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以前、高齢者が大学生と交流できるサービス「whicker まごとも」について紹介しました。今回はその続報です。 「whicker まごとも」を運営する株式会社whickerは、2023年2月から今まで大阪と京都がメインだったサービス提供地域を東京23区まで拡大することを明らかにしました 東京でのサービスを開始するにあたり株式会社whickerは、1ヵ月の無料体験を希望する高齢者や、大学生とイベントを開催したい高齢者施設を募集しています。 「whicker まごとも」とは 「whicker まごとも」は、「まごとも」と呼ばれる大学生のスタッフが高齢者の自宅や介護施設を訪問して、高齢者が大学生と交流できるというサービス。訪問した「まごとも」に高齢者の要望を伝えることで、それを叶えてくれます。 このサービスでは「大学生ができること」だったら、その要望に制限はありません。 これまでは以下のような要望があったそうです。 スマートフォンの使い方のレクチャー 庭の草むしり 部屋の掃除 一緒に散歩 ペットの世話 また、高齢者施設からの依頼であれば、科学実験などを用いたイベントを開催することもあるそうです。 高齢者が若者と交流する意義 高齢者が若者と交流する意義が、最近の研究で次々に明らかになってきています。 ハーバード大学に所属する精神科医であるジョージ・ヴェイラント氏の著書「Aging Well」によると、若者と交流する高齢者はそうでない高齢者に比べて幸福度が3倍上がったそうです。 さらにジョンズ・ホプキンス大学による別の研究では、学生とボランティア活動をした高齢者はそうでない人に比べて認知機能が改善されたことも判明しました。 今回、サービスの提供地域に加わった東京は、全国の中でも特に65歳以上の高齢者が多い地域とされています。そこで「whicker まごとも」のサービスが展開されれば、若者と関われて幸福度が上がる高齢者がどんどん増えていきそうですね。 参考:「まごとも公式ページ」 参考:「What Happens When Old and Young Connect」
2023/02/06
株式会社セブン&アイ・フードシステムズは、これまでデニーズ数店舗で開かれていた「認知症本人ミーティング」を、さらに多くの店舗で実施することを明らかにしました。 セブン&アイ・フードシステムズによると、千葉県千葉市、東京都大田区、埼玉県川口市とふじみ野市、愛知県瀬戸市にあるデニーズの店舗で、新たに「認知症本人ミーティング」を順次実施するとしています。 認知症本人ミーティングとは ところで、「認知症本人ミーティング」とはどのような会議なのでしょうか? 厚生労働省によれば、認知症と診断された、または認知症疑いのある本人たちが集まり、自らの体験や必要としていることを地域の人や支援関係者、行政などに伝える場が「認知症本人ミーティング」だとしています。 そして、認知症本人ミーティングに参加した人たちは、認知症本人が発信した意見を踏まえた地域づくりを目指していきます。 認知症本人ミーティングでは、認知症本人が話し合いたいテーマが議題となります。例えば、以下のようなテーマがよく話し合われます。 認知症になって、どんな体験をしたか 認知症の人が安心して外出するために、町ができることは何か 今の生活で困っていること 自分がこれからしてみたいこと 以上のようなテーマを1回だけでなく、何回も話し合って理解を深めていきます。 デニーズが本人ミーティングを始めた経緯 デニーズは、2019年7月からほぼ全店舗で認知症サポーターを配置。店舗で認知症の人やその家族のサポートをおこなってきました。 その後、東京都千代田区の提案で認知症本人ミーティングを店舗でおこなったことを皮切りに、大阪府、埼玉県など全国各地の店舗でも実施するようになったそうです。 認知症本人ミーティングは、認知症の人が周りの人に伝えたいことを発信できる貴重な場です。さらに多くの地域に広がって、地域と一体になって認知症の人へのサポートができたら良いですね。
2023/01/30
2023年1月12日、徳島県は3年ぶりにインフルエンザの流行期に入ったことを発表しました。 また、感染対策の一環として、インフルエンザの治療薬を高齢者施設などに無償で提供するとしています。 インフルエンザの治療薬を高齢者施設に提供 徳島県の飯泉知事は1月13日の会見で、先月からインフルエンザ治療薬の無償提供を始めたと伝えました。対象となるのは、高齢者施設などの入所者や職員です。 さらに、飯泉知事は「新型コロナと同様に、基本的な感染防止対策をしてほしい」と、感染対策の徹底を呼びかけました。 基本的な感染防止対策とは、以下のような対策を指します。 会話するときは不織布マスクを鼻まで着用する 小まめに手洗いや手指消毒をおこなう 部屋の換気をする 大人数が集まる場所には近づかない インフルエンザも新型コロナと同じくらい脅威になりうる疾患です。徹底した感染対策が大事ですね。 インフルエンザと新型コロナの違い インフルエンザと新型コロナは、どちらも同じような症状が出る傾向にあるため、見分けがつきにくいと言われています。 インフルエンザは、1~3日の潜伏期間を経て、38度以上の高熱、頭痛、全身のだるさ、筋肉痛などが出現します。 新型コロナも高熱や頭痛、全身の倦怠感などインフルエンザと同じような症状が現れることがあります。ただ、新型コロナの症状はインフルエンザより多彩だとされています。人工呼吸器が必要なくらい呼吸困難になる人もいれば、ほとんど症状が出ない人もいるそうです。 また、医療機関の情報によると、新型コロナのほうが長いと考えられてきた潜伏期間も、新型株になってからインフルエンザ並み(1~3日)に短くなっているため、潜伏期間の違いで鑑別することも難しいと言います。 このように、症状でインフルエンザと新型コロナを鑑別することは難しいため、気になる症状が出たら医療機関などで検査を受けてみることをおすすめします。 参考:「感染拡大防止に向けた取組」(内閣官房)
2023/01/18
愛媛県松山市が2023年3月から、職員が自宅に出向いてごみを収集する「ふれあい回収」を松山市全域で始めると発表しました。 対象となるのは介護が必要な一人暮らしの高齢者などです。 愛媛県松山市が「ふれあい回収」を実施 「ふれあい回収」とは、ごみを出すのが困難だと思われる、介護が必要な一人暮らしの高齢者などの家に出向いて代わりに職員がごみを収集する取り組みです。 松山市で実施される、ふれあい回収の対象者は以下のとおりです。 65歳以上の単身高齢者で、要介護度1以上の人 65歳以上の単身高齢者で、身体障がい者手帳の1級か2級を持っている人 松山市では、以前から実験的に一部の地域でふれあい回収をおこなっており、3月から市全域に拡大します。 松山市の野志克仁市長は「ごみ収集のときに、自宅で転倒して動けなくなった高齢者を助けた事例もある。ふれあい回収が高齢者の安心・安全な生活につながる」という認識を示しました。 市は、1月11日から窓口でふれあい回収の申し込みを受け付けています。 全国に広がる「ふれあい回収」 ごみ集積所まで行くのが難しい人を対象にした「ふれあい回収」は、松山市だけでなく全国各地の自治体でおこなわれています。 例えば、東京北区では2001年から同様の取り組みを実施。「家の中で倒れていた身体の不自由な人を、ごみが出ていないことを不審に思った職員が助け出した」という事例もあります。 このように、ふれあい回収には単にごみを回収するだけでなく、一人暮らしの高齢者の様子を毎日確認するという意味もあることがわかります。 これからさらに多くの地域で、ふれあい回収が広まると良いですね。
2023/01/16
12月26日、大津市の佐藤健司市長は、市内に住む65歳以上の高齢者1人につき5000円分の商品券を配布することを発表しました。 物価高騰が続いた結果、経済も低迷しているためその対策を打ち出したのです。 大津市が商品券を高齢者に 大津市が商品券を配布する対象者は、以下の条件をすべて満たす人です。 2022年9月末時点で大津市に住民登録をしている 2023年3月末までに65歳以上になる高齢者 この条件をすべて満たす人は、大津市内に約6万6500人いると見られています。 商品券は、2023年の1月から順番に郵送され、スーパーや量販店などで利用できます。 佐藤市長は「商品券なら店舗で使うことになるため、消費に直接つながる効果が期待できる。市内の経済を回復させるために、ぜひ市内で使ってほしい」と呼びかけました。 高齢者と消費 2022年7月、三井住友銀行は、コロナ禍における高齢者(60歳以上)の個人消費動向の調査結果を公表しました。この調査から、高齢者は現役世代以上に、物価が上昇するに従って消費量は大きく減少していることが明らかになったのです。 この結果を受けて、三井住友銀行は「高齢者世代は現役世代に比べて、総支出に対する食料支出の割合が高いため、食料の値上げにより敏感であると考えられる」と分析。また「政府が2022年度の年金額を引き下げたことも影響した可能性がある」と指摘しました。 さらに重症化リスクが高い高齢者は、新型コロナに対する危機感が現役世代よりも強く、外出を自粛する傾向にあることも消費の伸び悩みに影響したとしています。 総務省の家計調査によると、60歳以上の高齢者が個人消費の約半分を占めているそうです。地域の消費を伸ばすためには、高齢者に対してアプローチするのが有効かもしれません。
2022/12/29
通常、特別養護老人ホーム(特養)には要介護度3以上の人が入所することになっています。 しかし、やむを得ない事情がある場合は、要介護度1~2の人も特養に入所できる「特例入所」の制度が適用されます。 その特例入所の全国の運用状況を厚生労働省が調査し、12月19日に公表しました。 その結果、全体の約1割にあたる自治体が「特例入所が運用されていない」と答えていたことが明らかになったのです。 特例入所とは 特例入所とは、やむを得ない事情があって在宅介護では厳しい要介護度1~2の人が、特別に特養に入所できる制度です。 具体的には、以下のような事情があれば、特例入所の対象となります。 認知症や知的・精神障がいなどで、日常生活に支障をきたす行動が頻繁に現れ、在宅生活が困難な状態にある 家族による虐待などが疑われ、心身の安心・安全の確保が難しい状態にある 家族による支援や地域での介護サービスに期待できず、在宅生活が困難な状態にある このように、特例入所には在宅生活の維持が困難な人に対するセーフティーネットとしての役割があるのです。 調査の内容 厚生労働省は、全国988の市町村における特例入所の運用実態を調査しました。 その結果、87.4%は「適切に運用されている」と回答していたことが判明。一方で、「指針が定められておらず、運用されていない」と回答した自治体が9.1%、「指針は定められているが、実質的に運用されていない」と回答した自治体が1.6%存在することもわかりました。 関係者からは「運用されていると回答していても、独自のローカルルールで基準を厳しくしたり適切な運用がなされていないケースも見られる」という声もありました。 セーフティーネットとしての役割を果たすために、厚生労働省は今後、各自治体に対し特例入所の趣旨を改めて説明するとしています。
2022/12/23
神奈川県小田原市が、料理に使われている塩分が少ない飲食店や野菜がたくさん摂取できる飲食店を掲載した食べ歩きマップをリニューアルしました。 このメニューは2019年に初めて作られ、市内公共施設や病院などで計1万部を配布しているそうです。 食べ歩きマップについて 小田原市は、小田原食品衛生協会の協力で飲食店で提供される料理の塩分量や野菜の使用量に関するデータを入手。それをもとに高血圧予防に役立つ食べ歩きマップを作成しました。 食べ歩きマップには、食塩相当量が1品1.5g以下の「適塩取組店」や野菜使用量が1品70g以上の「野菜たっぷり取組店」、小盛や持ち帰りに対応している「食べきり協力店」計41店舗が掲載されています。 市の担当者は「塩分摂取量の適量化と野菜摂取の促進に取り組み、心筋梗塞などの高血圧が引き金となる疾患の減少につなげたい」と話してます。 高血圧を予防する食生活とは 和食は洋食に比べ、脂質が少なく栄養バランスが優れているため、ヘルシーなイメージがある人も多いと思います。 一方で、醤油や味噌などをふんだんに使用する和食には塩分も多く含まれるため、塩分摂取量が増えてしまうという側面もあります。 WHOは、1人あたりの1日の塩分摂取量を5g未満に抑えることを推奨しています。しかし2017年に実施された厚生労働省の調査では、日本人は平均して約10gの塩分を1日に摂取していることが明らかになりました。 しかし、塩分の摂り過ぎは高血圧を招くリスクがあるため、塩分の摂取量をできるだけ抑えることが重要です。 そこで、塩や醬油、味噌など塩分量が多い調味料の代わりに、酢や香辛料など塩分がほとんど含まない調味料を使うことで、塩分の摂取量を抑えられます。 「しょっぱい方がおいしい」と思ってしまいがちですが、今回の食べ歩きマップを活用して、”イイ塩梅”のグルメを楽しめると良いですよね。
2022/12/14
株式会社マザーズのグループ会社が運営する宿泊施設「サポートイン南知多」が、革新的な手法によってつくられたサービスを表彰する「日本サービス大賞」の「国土交通大臣賞」を受賞しました。 株式会社マザーズの取締役社長、野口恵介氏はサポートイン南知多を始めた思いについて「障がいのある方やご高齢の方でも、旅行の楽しみを諦めてほしくないという思いでこの旅館を始めた」と語っています。 バリアフリー旅館「サポートイン南知多」 国土交通大臣賞を受賞した「サポートイン南知多」とはどんな施設なのでしょうか? サポートイン南知多は、障がい者や高齢者でも安心して宿泊できるように館内すべてをバリアフリー化した旅館です。 また、常駐する介護士に入浴や食事、排泄を介助してもらうこともできます。そのため、高齢者や障がい者など介助を必要とする人の一人旅であっても、安心して宿泊できるのです。 「サポートイン南知多」の特徴 福祉特化型の宿泊施設であるサポートイン南知多には、一般的なホテルなどにはない特徴があります。 例えば、飲み込む力や噛む力が弱くて、通常の食事形態だとむせこんでしまう人には、きざみ食やミキサー食など形態を変えた料理を出してくれるのです。 また、サポートイン南知多のドアは全室引き戸になっているそうです。車椅子を利用している人は、通常のドアだと1人で開けたり閉めたりするのが困難。しかし、引き戸なら車椅子に乗ったまま戸を動かせます。 さらに浴室や部屋の床は、車椅子に乗ったまま通れる強化畳を使用。万が一、転倒しても、畳が衝撃を和らげてくれます。 ほかにも、高齢者や障がい者が安心して宿泊できるように、以下のような工夫が随所に施されています。 ユニバーサルデザインのトイレを完備 貸切の風呂場には、リフト付きのジェットバスあり 電動リクライニングベッドの貸出サービス 介助を必要としている人でも、旅行気分を味わえる場所があるのは嬉しいですね。
2022/12/13
12月7日、バーチャルコンテンツの制作を支援しているOTAGROUPは、75歳以上の後期高齢者で構成される「メタばあちゃん」というVTuberのグループを立ち上げました。 VTuberとはバーチャル世界のYouTuberのことで、2Dや3Dのアバターに人の声を当てています。 おばあちゃんアイドル計画が始動 OTAGROUPが手がける「メタばあちゃん」プロジェクトが始動。まずは広島県出身で85歳の女性が”中の人”を務める「ひろこ」という名前のVTuberがデビューしました。 ひろこさんは孫に勧められてVTuberデビューを決めたそう。また、YouTubeのショート動画の中で「バカ孫に勧められてVTuberになった。若い頃にできなかったことをメタばあちゃんとして実現してくれと言われたので、暴れてやります。孫よ、後悔するなよ」と意気込みを語りました。 さらに、ひろこさんは自身と同じようにVTuberデビューを果たす人を募集しています。 条件は以下のとおりです。 75歳以上の女性 認知症の診断を受けていない 日本在住である また歌が上手など、一芸がある人は歓迎するそうです。 反響の声続々 「メタばあちゃん」はほかにも、培ってきた経験をもとに人生相談に答えるという動画も出しています。 例えば「愛とお金はどちらが大事か」という質問に対しては「1にお金で2にお金、3、4がなくて5にお金。愛なんか1日で醒めるで」と茶目っ気たっぷりに回答していました。 「メタばあちゃん」の動画を見た視聴者からも「長生きしている人からのアドバイスは参考になる」「広島弁が落ち着く」など反響が寄せられています。 「メタばあちゃん」プロジェクトを企画したOTAGROUPは「後期高齢者のバーチャルアイドルグループが、挑戦は何歳からでも遅くないことを証明していく」としています。
2022/12/12
東京都は、新型コロナ対策の一環として、重症化リスクが高い高齢者を対象とした臨時医療施設を新たに4ヵ所設置することを明らかにしました。 今年の夏に流行した第7波では、基礎疾患のある高齢者が重症化するケースが増加したため、第8波ではそれを未然に防ぐねらいがあります。 臨時医療施設を新たに開設 東京都は、新たに4ヵ所の臨時医療施設を12月1日から運用開始しました。 小池都知事は、その中の1つである青山の医療施設を訪れました。元々、青山の施設は、軽症から中等症の人に酸素を投与する酸素ステーションとして運用されていましたが、より高度な医療を必要とする高齢者にも対応できるように機能を転換したそうです。 この青山の医療施設について、小池都知事は、「オミクロン株の感染が拡大している中、介護度が高い高齢者の受け入れをどうするかが大きな課題だ。変異株の特徴に合わせて、この施設も機能を変えた」と言及しました。 すでに、東京都は3ヵ所の新型コロナに対応するための医療施設を設置しており、今回開設した4ヵ所の医療施設を合わせて計7ヵ所で第8波に備える構えです。 これらの医療施設では、要介護度5の人にも対応。治療に加え復帰するためのリハビリなどもおこなえます。 小池都知事は、「変異株の特徴に合わせて臨機応変に対応し、都民の皆さんを守っていきたい」としています。 個人でもできる第8波への備え 今年の冬は、新型コロナとインフルエンザが同時に流行することが予想されており、今からしっかりと対策をとる必要があります。 例えば、大田区は以下の3点を事前に備蓄しておくように呼びかけています。 新型コロナの抗原検査キット 市販の解熱鎮痛剤 食料1週間分 新型コロナの検査キットは、さまざまな種類が販売されていますが、大田区では「体外診断用医薬品」か「第1類医薬品」の表示があるものを奨励しています。 ほかにも、効率的に水分を摂取できるOS-1(経口補水液)なども備蓄しておくと良さそうです。 第8波への備えを万全にして、今年の冬を迎えましょう。
2022/12/06
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。