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Q&A

在宅介護

認知症対策 在宅介護 認知症介護

認知症の母親がお金に執着するように。なぜ急に「お金を盗んだ!」と言うようになったのでしょうか?

認知症の母が、毎月渡している生活費をすぐに使い切ってしまうようになりました。自分で使ったことを忘れているようで、そのお金を私が使ったと思い込むことも。お金を私が盗むと思っているのか、バッグに財布や通帳、銀行印まで入れて持ち歩いているので、外出時に置き忘れてしまわないか心配です。 数週間前はこんなことはなかったのに、なぜ急にお金に執着するようになったのでしょうか? (服部さん・会社員・59歳) 認知症になると、記憶障害や判断力の低下によってお金を使いすぎてしまったりすることがあります。そのせいでお金がすぐになくなってしまうので、お金の不安が強くなってしまうこともあるんです。お金に執着する原因はその不安感であることが多いので、お母様の話をじっくり聞く時間を作ってみてください。不安が軽減されてお金への執着が少なくなることもありますよ。 認知症になるとなぜお金に執着する? 3ヵ月ほど前に認知症と診断された母が、最近になってお金に執着するようになりました。毎月渡している生活費も1週間ほどで使い切ってしまっており、何に使ったかも覚えていないようです。さらに、自分で使ったのにも関わらず、「あなたが私の生活費を使っている!」と怒鳴りだす始末。もちろん、私はそんなことはしていません。数週間前までは、ここまでお金に執着していませんでした。なぜこんな風に変わってしまったんでしょうか? そうですね…。おそらくは認知症の症状が進行しているためだと思います。意外かもしれませんが、認知症になってからお金に執着して怒りっぽくなる人は多いんです。 そうなんですか!なんで認知症の症状がお金への執着と関係があるんですか? 認知症の症状の主なもののひとつに記憶障害があります。直近の出来事をすぐに忘れてしまう症状です。記憶障害によってお金を使ったことや自分で財布などをしまったことも忘れてしまいます。そのうえ、お金を使ったことや財布などをしまったという記憶を「忘れるはずがない」と考えているので、「お金がなくなった」「お金が盗られた」と思いこんでしまうんです。 つまり、母は自分で生活費を使い切ってしまったことを覚えてないので私のせいにしている、というわけですね。 おっしゃる通りです。もちろん、そのせいで服部さんがお母様に責められているわけですから「認知症だからしょうがない」と割り切れるものではないと思います。ただ、お金への執着は、誰もが持っている「お金がないと生活できない」という不安が認知症によって大きくなっているものだと考えられます。それを頭に入れておくだけでも、服部さんの気持ちが少しは楽になるかもしれません。 わかりました。身に覚えのないことで責められるのはかなりイライラしますが…。ちなみに、母は少し前までは生活費を1週間で使い切る、なんてことはありませんでした。これも認知症の進行が影響していますか? はい、おそらくそうです。認知症になると判断力も低下します。すると、「欲しい」と思った物を我慢するのが難しくなるんです。加えて、先を見越したお金の使い方もできなくなりますから、お金を持っている分だけ使ってしまいます。 認知症の人のお金のトラブルとは 認知症が影響したお金のトラブルには「お金を使いすぎる」「悪徳商法に引っかかる」など、さまざまなケースがあります。 あぁ、「お金を使いすぎる」は、うちの母のことですね…。先ほども話しましたが、1ヵ月分の生活費を1週間で使い切ってしまうんです…。ちょうど先日、母のところに行ったら食パンが何袋も買ってあって母に注意したばかりです。ただ、本人は自分で買ったことも覚えていないようで…。 うーん…。同じ物を何度も買ってくるのは、認知症の人がよくする行動のひとつですね。スーパーなどに買い物に行ったときに、家にまだあることを忘れているので再び購入してしまうんです。 北野室長の言う通り、母も家にあることを忘れているようです。食パン以外にも、母1人では食べきれない量の食品を買い込んでいるので、私が行く度に持ち帰ってきています。そのせいで、1ヵ月分の生活費を1週間で使い切ってしまっているんだと思います。無駄遣いを減らすにはどうしたら良いでしょうか? でしたら、1ヵ月ごとではなく、1週間ごとの生活費をお母様に渡すのはどうでしょうか?1週間分であれば、使い切ってしまっても金額はそこまで大きくなりませんから。もし、週に何度かお母様のところに通っているのであれば、その度に数日分の生活費を手渡しするのも良いかもしれません。 2~3日に1回は、母のところに通っています。お金を引き出すのが手間だったので、1ヵ月分をまとめて渡していましたが…。今度からはもっと小分けにして渡すようにします。 次に、「悪徳商法に引っかかる」というのは、ご高齢者をねらった詐欺や強引な押し売りのことです。詐欺については、テレビのニュースなどでもよく取り上げられていますよね。息子などの家族や警官、銀行員といったいろんな人物になりすまして、ご高齢者のお金をだまし取る詐欺が横行しています。ときには何百万円もの大金をだまし取られる被害も起きています。 「オレオレ詐欺」とかのことですよね?母には気をつけるように言っているんですが、その言葉も忘れてしまって…。 認知症の人の場合、どうしても言うだけでは忘れてしまいますね…。なので、「電話を常に留守電設定にしておく」「会話の録音機能のある電話機に買い替える」など、道具を使って対策していきましょう。詐欺犯の場合、自分の声が残ることをとても嫌がりますから、わざわざ留守電メッセージを残すことはしませんし、録音機能があると知ればすぐに電話を切ります。ちょっとした工夫で詐欺にあうリスクを大きく減らせるので、ぜひ試してみてください。 「財布が盗まれた!」認知症の妄想にはどう対応する? 「生活費を使い込んでいる」という妄想の他にも、「財布を盗んだ」と怒鳴られることも多くなりました。これも認知症の影響ですよね?顔をあわせる度に言われるので、いい加減疲れてしまって…。 そうですね。「財布を盗んだ」と言うことも、認知症が影響していると考えられます。これも、記憶障害の影響で自分で財布をしまったことをお母様が忘れているんです。そして、「どこかにしまった記憶がないので、誰かに盗まれたに違いない」と思いこんでいるんですね。このような思い込みのことを「物盗られ妄想」とも呼びます。物盗られ妄想については、以下の質問でもお答えしているので、参考にしてみてください。 その物盗られ妄想が起きたときはどうしたら良いんでしょうか?母にいくら「私は盗んでいない」と言っても耳を貸さず、最後には怒鳴り散らしたりして…。 もし、「財布を盗んだ」と責められたときは、お母様の言葉を否定せずに話を聞いてあげてみてください。もちろん、服部さんが盗んだわけではありませんから、肯定する必要はありません。ただ、「財布がなくなったのは大変だね」とお母様の言葉を繰り返したり、共感するだけでOKです。それだけで、少しはお母様の気持ちが落ち着くと思いますよ。 それだけで良いんですか?それじゃあ、何も解決していないと思いますが…。 それでも良いんです。「財布が盗られた」という発言は、お母様の不安が大きくなって現れたものですからそれを受け止めてあげるだけでも効果があるでしょう。それでもまだ不安そうだったら、一緒に財布を探してみてください。そして、財布が見つかったら「ほら、自分でしまったんでしょ」と責めることはせずに、「見つかってよかったね」とポジティブな声掛けをするのが大切です。最後に責めてしまうと、お母様の不安感が大きくなってしまう可能性がありますからね。 へー!なるほど。一緒に財布を探すなんてしたことがありませんでした。 なかなか財布が見つからなさそうだったら、財布探しをしている最中に好きなテレビ番組や夕食のことなど、お母様が興味を持ちそうな話題を振って気をそらせるのもひとつの手です。また「休憩しようか」などと声をかけてお茶を飲んでいるうちに、財布を探していることも忘れてしまうこともありますよ。 そんな方法があったんですね!今度、母に「財布を盗んだ」と言われたら試してみます。 認知症の人がお金に執着が強くなるのは、症状によってどんどん自分のできないことが増えてくる不満や不安が大きくなるうちに、「お金だけは自分で守らないと」と思うようになった可能性があります。なので、ご本人の不安を軽くするためにお母様の不安な気持ちをよく聞いてあげたり、お母様の趣味ができるようにして気を紛らわせる時間を増やしてみると、お金への執着が弱くなるかもしれませんよ。 認知症によって生活やお金の不安が大きくなり、お金に執着することが多い 不要なものを買ったり、詐欺に引っかかったりするトラブルが多発している 「財布を盗んだ」と言われても、否定せずに話を聞いてみて pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/11/28

施設入居 在宅介護 介護の基礎知識

入院中に歩けなくなった高齢の母。歩けなくなったら退院後は自宅での介護は難しいでしょうか?

先日、母が自宅で転倒して入院しました。今はリハビリ病院で入院中ですが、リハビリをしても以前のようにはもどらず、歩行器が必要な状態だそうです。トイレやお風呂に介助が必要ですが、私は仕事があるので日中の介護ができません。 なるべく自宅で介護したいとは思っていますが、介護施設に入居させた方が良いんでしょうか? (川崎さん・パート・65歳) まずは在宅介護サービスを活用しながら介護ができる状況なのか、難しいのか、今のお母様やご家庭の状況を整理しましょう。また、在宅介護や施設介護は、メリットとデメリットの両面がありますから、どちらもよく理解したうえで、お母様とご家族にとって良いと思える選択をしていただきたいです。 高齢者は入院すると身体状況が変わりやすい? 1ヵ月ほど前に母が自宅で転倒して足を骨折して入院しています。今はリハビリ病院に入院していますが、リハビリしても元のようには歩けず、歩行器が必要な状態になるそうです。母は90歳を超えてもとても元気で、介護なんてまったく必要のなかった人なのに…。なんで急に足が悪くなってしまったんでしょう? ご高齢になると、やはりどうしても身体機能が衰えやすいものです。ご自宅では家事をしたり身の回りの支度をすることで意識しなくても身体を動かしますが、病院だとそうもいきません。中には、川崎さんのお母様のように入院前は元気だったのに、入院をきっかけに介護が必要な状態になってしまう ことも珍しくないんです。ベッドの上で横になって身体を動かさない時間が多くなるため、さまざまな機能が低下してしまうんですね。 えぇ!?そうなんですね。「さまざまな機能」というと、どんな機能が低下してしまうんでしょうか? 入院中のご高齢者の身体状況が変わってしまうケースとして、大きく分けると次の3つのパターンがあります。 身体機能が低下する 精神状態が悪くなる 医療行為が必要になる 「身体機能が低下する」は、うちの母と同じですよね? おっしゃる通りです。「それまで元気に歩いていたのに、入院中に脚の筋力が低下して車いすが必要になった」というケースは意外と多いんです。そうした運動機能の低下に加えて呼吸器や、消化器などの内蔵機能の低下 が起こることもあります。「入院中に食欲が低下したことで飲み込む力がなくなり、胃ろうを造設する必要ができた」ということもありますね。 内臓にまで影響が出てしまうんですね…。その次の「精神状態」というと、何が変わってしまうんでしょうか? ご高齢者に多いのは認知症です。入院して大きく環境が変わったことのストレスなどで認知機能の低下 が急激に進んでしまうことがあるんです。 えっ!?入院して認知症になってしまうんですか? 認知症まではいかなくても、認知機能の低下が進んでしまうことがあります。やはり病院だとご自宅での生活よりも脳への刺激が少なくなりますから、認知機能が低下しやすい環境なんですね。加えて、環境の変化によって食欲が低下することも。中には口から食事を摂れなくなって、お腹から栄養を流し込む胃ろうを造設するケース もあるんですよ。そうなると、医療的なケアが日常的に必要になります。 口から食事を食べられなくなることもあるんだ…。 胃ろうの他にも、「たん吸引」「褥瘡ケア」「インスリン注射」など、定期的に医療行為をおこなわないといけない状態にはさまざまなケースがあります。もし、こうした医療行為が必要になったときは、医療的ケアができる体制を整えたうえで介護をしないといけないというわけですね。 退院後は在宅介護と介護施設のどちらが良い? できれば、退院後は在宅介護をしたいと考えています。母も自宅に戻りたいでしょうし…。でも、私は昼間働いていますから介護は難しいんですよね。となると、やっぱり自宅での介護は諦めた方が良いんでしょうか? いえいえ、まだ諦めるのは早いです!在宅介護サービスを活用しながらであれば、ご自宅での暮らしを続けられる可能性はありますよ!ただ、在宅介護サービスを使っても介護しきれないことはあるでしょう。まずは、今のお母様とご家庭の状況を整理して、在宅介護サービスを使えば自宅で生活できるのか考えてみてください。それで、「在宅介護は難しい」と感じたのであれば、介護施設に入居することを検討してみましょう。 在宅介護サービスのメリット・デメリット 「在宅介護サービスを活用する」と言っても、これまで利用したことがないのでどんなものがあるのかわかりません。どんなサービスがあるんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション デイサービス デイケア ショートステイ 小規模多機能型居宅介護 福祉用具レンタル お母様の状況を考えると、「訪問介護」「デイサービス」を利用してみると良いかもしれませんね。 訪問介護ってヘルパーさんが家に来てくれて、家事をしてくれるサービスでしたっけ? その通りです!ヘルパーさんは家事だけでなく、排泄介助や入浴介助などの身体介助もしてくれます。 そのため、お母様のトイレ介助やお風呂の介助を頼むのも良いかもしれません。また、デイサービスは、日帰りで介護施設を利用するサービス です。昼食や入浴介助、レクリエーションを提供してくれるので、川崎さんがお仕事の間、お母様にデイサービスで過ごしてもらうのはどうでしょうか? デイサービスとは デイサービスとは、施設に入居することなく、自宅から通所しリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設です。 デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない方でも利用できます。 ただし、施設の送迎範囲が決まっているので、その範囲外の場合はその施設をその施設の利用はできません。基本的にデイサービスは地域住民のためのサービスという特徴があるからです。 デイサービスでは、介護職員や理学療法士、看護師などの専門スタッフがサービスを提供。決められた時間に高齢者の機能訓練や集団でのレクリエーションなどを担当します。 自宅にこもりがちになる高齢者にとっては、外部との交流が持てることも嬉しいポイントです。 それは良いですね!私がいない間にまた転倒してしまうのが怖いので、デイサービスに預けられるのは助かります。昼間だけでも母を預けられる場所があるなら、在宅介護でも大丈夫かもしれません。母も慣れた家で暮らし続けたいでしょうから、在宅介護でがんばってみようかな…。 そうですね、やはり、在宅介護の大きなメリットのひとつは、ご自宅で生活できることだと思います。また、他にもこんなメリットがあるんですよ。 慣れ親しんだ家で生活できる 排泄や入浴のときのプライバシーが守られる 最期を自宅で迎えられる 施設介護よりも費用を抑えられる へぇ!こんなにメリットがあるんですね。母も「病院じゃなくて家で死にたい」なんて言うこともありますから、できるだけその希望は叶えてあげたいと思っています。 やはり、「最期は自宅で迎えたい」と考えるご高齢者は多いですね。ただ、もちろん在宅介護にもデメリットはあります。在宅介護を選択する場合は、次のようなデメリットも理解しておいてくださいね。 体調の急変時に、専門家によってすぐに支援できない 医療的ケアが自宅でどこまでできるかわからない 家族の介護の負担が大きい 同居家族の外出が制限される うーん、やっぱり介護の負担は大きいですよね…。 どうしても、介護をするご家族の負担は大きくなりがちです。特に排泄介助や入浴介助などの、身体介助は介護する人の身体的負担が大きい です。その負担を他のご家族と分担したりしながら介護していけると良いですね。 施設介護サービスのメリット・デメリット 施設介護サービスについてもよくわかりません。どんなサービスがあるんですか? 例えば、主な施設介護サービスには以下のようなものがあります。 特別養護老人ホーム(特養) 老人保健施設(老健) 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 このうち、「特別養護老人ホーム」「老人保健施設」は公的な介護施設です。料金が民間施設よりも安い のが特徴ですね。特に、終身利用ができる特養はとても人気で、施設によっては入居するのに数年待つ可能性 ...

2022/11/25

施設入居 在宅介護 介護疲れ

わがままな父親の介護が限界!イライラしたときのストレス解消法を教えてください

同居する父の介護をしています。食事を用意しても「固い」「味が薄い」と文句を言って食べなかったり、トイレに失敗した服を片付けずにそのままにしていたりと、とにかくわがまままでイライラします。 このままだと、介護のストレスでどうにかなってしまいそうです。介護のストレスを軽減するような方法はないでしょうか? (久保田さん・パート・62歳) 介護のストレスを溜めすい人は、頑張りすぎてしまったり、1人で抱え込んでしまう傾向があります。なので、ご家族やご友人、ケアマネジャーなどに愚痴を聞いてもらったりして、ストレスを吐き出す機会を作りましょう。また、介護サービスを積極的に利用して自分の時間を作り、趣味を楽しんだり旅行に行ったりと、リフレッシュする機会も大切にしてください。 介護のストレスを軽くする方法は? 同居している父の介護をしているのですが、とてもわがままで困っています。やわらかい食事を出しているのにそれでも「固い」とか、濃い味が好きなので「味が薄くてまずい」と言って食べないんです。それに最近はトイレに間に合わないことも増えてきて、汚れた服を脱ぎ捨てておくのもストレスです。ちょっとでも指摘するとものすごい勢いで怒鳴りだすし…。こんな毎日なので、常にイライラしています。何か介護のストレスを軽くする方法はありませんか? 介護は精神的にも身体的にも負担が大きいので、ストレスが溜まりますよね…。だからこそ、ストレスを溜めにくい心構えを身につけ、介護サービスを上手く組み合わせて介護にのぞむことで介護のイライラが軽減できることがあります。介護のストレスを溜めにくい「心構え」と介護サービスの上手い使い方について、順番にお話ししていきますね。 ストレスを溜めにくい心構えとは 介護をするのに「心構え」が必要なんですか? 何も、特別なことが必要なわけではありません。ただ、この心構えを身につけるだけで精神的な負担が減ると思います。その心構えというのは、以下のようなことです。 頑張りすぎない 弱音を吐く 自分の時間を作る 介護の知識を身に付ける 「頑張りすぎない」ってどういうことですか?頑張らないと介護はできないですよ。 頑張ること自体はとても大切なことです。でも、介護をする人が自分を犠牲にしてまで頑張りすぎてしまうのはよくありません。「自分がやらないと」と1人で抱えこんでしまうと、介護する人が体調を崩してしまって「共倒れ」になりかねません。あくまでも、「自分ができる範囲で頑張る」という気持ちで介護をすることが重要です。 あー、なるほど。どうしても父と私の二人暮らしなので、「私がやらないと」と思ってしまっていました。少し離れたところに住む弟もたまに手伝ってくれますが、あまり頼っていませんでしたね…。 そうですね、誰かに頼ることは大切です。特にご家族は直接関係することですし、お父様の状況の共有もかねて弟さんに愚痴を言ったり弱音を吐くのもストレスを溜めないようにするのに良い手だと思います。その他にも、担当のケアマネジャーさんに今困っていることやストレスに感じていることを素直に伝えてください。ケアマネジャーさんも久保田さんの状況を考慮したケアプランを組み直してくれるはずですよ。 ケアマネジャーさんに、介護の愚痴を言ったことはありませんでした。そういうことも言って良いんですね。 もちろんです。ケアマネジャーさんは、お父様の状況だけでなくご家族の状況も考えながらケアプランを作成するのが仕事です。なので、久保田さんが現状のままだと苦しいのであれば、よく話を聞いたうえでケアプランを組み直してくれるでしょう。それに、介護のストレスを軽減するには、自分の時間を作ることも重要です。ケアマネジャーさんに介護サービスを活用して久保田さんの時間を確保できるように相談してみるのも良いかもしれませんよ。 自分の時間なんて、介護が始まってからまったくありませんでした。ずっと父の介護のことを考えて生活してきたので…。 介護サービスを利用して時間に余裕が出てきたら、介護について勉強してみるのはどうでしょうか?在宅介護をする人の多くが知識がまったくない状態で介護が始まります。しかし、何も知識がないままに介護をすると、手間取ったり間違った方法で介助をしたりして、非効率になってしまいますよね。そのため、勉強をして介護を効率化すると、時間的にも身体的にも余裕が生まれてストレスが軽くなりますよ。 介護のスキルを身に付けよう 日常的に介護をしていると、被介護者を抱きかかえたり、起こしたりする場面が多くあります。大人一人を抱きかかえるのは腰や膝に負担がかかり、体力的にも厳しい作業です。 「どんな態勢なら被介護者が違和感なく移動できるか」「どのように体を動かせば介護者の身体の負担を減らせるか」といった介護におけるスキルを身につけておけば、おむつ替えや着替え、排泄介助や入浴介助が楽になります。 自治体や地域によっては、家族向けの介護教室や、初めて介護する人向けのイベントなどが開催されることもあるので確認しましょう。 介護サービスを活用しよう もうひとつのストレスを軽減させる方法が、介護サービスを利用することです。お父様は、今は介護サービスを利用していますか? えーと、ベッドの横に置く手すりをレンタルしているくらいですね。 そうなんですね。でしたら、もっと他の在宅介護サービスを利用すると、介護が楽になると思いますよ! 在宅介護サービスって、よくわからないんですよね…。例えばどんなサービスがあるんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション デイサービス デイケア ショートステイ 小規模多機能型居宅介護 福祉用具レンタル こんなにたくさんあるなんて知りませんでした。どのサービスを使ったら良いんでしょう? 先ほどもお話ししたように、久保田さんのご自身の時間を作るのであれば、デイサービスやショートステイを利用すると良いかもしれません。デイサービスは、日帰りで介護施設を利用するサービス。だいだい9~17時でサービスを提供しており、昼食や入浴介助、レクリエーションをおこなっています。 デイサービスとは デイサービスとは、施設に入居することなく、自宅から通所しリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設です。 デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない方でも利用できます。 ただし、施設の送迎範囲が決まっているので、その範囲外の場合はその施設をその施設の利用はできません。基本的にデイサービスは地域住民のためのサービスという特徴があるからです。 ...

2022/11/22

在宅介護 認知症介護 介護の基礎知識

母親のもの忘れがひどくて認知症になったのかもしれません。認知症ともの忘れの違いは何ですか?

このところ、母が同じことを何度も聞いてきたり少し前に話したことをすっかり忘れていたりと、もの忘れがひどくなった気がします。 「もしかしたら認知症かもしれない」と考えているのですが、認知症ともの忘れの違いは何でしょうか? (本田さん・自営業・59歳) もの忘れと認知症の違いは、体験した記憶の一部を忘れるのがもの忘れ、体験したことそのものを忘れるのが認知症です。また、今いる場所や時間がわからなくなったり、以前は楽しんでいた趣味の活動をする気力がなくなっている様子などが見られたら、認知症の可能性があります。早期に治療を開始すれば進行を抑えられますので、早めに認知症検査を受けてくださいね。 認知症ともの忘れの違いは? 母がもの忘れが多いのは以前からなのですが、最近は同じことを何度も聞いてきたり、前の日に買ってきたものを次の日にも買ってくるなど、様子がおかしくなってきたような気がします。これって認知症になってしまったんでしょうか?そもそも、認知症ともの忘れは何が違うんでしょうか? もの忘れと認知症による記憶障害はよく似ているので、違いがわからなくなってしまいますよね。ただ、もの忘れと認知症がはっきりと異なる点は「体験した記憶自体が残っているかどうか」です。 「体験した記憶自体が残っているかどうか」ですか?よくわからないです。 具体的には、その日の朝食に「何を食べたのか」を忘れてしまうのはもの忘れです。対して、認知症は「朝食を食べたかどうか」を忘れてしまいます。また、もの忘れは忘れたことの自覚があります。しかし認知症の場合、症状が進行するとだんだん忘れたことの自覚がなくなっていきます。その他にも、加齢によるもの忘れと認知症の違いをまとめてみました。 加齢によるもの忘れ認知症によるもの忘れ体験した記憶一部を忘れるすべてを忘れている学習能力維持されている新しいことを覚えられないもの忘れの自覚あるなくなる時間や場所見当がつく見当がつかない探し物に対して(自分で)努力して見つけられるいつも探し物をしている誰かが盗ったなどと他人のせいにすることがある症状の進行極めて徐々に進行進行する 表にある「時間や場所」というのはどういう意味ですか? 認知症の症状のひとつに今の時間や場所がわからなくなる「見当識障害」というものがあります。見当識障害は、「今が何月何日か」「今いる場所はどこなのか」がわからなくなる症状で、季節もわからなくなるため時期に合った服を選べなくなることもあります。また、認知症によってここ数十年の記憶がなくなることで自宅を「自分の家ではない」と感じて、1人で出ていってしまうことも。つまり、徘徊です。見当識障害が認知症の徘徊の原因というわけですね。 認知症になると徘徊すると聞いたことがありますが、今の時間や場所がわからなくなって起きてしまうことなんですね。そんな理由があるとは思いませんでした。 他にも、認知症になると探しものが増える人が多いです。というのも、自分でしまったことを忘れてしまうから。「しまった場所」を忘れただけであればもの忘れとも言えますが、認知症では「しまったこと自体」を忘れてしまいます。そして、自分でしまったことを忘れているので、物がなくなると「誰かに盗られた」と言って他人のせいにすることも多いです。特に、お財布や通帳、思い出の品などの大切な物へのこだわりが強くなる傾向があります。 認知症の前兆はある? もの忘れと認知症の違いはおおまかにわかりました。でも、母が認知症になってしまったのかどうかはよくわかりません…。 認知症は、基本的に急に発症するものではありません。多くの人が認知症の前兆があり、それが進行して認知症になります。なので、認知症の前兆に早めに気がついて治療を開始することが大切なんです。 そうですよね…。認知症の前兆というと、具体的にはどんなものですか? 例えば、お母様の様子で以下に当てはまるものがあれば認知症を疑っても良いかもしれません。 もの忘れをする 時間や場所がわからない 身の回りのことができない 理解力・判断力が低下している/li> 気持ちが落ち込んだり混乱している もの忘れはやはり認知症の前兆なんですね。ここ最近は、数時間前に話したことを忘れていることがあります。さっきの北野室長の言葉を借りるなら、「話したこと自体」を忘れてしまっている様子です。 なるほど、そうなんですね…。他にも何か思い当たることはありますか? あとは…「身の回りのことができない」というのも当てはまる気がします。手伝う必要はないんですが、朝の支度に時間がかかっているようです。何をすれば良いかわからなくなって、寝巻きのまま部屋から出てくるときもあるんです。昔から、きちんと支度をしてから自分の部屋から出てくる人でしたから、様子がおかしいな、とは思っているんですが…。ちなみに、「気持ちが落ち込んだり混乱している」とはどんな状態ですか?もしかしたらこれも母に当てはまるかもしれないので…。 例えば、ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、やる気や元気がないような状態のことです。以前は楽しんでいた趣味に興味を示さなくなったというような場合も当てはまりますね。 確かに、以前よりは元気がなくなったような気がしますね。テレビばかり見ていて、出かけることも少なくなったし…。何だか、どれも母に当てはまるような気がしてしまいます。やっぱり認知症なのかな。 早めに認知症の検査を受けることをおすすめします。早期に治療を開始することで、症状が軽いまま進行を遅らせることができますから。軽度のもの忘れは年相応のものと見逃されがちです。でも、それをそのままにせず、ぜひ早い段階で検査を受けてくださいね。 認知症は体験したこと自体を忘れるなどの点が異なる 認知症には時間がわからなくなったり判断力の低下などの前兆がある 早期に治療することで認知症の症状の進行を抑えられる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/11/22

施設入居 在宅介護 デイサービス

高次脳機能障害の母親を老人ホームに入れるか迷っています。介護の必要はないのですが、常に母の言動に振り回されてイライラしています。

高次脳機能障害の母を介護施設に入れた方が良いのか悩んでいます。というのも、母は身体的には元気でほとんど介助は必要ありません。そのため、自分に障害があるという認識がなく、何でも自分でやりたがります。が、やり方がわからなかったり時間がかかったりして、介護している私がイライラしてしまうのです。 イライラしてしまうため、夫とのケンカも増えました。介護する側の精神的なストレスを理由に介護施設に入居させても良いのでしょうか? (土屋さん・会社員・57歳) もちろん!介護する人のストレスを軽減するために、老人ホームを利用するのはまったく問題ありません!むしろ、土屋さんの心身の健康のためにも利用するのをおすすめします。もし、在宅介護を続けるか迷っている場合は、高次脳機能障害の症状への有効な対処法を実践しつつ在宅介護サービスの量を増やしてみてください。それでも在宅介護が難しいと感じたら、介護施設への入居を考えてみても良いと思いますよ。 高次脳機能障害で老人ホームに入っても良い? 高次脳機能障害の母の介護をしています。介助が必要な場面はそんなに多くはないのですが、高次脳機能障害の症状のせいなのか、同じことを何度も聞かれてイライラしてしまうんです。私がもっと時間があればゆっくり対応してあげられるんですが、仕事があるのでなかなか難しくて…。イライラしているせいで、私と夫のケンカが増えているのを感じます。家庭内の雰囲気が悪くなっているので、母には老人ホームに入ってもらった方が良いのかも、と考えています。が、身体的な介護がほとんどない状態で老人ホームに入っても良いのか悩んでいます。 もちろん、介護施設に入居するのに特別な理由は要りません!介護をしている土屋さんの精神的負担が大きいと介護は継続するのは難しいですし、ストレスを我慢していると土屋さんの心身の健康にも影響する可能性があります。「在宅介護の負担が大きい」と感じているのであれば、介護の必要量に関係なく介護施設の入居をおすすめしますよ。 うーん、そうなんですね。でも、高次脳機能障害というだけで入れてくれる介護施設はあるんでしょうか? そうですね…。ちなみに、お母様は介護認定は受けていらっしゃいますか? 介護認定ですか?今は要介護1です。 介護認定を受けていらっしゃるのであれば、受け入れる介護施設は比較的多いですよ。安心してください! 在宅介護を続けるなら… もし、介護施設に入居するか在宅介護を続けるかで迷っているようでしたら、在宅介護サービスを増やしたりしながらご自宅での介護を継続していくのもひとつの手です。 うーん…。まだ、施設に入れるか在宅介護で様子を見るのか迷っています。ちなみに、どんな介護サービスを使えば、在宅介護を続けられるでしょうか? 土屋さんとお母様の場合、介護で精神的な負担が大きいようなので、「介護から離れる時間を作る」ことが大切だと思います。なので、「デイサービス」や「ショートステイ」といった在宅介護サービスを利用してみるのはどうでしょうか? デイサービスとショートステイですか…。今は手すりのレンタルしか介護サービスを使っていないので、それ以外のサービスはよくわからないんですよね。 まず、デイサービスとは日帰りでレクリエーションや食事、入浴、リハビリサービスなどを受けられるものです。デイサービスという介護施設に利用者さんが通うので「通所介護」とも呼ばれます。施設によっても異なりますが、9~17時でサービスを提供していることが多いです。また、3~4時間でリハビリに特化しているデイサービスもあったり、内容にも特色がありますよ。 へぇ、いろんなことをやってくれるんですね。母は自宅にいてもテレビを見ているばかりで身体を動かすこともないので、デイサービスに通うのも良いかも。 もう1つのショートステイは、1日から最大30日まで連続で宿泊できるサービスです。デイサービスと同様に、レクリエーションや食事、入浴などのサービスを提供しています。また、ショートステイは介護するご家族のリフレッシュのために利用されることが多いのが特徴。「介護をするようになってから旅行を我慢していた」という人も、ショートステイを利用すればご家族が安心して旅行に行けるんです。 リフレッシュのために介護サービスを使っても良いんですね。そんなことを思いつきもしませんでした。 それに、今後、老人ホームに入居する可能性があるのなら、介護施設や多くの人との共同生活に慣れておくに越したことはないでしょう。他の人との共同生活に抵抗感のある人も中にはいますから、デイサービスやショートステイで慣れておくことで、介護施設にスムーズに入居しやすくなると思います。デイサービスやショートステイを活用して「介護から離れる時間」を確保すると、土屋さんの精神的なストレスが軽減できるかもしれませんよ。 高次脳機能障害の症状と対策は? 北野室長の話を聞いていたら、介護サービスを利用しながらもう少し在宅介護を続けてみようかな、と思えるようになりました。ただ、母にイライラしてしまうのは変わらないと思うので、どこまで続けられるかわかりませんが…。 でしたら、改めて高次脳機能障害の症状とその対策についてお伝えします。土屋さんもご存知のこともあると思いますが、今後の介護のストレスが多少は減らせるかもしれません。 確かにそうですね。最近は、母の言動が高次脳機能障害の症状なのか、母のもともとの性格によるものなのかがわからなくなってきました。なので、「高次脳機能障害のせい」と割り切れなくなって、余計にイライラしているんだと思います。 割り切れないとストレスが大きくなってしまいますよね。以下に高次脳機能障害の主な症状をリストアップしました。お母様に当てはまるものはありますか? 注意障害 記憶障害 遂行機能障害 失語 社会的行動障害 そうですね…。最初にある「注意障害」とは何ですか? 注意障害は、集中ができなかったり、反対に集中しすぎてしまう症状です。例えば、「テレビが気になって食事ができない」や、「別のことに気を取られて話を聞いていない」などがあります。 日中、テレビを見ているときに私の呼びかけに気が付かないことはあります。あれが注意障害だったのかな。…その次の「記憶障害」は、記憶を忘れてしまうことですよね?この症状はよくあります。数十分前に言ったことを忘れていたり…。なので、同じことを何度も聞かれてイライラしてしまうんです。 それは大きなストレスになりますよね。そういうときは、メモなどを残しておくと良いでしょう。特に通院などの用事や、お母様が何度も質問するような”気にしていること”について、目につくところにメモを貼っておくと、質問されるストレスが減るかもしれません。 その方法は良いですね!家に帰ったらやってみます。 3番目の遂行機能障害は、作業の段取りや柔軟な行動ができなくなることです。計画的に進められないので、作業を手当たり次第に進めてしまったり時間がかかったりします。 あぁ!それはあります。母は家事が上手くできなくなりました。母は料理が大好きな人だったんですが、高次脳機能障害になってからは料理の手順がわからないようで、途中で手が止まってしまうんですよね。時間がかかるし危ないので、「家事はしなくて良い」と言っているんですが、それも忘れてしまうようで。毎日のように注意するのも疲れました…。 なるほど、なるほど。忙しいと、家事ができなくて戸惑っているお母様の様子にもいらだってしまいますよね。ただ、ゆっくりとでも作業をすることがリハビリになります。時間があるときには作業の手順を簡潔に書いたメモを用意するなど、お母様のペースに合わせられると良いですね。 そうか、家事をすることがリハビリになるんですね。知らなかった…。 また、その次の失語とは、言葉を上手く話せなかったり相手の話を理解しにくくなる症状です。もし、話を理解できていない様子があったら、ゆっくり、はっきりと話すと伝わりやすいでしょう。また、難しい単語などを避けて会話することも効果的です。 「ゆっくり、はっきりと話す」ですか。仕事や介護で忙しくて、早口で話してしまっていました…。 最後に、社会的行動障害というのは、ぼーっとして意欲が低下したり、反対に怒りを抑えられずに怒鳴ったりすること。感情のコントロールができないうえに、気持ちの波が大きいので周囲の人を振り回して人間関係が上手くいかなくなることもあります。 うーん。いくつも母に当てはまるものがあります。改めて高次脳機能障害について学んで、母の性格のせいではなく障害のせいなんだとよくわかりました。 老人ホームを探すときのポイント ここまで、在宅介護の上手い活用法や高次脳機能障害の症状と対応法についてお話ししてきました。でも、いろいろ試してみても「やっぱり在宅介護では難しい」と感じることもあるかもしれません。そうしたときには介護施設に入居することを本格的に検討してみてください。 そうですね。もしかしたら、意外と早く施設に入居させることになるかもしれないので、今のうちに探しておきたいと思っています。高次脳機能障害でも入れる介護施設というと、どんなものがあるんでしょうか? そうですね。受け入れ体制は施設ごとに大きく異なりますが、主に以下の介護施設では受け入れが可能です。 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 特養や老健は、社会福祉法人などが運営している公的な施設です。そのため、費用が安いのが魅力ですが、人気なので入居待ちが必要になることもあります。特に特養は、終身まで入れる施設のためとても人気。待機期間が1年以上になることもあります。ただ、要介護3以上でないと入居できないという制約があります。また、老健は要介護1以上が入居条件。さらに、入居できる期間が3~6ヵ月ほどなので、長期入居を検討している場合には向きません。 なるほど…。安い施設と言われると魅力的に感じますが、すぐには入れなかったり入居期間が限定されていたり…。100%条件に合うものはないんですね。 おっしゃる通り、なかなか難しいんですよね。一方で、民間の介護施設であれば比較的に入居しやすいです。やはり公的施設よりも費用がかかる傾向はあります。でも、民間施設の中でも「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」であれば、利用する介護サービスを自由に組み合わせられます。必要な分だけサービスを利用できるので、まだご自分でできることの多いお母様も入居しやすいと思いますよ。 「介護施設」とか「老人ホーム」って、介護職員さんがすべて世話してくれるイメージでしたがそうではないんですね。むしろ、母は今のところあまり介助は必要ないので、その方が良いのかも。 はい。やはりできることはできるだけご自分でやってもらった方が良いですからね。ただ、これから介護度が進行して介助が必要な場面が増えてくると、介護費用がかさんでしまったり、施設の受け入れができなくなる可能性も。こうした将来のことも含めて考えると、施設探しが複雑になってわからなくなることもあるかもしれません。そんなときは「いい介護 入居相談室」にぜひご相談ください。将来のことも考えてお母様にぴったりの施設をご案内しますよ。 高次脳機能障害は事故や脳血管障害などによって引き起こされる 高次脳機能障害の症状とその対策を理解して、介護の負担を減らそう 老健、有料老人ホーム、サ高住など、受け入れられる施設の種類はさまざま pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2022/11/17

認知症 認知症対策 在宅介護

認知症の母が昼夜逆転…。夜寝ないことの対策を教えてください

認知症の母が夜になかなか寝てくれないので困っています。一度、夜中に外に出てしまって警察に保護されたこともあって心配で私も一緒に起きており、常に寝不足なんです。 どうしたら母は眠ってくれるようになるんでしょうか? (五十嵐さん・パート・61歳) もしかしたらお母様は「昼夜逆転」状態になっているかもしれません。認知症になると脳の機能が低下して、体内時計が乱れることで時間の感覚がなくなるので昼夜逆転してしまう傾向があります。なので、体内時計を整えるために日中に適度な運動をしたりすることで、夜間の睡眠状態が良くなることがありますよ。 なぜ認知症で昼夜逆転するの? 最近、母の寝付きが悪くて夜中に起きるので困っています。起きているだけなら良いのですが、以前、夜中に1人で家を出て帰れなくなり警察に保護されたこともあるので、また出ていってしまわないか心配で私も一緒に起きています。私も常に寝不足で辛いです。どうにかする方法はないんでしょうか? うーん、それはとても大変な状況ですね。…ちなみに、お母様は認知症を発症していらっしゃいますか? はい、アルツハイマー型認知症です。物忘れがひどくて、30分前に話したことも忘れてしまうほどです。 なるほど…。でしたら、認知症による「昼夜逆転」の症状が出ているのかもしれませんね。 昼夜逆転、ですか?どういう状態でしょうか? 夜に眠らずに活動して、日中に眠ってしまう状態のことです。文字通り、昼と夜が逆転してしまっているんですね。 まさにうちの母がそうです!夜はほとんど眠らないのに、お昼ごろになるとリビングで居眠りしているんです。何か良い解決法はありますか? 解決法を考える前に、お母様が昼夜逆転している原因を探してみましょう。その原因によって、打ち手も変わってきますから。 それもそうですね。昼夜逆転の原因というと、どんなことがあるんでしょう? 主な昼夜逆転の原因は、以下のようなものがあります。 体内時計が乱れている 見当識障害がある 夜間せん妄が起きている 日中の活動が少ない 薬の影響がある 身体の不快感がある 体内時計とは、1日の昼と夜の変化に合わせて身体の状態を変化させる機能のことです。「概日リズム」とも呼ばれ、時間によってホルモンの分泌や体温調整を無意識でおこなっています。ただ、この機能は脳の働きによるもの。認知症によって調整する部分の機能が低下してしまうと体内時計が乱れて、寝るべき夜に眠れず、起きているべき昼間に眠ってしまうようになるんです。 「体内時計」という単語は聞いたことがありますけど、認知症の影響があるんですね。知らなかったです。 また、「見当識障害」も認知症の影響で起きる症状のひとつ。見当識障害とは、今の時間や場所がわからなくなることです。「今は夜か昼か」がわからなくなっているので、「今は寝る時間かどうか」もわからなくなるんですね。その結果、夜中に活発になってしまうのはもちろん、明け方なのに夕方と勘違いして夕食の準備をしようとしたりすることもあります。 実は母も時間がわかっていない様子はあります。昼夜問わず「今、何時?」と何度も聞いてきますし…。 見当識障害とは 見当識障害とは、今、自分がいる時刻や日付、場所、周囲の環境などを総合的に判断する能力が失われる障害です。アルツハイマー型認知症になると、記憶障害に続いて見られる症状です。 見当識障害には「時間の見当識障害」「場所の見当識障害」「対人関係の見当識障害」の3つの種類があります。まず最初に症状としてあらわれるのが時間の見当識障害と場所の見当識障害です。症状が進行すると対人関係の見当識障害も目立つようになります。 時間の見当識障害 昼か夜かわからなくなる 今日が何月何日かわからなくなる ...

2022/11/15

施設入居 在宅介護 認知症介護

母の介護をしている父が老老介護で限界をむかえそうです。介護と家事で毎日辛そうなので、どうにかしてあげたいと思っています。

実家で母の介護をする父が辛そうなので、どうにかしたいと考えています。父も高齢なので、母の介護と家事が体力的にきついようです。私と同居して介護する話も出たのですが、父が実家を離れたがりません。 少しでも父の負担を減らしてあげたいのですが、どうしたら良いでしょうか? (川口さん・パート・61歳) まずは、地域包括支援センターやケアマネジャーさんなどに今の状況を相談してみるのが良いでしょう。また、在宅介護サービスを積極的に活用していくと、お父様の介護の負担が減ると思います。このまま介護を続けていると、お父様が体調を崩したり「介護うつ」になってしまう可能性もあります。在宅介護が難しい状況でしたら、施設に入居することも考えた方が良いかもしれません。 老老介護に限界を感じたときの解決策 実家で母の介護をしている父が倒れてしまうんじゃないかと心配です。父も高齢ですし、身体は元気なものの、母は認知症でトイレや入浴するのも見守りが必要な状態です。それに、今まで母がやっていた家事をすべて父がやらなくちゃいけなくなったので、介護と家事の両立でとてもしんどそうなんです。どうにか父の負担を軽くしてあげたいんですが、良い方法はありませんか? なるほど…。「老老介護」の状態になってしまっているんですね。 「老老介護」?初めて聞きました。 老老介護とは、65歳以上のご高齢者が同じく65歳以上のご高齢者を介護している状況です。特に川口さんのご両親のように、配偶者が同居している要介護者の介護をしているケースがとても多いんです。 確かに、まさにうちの両親です!では、老老介護している人を支援する制度などがあったりするんでしょうか? いえ、残念ながら、老老介護に特化した支援はまだないのが現状です。ただ、老老介護のご家庭に限らず、地域の支援サービスや介護サービスは利用できますのでご紹介しますね。 地域のサービスやボランティアを活用する ご高齢者の生活や介護に困ったときに、まず頼りになるのが「地域包括支援センター」です。ここは、ご高齢者の介護や健康などさまざまなお困りごとに対応する総合窓口ですので、悩みが漠然としている場合でもとりあえず相談してみましょう。ケアマネジャーや保健師などの専門家や各機関と連携して、問題解決のために動いてくれますよ。 へー!何でも相談に乗ってくれる窓口があるんですね。 また、お母様の見守りに、地域で提供している見守りサービスを利用するもの良いかも。シルバー人材センターや民生委員、ボランティアなどによってご高齢者の見守りをおこなっている地域もあります。あと、これはサービスではありませんが、ご近所付き合いを良くしておくことも大切。何かあったときにすぐに連絡してもらえるように連絡先を渡しておいたりすると、近隣の人にも介護を手伝ってもらうと、お父様の精神的負担が多少軽くなるかもしれません。 ご近所付き合いは大切ですね…。最近は余裕がなくて、実家に帰ってもご近所さんと話すこともなかったので、近所の集まりに顔を出してみます。 在宅介護サービスを利用する 今、お母様は介護サービスを利用していますか? 訪問介護を週2回だけ利用しています。でも、買い物に行ってもらっているだけですが…。 そうなんですね!でしたら、もっと訪問介護の回数を増やしたり、他の在宅介護サービスを追加することをおすすめします。 私ももっと介護サービスを使ってほしいとは思っているんですけど、介護サービスがよくわかっていなくて…。ちなみに、在宅介護サービスってどんなものがあるんですか? 在宅介護サービスには、主に以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴介護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 デイサービス 通所リハビリテーション(デイケア) 短期入所生活介護(ショートステイ) 小規模多機能型居宅介護 福祉用具レンタル えっ、こんなに種類があるんですね!訪問介護の他には、デイサービスの名前を聞いたことがあるくらいです。 在宅介護サービスは本当にたくさんの種類がありますから、知らないサービスも多いですよね。お父様に負担が大きい状況を考えると、デイサービスを利用してみると良いかもしれません。 具体的にはデイサービスってどんなサービスなんですか? デイサービスでは、レクリエーションや入浴介助などを提供しています。日帰りで介護施設に通う形のサービスなので、お母様がデイサービスに行っている間、お父様は自由に過ごせるんです。もちろん、家事などがあるので完全に自由というわけにはいかないかもしれませんが、デイサービスの時間だけでもお母様の介護をしなくても良い、と考えると身体的にも精神的にも楽になるんじゃないでしょうか? それは良いですね!父と母は24時間一緒に過ごしていますから、少しの間でも離れられる時間を作ってあげるのも良いかもしれないです。 他にも、在宅介護をしているご家庭がよく利用しているサービスに、ショートステイがあります。このサービスは最短1日から最大30日間、介護施設に宿泊できるもの。介護しているご家族が家を空けて介護ができないときはもちろん、介護している人のリフレッシュのためにも利用されるサービスです。 リフレッシュのためですか? はい。在宅介護をしていると、常に介護のことで頭がいっぱいになりがちです。なので、短期間でも介護施設に預けることで、溜まっていた家事をしたり自分のための時間を確保するんですね。定期的にショートステイを利用しているご家庭もありますし、ショートステイの期間に旅行を楽しんでいるご家庭もありますよ。 そんな、家族のための介護サービスがあったんですね。父にしっかり休んでもらうためにも、何日か利用したいです。 施設介護サービスを利用する もし今後、在宅介護に限界を感じたら介護施設への入居も検討してみてください。 介護施設かぁ。そんなこと、全然考えたことがなかったです。でも、父の今の状況を考えると、施設に入れることも考えた方がいいのかも…。 でしたら、参考までに介護施設にはどんなものがあるのか、お伝えしていきますね。まず、主な介護施設をリストアップしてみました。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護医療院 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 特別養護老人ホームは、友人のお母さんが入っているので知っています。「特養」ですよね? そうです!「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」の3つは、公的な介護施設です。そのため、比較的費用が安く設定されているのが特徴です。中でも特養は終身で利用できる施設ですので、とても人気が高く、施設によっては”数年待ち”ということも…。 えぇ!?そんなに待つんですか! 対して、民間企業が運営している有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設は、比較的、空室があるので早めに入居できることが多いですね。やはり公的施設の方が費用が抑えられるので、公的施設の人気が高いんです。 そうなんですね。特養が数年待ちなら、今から施設探しをした方が良いんでしょうか?父に本当に限界が来てから探し始めたら何年も待っていられないですから。 川口さんのおっしゃる通り、施設探しは”早め早め”をおすすめします。特養は待機期間が長い傾向があることに加えて、ご高齢者の状態はたった数週間で変わることがあります。私自身、「半月前は元気に歩いていたのに、急にまったく歩けなくなったから明日にでも介護施設に入居したい」というご相談を何度もいただいているんです。そういう意味でも、まだ余裕のある今のうちに施設探しを始めてくださいね。 老老介護を続けることのリスク 今回、北野さんの話を聞いて、いろいろと打つ手があることがわかってよかったです。 それはよかったです!おそらく、お父様がこのままご自宅で介護を続けているとさまざまな問題が起こると思いますから、そうなる前に対策をとっていただきたいです。 さまざまな問題というと、どんなことがあるんでしょうか? 主なものに「共倒れ」があります。老老介護の場合、介護している人も高齢なので、介護や家事などの身体的負担が大きいんです。無理をして老老介護を続けていると、腰などを痛めてむしろ介護している人も要介護状態になってしまう可能性もあります。 父もそうなってしまうかも。最近、腰が痛いみたいで…。 それは辛いですよね…。そうした身体的な負担が精神的な負担にもつながることも。「身体が痛くて眠れない」となると、寝不足によって心身ともに疲れてしまいますからね。 そうならないように、父の身体にも気をつけておきます。 また、精神的な面で特に大きな問題となるのが「介護うつ」です。介護で心身が疲れていると、ご近所の人などの外部の人との接点が少なくなる傾向があり、”閉じこもり”状態になってしまいがちなんです。その結果、友人などとの交流の機会も減ります。さらに、介護をしていて遠出ができないので、趣味の旅行やお出かけもしなくなります。すると、気持ちのリフレッシュの方法がなくなって、うつ状態になってしまうんですね。 まさに、父がそんな状態です。写真が趣味なのに、母の介護が始まってからはまったく写真を撮りに出かけていませんし、ご近所との交流もほとんどしていないみたいです。 それは心配な状態ですね…。介護サービスを活用して、お父様が自分の趣味を楽しめるような時間を確保する必要がありそうです。介護サービスは、介護される人はもちろんのこと、介護をしているご家族のためのサービスでもあります。なので、どんどん利用して少しでも介護を”楽”にしてくださいね。 介護サービスを積極的に使って、老老介護の負担を減らそう 老老介護だと、介護する人の心身的負担が大きくなりやすい 老老介護を続けると介護うつになってしまうことも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2022/11/11

施設入居 在宅介護 認知症介護

父親を介護施設に入れたことを後悔しています。今からでも在宅介護にした方が良いでしょうか?

父が半年前に老人ホームに入居したのですが、それから父の様子が変です。入居してから私が声をかけても反応が薄く、元気がなくなってしまったので、施設に入れたことを後悔しています。 老人ホームで寂しい思いをしているようなので、施設を退去して在宅介護にした方が良いでしょうか? (山内さん・会社員・63歳) 在宅介護にすると、さまざまな負担が増えます。そのため、すぐに施設を退去するのではなく、まずは今の施設での生活を改善してみましょう。まずはお父様が日々の暮らしの中で不満点はないかを具体的に聞いてみてください。もし、その不満点が施設側で解決できないことなのであれば、別の介護施設に転居することも検討してみてください。そのうえで、在宅介護にするかどうか判断してみてくださいね。 施設入居の後悔を軽くするために 半年ほど前から父が老人ホームに入居しています。でも、入居してから少し経ったころから父が段々元気がなくなってきて、施設に入れたことを後悔しています。仕事のために自宅で介護する余裕がなくて介護施設に入れたのですが、やはり在宅介護の方がよかったんでしょうか?退去させて今からでも自宅で介護した方が良いのでしょうか? 正直に言うと、山内さんの状況で在宅介護することはおすすめできません。というのも、介護をする人が無理をする介護は長く続けられませんし、共倒れになってしまう可能性がとても高いからです。なので今すぐ退去するのではなく、まずは今、入居している施設でお父様が楽しく生活できるように手を打ってみませんか?状況が改善されれば、山内さんの気持ちも軽くなると思いますよ。 なるほど…。「施設がダメなら家で」と自宅に呼び戻すことしか考えていませんでした。それで、どんなことをすれば良いんでしょうか? では、1つずつお話ししていきますね。 面会で不満を具体的に聞く 山内さんは、お父様のところに面会には行っていますか? もちろんです!週に1回は面会しています。面会のときに、父が段々元気がなくなっていることに気がついたんです。 そうだったんですね。面会というのはご入居者にとってもご家族と顔を合わせる数少ない機会ですから、そのときのご家族の様子がご本人に影響を与えることもあります。 「家族の様子が影響を与える」?どういうことですか? ご家族が不安そうだと、ご本人もそれを感じ取って不安になってしまいます。なので、あえて明るく笑顔で接することが大切です。やはり、「大丈夫?」など心配する言葉をかけてしまいがちですが過度に心配しすぎると、むしろ不安になってしまうんですよ。なので、「良い施設だね」「職員さんが優しいね」などの前向きな声掛けをしてあげてください。ただ、不満を話すようだったらその理由を具体的に聞き出してくださいね。それが、状況を改善するカギになるかもしれませんから。 私はよく「大丈夫?」とか「身体辛くない?」といった言葉をかけていました。逆に不安にさせてしまうんですね…。 介護施設と合わないだけかも また、施設に入居することそのものがダメということではなく、ただ単に今の施設が合わないだけ、ということもあります。ちなみに、私がこれまで入居相談をお受けしたお客様で入居した施設が合わなかった方は、「介護度が合わなかった」とおっしゃることが多いんです。 「介護度が合わない」ってどういうことですか?確か、父が入っている施設は、要支援1以上の人であれば誰でも入れると入居時に聞いていますが…。 実は、入居条件として制限をかけていなくても、実際のご入居者の介護度に偏りが出る場合があります。例えば、要支援1・2や要介護1・2といった介護度が低い人が多かったり、要介護3~5や重度の認知症の人が多かったり…。それが施設の個性でもあるので、介護度に偏りがあることに”良し悪し”はありません。でも、その個性と合っていないと、「施設が合わない」と感じてしまうんですね。 実際の入居者さんの介護度とズレてしまうと、何で「合わない」と感じるんですか? 介護度が高い人と低い人で求めるケアの内容が異なるためです。具体的には、介護度が高い人は、食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介助を必要とします。対して、介護度が低い人の場合、身体介助よりもリハビリやレクリエーション、他のご入居者やスタッフさんとの交流を希望する傾向があるんです。 あぁ、なるほど。それはありますね。父は要介護2で、人と話すことが好きな人なので、気が合う入居者さんとおしゃべりできる環境があると良いな、と思っていました。 もし、お父様が入居している施設の他のご入居者のほとんどが寝たきりの人だったら、それは難しいですよね。このように、ご家族やご本人の希望とズレが出ることがあるので、他のご入居者の介護度というのは重要なんです。なので、もし介護度が合っていないようだったら、別の施設に転居することも考えてみてください。 施設に要望を伝えよう 山内さんは、お父様の様子を見ていろいろと心配になって施設に入居させたことに罪悪感を感じているかもしれません。それを1人で抱えるのは辛いので、その罪悪感を施設に相談してみるのはどうでしょうか? え?父が入っている施設の人に、私のことを相談するんですか? そうです!山内さんの辛い気持ちはお父様の介護に関わることですから、決して山内さんだけの問題ではありませんよ。それに、元気がないことなど、お父様の状況についても施設にこまめに相談してください。施設に相談したらすぐに手を打ってくれることもありますから。 そうなんですね。施設の職員さんは気がついたうえで対応してもらっているものだと思っていたので、あえて相談していませんでした。 施設に相談したら案外すぐに解決した、なんてこともあります。お父様に変わった様子があったり、何か不安なことがあったらまずは施設に相談してみてくださいね。 施設入居は悪いことではない! 父を老人ホームに入居させたことをずっと後悔していましたが、北野室長の話を聞いて、少し気持ちが楽になりました。 それはよかったです。実は、親御さんを介護施設に入居させたことを後悔する人は多いんです。やはり、日本はまだ「親の介護は子どもがするもの」という考え方が残っています。でも、もうそういう時代ではありません!どんどん介護のプロに任せちゃってください! そうですね。もっと施設に頼ってみようと思います。 ぜひ、そうしてください!一昔前とは異なり、今は少子高齢社会で介護する人手が少なくなっています。介護するお子さんへの負担が大きくなっているんですね。そのうえ、共働きのご家庭が多くなっていますから、子世代が介護に割ける時間も減少しています。そうした厳しい状況で、無理やり在宅介護を続けていると介護する側が倒れてしまう可能性もあるんです。 介護離職の可能性も… 私は、もし父を自宅で介護をするのであれば仕事を辞めるつもりでいました。仕事をしながら介護するのは難しいと思ったので…。 介護離職はおすすめできません! えっ、どうしてですか?仕事と介護の両立なんて無理ですよね? 「仕事を辞めて介護に集中すれば負担は減る」と考えがちですが、実は違うんです。次の図は、介護離職した後の介護に関わる負担についてのグラフです。 えっ!?「負担が増した」の方が多いんですか? そうなんです。特に経済面での負担が大きくなっています。やはり、離職して収入が減ってしまうので経済的に苦しくなりますよね。また、収入が減った分、介護サービスを利用する頻度を下げると、ご家族が介護をする割合が増えてしまってそれが精神的・肉体的な負担の増加につながることも考えられます。つまり、離職しても介護の負担が減るわけではないんですね。 介護うつになる可能性も… また、無理をして介護を続けると、「介護うつ」になってしまうこともあります。 「介護うつ」とは何ですか? 介護うつは、介護での疲れが溜まった状態が続くことで引き起こされるうつ状態です。例えば、「楽しい」「嬉しい」といった気持ちを感じなくなり、趣味や好きなことを楽しめなくなっていると介護うつの初期症状が出ているかもしれません。 今は父の介護を直接しているわけではないので、そうしたことはないですが…。在宅介護をすると、介護うつになってしまうかもしれないんですね。 特に、介護離職をして介護に専念している人は、家族以外の交流がなくなってしまう傾向があります。そのため、介護の辛さを誰にも相談できずに抱え込んでしまい、精神的に追い詰められてしまうんです。それに、毎日が”介護一色”になってしまうので、自分の趣味などに使う時間がなくなって気分転換もできないんですね。 自宅で介護をするために離職することで、こんなにいろいろとリスクがあるとは思いませんでした。これからの父の介護について、施設や家族とよく話し合ってみます。 まずは今の施設での生活を続けられるように対策をとろう 施設と合わないのなら、転居も視野に 無理に在宅介護をすると、介護離職・介護うつの可能性も pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/11/08

施設入居 在宅介護 認知症介護 遠距離介護

実家に暮らす親の遠距離介護がきつくて、私の自宅に呼び寄せようと思っています。同居介護で注意することはありますか?

遠方の実家で一人暮らしをする母が数ヵ月前に認知症と診断され、しばらく遠距離介護をしていました。でも、仕事や家事と併行するのはもう限界です。なので、母を呼び寄せて同居しようと考えているのですが、不安でいっぱいです。 同居介護で注意しておくことはありますか? (菊池さん・会社員・53歳) 多くのご家庭で同居後に問題になることは、生活習慣の違いです。食事の味付けや洗濯の方法など、ちょっとしたことですれ違いになることが多いんです。また、お母様に持病がある場合、ご自宅の近くに治療に必要な診療科を持つ病院があるのかも大切。さらに、これまでとまったく異なる環境で生活することになるわけですから、お母様が孤独を感じないように配慮する必要もあるでしょう。 遠距離介護から呼び寄せるときの注意点 実家で一人暮らしをする母が先日、認知症と診断されました。この数ヵ月は私が週末に帰省して介護をしていたのですが、症状が進行してそれでは手に負えなくなりました。私も仕事や自分の家事もありますし、遠距離介護は限界だと思います。なので、私の家に呼び寄せて同居したいと考えていますが、どうしたら良いかわからず不安で…。何か気をつけておくことはありますか? そうですね…。お母様にとっては、生活環境がガラッと変わりますからさまざまな戸惑いがあるでしょう。それに、これまでまったく別の生活を送ってきた人と同居することで、他のご家族にもいろいろな影響があることが考えられます。なので、同居をする前や同居が始まった後に、以下のようなことを注意しておくと、スムーズに同居を進められると思いますよ。 どんな生活習慣か 必要な病院があるか 状態の悪化はないか 認知症の症状に変化がないか 住宅リフォームが必要か 生活習慣については、ある程度、把握できていると思います。私の実の母のことですし。 いえいえ、長年、別々に暮らしているとちょっとづつ違いが出てくるものです。例えば、高齢になるにつれて味の濃い食事を好む傾向があります。もちろん、濃すぎると健康に良くないですが、「味が薄い」と指摘される可能性もあります。それに、高齢になって固いものや繊維質の食べ物を避けていることもあります。そうした、食の好みを改めて把握する必要が出てくるんです。 あぁ、確かに。最近はすぐ食べられるおにぎりなどで済ませていたようなので、細かい食の好みはよくわからないですね…。 それに、時間の使い方についてもすれ違いが生じるかもしれません。例えば、起きる時間や食事の時間はその人の職業などによって大きく変化することなので、お母様と噛み合わない可能性もあります。 そういえば、実家に通って介護していても何時に母が起きているのかはわからないです。私や夫と娘は、仕事や学校に合わせて起きていますが、母にはそういう予定はまったくありません。起きる時間は私たちに合わせてもらわないと困るかも…。 そうですよね。そういった「合わせてほしいポイント」を整理しておくと、同居後のすれ違いが少なくて済むかもしれません。加えて、気をつけていただきたいのはお母様が「日中独居」になってしまう可能性です。 日中独居とは何ですか? 仕事や学校などで他の家族が日中に家にいなくなり、ご高齢者が1人になってしまうことです。1人でも不自由なく生活できる場合は問題ありませんが、転倒リスクが高い人や認知症が進行している人などを1人にすることは大変危険です。それにお元気なご高齢者も、1人の時間があっても見知らぬ土地なので「友人に会いに行く」といったことができなくなります。そうなると、家で何もせずに1人で過ごすしかできないので、認知症の進行のきっかけになってしまうこともあります。 同居したことで、認知症が進行してしまうなんて!なるべく1人にしないことが大切ですね。 他にも、「必要な病院が近くにあるか」も重要なポイントです。菊池さん、お母様は持病はお持ちですか? 高血圧ですね。あと、認知症でも通院しています。 高血圧と認知症であれば、対応できる病院は多いので問題ないかと思います。ただ、特別な治療や薬が必要な病気を持っている場合は、対応できる病院が近くにあるのかも事前にチェックしておきたいポイントです。 なるほど…。持病のこともよく考えないといけないんですね。 また、同居して常にお母様の状況がわかるようになるので、認知症の症状や身体状況の変化がないかについても注意してください。せっかく同居するんですから、お母様の状況をよく見てあげてください。 そうですね…。しばらく実家に帰っていなかったら母の様子がおかしくなっていて認知症になっていることがわかったので、同居したら気をつけておきます。 合わせて、お母様の状態によっては菊池さんの自宅のリフォームが必要になることもあるかもしれません。リフォームには介護保険による補助金がでますが、ある程度のまとまったお金が必要になる可能性もあります。想定外の出費となるかもしれないので、予めリフォームが必要かどうかは確かめておいてくださいね。 同居介護がきつくなったら… 同居介護が始まったら遠距離介護と異なり移動などの負担はなくなりますが、介護の負担が大きくなることが考えられます。もしかしたら、負担が大きくて同居でも介護が難しくなるかもしれません。そうなる前に、積極的に介護サービスを活用してくださいね。 今も訪問介護を利用しています。同居したら家事は私ができますし、介護サービスを利用する必要はないと思っていたのですが…。 いえいえ、それでは菊池さんに負担が集中してしまう可能性があります。菊池さんはご家族の分の家事もありますよね。そのうえ、お母様の介護も負担するとなると、かなり負担が大きくなるかもしれません。介護サービスを利用することをおすすめします。 言われてみればそうですね…。母が同居したら、いろいろと気を使わないといけないことも増えるでしょうし…。 おっしゃる通りです。それに、先ほどもお話しした日中独居を避けるために、デイサービスを利用するのも良いかもしれません。デイサービスではレクやリハビリなどをおこなうので身体を動かす機会も作れますし、利用者さんや介護職員さんとのコミュニケーションが良い刺激になると思いますよ。 そうですね。どうしても日中は家を空けることになるので、デイサービスには通ってもらった方が良いのかもしれません。 それに今後、在宅介護サービスを活用しても自宅での介護が難しくなることもありえます。そうなったら、早めに介護施設への入居も検討してください。お母様の身体状況が悪化して常に介護が必要な状態となったら、特別養護老人ホームや有料老人ホームといった老人ホームに入居することをおすすめします。 うーん、介護施設ですか。まだそこまで大変ではないので、考えたことはありませんでしたが…。 そうですよね。ただ、今後「在宅介護では難しい」と感じたら、早めに介護施設を検討してくださいね。もし、施設探しに迷うことがあれば「いい介護 入居相談室」にご相談ください。老人ホームの知識が豊富な入居相談員がお母様に合った施設をご案内しますよ。 食事の味付け、時間の使い方など生活習慣の違いですれ違いが起きることも 「日中独居」に注意。認知症が進行するきっかけになる可能性も 同居介護がきつくなったら、在宅介護サービスを利用したり施設入居も検討して pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/11/04

施設入居 在宅介護 認知症介護

認知症のせいだとわかっていても、父の介護がしんどいです。介護疲れを解消する方法を教えて下さい。

約5年前から父の介護をしています。父の認知症が進行して、1日に何度も同じことを聞いてきたりちょっと注意しただけでも激怒するようになりました。認知症のせいだとわかっていても、父に振り回されてイライラしてしまいます。 それに父が夜に起きるようになってしまい、私も一緒に起きているので寝不足が続いています。介護疲れを解消する方法はありますか? (飯田さん・64歳・パート) お父様の認知症の症状に振り回されて、とてもきつい状況ですよね。まずは、ショートステイなどを利用して介護から離れる時間を作りましょう。とにかく介護をお休みしてください。少し余裕ができたら、介護疲れが少しでも減るように介護サービスを活用しましょう。ケアマネジャーさんを頼ったりご友人などに愚痴を聞いてもらったりと、1人で抱えすぎないようにしてくださいね。 介護疲れの対策は? 5年ほど前から父の介護をしています。父の認知症が以前より進行しており、同じことを何度も聞いてきたりちょっとしたことで激怒するので、気を使って精神的に疲れが溜まっています。それに最近では夜間に起き出して落ち着かず、外に出て徘徊してしまうかもしれないので私も一緒に起きていることが多くなりました。そのため、父の介護がとてもしんどいです。何か良い解決法はないでしょうか? それはとても大変な状況ですね…。このままでは飯田さんが体調を崩してしまいかねませんから、以下のような方法で介護疲れを解消するのはどうでしょうか? 介護から離れる時間を作る 相談できる人を見つける 楽しみを見つける え、「介護から離れる」ってどういうことですか?とてもじゃないけど、そんな余裕なんてないですよ。 今のままでは介護から離れることはなかなか難しいかもしれません。なので、介護サービスを活用するんです。例えば、デイサービスに通ったりショートステイで数日宿泊してもらうだけでも、時間の余裕ができると思います。 デイサービスの方は、今も週3回利用しています。でも、家事を片付けたり寝不足を解消するためにちょっと昼寝をするとすぐ時間になってしまいますね…。 ショートステイは、利用したことはありますか? いえ、ショートステイは聞いたことはありますが、利用したことはないです。どんなサービスなんですか? ショートステイというのは、介護施設に1日から泊まれるサービスです。特別養護老人ホームなどが提供している場合もあれば、ショートステイ専用の施設がサービスをおこなっている場合もあります。施設の空室状況にもよりますが、最大30日連続で宿泊が可能です。宿泊している間は介護から離れられるので、良いリフレッシュになると思いますよ。 うーん、私のリフレッシュのために介護サービスを使っても良いんでしょうか? もちろんです!ショートステイは「レスパイト」のために使われることが多いサービス。レスパイトとは、介護をするご家族が介護を休憩するためのサービスのことを指します。ちなみに、定期的にショートステイを利用して自分のリフレッシュをしている人もいますし、ご家族での旅行のときに使っているご家庭もありますよ。 えっ、そうなんですね!今度、使ってみようかな…。 それと、相談できる人や話を聞いてくれる人を見つけることも大切です。例えば、具体的な介護の相談だったらケアマネジャーさんやかかりつけ医が聞いてくれるでしょう。逆に相談というより、話を聞いてほしいだけであれば、聞いてくれるご友人がいると気持ちが楽になるかもしれません。解決策にはならなくても、愚痴を聞いてくれるだけでも気持ちがスッキリすると思いますよ。 うーん、今まで介護のことは誰かに相談したことがなかったです…。家の事情なのでなかなか友人には話しにくいですし…。 おっしゃる通り、介護のことってなかなか話しにくいところがありますよね。そういうときは、家族の介護をしている人たちによる集まりがおこなわれていることがあるので、そこで同じように介護をしている人と話をするのも良いかもしれません。「認知症カフェ」など、認知症のご本人やそのご家族の集まりが、お住まいの地域でも開催されていると思いますよ。 へー、そうなんですね!知らなかったです。 あと大切なのは、自分の趣味のための時間を作ることです。ショートステイやデイサービスなどの介護サービスを活用して自分の時間を確保したら、自分が楽しいと思えることをしましょう。映画を見たり音楽を聞いたり、マッサージに行くのも良いかもしれません。どんなことでも良いので、リフレッシュするための時間を確保してください。 介護疲れが溜まりにくい介護をするには ここまで、介護疲れのリフレッシュ方法についてお話ししてきました。ここからは、なるべく疲れが溜まらない介護をするための対策をお伝えしますね。 介護は疲れるものですよね?疲れないようにする方法があるんですか? やはりどうしても介護疲れをゼロにするのは難しいでしょう。でも、工夫次第で介護疲れを溜まりにくくすることはできます。例えば、在宅介護サービスを活用すること。在宅介護サービスには以下のようなものがありますから、今、利用しているデイサービスに追加してみるのはどうでしょうか? 訪問介護 訪問入浴 デイサービス(通所介護) ショートステイ(短期入所生活介護) 小規模多機能型居宅介護 それに、介護保険外サービスを活用するのもひとつの手。介護保険が適用されないので費用は全額自己負担になってしまいますが、自由度の高いサービスが魅力です。 介護保険外サービスってどんなサービスがあるんですか? 例えば、お父様の散歩などの外出支援や同居するご家族の分の家事を代行するサービスなどがあります。それと、介護保険の上限を超えて介護サービスを利用する場合も、全額自己負担となります。介護保険内では、介護サービスが足りない場合には検討してみても良いかもしれません。 なるほど…。自己負担額の中でサービスの量を収めなくちゃいけないと思っていましたが、そうでもないんですね。 また、ご自宅での介護が難しいと感じたら介護施設へ入居することも検討してください。お父様を介護施設に入居させることに抵抗を感じるかもしれませんが、そのまま在宅介護を続けていたら共倒れになってしまう可能性もありますよ。主な施設サービスは以下のようなものがあります。介護疲れが限界になったら施設探しをする余裕はなくなりますから、早めに見当をつけておいてくださいね。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 心の持ち方を変えて介護疲れを予防しよう! 介護疲れを予防するために、疲れが溜まりにくい介護体制を整えておくことも大切ですが、同じくらい毎日の介護に対する心の持ち方も大切なんです。 心の持ち方?どういうことですか? 介護疲れを溜めてしまいがちな人は、頑張りすぎてしまう傾向があります。なので、頑張りすぎないようにする心構えを持つことが重要です。例えば、以下のような心構えで介護に取り組むと気持ちが楽になると思いますよ。 1人で頑張りすぎない 「できること」をやる 介護に正解はない 介護はいつまでも続くわけでない 1人で抱え込みすぎてしまうと、どこにも気持ちの逃げ場がなくなって追い詰められてしまいます。なので、誰かを頼ったり弱音を吐いたりしましょう。また、「できる範囲のことをやる」という気持ちも大切です。完璧にやろうとする必要はありません。理想の介護を求めてしまうと、心身ともにしんどくなってしまいます。 うーん、耳が痛いです。私は一人っ子で他に介護を手伝ってくれる家族もいないので、抱え込んでいたのかもしれません…。 手伝ってくれるご家族がいないと、どうしても抱え込んでしまいますよね。介護には「こうしなければいけない」という正解はありませんから、自分なりの介護をするつもりでもっと気楽にしていても良いと思いますよ。それに、介護の大変な状況がいつまでも続くわけではありません。もしかしたら認知症の薬を変えたら、お父様の状態が落ち着くこともあるかもしれません。「ずっとこんなに大変な思いをしなくちゃいけない」と思わず、「状態は常に変化するもの」と考えると多少は気持ちが楽になるんじゃないでしょうか? これまで、「私がお父さんを介護しなくちゃ」と頑張りすぎていたのかも…。もう少し肩の力を抜いて、介護してみようと思います。 デイサービスやショートステイなどを利用して介護から離れる時間を作ろう 在宅介護や施設サービスを活用して、疲れにくい介護の体制を作ろう 介護は抱え込まないことが大切!適度にリフレッシュしていこう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: ...

2022/11/02

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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