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Q&A

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認知症の母親が物をなくして探し物ばかりしています。自分で隠しているようですが、どう対応すれば良いですか?

同居している母の認知症が進んできたみたいで、毎日のように「物がなくなった」と騒いで探しものの手伝いをさせられています。先日は、母が通帳がなくなったと言うので再発行したら、その2~3日後にタンスの奥から出てきました。しかも、通帳がなくなったことに対して「泥棒に盗られた」と言いだす始末…。 「自分でしまったんでしょ」と言っても耳を貸しません。こんな母に振り回されてうんざりしています。どうしたら良いでしょうか? (松村さん・主婦・54歳) 探しものに毎日付き合うのは大変ですよね…。ただ、お母様の言葉や行動を否定するのはNGなんです。認知症の方は直近の出来事が記憶から抜けてしまいますから、「自分でしまったんでしょ」と言っても全く思い出せません。なので、「物がなくなった」とお母様が言うときにはタンスや押入れの奥など、お母様が物をしまい込む”定番の場所”をお母様が探して自分で見つけるように誘導してみましょう。そして、お母様が物を発見したら、「見つかって良かったね」とポジティブな声掛けをしてくださいね。 認知症の親が物をなくす…対策はある? 母は1年ほど前に認知症であることがわかりました。ただ、このところ症状が進行してきたみたいで、毎日のように物をなくしては探しものをしています。先日なんて、「泥棒に盗られた」と言っていた通帳を再発行したら、その2~3日後にタンスの奥から出てきたんですよ!こんな風にいつも母に振り回されていて、いい加減、疲れました…。「自分でしまい込んでるんでしょ」と言っても聞く耳を持たないし。母の探しものを減らすためにはどうしたら良いでしょうか? 毎日のように探しものの手伝いをするのは大変ですよね…。ただ、認知症の方の言葉や行動を否定するのは、より症状が悪化してしまうことがあるのでNG。「泥棒に盗られた」という言葉に、「自分でしまったんでしょ」「忙しいから一人で探して」などと返答すると、ストレスを感じてしまうこともあります。 えぇ!?「自分でしまったんでしょ」と言ってはダメなんですか?実際に、通帳は泥棒に盗られたわけではなかったですし。もっとちゃんと探していれば、通帳を再発行する必要はなかったんですよ? 事実としてはそうかもしれませんが、お母様は認知症の影響で自分で通帳をタンスにしまった記憶がすっぽり抜けてしまっています。松村さんも、記憶が全くないことを「自分でしたんでしょ」と言われても理解ができずに混乱してしまいますよね。それに、否定されたことで認知症の方がストレスを感じて、それが原因で症状が悪化してしまう可能性も…。なので、まずはお母様の言葉を否定せずに話を聞くことが大切です。 否定をしないって難しいです。どうしたら良いんですか? まずは、「物がなくなったんだね」と否定をせずに受け止めましょう。否定をしないだけでも、お母様はいつもより穏やかな反応をすると思いますよ。それでも落ち着かない様子であれば、一緒に家の中を探してください。通帳がタンスの奥から出てきたように、大切なものほど思いもよらないところから出てくることが多いです。 毎日、一緒に探しものをしていますが、「お母さんが自分でしまったんじゃないの」と言いながらしていました。その度に母は「違う、泥棒に入られたの!」と言い返してくるので、口論になっていました。探しものを一緒にするのは同じでも、声掛けが違うだけで母の態度は違うんですね。 そうなんですよ。ただ、探しものをしているときに注意が必要なのが、できるだけお母様自身の手で見つけられるようにすること。というのも、松村さんが探しものを見つけると松村さんが隠した犯人にされてしまうこともあるんです。 えっ?私、母の物を隠したりしないですよ! はい。でもお母様は自分でその場所に隠したことはすっかり忘れています。なので、「隠し場所を知っている人=隠した犯人」ということになってしまうんです。そのため、お母様自身がなくしものを見つけられるように、「私はあっち探すから、お母さんはそっちを探して」などとそれとなく誘導しましょう。はじめのうちはどこに物を隠しているのかわからないと思いますが、認知症の方は隠す”定番”の場所があることが多いです。慣れてきたら定番の場所をお母様が探すように誘導すると良いでしょう。 なるほど。探しものをするのにもコツがいるんですね…。 加えて、物が見つかったときに「やっぱり自分でしまったんでしょ」といったネガティブな声掛けをするのもNG。「見つかって良かったね」とポジティブな声掛けを心がけてください。 うーん…。忙しいとどうにもイライラしてしまって、ポジティブに声掛けできる気がしません…。 確かにそうですよね…。どうしてもイライラしてしまうときは、一時的に別の部屋に行ったり外出したり、とりあえずその場から離れましょう。忙しかったり疲れているときにいらだってしまうのはしょうがないことですから、長く介護を続けていくためにも溜め込まずに適度にガス抜きしていきましょう。 精神的な負担を減らす方法 介護における精神的負担は、ときとして身体的負担以上に深刻なものとなります。介護者の精神的負担が増えれば、介護どころか介護者自身が普通に生活を送ることすら難しくなることもあります。精神的な負担を減らすために、以下の方法を試してみましょう。 介護について話を聞いてもらう少しでも自分の時間を持つストレス発散に運動を取り入れてみる介護家族の会に参加する介護施設への入居検討をする 認知症の親が物をなくす理由は? 上手くできるかわかりませんが、母が物をなくしたときの対応方法についてはよくわかりました。でも、なんで母はこんなにも物をなくすことが増えたんでしょうか? 認知症の症状のひとつである、「記憶障害」が進行していることが考えられます。先ほどもお話しした通り、記憶障害によってしまったことをすっかり忘れているんですね。認知症の記憶障害は、「どこにしまったか忘れる」ではなくて「しまったこと自体を忘れる」のが特徴なんです。 記憶障害とは 認知症の中でも、最もわかりやすいのが記憶障害です。 記憶障害はもの忘れとよく混同されますが、記憶障害ともの忘れは根本的に異なります。もの忘れは「何かを忘れている」ことは理解できますが、記憶障害になると、忘れているという記憶すらなくなるのです。 例えば、普通のもの忘れであれば会う約束の時間をうっかり忘れてしまっても、指摘されると思い出すことができます。しかし、記憶障害になると約束したこと自体もすっぽりと記憶からなくなってしまうのです。 例)失われやすい短期記憶 数時間前に会った人の名前 何を買うために外出したか 何を話そうとして電話したか 例)保たれやすい長期記憶 子供の時の思い出 昔の楽しかった出来事 思い出の旅行 だから、「自分でしまったんでしょ」と言ってもわからないんですね。 おっしゃる通りです。それに認知症になると、注意力も低下します。そのため、無意識に物を置いてしまい、置いたこと自体も忘れてしまうんです。さらに、認知症の影響で物の整理が苦手になります。部屋が散らかって余計に探しものが増える原因になってしまいます。 そういえば、母はきれい好きだったのに最近は部屋がごちゃついています。どこに何があるかわからない状態なんです。それも認知症のせいだったんだ…。 そうなんです。はじめにお伝えしたように、「物がなくなった」と言われてもお母様の言葉を否定するのはNGです。否定をせずに受け止めることは大変かもしれませんが、認知症の進行を抑えるためにも試してみてください。 なくしものをしたときに、怒ったり否定するのはNG 本人が自分でみつけられるように、一緒に探してみて 認知症によって記憶障害が起こったり注意力が低下することでなくしものが増える pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/02/21

認知症対策 認知症介護 デイサービス

認知症の父親がデイサービスに行きたがらないのはどうしたら良いですか?

認知症の父が一人で入浴できなくなってしまったので、デイサービスを利用し始めました。でも、「今日は行かない」とデイサービスに行くのを嫌がります。 デイサービスに行かないと、日中は家に父一人になってしまい、トイレを汚したりと大変なんです。いくら説得しても聞く耳を持たなくて、この数週間、デイサービスを毎回キャンセルしています。 父がデイサービスに行ってくれる、良い方法はないでしょうか? (大島さん・会社員・59歳) まずは、お父様がデイサービスに行きたがらない理由を探ってみましょう。もしかしたら、デイサービスで相性の良くない人がいるのかもしれませんし、慣れない環境で気を使うのがストレスになっているのかもしれません。そこで、まずは短時間から利用するのはどうでしょうか?デイサービスは短い時間から利用することも可能ですから、慣れるまでは短時間の利用ができるように施設に相談してみましょう。 デイサービスに行きたがらない理由は 同居している父が一人でお風呂に入るのが難しくなってしまったので、1ヵ月ほど前からデイサービスを利用し始めました。でも、デイサービスの日の朝になると「今日は行かない」と言ってデイサービスを嫌がるんです。なので、このところは毎回、キャンセルしています。家族がお風呂の手伝いをするのを嫌がりますし、認知症が進行しているので、できるだけ日中は家で一人にさせたくないんです。どうしたら父がデイサービスに行ってくれるようになるでしょうか? うーん…。お父様はどうしてデイサービスに行きたくないんでしょうか? それがはっきりと理由を言わないのでわからなくて…。 お父様に当てはまるかはわかりませんが、一般的には以下のような理由でデイサービスに行きたがらないケースが多いです。思い当たるものはありますか? 出かけるのが面倒 慣れない環境で不安 知らない人の世話になりたくない 相性の悪い人がいる デイサービスが合わない 「出かけるのが面倒」というのが当てはまっている気がします。たぶん、父は家から出るのが億劫なんだと思います。もともと出かけるのが好きな人ではありませんし…。 なるほど…。そういうこともあるかもしれません。デイサービスに行くには、朝食を食べて、身支度をして、荷物の準備をして…。とお迎えの時間までに出かける準備をしなければいけませんよね。認知症になると「実行機能障害」が現れて、計画を立てて効率良く行動することが難しくなります。そのため、お迎えまでに準備をするのが以前よりも大変になっているので、デイサービスを嫌がっている可能性はありますね。 そんなこともあるんですね!確かに、たまに朝の準備にまごついていることがある気がします。 それに、まだ利用し始めたばかりでデイサービスに慣れていないことも原因かもしれません。認知症の人は、新しい物事を覚えるのがとても苦手です。なので、新しい環境に慣れたり、新しい人の顔を覚える負担が大きいんですね。そのため、まだ慣れていないデイサービスに行くのは負担が大きくて嫌がっていることも考えられます。 最初の何回か行ったきり全然デイサービスに通えていないので、ほとんど慣れていないと思います。 また、ご高齢者の中には「知らない人の世話になりたくない」と考えて、介護サービスを拒否する人もいます。子供の頃から「他人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育てられた人も多く、介護サービスを利用することが「他人に迷惑をかけている」と感じてしまうんですね。 あぁ、うちの父もそういうところがあるかもしれません。「一人でできる!」と言って、私の手伝いも嫌がることがありますから。「誰かの世話になりたくない」と考えているかもしれませんね。 そういうことがあったんですね。介護の拒否をされるのは大変ですよね…。最後の2つはデイサービスでのお父様の様子を確認してみないとわかりませんが…。もし、「相性の悪い人がいる」「デイサービスが合わない」と感じたら、デイサービスに相談してみたりデイサービスを変更してみるものありですよ。 デイサービスを嫌がるときの対応方法 北野室長が言っていたデイサービスに行きたがらない理由にいくつか思い当たるものがありました。でも、どうしたら父はデイサービスに行く気になるんでしょう?父はデイサービスに行きたくなくていつになっても出かける準備をしないし、「今日はデイサービスの日だから早く準備して!」と毎回のように父とケンカになるので、いい加減、疲れました…。 うーん、言いにくいのですが…。実は、「早くして」と急かしたり叱るのは逆効果になる事が多いんです。 えぇ!?そうなんですか?どうしてですか? 先ほどもお話ししたように、お父様は認知症の影響で効率よく支度を進めるのが苦手になっている可能性があります。デイサービスに行きたくなくて出かける準備をしないのではなく、何をしたら良いかわからずに混乱して支度に取りかかれていないのかもしれないんです。なので、混乱している状況で急かされると余計に混乱してしまうこともあります。 でも、私が「早くして」というと「今、準備しているだろ!」と怒鳴り返されるんですよ。混乱しているようには見えません。 もしかしたら、支度ができなくなっていることを知られたくなくて、怒鳴ることで自分の変化を隠しているのかもしれません。認知症が進行していることを自分自身で感じていると、できないことが増えていく不安や焦りを常に感じていることが多いので、ちょっとしたことでも怒って自分を守ろうとするんですね。 そうだったんですね…。 ですので、以下のように対応してみてください。お父様の体調によって効果があるときとないときがあると思うので、1つの方法に限らずにいくつかの方法を試すことをおすすめします。 本人の意思を尊重する デイサービスに行きたがる理由をつくる 家族が同行する 短時間から利用する 最初の「本人の意思を尊重する」ってどういうことですか?あいまいでよくわからないのですが…。 例えば、朝の支度のときに着ていく服をお父様に選んでもらう、デイサービスに行くかどうかをあえてお父様に決めてもらう、というのはどうでしょうか? 父が自分でデイサービスに行くかどうか判断したら、毎回「行かない」って言いますよ! はじめのうちはそうかもしれません。でも、無理やりデイサービスに行かせようとしたり急かしたりすることを一切止めて、「今日はデイサービス行くか行かないか、どっちにする?」とお父様に判断してもらうんです。もしかしたら「自分の意思が尊重されている」と感じられれば、自然と自分から「デイサービスに行きたい」と言うようになるかもしれません。 そうなのかな…。ちょっと想像できませんけど…。 確かに、すぐには効果は出ないかもしれませんが根気強く続けることも大切です。あとは、デイサービスに行きたくなるような理由を作ることも効果があるかもしれません。例えば、デイサービスの利用者としてではなく、デイサービスにお手伝いをしに行ってもらうのはどうでしょうか。お父様の得意なことを生かして、デイサービスで「習字の先生」「歌の先生」などをしてもらうんです。「誰かの役に立っている」と感じることは、生きがいにつながります。デイサービスの人と協力して、「ボランティアとして来てほしい」とスタッフさんに言ってもらうのもひとつの手ですよ。 ボランティアとして、ですか…。あ、そういえば、父は囲碁が好きなので、それなら教えられるかもしれません。「デイサービスで囲碁の先生をしてきてほしい」と伝えれば良いんですよね。デイサービスに相談してみます! 良いですね!他のご利用者との交流のきっかけにもなりそうですね。 その次に書いてある、デイサービスに「家族が同行する」って可能なんですか?初めて知りました。 はい。デイサービスには送迎サービスが含まれていますが、実はご家族が送迎するのもOKなんです。慣れるまではご家族が送迎すると、お父様もリラックスしてデイサービスに通えるんじゃないでしょうか。 私が送迎する時間が作れるかわかりませんが…。仕事の調整ができそうだったらしばらくの間は送迎しても良いかも。 また、お父様が慣れるまでは短時間でのデイサービスの利用も検討してみてください。これまでほとんど外出をしていなかった人だと、いきなり朝から夕方までデイサービスに行っているのは疲れてしまいますよね。なので、まずは3時間などの短い時間でデイサービスを利用してみて、慣れてきたら利用時間を夕方までにのばしていくのもおすすめですよ。お父様の状態や体調によっても効果のある方法は異なります。いろんな方法を試してみてくださいね。 まずは、デイサービスに行きたがらない理由を理解しよう デイサービスを嫌がるからといって叱ったり急かしたりするのはNG デイサービスでの役割を作る、短時間から利用するなどの対応をしてみて pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2023/02/20

施設入居 認知症介護 介護の基礎知識 サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅の「特定施設」とは何ですか?普通のサ高住と何が違いますか?

認知症の父を自宅で介護することが難しくなってきました。なので、施設探しを始めたところ、ネットで「特定施設」と記載のあるサービス付き高齢者向け住宅を見つけました。「特定施設」の記載のないサービス付き高齢者向け住宅もあるようですが、何が違うんでしょうか? (堀さん・会社員・62歳) 特定施設ではない一般型のサ高住では、介護サービスを提供していません。なので、介護サービスを利用したいときは別途、外部の介護事業者との契約が必要です。対して特定施設のサ高住は、施設が介護サービスを提供します。しかも、介護サービス費は介護度に応じた定額制になっています。つまり、 サ高住の中でも介護体制が充実しているのが特定施設と言えます。 サービス付き高齢者向け住宅の「特定施設」とは? つい先日、父が自宅で転倒してから脚が痛むのか歩くのを嫌がるようになりました。すると、どんどん身体が衰えて介護の負担がとても大きくなってしまって。私も仕事があるので自宅で介護するのは限界です。なので、介護施設を探し始めたところ、サービス付き高齢者向け住宅に「特定施設」と記載があるものとないものがあると知りました。この「特定施設」の記載の有無は何が違うんですか? 「特定施設」という表記のないサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、いわゆる”「一般型」のサ高住”と”特定施設のサ高住”には、いくつか違いがあります。順番にお話ししていきますね。 サ高住の「特定施設」とは まず、「特定施設」は正式には「特定施設入居者生活介護」と呼ばれ、介護職員の人員基準などの複数の条件を満たした施設だけが都道府県の指定を受けられます。つまり、特定施設の指定を受けている施設はそうでない施設に比べて充実した介護体制が整っているというわけですね。 なるほど。一般型のサ高住は、介護体制は整っていないんですか? 施設によって異なりますが…。基本的には重度の介護度の方にはサ高住はおすすめできません。というのも、一般型のサ高住に入居して介護サービスを利用するときには、別途、外部の介護事業者と契約が必要。施設の介護職員が介護サービスを提供してくれる訳ではないんですね。さらに、特定施設の介護サービス費が介護度に応じた定額制であるのに対して、一般型は利用した分だけ発生します。つまり、常に介護が必要な人は、介護サービス費が高額になってしまうことがあるんです。 えっ!そうなんですか!費用が高いのは困ります。 また、一般型のサ高住の中には夜間に職員がいなくなるところもあります。万が一のときに知らせられるように緊急ボタンを居室に設置している施設もありますが…。このボタンを押すと介護職員さんではなく、警備員さんが駆けつけます。介護のためではなく緊急時対応のためのボタンですので、一般型のサ高住は「トイレに行きたいから手伝って」と気軽に頼める環境ではないことはイメージできるかと思います。 そういう状況なんですね…。父はトイレに付き添いが必要な状態ですから、一般型では難しそうです。 頻繁に介助が必要な状況でしたら、やはり特定施設の方が合っているかもしれません。というのも、サ高住でも特定施設であればケアマネージャーさんが常駐しており、一人ひとりに合わせたケアプランを作成してくれます。それに基づいて食事や排泄などの介助をおこないますので、頻繁に介助が必要な場合でも安心なんです。 サ高住以外にも特定施設はある! ちなみに、「特定施設」の指定を受けられる介護施設はサ高住だけではありません。サ高住も含めて、以下の4種類の介護施設が条件を満たせば、特定施設の指定を受けられます。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 ケアハウス(軽費老人ホーム) 養護老人ホーム へぇ、特定施設ってサ高住だけの話ではないんですね。そういえば、特定施設の指定を受けるための条件ってどんなものなんですか? 厳しい条件がたくさんあるので、全てはお伝えできませんが…。例えば、職員さんの人員配置についてであれば、以下のような条件があります。 入居者:介護・看護職員 =3:1 看護師1名以上 ケアマネジャー1名以上 こうした人員配置基準など、たくさんの条件を満たしていないと特定施設にはなれません。つまり、特定施設はそれだけ介護や看護の体制が整っていると言えますね。 一般型と特定施設のどちらを選ぶ? やはり、特定施設の方が介護体制が整っていますし、特定施設を選ぶのが良いですよね? うーん、一概にそうとも言えません。それぞれに特徴がありますからね。一般型と特定施設を比較して選んでみることも大切です。なので、一般型のサ高住と特定施設のサ高住を比べるために、それぞれの特徴をまとめてみました。「介護体制が充実しているから」と、特定施設だけに限定してしまうのではなく、どちらがお父様に合うのかに注目して比較してみてください。 一般型のサ高住 生活の自由度が高い 居室にキッチン、浴室がついていることも 共用施設が充実している 特定施設のサ高住 職員体制が手厚い 介護サービス費は定額制 認知症、重介護度の人も対応可能 一番上にある一般型のサ高住の「生活の自由度が高い」とはどういう意味ですか? もともと、サ高住というのは自立して生活できるご高齢者向けの住宅なんです。”「安否確認」「生活相談」といった見守りサービスが付いた賃貸住宅”という位置付けなんですね。なので、一般型のサ高住では外出が自由にできますし、外食や自炊することにも制限がないことがほとんどです。対して、特定施設のサ高住は介護が手厚い反面、行動に制限がかかることがあります。認知症の人も入居しているので、安全のために建物の玄関に施錠がされている場合もありますし、居室にお風呂がないことが多いので自分の好きなタイミングで入浴するのは難しいでしょう。 そうなんですね!確かに、認知症の人が一人で外出してしまって帰れなくなったら危険ですもんね…。 つまり、介護の必要がなかったり介護が必要な量が少ない場合は、一般型のサ高住の方が自由な生活ができるのでおすすめです。もし、定期的に介護が必要な状況、例えば「トイレに見守りや介助が必要」といった場合は、特定施設の指定を受けたサ高住の方が安心した生活を送れるでしょう。 なるほど…。となると、父はトイレに付き添いや介助が必要なので、特定施設の方が安心かもしれません。 一般型、特定施設のどちらのサ高住もメリットとデメリットがあります。入居する方の身体状況や希望する生活スタイルに合わせて選択してくださいね。 サ高住の特定施設には、常に介護できる体制が整っている 介護量が少ないなら一般型、介護量が多いなら特定施設のサ高住がおすすめ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/02/20

在宅介護 認知症介護

認知症の母親が同じ話を繰り返してイライラ…。つい「うるさい!」と怒鳴ってしまいます

認知症の母が何度も同じ話を繰り返すので困っています。しょっちゅう「今、何時?」と聞いてきますし、母の若い頃の話を何度も何度も繰り返すんです。数え切れないくらい聞いている話なので、段々とイライラしてきて「うるさい!前にも聞いたよ」と怒鳴ってしまいました。 「認知症だからしょうがない」とは思っているのですが、忙しいときに話をされるといらだってしまって…。同じ話を繰り返すときにはどう対応したら良いんでしょうか? (荒井さん・パート・64歳) 介護や仕事、家事などで忙しいとついイライラしてしまいますよね…。ただ、認知症の人の言葉を否定してしまうのはNGなんです。同じ話を繰り返すときは言葉をオウム返ししたり、はじめに質問されたときと同じように答えることが効果的です。また、繰り返す話の中にご本人の不安や不満が隠されているときがあります。なので、その不安や不満を解決することで同じ話を繰り返すことが減るかもしれませんよ。 認知症の人が同じ話を繰り返すときはどうしたら良い? 認知症の母が何度も同じ話を繰り返すので困っています。「今、何時?」「今日は何月何日?」と質問されるのはしょっちゅうのことですし、亡くなった父との思い出話も何十回と聞かされました。なので、ついイライラしてしまって「うるさい!」「さっき答えたでしょ」と言い返してしまい、毎日のように口論になります。でも、いい加減、母の話に対応するのに疲れました…。同じ話をされたときの良い対応法ってあるんでしょうか? 介護や仕事が忙しいとイライラしてしまいますよね…。ただ、認知症の人との接し方として、「さっき答えたでしょ」や「同じ話を何度も聞いたよ」と相手の言葉を否定するのはNGなんです。 えっ?なんでですか? 認知症の人の多くは、自分でできることが減っていることで不安を感じています。なのに、そのうえ自分の考えを否定されてしまうと、さらに不安が強くなってしまうんです。認知症の人の中には、不安から自分を守るために大声で怒鳴り返したり、常に怒っている人もいます。また、自分の言葉を否定されるので心を閉ざしてしまい、信頼関係が壊れることもあるでしょう。さらに、強い不安によるストレスから認知症が進行してしまう可能性まであるんです。 そうなんですか!?そういえば、最近、母の認知症が悪化しているような気がします…。 ですので、認知症の人には適切な対応をすることが大切です。例えば、お母様が同じ話をしたときに以下のような対応をしてみるのはどうでしょうか? 初めて尋ねられたときと同じように答える オウム返しをする 意識をそらす やっぱり、「初めて尋ねられたときと同じように答える」のが適切な対応なんですね。イライラしてしまうので、これまでできていなかったです…。 忙しいとなかなか難しいですよね…。認知症の人は数時間前の出来事でも忘れてしまうことがあります。なので、ちょっと前に会話したことも忘れてしまうんですね。お母様のケースだと、「今日は何月何日?」と聞いたことを忘れてしまっているのかもしれません。ですので、「今日は◯月◯日だよ」と、最初に答えたのと同じように答えることを意識してみましょう。 簡単なことなんですけど、心に余裕がないと難しそう。できるだけ、心がけてみます。 もっと気軽にできるのが、”オウム返し”をすることかもしれません。例えば、「昔、お父さんと映画に出かけたんだよ」と何度も話すのであれば、「お父さんと映画に出かけたんだね」とオウム返しをするんです。言葉を繰り返すだけですが、「私の話をちゃんと聞いてくれている」と安心できるので、お母様の不安感も和らぐと思いますよ。 オウム返しですか…。それだけなら、まだやりやすいかも。 最後の「意識をそらす」はちょっと工夫が必要なので、余裕があるときに試してみてください。具体的には、「今日は何月何日?」と聞かれたら、「今日は◯月◯日だよ。もうすぐ冬至だけど、昔はどんなことをしていたの?」などと違う話題を振ってみるんです。すると、「今日の日付がわからない」という不安から意識をそらせるので、楽しく思い出話ができるかもしれません。 なるほど!そういう手があったんですね。全く思いつきませんでした。 イライラを減らすには? どうしても同じ話をされるとイライラしてしまうんですよね。イライラしないための方法はありませんか? そうですね…。先ほどお話しした対応法ができるのが理想的ですが、気持ちや時間に余裕がないと適切な対応をしようとすること自体にもイライラしてしまいますよね。そこでイライラを軽減するために、毎回お母様の話を真剣に受け止めるのではなく、たまには受け流しても良いと私は思います。 えっ?受け流して良いんですか? ええ。毎回しっかりと話を聞いていると荒井さんが疲れてしまいますよね。なので、「そうなんだね」などの軽いリアクションだけのときもあって良いと思います。ただ、そっぽを向いて軽いリアクションをしてしまうと、自分がないがしろにされているようにお母様が感じてしまう可能性があります。なので、顔をお母様の方に向けてリアクションしてくださいね。 認知症の人が同じ話を繰り返す原因は? 母が同じ話をするのは、おそらく認知症が原因なんですよね?なんで認知症になると同じ話を繰り返すようになるんでしょうか? いくつか理由があります。その中でも「記憶障害」「見当識障害」が主な理由だと考えられます。まず、記憶障害とは記憶がなくなることや記憶ができなくなることです。特に、認知症の人は直近の出来事をその出来事があったこと自体も忘れてしまうことが特徴。具体的には、食事の内容だけでなく食事をしたこと自体を忘れてしまうのが認知症の記憶障害なんです。 記憶障害とは 記憶障害はもの忘れとよく混同されますが、記憶障害ともの忘れは根本的に異なります。もの忘れは「何かを忘れている」ことは理解できますが、記憶障害になると、忘れているという記憶すらなくなるのです。 例えば、普通のもの忘れであれば会う約束の時間をうっかり忘れてしまっても、指摘されると思い出すことができます。しかし、記憶障害になると約束したこと自体もすっぽりと記憶からなくなってしまうのです。 例)失われやすい短期記憶 数時間前に会った人の名前 何を買うために外出したか 何を話そうとして電話したか 例)保たれやすい長期記憶 子供の時の思い出 昔の楽しかった出来事 思い出の旅行 手続き記憶 認知症になると大脳が損傷されて記憶障害が起きますが、運動機能の調節を司る小脳に影響はありません。認知症でも身体機能を正常に動かすことができれば、昔からおこなってきた動作を忘れることはありません。 すぐにできなくても、きっかけや少しの練習があればすぐに思い出すことができます。このような記憶を「手続き記憶」と呼びます。自転車の乗り方や泳ぎ方など。身体で覚える記憶は、一度覚えていれば認知症でも忘れることはありません。 手続き記憶を呼び起こすことで、認知症の人の能力を引き出して自信をもたせることができます。 エピソード記憶 エピソード記憶は、個人が体験した今までの経験に基づくもので、時間と場所、そのときに一緒だった人や、そのときの感情の記憶です。 一般的な知識や常識などに関する意味記憶の反対にあるもので、極めて個人的な記憶なので、アルツハイマー型認知症になると比較的初期段階で忘れられやすくなります。 じゃあ、母は父との思い出話をしたこと自体を忘れてしまっているんですね。 おっしゃる通りです。話したことをすっかり忘れているので、「その話は何度も聞いたよ」と言われても理解ができないんですね。 それに、認知症の人は常に「何か大切なことを忘れているかもしれない」という不安を感じている人が多いんです。記憶障害が日常生活に悪影響を与えている場合、「大切なことを忘れて家族に迷惑をかけているかも」と感じていることもありえます。 なので、何度も同じことを質問して不安を解消しようとしていると考えられます。 なるほど…。 もう一つの見当識障害というのは何ですか? 見当識障害は、自分がいる場所や現在の時間がわからなくなることです。自宅が自分の家だとわからなくなったり、朝や夜の感覚もなくなります。 見当識障害とは 見当識障害とは、今、自分がいる時刻や日付、場所、周囲の環境などを総合的に判断する能力が失われる障害です。アルツハイマー型認知症になると、記憶障害に続いて見られる症状です。 見当識障害には「時間の見当識障害」「場所の見当識障害」「対人関係の見当識障害」の3つの種類があります。まず最初に症状としてあらわれるのが時間の見当識障害と場所の見当識障害です。症状が進行すると対人関係の見当識障害も目立つようになります。 時間の見当識障害 昼か夜かわからなくなる 今日が何月何日かわからなくなる 自分の年齢がわからなくなる 時間の見当識障害が起きると時間の感覚が失われていきます。日付や曜日の間違いはもの忘れの範囲ですが、症状が進行すると季節や朝昼夜の区別も難しくなります。 場所の見当識障害 自宅への戻り方がわからなくなる 家の中でトイレやお風呂の場所がわからなくなる 場所の見当識障害が起きると、今まで普通に通っていた場所やその道順があやふやになります。目的地の建物が認識できなかったり、どこで曲がるのかわからなくなって道に迷います。迷ったことで焦りやパニックを起こして、さらに遠くに行ってしまう危険もあります。 対人関係の見当識障害 自分の孫を自分の子供だと思い込む 家族のことを他人と認識する 自分の名前や過去を忘れてしまう 認知症の症状が進行して短期記憶だけではなく過去の記憶も失われ始めると、対人関係の見当識障害もあらわれるようになります。家族や近い友人もわからなくなって、自分と他者との関係性もあいまいになります。 だから、母は日付や時間を1日に何度も聞いてくるんですか? その可能性があります。それに、見当識障害によっても不安を感じることがあります。「今、自分がどこにいるか」「朝なのか夜なのか」がわからないと、誰しも不安に感じますよね。   そういう理由で、お母様は何度も日付や時間を確認しているのかもしれません。 母はたくさん不安を感じていたんですね…。 おそらく、そうだと思います。 何回も質問することや話を繰り返す内容が、お母様の不安や不満を表している可能性もあります。なので、その不安や不満を解消することで、同じ話を繰り返すことが減る可能性もありますよ。 そうなんですか? はい。例えば、お母様の目に付きやすい場所に時計やカレンダーを置いてみるのはどうでしょうか。 そうすれば、時間や日付がわからなくなったときでもすぐに自分で確認できますから、荒井さんに質問する回数が減るかもしれません。 なるほど!それは良いですね。家に帰ったらやってみます。 何度も同じ話を聞くとイライラしてしまいがちですが、それが不安の理由を知るきっかけになることもあります。余裕があるときだけでもお母様の話に耳を傾けてみてください。 認知症の人が同じ話を繰り返すときは、否定せずに耳を傾けよう ときには話を受け流してもOK。イライラを軽減しよう 記憶障害、見当識障害などによる不安が話を繰り返す原因に pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/02/02

認知症対策 在宅介護 認知症介護 レビー小体型認知症

認知症の父親が幻聴が聞こえているようです。どう対応したら良いですか?

認知症の父親が、ときおり誰かと話している様子があり、どうしたら良いかわかりません。それに私にも「夜になると知らない人の声が聞こえる」と相談してくることもあります。 これも認知症のせいでしょうか?どう対応したら良いか、教えてください。 (永田さん・パート・63歳) もしかしたら、認知症の症状のひとつである「幻聴」が現れているのかもしれません。幻聴が聞こえている様子があったら、お父様の言葉を否定するのはNG。まずは、安心できる声掛けをしてみましょう。具体的には、「知らない人は追い払っておいたよ」というような幻聴に寄り添う声掛けが良いでしょう。また、お父様のお話をよく聞いてみると、幻聴の原因となっている要因がわかるかもしれません。 認知症による幻聴にはどう対応する? 認知症の父親を自宅で介護しています。最近、誰かと会話しているような独り言を言うようになりました。それに、「夜になると、誰かに悪口を言われているのが聞こえる」と言うことも。もちろん、私にはそんな声は聞こえないですし、どうしたら良いかわかりません。 もしかして、お父様はレビー小体型認知症ですか? そうです。それが関係しているんですか? そうなんです。幻聴を含めた幻覚は、レビー小体型認知症の代表的な症状のひとつです。レビー小体型認知症は、脳内に「レビー小体」という物質が現れて神経細胞が破壊されることで発症する認知症。幻覚や、手足の震えなどを伴う「パーキンソン症状」が出るのが特徴です。 そうしたレビー小体型認知症の症状のひとつである幻覚は、現実にはない感覚を見たり聞いたりすること。「幻視」「幻聴」「幻味」「幻臭」など、視覚や聴覚以外でも幻の感覚を作り出してしまうんです。 幻聴の症状は 父の「誰かに悪口を言われている」というのが、レビー小体型認知症による幻聴かもしれないんですね。 そうです。他にも「知らない人の声が聞こえる」といった症状や、幻視も併発して亡くなったはずのご家族と会話するケースもあります。中でも、「悪口が聞こえる」のは幻聴の症状でも多く見られる症状ですね。 幻聴への対応法 幻聴が聞こえている様子の父に、どうやって対応したら良いでしょうか?「そんな声は聞こえないよ」と何度も言っているのに、父は「誰かが俺の悪口を言ってる!」と頑なになってしまって…。 どうしても、お父様にしか聞こえていない声なので否定したくなるのですが、お父様の言葉を否定するのはNGなんです。 えぇ!なんでですか? 幻聴は、周りの人には聞こえませんが、お父様にとっては確かに聞こえている声なんです。なので、それを否定してしまうと「わかってくれない」と不満に感じてしまいます。自分には確かに聞こえている声が「そんな声は聞こえないよ」と言われてしまうと、ストレスに感じてしまいますよね。ストレスが大きくなると、興奮して暴れてしまうこともあります。精神的ストレスは、認知症を進行させるきっかけのひとつでもありますから、お父様の言葉に寄り添って安心できる声掛けをしていきましょう。 「安心できる声掛け」って、具体的にはどんなものですか? 例えば、「誰かの声が聞こえる」と言われたら、「もういなくなったから大丈夫だよ」と答えてみてください。返答する前に「誰かいないか見てくるね」と、周囲を見回りに行くフリをしてみても良いでしょう。また、ご本人と一緒に確認しに行くのも効果があることがあります。お父様と一緒に部屋の外や家の周りを見回ってみて、誰もいないことを確認すると納得してくれるかもしれませんよ。 父の話に合わせるのが良いんですね。 そうなんです。また、同時にお父様の訴えによく耳を傾けてください。幻聴はストレスや不満が原因となっていることもあります。よく話を聞くことで、具体的な原因をつきとめるきっかけをつかめるかもしれませんよ。 話をよく聞く、ですか…。最近は忙しくて父と話をきちんとしていませんでした。 介護やお仕事があると、どうしても忙しくて時間や気持ちの余裕がなくなってしまいますよね。ちょっとした時間でも良いので、お父様と話をする時間を取ると症状が改善する可能性がありますよ。それと、騒音がない環境を整えるのもひとつの手。テレビやラジオなどの声が幻聴の引き金になっていることもありますので、静かな環境を整えてみてください。 幻聴以外にもこんな症状が出ることも レビー小体型認知症では、幻聴に似た症状が出ることもあります。その代表的なものが「幻視」「錯視」です。幻視は、実際にはない物が見えること。具体的には「庭に知らない人が立っている」「亡くなった家族が遊びに来る」といったケースがあります。 父が壁に向かって話しかけていることがあるのですが、それは幻視を見ているのでしょうか? その可能性はあります。実際にはいない人の姿が見え、声が聞こえているのかもしれません。また、錯視というのは、現実にあるものが別のものに見えているパターン。例えば、壁紙の模様が虫に見えたり、クッションが犬に見えることもあります。 そういうこともあるんですね…。 幻視や錯視についても、幻聴と同じように見えているものを否定しないでください。不安感やストレスを感じ認知症の症状が悪化してしまう可能性があります。なので、まずはお父様の言葉をよく聞くことが大切。お父様がどんなことに不安を感じているのかを知って、安心できる声掛けをしてくださいね。 幻聴はレビー小体型認知症が原因になることが多い 認知症による幻聴に対して否定はNG。安心できる声掛けを 他にも幻視や錯視などの症状が出ることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/01/18

認知症対策 施設入居 認知症介護 グループホーム

グループホームではプライバシーが確保されていますか?入居したらどんな生活を送るのかも知りたいです。

認知症の母を介護施設に入居させようか迷っています。自宅の近くにあるのでグループホームに興味があるのですが、グループホームではプライバシーが確保されているのでしょうか? 母は他人と共同生活をしたことがないので、自分だけの空間がないと入居を拒否するかもしれません。自分だけの空間があると良いのですが…。 (大谷さん・パート・60歳) グループホームでは、ご入居の居室は基本的に一人部屋。つまり、プライバシーにも配慮された造りになっています。一方で、ご入居者同士や介護職員さんとのコミュニケーションも重視。共有部のリビングに行けば、他のご入居者や介護職員さんとおしゃべりも可能です。ご入居者お一人おひとりのプライバシーと、コミュニケーションの両立をしているわけですね。 グループホームでプライバシーを確保できる?どんな生活をするの? 認知症の母を介護施設に入居させるか悩んでいます。というのも、3年前に認知症を発症して以来、症状が進行しており、今では数時間前に話したことも忘れてしまうほどです。そういうこともあり、自宅の近くにあるグループホームへの入居を検討しています。ただ、グループホームではプライバシーは確保されているか気になっています。外から見る限り小さな建物だったので、自分だけのプライベートな空間はないのかな、と思いまして…。 いえ、グループホームは基本的にお一人部屋です。なので、プライベートな空間が確保されていますよ。 そうなんですね!母は、これまで誰かと共同生活をしたことがないので、自分だけの空間がないと嫌がるかなと思っていたのでよかったです。ちなみに、グループホームでは他の入居者さんや介護職員さんとおしゃべりしたりする機会ってありますか? はい、ありますよ!多くのグループホームでは、居室とは別にリビングなどの共有スペースを設けています。そのため、共有スペースに行けば他のご入居者や介護職員さんと交流できるような作りになっています。それに、掃除や料理、洗濯などの家事はご入居者と介護職員さんが協力しておこなうので、自然とコミュニケーションを取れるのもグループホームの特徴です。 それはよかった!最近は、母は家から出る機会がほとんどなくなり、コミュニケーションを取るのは家族だけだったんです。そのため、他の入居者さんと交流できるような施設を希望していたので、ぴったりな気がします。 グループホームでの生活は… グループホームではどんな生活を送るのでしょうか?認知症の人がたくさん入居しているというのは、聞いたことがあるのですが…。 そうなんです。グループホームは、認知症の方、限定の施設。認知症の方が思い思いの生活を送っていますよ。例えば、グループホームでは起床時間や就寝時間が定められていないことが多いです。他の介護施設では、朝になると介護職員さんが声掛けをしたり着替えの手伝いをするので、決められた時間に起きないといけないことがあります。一方でグループホームでは、起床・就寝時間が決められていないので、タイミングはご本人次第。朝はゆっくり派の人も、ご自分の生活スタイルを崩さずに生活できるんです。 へー!そうなんですね。介護施設は、みんな1日のスケジュールが決められているのかと思っていました。 認知症の方は変化に敏感なので、なるべくご自分のタイミングを崩さずに生活できるように配慮されているんですね。また、グループホームではユニットごとに生活をしており、1つのユニットは最大9名。少人数なのでアットホームな雰囲気です。それに、人数が少ないので他のご入居者や介護職員さんの顔を覚えやすいのも、認知症の方には暮らしやすいポイントなんです。 なんで、顔を覚えやすいのが暮らしやすいポイントなんですか? 認知症になると、新しいことを覚えるのが苦手になります。そこで大規模施設で生活すると、大人数が出入りするので認知症の人は周囲の人が覚えられず、毎日、見知らぬ人の中で暮らしているような感覚になり、不安を感じやすいんです。対して、グループホームの少人数体制なら、毎日、顔を合わせているうちに顔見知りになりますから、それが安心感につながっていくんです。 なるほど…。母も人の顔を覚えられなくなっているようなので、もしかしたら少人数の施設の方が良いのかも。 また、グループホームの特徴のひとつに、家事をできるだけご入居者自身でおこなう点があります。有料老人ホームなど、他の介護施設では家事などは介護職員さんがおこないますが、グループホームでは介護職員さんとご入居者が協力しておこなうんです。グループホームでは、できるだけご入居者の今ある力を残し、得意なことで活躍してもらうことを重視しています。なので、料理好きのご入居者には料理、きれい好きなご入居者には掃除、といった役割分担をしていることもありますよ。もちろん、介護職員さんが近くでサポートして、安全を確保したうえでご入居者が家事をしています。 母は料理が得意な人でしたが、最近はまったく作らなくなりました。介護職員さんがサポートしてくれるなら、ぜひまた作ってほしいですね。 グループホームのケアの特徴は グループホームについてあまり知りませんでしたが、北野室長の話を聞いておおまかに入居後の生活をイメージできました。 それはよかったです!グループホームは他の介護施設と異なり、認知症の方だけが入居できる施設です。認知症の方には特別なケアが必要ですが、グループホームの職員さんは認知症ケアを得意としているので安心して任せられるのも特徴なんです。 特別なケアというと、どんなケアをしているんですか? 例えば、認知症の症状を進行させないためのリハビリを大切にしています。そのひとつが生活リハビリ。食事を用意したり掃除をしたり、服を着替えたり…といった日常的な動作すべてがリハビリになると考えて、できるだけご自身の力で作業をしてもらっています。どうしてもご自宅で介護していると、時間がなかったり気持ちの余裕がなかったりで、お母様の作業に手を出さずに見守ることはできないかもしれません。でも、グループホームでは介護職員さんがご入居者自身の手を動かすのが重要なことを理解しているので、「できないことだけを手伝う」ケアを実施しています。 確かに、母は身支度に時間がかかるようになってしまって、全部、私が代わりにやってしまっていました。それは良くなかったんですね…。 お仕事や家事で忙しいと、余裕のある対応は難しいですよね。だからこそ、グループホームへの入居を検討していただきたいです。それに、認知症は適切な対応をすることで症状の進行が緩和することも。でも、認知症の症状に配慮した対応はご自宅では難しいので、グループホームで認知症ケアのプロに任せるのも良いのではないでしょうか。 居室は一人部屋でプライベートな空間を確保している 1ユニット9名で生活。少人数ならではの密な交流ができる 介護職員が認知症ケアを得意としている安心感がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/01/16

認知症対策 在宅介護 認知症介護

父親が認知症になってからプライドが高くなり、言うことを聞いてくれません。介護拒否があって困っています。

プライドの高い父、認知症になってからさらにプライドが高くなって困っています。認知症になってトイレを失敗することが増えたのに、私に手伝わせようとしません。手伝おうとすれば「1人でできる!」と怒鳴るんです。 1人ではできないのに介助を拒否するので、いつも言い合いになってとても疲れます。どうしたら良いでしょうか? (熊谷さん・パート・65歳) 認知症になると、判断力や抑制力が低下して感情をコントロールできなくなることがあります。そのため、以前は「プライドを傷つけられた」と感じないようなことでも、すぐに怒りを感じて怒鳴ってしまうのです。なので、プライドを傷つけない声掛けが重要。「1人ではできないから手伝うよ」といった言い方をしてしまうと、プライドを傷つけてしまうことがあるので要注意です。お父様ができることはなるべくご自身でやってもらい、できないところだけ手助けするなど、お父様が尊厳を保てるような介助を心がけてみてください。 プライドが高い認知症の人への対応は? 認知症の父が、プライドが高くて介護を拒否するのでとても困っています。特に困っているのがトイレ。最近、トイレを失敗することが増え、汚れた下着をタンスの奥に隠すようになりました。汚れた下着を後で片付けるのが大変なので、父がトイレに行くときに手伝おうとすると「1人でできる!」と怒鳴って拒否…。それが毎日のことなので私もイライラしてしまい、いつも言い合いになってしまうんです。認知症になって1人でできないことが増えているのに、プライドが高くてそれが認められないみたいで…。父が素直に私の介護を受けてくれるにはどうしたら良いでしょうか? それは大変ですよね…。野田さんの負担も大きいと思います。ちょっとした言い方で、認知症の人の介護は、スムーズにできるか・できないかが大きく変わります。中でも認知症の人のプライドを傷つけてしまうような言い方をすると、介護拒否につながることもあるんです。 「プライドを傷つけてしまうような言い方」ってどんな言い方ですか?そんな言い方はしていないと思うのですが…。 例えば、「1人ではできないから手伝うよ」といった声掛けをしてしまうと、プライドを傷つけてしまう可能性があります。ときには大声で怒ったり、介護拒否されてしまうことも…。 それ、言っちゃっているかも…。「お父さん、1人じゃできないでしょ」と言ったら、「手を出すな!」と拒否されたことがあります。あれもプライドを傷つける言い方だったんですね。 良かれと思っていることでも、言葉の選び方でプライドを傷つけてしまうことがあるんですよね…。また、介護に疲れて余裕がないと、「何回言ったらわかるの」「何をやってるの!」ときつい言い方になってしまうこともあるかもしれません。そういう声かけもプライドを傷つけることがあるので、避けた方が良いでしょう。 それもよく言ってしまっています…。では、どうすればプライドを傷つけないんでしょうか? 例えば、家庭の中で役割を持ってもらうのはどうでしょうか?今のお父様ができる範囲で良いので、家事の手伝いをしてもらうとプライドが保たれて関係も良好になるかもしれません。具体的には、「食後にお皿を下げる」「洗濯物をたたむ」といったこと。ちょっとしたことでも、役割があることで尊厳が保たれて生きがいのある暮らしを送れるようになります。 そんな簡単なことで良いんですね。 加えて、お父様が自発的にやろうとしたことを奪わないことも大切です。例えば、お父様が自分から部屋の片付けをしたり、庭の手入れをしようとしたとします。そのときに危険だからと頭ごなしにその仕事を奪うのはNG。プライドが傷つけられて反発し、言い合いの種になりかねません。 え!そうなんですね!このあいだ、父がハサミで庭の植木を手入れしようとするので、「余計なことはしないで!」と叱ってしまいました。父がハサミで怪我をして以来、刃物は持たせないようにしていたんです。やっぱりそのときも「自分の庭をいじるのが何が悪い!」と怒鳴って、勝手にハサミで植木を剪定していましたが…。 1人だと危険なこともあるので言い方が強くなってしまいますよね…。「今度、剪定の仕方を教えて」など、やわらかい言い方で止める方が良かったのかもしれませんね。あと、尊厳を守るためには「できないことだけ手伝う」ことも重要。どうしても介護が忙しいとすべて介助してしまいがちですが、そうするとプライドが傷つけてしまうことがあります。着替えの手伝いであれば「ボタンをかけるだけ」「入浴の介助では背中と頭を洗うのだけ」を手伝うといった最小限の介助を心がけることも大切です。 認知症になってプライドが高くなったのはなぜ? 父は認知症になる前からプライドが高い人だったんですが、認知症になってからさらにプライドが高くなったような気がします。認知症になるとプライドが高くなりますか? はい。認知症の影響でプライドが高くなることはあります。というのも、認知症によって判断力や抑制力が低下し、感情のコントロールが難しくなるから。以前はプライドが傷つけられても怒りを抑えられていたのが、認知症の影響で抑えられなくなっているんです。 そうだったんですね!認知症になったことを認められず、意固地になっているのかと思っていました。 そういう面もあるかもしれません。認知症になると自分でできないことが増えていきます。でも、誰しも「自分は何もできない」と思いたくはないですよね。お父様は、できないことが増えていく不安を感じているはずです。でも、それを認めたくなくて、汚れた下着を隠すなどの行為をしている可能性もあります。誰かに自分の失敗を見せるのは恥ずかしいものですからね。 父は認知症になって不安を感じているんですね。 きっとそうだと思います。でも、認知症になったからと言って、その人が持っているプライドが失われるわけではありません。なので、行動や言動を否定してしまうと、大きなストレスを感じてしまいます。ストレスは認知症の症状の悪化の原因のひとつですから、プライドを傷つけることで認知症が悪化する可能性も。となると、介護する人にとっても介護の負担が大きくなるので、介護する人・される人の双方にとって良くない状態になりかねません。認知症は発症したからといってすべて手伝ってしまうのではなく、お父様の尊厳を守りながら介護していけるのが理想ですよね。 認知症の人の言葉や行動を否定するのはNG 認知症になると判断力や抑制力が低下するのでプライドが高くなることがある プライドを傷つけることで認知症の症状が悪化してしまうことも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/01/11

認知症対策 施設入居 在宅介護 認知症介護

在宅介護でゆっくり眠れない…。母が夜中に起きるので、私も睡眠不足になって困っています。

認知症の母が夜に起きてくるので、ゆっくり眠れなくて困っています。母は家の中をうろうろしていたりして眠りません。 何かあったら困るので私も一緒に起きているため、常に睡眠不足です。でもいつ母が起きてくるかと思うと目が冴えてしまって眠れません。何か良い方法はないでしょうか? (熊谷さん・パート・65歳) それは大変な状況ですね…。日中の活動量が減っていることで寝付きが悪くなっている可能性があります。昼間に散歩や買い物などの外出する機会を増やしたり、趣味活動をするなど、活動をする時間を増やしましょう。それでも熊谷さんの睡眠時間が確保できない場合は、在宅介護を続けるのが厳しい状況と思われますので、在宅介護サービスの量を増やしたり施設に入居することを検討してみてください。 在宅介護で眠れない原因は… 在宅介護のために眠れなくて困っています。最近、認知症の母が夜中に起きて家の中をうろうろするようになり、万一のことがあるといけないので一緒に起きています。何度も「寝よう」と声をかけるのですが、眠れないようです。万が一のことが心配で私も一緒に起きているので、常に睡眠不足です。それに、母が起きてくるかも、と思ったら私も寝付きが悪くなってしまいました。どうして母は夜中に起きるようになってしまったんでしょうか? ご高齢者が眠れなくなる原因は、主に以下のようなものがあります。 夜間のトイレの回数が多い 日中の活動量が少ない 睡眠環境が整っていない ご高齢者の不眠の原因で多いのが”トイレ”です。トイレに行きたくて目が覚めてしまったり「失禁してしまうかも」と不安になることで眠れなくなるケースが増えるんです。歳を重ねると膀胱の働きが低下して尿を溜められる量が減ってしまうので、トイレの回数が増えることは珍しくありません。が、夜にトイレに何度も行くのは睡眠不足につながるので、困りものですよね…。 本当にそうなんです!うちの母も夜に何度もトイレに行くんですよ。でも、認知症の影響で1人ではトイレに行けないので、私がトイレまで連れて行って介助をしないといけません。夜中に何回も付き添わないといけないので、ゆっくり寝ていられなくて…。 それは大変ですね…。また、「日中にしっかり活動できているか」が夜の睡眠状況に影響を与えることがあります。夜の睡眠状況が悪い高齢者は、日中にうとうとしているケースが多くあります。そして、昼寝をしているために夜に眠くなくなってしまって、夜の睡眠状況が悪くなる…といった悪循環が起きているんです。認知症の影響で昼夜が逆転してしまったケースのご質問も過去にお答えしています。そちらもぜひ参考にしてみてください。 言われてみれば、このところテレビを見ながらうとうとしていることが増えたような気がします。それに「眠い」と言って、部屋からほとんど出ない日もありますし…。 そうなんですね。昼間にほとんど活動しないと、夜に眠気が来なくなります。特に部屋にこもりっぱなしだと、日の光を浴びないので体内時計が乱れますし、身体を動かさないので疲れませんよね。体力を使わない日が増えると寝付きも悪くなりますから、昼間の活動量は意外と大切なんです。 なるほど、そうだったんですね。その次の「睡眠環境が整っていない」とはどういうことですか? 睡眠に大きく影響するのが部屋の明るさ。寝るときに部屋が明るいのは、眠りの妨げになります。ちなみに、お母様は寝るときに照明をすべて消していますか? いえ、小さな明かりだけは付けています。部屋を真っ暗にすると、夜にトイレに行くときに足元が見えなくて危ないので。 できれば、寝るときは真っ暗にすることが理想です。小さな明かりでも眠りの妨げになってしまっている可能性があります。それと、温度や湿度も大切。特に認知症の人は、「寝苦しい」と感じていてもそれをうまく表現できないこともあります。なので、部屋の温度や湿度、寝具の厚さなどが眠りやすい状況になっているかどうか、定期的に確認してみてください。 在宅介護で眠れないときの対策は 母が眠れない理由について、なんとなくわかったような気がします。でも、どうしたら夜に寝てくれるんでしょうか?いつ母が起きてくるかわからないので、気が張ってしまって私もよく眠れないんです。ちょっとした物音で起きるようになってしまいましたし…。 よく眠れないのはつらいですね…。では、お母様が少しでも眠れるようにいくつか方法をお伝えしますね。夜間に眠れないときの対策には、次のようなものがあります。 夜のトイレの回数を減らす工夫をする 日中の活動量を増やす 睡眠環境を整える 夜間のトイレの回数を減らすには、「カフェインを避ける」「寝る前の水分を減らす」「寝る前にトイレに行く」などの対策がとれます。まず、カフェインには利尿作用があります。緑茶やコーヒー、紅茶などにはカフェインが含まれていますので、夕方以降は飲まない方が良いでしょう。またカフェインには睡眠を妨げる効果もあるので、睡眠状態を良くするためにも夕方以降は避けてください。 母は緑茶が大好きなんですよね。いつも飲むのは緑茶です。それも夕方以降は減らした方が良いんですね。 次に、寝る前の水分を減らすことも有効でしょう。やはり寝る直前に水分を摂っていると夜中にトイレに行きたくなりますから。ただ、ご高齢者は水分をあまり摂らないことも多いので、昼間は積極的な水分摂取を意識してくださいね。当たり前のことですが、寝る前にトイレに行くことも大切。認知症の人の場合、ご自分ではトイレに行くのを忘れてしまうこともありますので、「寝る前にトイレに行っておこう」と声掛けしてください。 そうだ、さっき「日中にしっかり活動できているか」が夜の睡眠に影響していると言っていましたよね。どうしたら、昼間の活動量を増やせるんでしょうか? 趣味の活動や買い物などの外出の時間を増やしてみるのはどうでしょうか?お母様が好きなことであれば何でも大丈夫ですよ。特に、身体を動かしたり誰かとコミュニケーションを取る時間を増やすのが効果的とされています。なので、デイサービスに参加してレクレーションをしたり、他のご利用者とおしゃべりする機会を作るのも良いかもしれません。 デイサービスは、週3回、利用しています。楽しそうに通っていますし、増やしてみても良いですね。 それは良いですね!また、睡眠環境については先ほどお話しした通り、部屋を暗くするのが大切です。なので、トイレに起きるときに真っ暗だと危険な場合は、足元だけ照らすライトを利用すると安全を確保できるでしょう。また、外の光が差し込んでしまう場合は遮光カーテンにするのが効果的。できるだけ、睡眠中に光を感じないような工夫をしてみてください。 在宅介護の負担を減らして良い睡眠を いくつかお母様が眠れるような方法をお伝えしました。しかし、今後、オムツ交換の介助などの夜間の介助が必要になることもあるかもしれません。そうなると、熊谷さんの負担はさらに大きくなる可能性があります。あまりに負担が大きいと、「介護疲れ」が原因で熊谷さんが体調を崩してしまうかも。そうならないように、今から介護の負担を軽減する工夫をして睡眠時間を確保しましょう。 今もすでに睡眠不足でつらいのに、もっとつらくなるかもしれないんですね…。その「介護の負担を軽減する工夫」とはどんなものなんでしょうか? そうなんですね!介護サービスにはいろんなものがあってややこしいので、次のリストにまとめてみました。在宅介護サービスについては、以下のご質問でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 デイサービス ショートステイ 短期入所療養介護 小規模多機能型居宅介護 福祉用具レンタル へぇ!在宅介護サービスってこんなに種類があるんですね! そうなんです。特に、訪問介護には夜間も対応している事業所もありますし、ショートステイは宿泊サービスなので宿泊期間は施設に介護をすべて任せられます。うまく活用できれば、夜間の介護の負担を減らせると思いますよ。今も熊谷さんの負担が大きい状況のようなので、早めにケアマネジャーさんに相談してみることをおすすめします。 そうですね。もうすぐケアマネジャーさんとの面談があるので、そこで相談してみます。 在宅介護サービスを活用していても介護を続けるのに限界を感じたら、介護施設に入居することも検討した方が良いでしょう。ちなみに、介護施設には以下のようなものがあります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 養護老人ホーム ケアハウス 介護施設もたくさん種類があるんですね! 施設によっては人気で入居までに時間がかかる場合があります。費用が安くて人気の特養の中には、入居申し込みしてから入居までに2年以上待つこともあるそう。空室がなくて希望の施設にすぐに入れないこともありますので、余裕のあるうちに施設探しをすることをおすすめします。なので、在宅介護サービスを活用して自宅での介護を継続しつつ施設探しをして、入居の順番が来たら老人ホームに入居するのが理想的な流れですね。もし、施設探しでお困りのことがあったら、お気軽に「いい介護 入居相談室」までご連絡ください。介護施設に詳しい入居相談員がご希望に合った施設をお探ししますよ! 高齢者が夜間に眠れないのは、トイレの回数の増加や昼間の活動量の減少が原因かも 高齢者の不眠には、利尿作用のあるものを避けたり、日中の活動量を増やすのも効果的 介護サービスを利用して介護の負担を減らすことが睡眠時間の確保につながることも pre { ...

2023/01/10

認知症対策 在宅介護 認知症介護

認知症の母親が夕方になると「家に帰ります」と自宅から出ていこうとします。どうしたらやめさせられますか?

同居している認知症の母を在宅介護しています。母は日中はテレビを見たりしておとなしいのですが、夕方になると決まって「夕飯を作らないといけないので、家に帰ります」と言って、自宅から出ていこうとします。 一人で外出して迷子になったことがあるので、母を止めると「助けて!」と大声で叫ぶこともあって…。どうしたら外出しようとするのをやめさせられますか? (吉岡さん・会社員・59歳) お母様の状態は、おそらく「夕暮れ症候群」と呼ばれるものでしょう。夕暮れ症候群は、夕方になるとそわそわして一人で外出したり、ちょっとしたことで気持ちが不安定になる状態のことです。認知症の影響で起きていることなので、無理に行動を制限したり説得しようとすると逆効果になることも。むしろ、お母様とおしゃべりしたり一緒に外出して気持ちを紛らわせる方が気持ちが落ち着くと思いますよ。 「夕暮れ症候群」の原因は? 同居している認知症の母の在宅介護をしています。昼間はテレビを見ておとなしいのですが、夕方の16時過ぎになるとそわそわして「家に帰ります」と、一人で出かけようとするんです。何度か勝手に出ていってしまったことがあって、近所の人にみつけてもらって自宅まで送ってもらったこともあります。これまでは何事もなかったから良いですが、もし事故か何かに巻き込まれたら、と思ったら…。どうして母は自宅にいるのに「家に帰る」なんて言うのでしょうか? おそらく「夕暮れ症候群」と呼ばれる状態ですね。認知症の影響によってさまざまな混乱が夕方に現れる状態なんです。夕暮れ症候群にはいくつか特徴がありますから、1つずつお話ししていきますね。 夕暮れ症候群とは 夕暮れ症候群は、その名の通り夕方になると現れる症状のことを指します。代表的なのが、お母様のように「家に帰りたい」と訴えること。「帰宅願望」とも呼ばれる認知症の周辺症状(BPSD)の1つです。帰宅願望については、以前のご質問でもお答えしています。参考にしてみてください。 他にも、辺りが暗くなる時間になるとそわそわして室内を歩きまわったり、感情が不安定になってちょっとしたことで泣き出したり怒り出したりするケースもあります。 母も似たような状況です。明るいうちは黙ってテレビを見ているのに、夕方になると不安そうな顔でそわそわと歩きまわっていますね。うちの母だけではなく、認知症の人には珍しくない状態なんですね。 夕暮れ症候群の原因は さっき、夕暮れ症候群は認知症の影響、と言っていましたが、どうして認知症と夕方になると落ち着きがなくなることが関係しているんですか? 空が暗くなってくることで不安がつのり、認知症の症状が一時的に強くなることで夕暮れ症候群が起こるとされているからです。私たちも辺りが暗くなってくると、気持ちが焦ったり不安な気持ちになることがありますよね。そうした気持ちが認知症の症状にも影響すると考えられています。 なるほど…。そうした夕方の不安な気持ちが認知症の症状に影響してしまうんですね。 そうなんです。例えば、認知症の症状に「記憶障害」というものがあります。記憶障害とは、新しいことを覚えられなくなったり最近の記憶がなくなってしまう症状です。記憶障害によって、直近の記憶がすっかりなくなって数十年前に感覚が遡っていることもあります。そうすると、今の家が自分の家とわからなくなったり、年齢を重ねた家族の顔がわからなくなったりすることもあるんです。 へぇ!そんな症状があるんですね。今の家には20年ほど前に引っ越したので、母の記憶がそれ以前まで巻き戻っていたら、今の家が自分の家であることがわからなくなってるかもしれないわけですね。 おっしゃる通りです!「今の家の記憶がないので自分の家とわからず、前の自宅に帰ろうとしている」と考えると、お母様の言葉は自然ですよね。また、認知症の症状には「見当識障害」というものもあります。これは、今の時間や自分がいる場所がわからなくなること。今の状況を理解する認知機能が低下してしまっているため、知らない場所にいる不安から家に帰ろうとしている可能性もありますね。 そういうこともあるんですね…。 それに、夕方は夕飯どき。数十年前の感覚で過ごしているお母様は、「家族のために夕食を作らないといけない」と考えているのかも。家族に食事を作るために自宅に帰ろうとしているのかもしれませんね。 あぁ!そういえば「夕飯を作らないといけないので帰ります」と言っていたこともありました。いつも私の妻が食事を作っているので、そのときは「何を言っているんだろう?」と思っていたのですが…。そういうことだったんですね。 加えて、夕方はご家族が夕食の支度などで忙しくしている時間ですよね。そういう姿を見て、「忙しいときに邪魔してしまうのでは」と感じることもあるでしょう。そうした遠慮から「家に帰ります」と言っている可能性もありますよ。 自宅にいるのに「家に帰ります」なんて、「なんてめちゃくちゃなことを言っているんだろう」と思っていましたが、ちゃんと理由があっての言葉だったんですね。 「夕暮れ症候群」の対策は? 母が夕方に落ち着きがなくなる理由がわかって、少し安心しました。ただ、外に出ていくのは危ないので手を引いて引き止めると「助けて!」と叫んだり、大声で騒いだりするんです。ご近所に迷惑になるのでどうにかしたいんですが…。何か良い方法はないでしょうか? お母様の好きなことを勧めたり一緒におしゃべりをして、気を紛らわせるのはどうでしょうか? えぇ?そんなことで良いんですか? はい。むしろ、無理やり外に行くのを制止したり玄関の鍵をかけてしまうと、「知らない家に閉じ込められた」とお母様が考えてパニックになってしまう可能性があります。なので、一時的にでも気をそらせて「家に帰りたい」という気持ちを紛らわせるんです。 そうか、母にとって今の家は”自分の家”ではなく”他人の家”なんですもんね…。具体的には、どうやって気を紛らわせるんですか? お母様が興味を持つものであれば何でも良いんです。あやとりやぬりえでも良いですし、好きな音楽を流すのも効果があるかもしれません。もし好きなテレビ番組があるのであれば、「もうすぐ好きな番組が始まるよ」と言ってテレビを見てもらうのも良いでしょう。あとは、他のご家族も交えておしゃべりするのも効果的。特に認知症の人は認知機能が衰えることで、不安感や孤独感を感じやすいんです。なので、忙しいかもしれませんがお母様に積極的に声をかけながらご家族の団らんをするのはどうでしょうか? 家族の団らんか…。そういえば、認知症になってから母が会話に入らずに1人でいることが増えたような気がします。母と会話が噛み合わないことが増えて、他の家族が話しかけることが減ったんですよね。 やはり、認知症が進んでくると話が噛み合わないことが増えてきますよね。そういうときは、お母様の世界観に合わせて話すことも夕暮れ症候群への対策のひとつです。例えば、家に帰りたがっている様子であれば「もう遅いから、今夜は泊まっていって」「夕食を作ったから、食べていって」といった声掛けをすると、お母様も安心して過ごせると思いますよ。 そうやって言えば良かったんですね! また、夕方になってお腹が減っていることも不安の原因になっていることがあります。なので、軽食やおやつを食べてもらうと気持ちが落ち着くかもしれません。認知症の人の症状やそれが現れるきっかけになっていることは、一人ひとり違います。なので、お母様の視点に立った対応をしていくことが大切。時間はかかるかもしれませんが、徐々に症状が落ち着いていくと思いますよ。 夕暮れ症候群は夕方になると「家に帰る」と落ち着かなくなる状態のこと 認知症によって今いる場所や状況がわからず、不安になることが原因 趣味や話をして気を紛らわせたり、「夕飯を作ったので食べていってください」などの声掛けを pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/01/04

認知症対策 在宅介護 認知症介護

認知症の母親の作り話にどう対応したら良いですか?ひどい被害妄想に振り回されています。

同居する認知症の母の介護をしています。この数ヵ月、「家の庭に知らない人が立っている」「無言電話がかかってくる」など作り話をするようになりました。ときには、隣の家の人の名前を出して「泥棒に入ろうとしている」といった話もするようになり、困っています。 そうした話が母の嘘ということはわかっていますが、嘘を否定しても何度も繰り返すのでいいかげん、うんざりしています。どうしたら良いでしょうか? (吉岡さん・会社員・59歳) 嘘だとわかっていてもご家族の負担が大きいですよね。ただ、周囲の人には作り話だとわかっていても認知症の人、ご本人にとっては本当のことなんです。なので、お母様の話を否定するのはNG。余計に不安や孤独感が強くなって作り話がエスカレートしてしまう可能性があります。なので、嘘だと思っていても否定せずに「そうなんだね」と流すことも大切。また、その作り話をする裏側にはお母様の孤独感や不安感が隠れている可能性もあります。よく話を聞いて、その不安感を取り除けると作り話が減るかもしれませんよ。 認知症の人の作り話にどう対応する? 最近、母が作り話をするようになって困っています急に「家の庭に知らない人が立っている」「無言電話がかかってくる」と言ったり、お隣の奥さんの名前を出して「うちに泥棒に入ろうとしている」なんてことも言うんです。そういう嘘を言う度に「そんなわけないでしょ」と言っているのですが、嘘をつくのを止めません。母は認知症なので、私がそう言ったことを忘れてしまっているのかもしれませんが…。母の被害妄想に付き合うのに、いい加減、疲れました。何か良い対応方法はありませんか? うーん。それは疲れてしまいますよね…。ただ、お母様が作り話をするのは認知症の症状の影響でしょう。そのため、お母様の話を否定すると認知症の症状が悪化して、作り話がエスカレートしてしまう可能性があります。 えぇ!?そうなんですか?それはなぜですか? というのも、周囲の人にとっては嘘でも認知症の人にとっては本当のことだからです。認知症の人は、病気の影響で認知機能や記憶力が低下していることにとても不安を感じています。その不安を解消するために、作り話を現実だと思いこんでいることが多いんです。なので、その作り話を否定してしまうとさらに不安感が強くなって、症状が悪化して作り話もエスカレートすることがあります。 そうだったんですね…。では、どうするのか良いのでしょうか? まずは、お母様の話を否定せずに耳を傾けてみましょう。作り話をする裏側には、孤独を感じていたり不安を感じていることがあります。それをじっくり聞くことで「大切にされてる」と安心感を得たり、不安の原因を解消するきっかけを見つけることもあるでしょう。 毎回、作り話を聞くなんてできないと思います。仕事や家事もありますし…。 もちろん、毎回、じっくり聞く必要はありませんよ。ちょっと時間や気持ちに余裕があるときだけでも十分です。忙しいときは、否定はせずに「そうなんだね」と肯定しつつもさらりと流すような対応だったら、吉岡さんの負担も少ないんじゃないでしょうか? なるほど。それでも良いんですね。それならできるかも。 それと、一人で介護を抱え込まないことも大切です。特に作り話の場合、周囲の人に影響が出ることもありますから、他のご家族やご近所さんに事情を伝えておいたり、ケアマネジャーさんやかかりつけ医に相談しておくことをおすすめします。 認知症の人の作り話の原因は? 母の作り話への対応がわかって、ちょっと安心しました。でも、そもそもなんで認知症で作り話をするんですか? 認知症になると、記憶障害や見当識障害などの認知機能が低下します。その影響で「大切なものがどこにあるかわからない」など、認知症の人は常に不安を感じているんです。それを「泥棒に盗まれた」と思い込んで誰かのせいにすることで、自分の自尊心を保とうとします。つまり、自分を守るために作り話をしているんですね。 そういえば、先日、「財布を盗んだでしょ!」と母に責められたことを思い出しました。実際は自分でタンスの奥にしまいこんでいたのを忘れていただけなのですが…。それも自分を守るために妄想を思いこんでいたんですね。 そうなんです。「財布を盗まれた」という作り話は、「物盗られ妄想」とも呼ばれており、認知症の人によく見られる症状です。物盗られ妄想については、以前のご質問でも詳しくお答えしているので参考にしてみてください。 また、一緒に住んでいるご家族などの何気ない一言が作り話の引き金になることもあるんです。 私の一言が?どういうことですか? 例えば、お母様のわからない話題で他のご家族が盛り上がっていたりすると、孤独を感じて気を引こうと作り話をすることがあります。また、家の中の物の位置が変わって、物が見つからなくなったりすることが「泥棒に入られた」という作り話につながることもあるんです。 いろいろと心当たりがあります。気をつけないとですね…。 介護に疲れたら距離を取ろう ここまで、認知症の人の作り話への対応方法や作り話をする原因についてお伝えしました。参考になりそうですかね? そうですね。とても参考になりました。…でも、「否定せずに話を聞く」とか「何気ない一言が作り話の引き金になる」と言われると常に気を張っていないといけなくて、とても大変そうです。仕事と家事もやらなきゃいけなくて、そんな余裕はないかもしれません。 そうですよね…。介護はいろんなことに気をつけないといけないので、本当に負担が大きいと思います。なので、限界になる前に介護から離れましょう! え?介護から離れるってどういうことですか? 介護サービスにはデイサービスやショートステイなど、介護施設にご高齢者を預けるサービスがあります。これまでに利用したことはありますか? デイサービスは、週に1回、利用しています。 では、デイサービスの回数を増やせないかケアマネジャーさんに相談してみるのもアリかもしれません。デイサービスは、日中だけですが、ご高齢者を介護施設に預けられます。その空いた時間は、お母様の介護をせずに過ごせますから一時的なリフレッシュに良いですよね。 そうですね…。でも、昼間だけだと溜まった家事を片付けるだけで終わってしまって。 でしたら、ショートステイを活用するのはどうでしょうか?ショートステイは、1~30日まで利用できる宿泊サービス。食事やレクリエーションなども提供しています。少なくとも丸1日は介護から離れられますし、リフレッシュができると思いますよ。ご利用者の中には、数日まとめて利用して家族旅行を楽しむご家庭もあるみたいです。 介護サービスを家族旅行をするために利用して良いんですね! もちろんです!在宅介護は大変ですから、介護をする人のリフレッシュする時間は必要です。介護をする人の心身の健康をないがしろにしていたら、共倒れしてしまう可能性もありますからね。なので、介護のことを忘れて自分の趣味などに没頭する時間を”あえて”作ってください。その方が、リフレッシュした気持ちでお母様に接することができるようになると思いますよ。 認知症の人の作り話を否定するのはNG!症状が悪化するかも 記憶障害による不安感や孤独感が作り話の原因に 疲れたらショートステイなどで介護を休もう! pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

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