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コメダ珈琲を運営するコメダとコーヒーの輸入販売をおこなっている石光商事は、とろみがついたインスタントコーヒー「とろみコーヒー」を共同開発。2022年の11月からコメダ珈琲のオンラインショップで販売されています。 この商品は初めからとろみがついているため、飲み込む力が弱い嚥下障がいがある人でも味わい深いコーヒーを楽しめるそうです。 「とろみコーヒー」開発の背景 コメダ珈琲の開発担当である伊藤弥生氏によると、「とろみ粉でとろみをつけたコーヒーはおいしくないと、高齢者施設の利用者から避けられてしまう」という相談がきっかけで「とろみコーヒー」を開発することに至ったのだそうです。 それからコメダ珈琲と石光商事は、朝日大学歯学部に所属する谷口裕重氏の監修の元、2年半かけてコーヒーのコクや味わいを再現した「とろみコーヒー」を開発しました。 谷口氏は2022年11月12日に開催された健康に関する公開講座に登壇し、「とろみコーヒー」のようなとろみ調整食品を使う意義について次のように語りました。 「飲み込む力が衰え、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなっている人に対して、安全性ばかりを優先して食べることを禁止するのは良くない。『とろみコーヒー』のようなとろみ調整食品などもうまく活用して、安全かつおいしい食事を提供するのが大切。そうすると口もよく動くようになり、いくつになっても食事を楽しめる」。 「とろみコーヒー」の特徴 「とろみコーヒー」は個包装になっているインスタントタイプのコーヒー。90度以上の熱湯150mgを注ぎ、15秒ほどかき混ぜるととろみが付きます。 単にとろみ粉を加えたコーヒーは、どうしてもとろみ粉の味が混ざってしまうため、違和感のある味を感じる人も少なくありません。しかし「とろみコーヒー」はとろみ粉を加えなくても初めからとろみがついているため、そうした雑味を感じない自然な味に仕上がっています。 伊藤氏によると、「とろみコーヒー」にホイップクリームを加えると暖かいコーヒーゼリーのようになるとのこと。これなら、飲み込む力に問題がない一般の人でも新感覚のコーヒーとして楽しめそうですね。
2023/02/06
新たな研究で、ある程度以上の強度で運動をすると、認知機能が改善する可能性が示されました。 この研究はイギリスのロンドン大学が主導する研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Epidemiology & Community Health」という学術誌に掲載されました。 対象者をグループ分け 今回の研究は、イギリス在住の約4500人を対象に実施。また、ずっと座ったり眠ったりするなど活動量が少なかったグループと、中強度から高強度の運動を毎日約10分おこなったグループに対象者を分類しました。 ここでは、中強度の運動を早歩きや自転車、階段の上り下りなどを指しています。また、ジョギングや水泳、上り坂のサイクリングなど息が切れるくらいの運動を高強度の運動としています。 中強度以上の運動をすると認知機能が改善 研究グループは、対象者に活動モニターを装着してもらい、日々の活動を記録。それから、運動が記憶力や問題解決力などの認知機能にどう影響を与えたかを分析しました。 その結果、中強度から高強度の運動を毎日10分程度おこなったグループは、ずっと座ったり眠ったりしていたグループに比べて認知機能が改善したことが明らかになったのです。 特に、計画や整理などの実行機能に大きな変化が現れたと言います。 この結果を受けて、ラトガーズ大学に所属するスティーブン・マリン准教授は「短時間であっても運動する習慣を身につけることの重要性が示された」と述べました。 今回の研究をリードしたロンドン大学のジョン・ミッチェル教授は「研究参加者の元々の健康状態や睡眠の質など不明な点も多いので、さらに結果を検証していきたい」としています。 ジムに行ったりしなくても、歩くときにいつもより意識的に速く歩くだけでも効果がありそうです。お出かけのときに、試してみてはいかがでしょうか。
2023/02/02
デイサービスを運営している合同会社さわもとは、インターネット上で体操やレクリエーションなどができる「オンライン介護デイサービス」をスタート。平日の10時15分~15時におこなわれるそうです。 合同会社さわもとは、このサービスを通じて、新型コロナの感染拡大で外出できない高齢者の心身機能の維持に役立てたいとしています。 「オンライン介護デイサービス」の狙い 「オンライン介護デイサービス」は、オンラインミーティングなどで用いられているZOOMを使って、高齢者が自宅から介護士によるレクリエーションに参加できるというサービスです。 感染対策のために外出を減らし、「することがないから」「起きていると疲れているから」などと言って、ずっと横になっている生活を続けていると、体力低下につながる恐れがあります。 そこで、「オンライン介護デイサービス」に参加すると、家族以外の人と会うために身だしなみを整えたり、体操をするために身体を起こしたりする必要があります。そうして生活リズムを整えることで暮らしにメリハリがつき、高齢者の生きる活力につながるのです。 レクリエーションの効果 「オンライン介護デイサービス」でおこなわれているレクリエーションは以下のとおりです。 発声練習 音楽などを使った全身体操 食べ物が気管に入ってしまう誤嚥を防止するのための口の体操 高齢者に昔の暮らしなどを語ってもらう「聞き書きレク」 中でも特徴的なのは「聞き書きレク」と呼ばれるレクリエーションです。これは、高齢者が昔の暮らしや以前していた仕事、今考えていることなどを語ってもらい、職員がその内容を記録するというものです。 合同会社さわもとによると、「高齢者が若い人にものを教える機会を与えることで、誰かの役に立っていることを感じてもらい、高齢者の自己肯定感を高めている」そうです。 この「聞き書きレク」は認知症の人にも役立つのではないでしょうか。 認知症の人は新しいことは中々覚えられなくなりますが、古い記憶は保持されていることが多いです。そのため、「聞き書きレク」で昔のことを思い出して言葉にしてもらうことで、脳が活性化し、認知機能の低下を抑える効果が期待できそうです。 今回紹介した「オンライン介護デイサービス」は3月末まで無料モニターを募集しているそうなので、一度、話を聞いてみても良いかもしれませんね。
2023/02/01
新たな研究で、一人で食事を摂る高齢者はそうでない高齢者より早く老化することが明らかになりました。 この研究は三星(サムスン)ソウル大学病院によっておこなわれ、研究結果は「実験高齢者学」という学術誌に掲載されました。 老衰とは 今回の研究において、「老衰」は「老化が進行する過程で身体や認知機能が低下して、障がいや病気になる可能性が高くなった状態」と定義されています。 加えて、今回の研究をリードしているソン・ユンミ教授は、老衰の段階を測る指標を発表しています。 発表された指標は以下のとおりです。 体重の減少 筋力の減少 疲れを訴えることが多くなる 歩く速度の低下 身体活動量の低下 これらの指標のうち、1~2つ該当したら「老衰前段階」、3つ以上該当したら「老衰段階」としました。 孤食で老衰のリスクが上昇 研究グループは2016年から2年間にわたって、韓国在住の70~84歳の高齢者2072人の食生活と老衰の相関関係を追跡調査。その結果、一人で食事をすることが多い高齢者は、誰かと一緒に食事を摂る高齢者に比べて老衰のリスクが61%高いことが明らかになったのです。 また、一人で食事を摂る高齢者は、体重が落ちた人の割合がそうでない人に比べて3倍高いことが判明。さらに、一人で食事をする女性の高齢者高齢女性では歩く速さが遅くなった人の割合がそうでない人より2.8倍高いこともわかりました。 ただ、研究グループによると、一人で食事をする習慣があった人でも誰かと食事をするようになれば、身体の状態が回復する可能性があるそうです。 研究グループが、一人で食事を摂っていたが誰かと食事するようになった高齢者136人の身体の状態を調べたところ、老衰前段階や老衰段階にあった人の割合が3%程度低くなったことが明らかになったのです。 今回の結果を受けて、ソン教授は「一人で食事を摂る生活を続けていると、老衰の原因となる栄養不足やうつ病、社会的孤立などを誘発するリスクが高まることがわかった」と指摘。また「誰かと一緒に食事ができる機会を提供するような政策アプローチが必要だ」と述べました。
2023/01/20
新たな研究で、タンパク質を適切に摂取しながら筋力運動をおこなった高齢者は、筋肉量が増えて介護が必要な状態になりにくくなる可能性が示されました。 この研究は関西医科大学と日本ハムが共同で実施したもの。研究結果は「日本健康医学会雑誌」という医学誌に掲載されています。 対象者にタンパク質と運動機会を提供 今回の研究は、65歳以上の高齢者27人を対象に実施。対象者は、週2~3回、1日3時間の運動教室に参加。運動教室では、ストレッチ・有酸素運動・筋力トレーニング・リラクゼーションがおこなわれました。 また、タンパク質20gを含む食品を週4回、3ヵ月にわたって対象者に配布しています。 さらに、結果を比較するために、タンパク質を豊富に含んだ食品を与えず運動だけおこなう期間も3ヵ月設けられました。 タンパク質を補充しながら運動すると筋肉量が増加 調査の結果、タンパク質を食品で補充しながら運動した期間では、高齢者の筋肉量と握力が増加したことが判明。一方、タンパク質を補充せず運動だけおこなった期間では筋肉量と握力が低下しました。 高齢者の筋肉量が増えれば、ものを握れるようになったり、立つ座るなどの動作がスムーズになったりします。このように高齢者の筋肉量が増え、自分の筋肉で日常動作をおこなうことができれば、介護が必要な状態になるのを防げる可能性が高まります。 この結果を受けて、関西医科大学の西山利正氏は「タンパク質を摂取しながら適度な運動をすることで、高齢者の要支援・要介護度が戻ることがわかった。また、加工肉を食べても同時に継続的な運動をすることで、コレステロール値が悪くなったりすることもなかった」と話しています。 タンパク質の必要性 タンパク質は人体にとって不可欠だと言われていますが、それはどうしてでしょうか? それは、タンパク質が皮膚や筋肉、血管など生きるのになくてはならない部分を形成しているからです。 加えて、脳の機能をつかさどる神経細胞や、神経細胞に情報を伝達する物質もタンパク質からできています。そのため、タンパク質が不足した状態が続くと、脳の働きが悪くなって記憶力や集中力が低下するリスクが高まるのです。 このように、人が生きるのに欠かせないタンパク質。運動とともに毎日の生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。
2023/01/19
介護美容専門スクール「介護美容研究所」を運営する株式会社ミライプロジェクトは、介護美容サービスをケアプランのひとつとして導入するプロジェクトを1月から開始することを明らかにしました。 定期的に化粧などの美容サービスを提供し、その都度サービス提供者会議でプランの見直しを図って高齢者の生活の質の向上に努めたいとしています。 ケアプラン導入に至った背景 介護美容専門スクール「介護美容研究所」では、受講生が実際に高齢者に美容を提供して個人の変化を見るという卒業課題があります。 この課題の一環で、スクール講師の母親に化粧やネイルなどの施術をおこないました。その後「母親に今後も継続して美容サービスを受けてもらいたい」という家族からの要望があり、介護美容サービスをケアプランに導入することが決まったそうです。 介護美容研究所の取締役である大倉武彦氏は「今回のケアプラン導入をきっかけに、これからは当たり前のケアのひとつとして受けられるようにしていきたい」と話しました。 介護における美容の意義 介護において、美容とはどんな意義があるのでしょうか? まず、髪を切ってさっぱりすることで、利用者の気分が前向きになります。気分が前向きになれば、「自分でも髪飾りをつけたりできることをしたい」と意欲が出ます。意欲的に生活するようになれば、脳も活発に動き、認知機能の維持や改善も期待できるでしょう。 また、「美容師」という外部の人とコミュニケーションを取ることも脳に対して良い刺激になります。外部の人と話すと、普段と違う会話をしたり介護士とは違う反応をもらえたりすることがあります。そういった他者との関わりが、認知機能の維持や改善につながるのです。 介護において「高齢者の美容」は、食事や入浴などと比べてどうしても後回しになりがちです。しかし、ケアプランで決まっていれば、会議でこれまでやってきたケアの確認などをおこなうため、定期的に美容の機会を設けられそうですね。
2023/01/13
長野県塩尻市にある特別養護老人ホームで、鳥居や絵馬掛けを利用者と職員が共同で作り上げる神社作りがおこなわれました。 新型コロナの流行が長引き、初詣に行くのが難しい状況が続いています。そこで職員が、初詣に行けない利用者のために「神社作り」を提案し実現に至ったとのことです。 特養で「神社作り」 施設内に突如として現れた神社は、利用者約10人と職員7人が共同で制作し、12月末に完成したそうです。 高さが2m以上ある鳥居の骨組みは、アルミ缶でできているとのこと。またアルミ缶の上に赤いテープを巻きつけることで「鳥居っぽさ」を表現しています。 またしめ縄は、手先が器用な利用者が麻ひもを三つ編みにしたものを使用。絵馬かけや賽銭箱は段ボールに木目を写した紙などを用いて、なるべくリアルに再現してあります。 正月には、このお手製神社で利用者と職員が初詣。利用者からも「とても素敵な神社ができた」と好評だったそうです。 介護における制作レクの意義とは 今回の「お手製神社」のように、職員と利用者が一緒になって何かを作るイベントが、介護施設では頻繁におこなわれます。 どういった理由で、「お手製神社」のような制作レクが実施されているのでしょうか? 主に3つの理由が挙げられます。 1つ目の理由は「生活意欲の向上やコミュニケーションの活性化」です。職員や他の利用者と共同で作業することで、そこにコミュニケーションが生まれます。他者とのコミュニケーションを通して、生活への意欲を向上させるねらいがあるのです。また、コミュニケーションを取ることで、認知機能の改善も期待できます。 2つ目の理由は「手先の機能の維持と向上」です。今回、利用者がしめ縄を編んだように、手先を利用者に使ってもらうことで「ものを掴む」「ひもを結ぶ」などの手指の機能の維持や向上を図ります。 3つ目の理由は「上半身の筋力維持と向上」です。一定時間姿勢を保ったまま作業に取り組むことで、背筋や腹筋などの上半身の筋肉を鍛えられるのです。 「お正月」は古くからある日本最大の祝い事で、高齢者も楽しみにしていることが多いです。外出が厳しい高齢者が身近にいたら、お正月にちなんだ何かを手作りすると喜ばれるかもしれませんね。
2023/01/10
新たな研究で、新型コロナウイルスの流行によって高齢者の身体活動量が減少し、身体能力の大幅な低下が見られることが明らかになりました。 この研究は筑波大学によっておこなわれ、研究結果は「日本老年医学会雑誌」という医学誌に掲載されています。 研究の概要 今回の研究の対象者は以下のとおりです。 茨城県笠間市在住の高齢者(平均年齢73.2歳) 高齢者の健康や体力、身体活動に関する調査「かさま長寿検診」に参加した240人(男性107人、女性133人) 今回の研究では、対象者の身体活動や体力に関する2016~2020年のデータを解析しました。 研究の詳細 集められたデータを解析した結果、新型コロナウイルスの流行下では通常に比べて、より高齢者の体力や身体機能が低下したことが明らかになりました。 特に低下が大きかったのは、移動動作能力、歩行能力、柔軟性でした。 移動動作能力は、「Timed Up & Go」と呼ばれるテストを使って対象者の能力を測定。「Timed Up & Go」は、椅子に腰かけた状態からスタートし、合図があったら対象者は立ち上がり、3m前方にあるコーンを回って再び椅子に腰かけるというテストです。また対象者は、この動作を自分ができる最大速度でおこないます。 このテストは対象者に、立ち上がる、歩行する、コーンを回るなど複合的な動作を要求します。そのため、高齢者の下半身の筋力やバランス、歩行能力などの全体的な身体機能を評価できるのです。 このテストを対象者におこなった結果、通常の加齢に伴う変化と比べて新型コロナ流行以後のほうが、3倍以上も高齢者の移動動作能力が低下していたことが判明しました。 さらに対象者に、5mを通常の速さで歩いてもらったり、上半身を前方に伸ばして柔軟性を測る長座体前屈をしてもらったりもしました。 やはり通常の加齢に伴う変化と比べて歩行能力、柔軟性ともに大幅に能力が低下していました。特に柔軟性では、通常の加齢変化に比べ5倍以上も低下していることが明らかになったのです。 この結果を受けて、研究グループは「新型コロナ流行など日常生活に制限がある中では、移動動作能力や柔軟性が低下することがわかりました。高齢者の体力を維持するために、介護予防プログラムを実施する必要があると考えられます」と、高齢者の体力を維持するような取り組みの必要性を訴えました。
2022/12/26
2022年12月19日、厚生労働省は要介護1と2の訪問介護と通所介護を介護保険給付から外し、地方自治体が運営する事業に移管する案を、次回の介護保険制度の改正では見送る方針を固めました。 この議論については賛否両論あり、議論を深めるのが難しかったと見られています。 総合事業とは 以前から議論になっていた論点のひとつに、要介護1と2の人が受ける訪問・通所介護を、市区町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業(通称:総合事業)」に移管するという案がありました。 総合事業とは、「一部支援を必要とするが日常生活はほぼ問題ない人」を対象とし、その人らが要介護状態にならないようにサポートするというものです。 また、介護福祉士など専門的な資格が必要な介護事業と違って、総合事業は資格のないボランティアスタッフが担い手の中心になります。 総合事業は、報酬金額が一律に決まっていて予算に制限のない介護給付と違って、各自治体が独自に報酬を決めることができ、予算に制限もあります。そのため、介護保険給付で介護サービスの費用を賄うより安く済むため、国は要介護1や2の人の一部サービスを総合事業に移管しようとしていたのです。 議論について 介護サービスの一部を総合事業に移管する案について賛成している委員からは「より重度な要介護度3以上の人に対象を絞ることで、より効率的に専門的な介護サービスを提供できる」「保険給付の増加を抑制できる」などの意見がありました。 その一方で、「要介護1や2に指定されている人は認知症の人が多く、専門職の関わりが不可欠だ」など反対意見も多数挙がっていました。 淑徳大学で介護保障論を研究している結城康博教授は、「長い目で見ると、要介護度1や2の人に重点的に専門的なサービスを受けてもらい、要介護度3以上の人を増やさないほうが介護費用を抑えられる」と発想の転換を呼びかけています。
2022/12/22
2022年12月、株式会社ゴールドクローバーが運営する杖の専門店「近江一文字」は、濡れた地面でも滑りにくい杖の先ゴム「パワーグリップ」を発売しました。 近江一文字は杖の安全性を高め、高齢者の転倒事故の防止につなげたいとしています。 パワーグリップの特徴 通常の杖のゴムは硬く、接地面積も小さいため、特に濡れた場所では滑りやすいといった弱点がありました。 また、硬い材質だと杖を突いたときに反発力がそのまま身体に伝わり、痛みを感じることもあります。 一方、パワーグリップは柔軟性のある特殊な素材でできていて、雨の日でも滑りにくくなっています。また、杖を突いたときの衝撃を和らげるクッション性もあるため、痛みも感じにくいそうです。 転倒事故を防ぐために 高齢者の骨はもろく、たった1回の転倒で骨折したり場合によっては死亡することもあります。 消費者庁によると、65歳以上の不慮の事故による死因のうち、「転倒・転落・墜落」の死亡者数は交通事故の約4倍にもなるそうです。 また厚生労働省の調査では、高齢者の骨折や転倒が、「認知症」「脳卒中などの脳血管疾患」「高齢による衰弱」に次いで介護が必要となった主な原因になっていることも判明しています。 つまり高齢者が長く健康に過ごすためには、転倒を防止することが重要なのです。 では、どのようにして転倒を防止することができるのでしょうか? 消費者庁は、以下の対策が有効だとしています。 つまづかないように、床にものを置かない 廊下や風呂場に手すりをつける 身体機能低下による転倒を防ぐために、適度な運動を心がける 段差や傾斜など、転倒しやすい場所は明るく照らすなどして目立たせる 安心な毎日を送るために、転倒事故を防ぐ工夫を心がけましょう。
2022/12/07
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。