空の未払い料金などを理由に金銭をだまし取る「架空請求詐欺」。さらに、「キャッシュカードが不正に利用されている」などのうそ電話をかけて、警察などを名乗った人物がキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」も毎年一定数の被害が出ていると言います。 2023年5月からNTT西日本では、かけてきた相手の電話番号がわかる「ナンバーディスプレイ機能」を無料で提供しています。知らない番号の電話にはむやみに応じず、録音機能なども活用しながら詐欺被害に遭わないようにしていきたいですね。 参考:「山口県警察公式HP」(山口県警察)
2023/06/01
2022年度に実施された国の調査で、過半数の介護事業所が訪問介護と通所介護を組み合わせた新しい複合型サービスの参入に前向きであることが明らかになりました。 この新しい複合型サービスの創設は、来年度の介護保険制度の大改定をめぐる議論の中で、現在話し合われている論点のひとつ。通所介護の事業所が利用者に訪問サービスも提供できるようにしたりすることで、柔軟な支援が可能となり、限りある介護人材を有効に活用していくねらいがあります。 全国の訪問・通所介護事業所に調査を実施 今回おこなわれた調査は、厚生労働省が三菱総合研究所に委託する形でおこなわれました。 なお、調査の概要は以下のとおりです。 調査時期:2022年11月~2023年1月 対象:全国の訪問介護・看護、通所介護、居宅介護支援のサービスを展開している事業所 回答数:4686事業所 調査手法:アンケート調査 過半数の事業所が複合型サービスに前向き アンケートで「複合型サービスが創設された場合、どのような条件であれば参入を検討したいと考えるか」と尋ねたところ、「参入を検討するつもりはない」と答えた事業所が、訪問介護では24.3%、通所介護では14.3%だったことが判明。残りの事業所は条件が合えば参入に前向きであることが明らかになったのです。 では、どんな条件だったら複合型サービスに参入するのでしょうか? アンケートによると、訪問介護、通所介護ともに「事業所の収入が増えるなら参入を検討したい」「職員の確保ができれば参入したい」と回答した事業所がともに半数以上だったことがわかりました。 次に、複合型サービスを創設するにあたって想定される課題について尋ねると、訪問介護、通所介護ともに「人材確保が難しい」という回答が最多に。ほかにも「人材教育や管理が難しい」「適切な管理者がいない」など、人材に関する懸念の声が目立ちました。 レクリエーションなどをすることが多い通所介護と、食事の準備や買い物の代行などの生活援助もおこなう訪問介護では、それぞれ求められている業務が異なります。スタッフがうまく適応できるようにするためにも、研修の充実化など対策も考えていってほしいですね。 参考:「地域の特性に応じた訪問介護サービスの提供体制のあり方に関する調査研究事業」(厚生労働省)
2023/05/31
京都府は、空気中を漂う新型コロナウイルスを吸い込むことで感染する「エアロゾル感染」の対策を探るため、府内の医療機関や高齢者施設を対象に調査を実施。その結果、ほとんどの施設で換気不足であることがわかりました。 こうした現状を受けて、京都府はガイドブックを作成し、正しい換気を呼びかけています。 約9割の施設で換気が不十分 新型コロナの感染経路のひとつに、空気中のウイルスを含む微粒子を吸い込むことで感染する「エアロゾル感染」が挙げられます。 エアロゾル感染は、物に付着したウイルスに触れ、触った手が粘膜を介することで感染する接触感染や、ウイルスを含んだ唾液などを浴びることで感染する飛沫感染に比べて認知が広まっていないため、正しい予防法がおこなわれていない実情があります。 そこで京都府は、2022年4月~2023年2月にかけて府内の医療機関や高齢者施設など57施設を対象に、空気の流れや換気量などを調査。その結果、57施設のうち51施設で計304件もの課題が明らかになりました。 また、304件の課題のうち、68%が掃除不足やスイッチの入れ忘れなどの「換気装置の不備」によるものだったことが判明。特に、屋外の排気口は詰まったまま放置されがちで、掃除をしたら換気量が16倍になった事例もあるそうです。 正しい換気を促すガイドブックを作成 府内の施設にエアロゾル感染の対策を正しくおこなってもらうために、京都府は正しい換気を呼びかけるガイドブックを作成しました。 ガイドブックでは、エアロゾル感染を防止するために、以下のような対策が有効だとしています。 換気の目安を知るため、二酸化炭素の濃度を測定する 排気口は小まめに掃除する 自然換気をするときは、方角の異なる窓を2ヵ所以上開ける 窓を開ける場合、新鮮な空気の排出を防ぐために換気扇の近くにある窓は開けない 以上のようなエアロゾル感染対策は、施設だけでなく家庭内でも有効です。このハンドブックは京都府のホームページから閲覧できるため、しっかり読んでエアロゾル感染に備えたいですね。 参考:「エアロゾル感染対策について」(京都府)
2023/05/31
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。